20才男性が微熱と頭痛があり脳の病気を心配して受診されました。
症状は感冒によるものと思われましたが、念のためCTスキャンを撮りました。
CTスキャン上に右の大脳半球に脂肪を含む腫瘍を認めました。一部石灰化も認めました。
脳ではめずらしいですが奇形種の可能性があります。
もちろん脂肪腫の壁に石灰化したものの可能性も否定できません。
悪性の可能性は低いと思われます。
しかし、MRA( MRIを使った血管撮影)ではこの腫瘍の中を走る右の中大脳動脈が拡張しています。
拡張後に狭窄している様にも見えます。狭窄があるのであれば脳梗塞の原因になります。
一度血管造影で詳しく精密検査する必要があると思われました。
この患者さんは大学生で他県に住んでいるため夏休みに精密検査をすることになりました。
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