第163回

背部痛、発熱で発症した83歳の男性

01.8.27

83歳の男性が背部痛を訴えて近くの病院を受診しました。
発熱を伴っておりかなり強い痛みでした。
私の病院にMRIの検査依頼となりました。
MRI上、胸椎の椎間板に椎間板炎と思われる異常所見が見つかりました。
そしてその椎間板炎が上下の椎体に波及したようで椎体炎も起こしていました。
椎体炎はMRIの造影剤で強く増強されました。
おそらく細菌が原因でしょう。
化膿性脊椎炎という病気です。
悪化すると重篤になり生命の危険も出てきます。
まず、強力な抗生剤の治療で様子を見ます。
うまくいけば外科的な処置なしで改善する可能性もあります。
高齢者や糖尿病患者さんなど免疫力の低い方は要注意です。

胸椎MRI T2強調画像

椎間板に炎症がある

黒い椎間板に白い線上の陰影がある

椎間板炎の所見


胸椎MRI T1強調画像

椎間板炎の上下の椎体にも炎症変化あり

このT1画像では黒く(低吸収域)なっている


造影したもの脂肪抑制をかけているので、

白くなっているところは炎症の所見

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