第152回

バスの中で転倒し頭部打撲した41才女性

01.7.9

バスの中で転倒し頭部打撲した41才女性

41才女性がバスに乗車中急停車したため転倒し頭部を打撲しました。
実はこの女性は24才の時小脳出血で手術を受けたことがありこの手術をした病院に運ばれました。
CTスキャン上小脳に高吸収域(白く見える部位)を認め外傷性脳出血かどうかが問題となりました。
その後精密検査及び打撲の治療経過観察目的にて私の病院に紹介になりました。
CT上たしかに白く見える部位がありましたが、手術後の変化であり外傷性の出血ではないと判断されました。この患者さんが24才の時に小脳出血した原因は静脈血管腫と言うことでしたので早速3D−CTを施行しました。すると結構大きな静脈血管腫が小脳に存在しました。この病気はあまり出血することはないのですが、この方は24才の時この血管腫が破れ出血した様です。結局打撲によるムチウチ症状もでなかったため3日間で退院となりました。このように手術後の患者さんが頭部打撲すると外傷性の変化か、以前の手術による変化かがわからないことがあります。

CTスキャン

これが出血か術後の変化かが問題だった・・・


3D-CT

後頭蓋窩に静脈血管腫認める

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