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       診療日記 
      00.6.26 
      パルスジェネレイタ− 
      第6回では、「振戦症の新しい治療」について書きましたが、 
      その患者さんは左脳に脳深部刺激電極が入っており、 
      右の振戦のみ完ぺきに止まっています。 
      もう片方の右脳にも脳深部刺激電極が入れば、左の振戦もなくなります。 
      まだ、なかなかベッドが空かず入院できておらず、 
      もう片方の治療はおあずけの状態のようです。 
      数日前、私の診療にきて下さいましたので、 
      頭部・胸部レントゲン、頭部CT等を撮りました。 
      その、写真をご紹介します。 
      写真を見るとなんとも生々しい感じがします。 
      頭部レントゲンでは脳深部に深く挿入された電極がよくわかります。 
      刺激のためのパルスジェネレイタ−は、頭蓋骨をでたあと頭部の皮下を通って 
      頚部の皮下をくぐり、左胸部に埋め込まれています。 
      治療効果の素晴らしさに感激しましたが、 
      なんともサイボ−グのような写真に複雑な気分です。 
      しかし、本人はうれしくて、うれしくてたまらないようです。 
      もう片方の手術が待ち遠しいと言っていましたので、 
      やはり素晴らしい治療なのでしょう。 
       
      このパルスジェネレイタ−は、朝スイッチを入れて、 
      夜寝るときはスイッチを切るそうです。 
      節電のためだそうです。 
      電池が5年くらいしかもたないのが夜電池を切ると8年くらいもつということです。 
      心臓のペ−スメ−カ−は24時間切ることはない(もちろん患者さん心臓の状態で 
      刺激の回数は異なるので電池の消耗は人によって違う)ので、 
      同じ様な刺激電極でもこのペ−スメ−カ−とパルスジェネレイタ−は 
      医療上全く異質のものと思われます。
    
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