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       診療日記 
      00.7.13 
      歩いてきたくも膜下出血 
      50才女性のKさんは自家用車から降りたとき、突然激しい頭痛が起こりました。 
      左側頭部の突然ガ−ンとくる激しい痛みでした。 
      しばらく、その場から動けなくなりじっとしていた。 
      友人に迎えに来てもらい、その日はそのまま自宅で休みました。 
      翌日近くの医院を受診しましたが、脳には異常がない、風邪だと言われたようです。 
      3日間点滴をしてもらいましたが、頭痛がなかなかとれず。 
      本人がこれはやはりおかしいと思い、発症4日目に私の外来を受診されました。 
      CTスキャンにてくも膜下出血を認めました。 
      すでに出血はCTスキャン上、薄くしか見えなくなっておりましたので、 
      あと3日遅く受診すればCT上異常が確認されなかったかもしれません。 
      この患者さんはすぐに3D-CTを行ない、 
      左のIC-PC(内頚動脈と後交通動脈の分岐部)に動脈瘤を発見しました。 
      すぐに血管造影、手術目的にてT病院に紹介となりました。 
      この患者さんは、くも膜下出血が発症しましたが、 
      おそらく出血量が少なく症状が軽かったと思います。 
      また幸いなことに4日経過しているのに再出血がまだないまま、 
      C Tスキャンで発見されたということです。 
      くも膜下出血は発症後どんどん症状が悪化することが多いのに、 
      この患者さんは出血が一応止まったことが運が良かったと思います。 
      再出血を予防するためにクリッピングの手術を受けなければなりませんが、 
      一歩間違えればすでに死亡していた可能性もあり、ラッキ−だッたと思います。 
      その後、この患者さんは無事手術が終り経過良好ということです。
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