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       診療日記 
      00.7.18 
      
      28歳の女性のOさんは、最近頭痛ふらつきを自覚していました。 
      徐々に症状が悪化するので、当院を受診されました。 
      頭部CT上、右の視床に脳腫瘍を認めました。 
      造影剤にて、リング上に増強効果を認めました。 
      これは、典型的な悪性脳腫瘍の時認められる所見でした。 
      頭痛が激しく辛そうでしたので早めにK大学病院に紹介しました。 
      画像上はグリオブラスト-マと言う悪性脳腫瘍 転移性脳腫瘍、 
      脳膿瘍と言う炎症が鑑別診断に上がりましたが、やはり悪性脳腫瘍を疑いました。 
      K大学病院でも結局手術はせずに組織検査と脳室の水を抜く処置をしました。 
      化学療法にて腫瘍が縮小するのを期待して治療することになりました。 
      この脳腫瘍は、組織検査の結果結局グリオブラスト-マと言う 
      きわめて悪性度の高い脳腫瘍でした。 
      手術をしても治療効果が期待できないため、 
      手術ではなく化学療法をすることになりました。 
      少しでもこの治療が効果を出すことに期待したいと思いますが、 
      脳の悪性腫瘍は現代の医学でもなかなか治療が困難です。 
      こういう病気が見つかると我々医師も暗い気持ちになります。 
      目の前の患者さんに対してあまり有効な手助けが出来ないのは大変辛いことです。
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