突然の激しい頭痛で救急車で搬送された74才女性
74才の女性が午後3時頃突然の激しい頭痛が出現し近くの内科の先生に往診してもらい私の病院に搬送されました。意識ははっきりしていましたが、項部硬直がみられました。くも膜下出血が否定できないためCTスキャンを撮りました。CTスキャン上、両側のシルビウス裂にくも膜下出血を認めました。すぐに血管造影が施行され両側のIC-PC動脈瘤(内頚動脈−後交通動脈分岐部動脈瘤)を認めました。CT上、左のシルビウス裂の出血が優位で、動脈瘤の大きさ形からも左の動脈瘤の破裂と判断されました。同日に左の動脈瘤に対してクリッピングという手術が施行されました。術後経過は良好でした。ところが翌日の朝6時頃突然うめき声と血圧上昇(200以上)が認められました。CT上、新たなくも膜下出血と右の急性硬膜下血腫が認められました。右の動脈瘤が破裂したものと判断され同日右の動脈瘤に対して再度クリッピングという手術が施行されました。一時期麻痺の悪化、意識障害の悪化がありましたが徐々に回復し、介助で立位可能となりました。今後の家庭復帰に向けてリハビリ病院に転床となりました。両側に動脈瘤があり左の手術の翌日反対の右の動脈瘤が破裂した症例です。