第132回

高血圧治療を中断後、脳室内出血を起した31歳男性

01.5.31

28歳で高血圧を指摘され内服治療をしていた男性が自分の判断で高血圧の治療を中断しました。朝方起床時より頭が痛くなり徐々に進行、気分が悪くなり冷汗を伴う様になり救急車である内科の医院に搬送されました。
来院時の血圧は202/136でした。アダラ−ト(降圧剤)舌下後、私の病院に紹介となりました。CTスキャン上、左側脳室内に出血を認めました。ほとんど脳の実質内には出血はなく脳室内のみに出血を認めました。出血の場所からAVM(脳動静脈奇形)、モヤモヤ病などを疑い血管造影を施行しましたが、結局異常血管はなく単なる高血圧性の脳出血でたまたま脳室に破れ込む場所に出血したものと考えられました。内科的な治療で順調に改善しています。高血圧の治療を自分の判断で中断することはたいへん危険です。必ず主治医と相談しましょう。

搬送時のCTスキャン

左側脳室に出血認める

脳実質内にはほとんど出血していない

麻痺を残さず回復する可能性が高い

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