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       診療日記 
      00.7.7 
      
      食中毒について 
      雪印乳業の食中毒が今話題になっています。 
      黄色ブドウ球菌の毒素が原因ではないかと報道ではいわれています。 
      調査が進むにつれ原因については明らかになっていくものと思われます。 
      今日は、食中毒について話します。 
      日本では毎年1000件以上の食中毒が発生し、患者数は3万人にもおよんでいます。 
      (今年は雪印の事件のため、過去最悪の数になるかもしれません。) 
      最近は、発生数は以前より衛生状態が良くなって減少していますが、 
      外食の機会の増加や調理方法の大量画一化(給食センタ−や今回の雪印等)から、 
      一回発生した場合の患者発生数は増加傾向にあります。 
      さて、この食中毒の大半は細菌が原因で発症しています。 
      細菌性食中毒とは、食品中で有害な細菌が大量に増えたり、 
      細菌がつくった毒素を含む食品を食べることによって起こる病気をいいます。 
      多くの場合、嘔吐、腹痛、下痢等の急性の胃腸症状を引き起こします。 
      
      食中毒を予防するためには・・・ 
      食中毒をよく起こす食品として、仕出し弁当、会食料理、握り飯、刺し身等があります。 
      しかし、あらゆる種類の食品が食中毒の原因になります。 
      (今回の雪印もよくある事ではありませんが、やはりあり得ることです。) 
      食中毒を予防するには次のようなことを注意するしかありません。 
      1.細菌を付けない 
      生肉や魚に付着していた細菌が手や調理器具を介してその他の食品に付き、 
      そこで細菌が増えること食中毒を起こすことがあります。 
      手や器具を清潔にし食品を保存するときには清潔な容器に入れるか 
      ラップに包むようにしましょう。 
      2.細菌を増やさない 
      食品についた細菌は時間が経つとともに増えていきます。 
      食品は調理したらなるべくはやく食べるのが基本です。 
      保存する場合は冷蔵庫に入れましょう。(冷蔵庫を過信してはいけませんが) 
      3.細菌を殺す 
      食品に付いたり、増えてしまった細菌は、加熱すると殺すことが出来ます。 
      この場合食品中心部まで十分に加熱することが必要です。 
      しかし、加熱できる食品は限られていること、 
      また調理における加熱では細菌がつくる毒素を殺すことはなかなか出来ません。 
      加熱したから大丈夫と過信してはいけません。
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