第67回

保存的に治療し、救命できたくも膜下出血

00.9.15

保存的に治療し、救命できたくも膜下出血

92歳という超高齢の患者さんが突然の頭痛で発症しました。
翌日、私の病院に紹介されました。
CT上、脳幹部右側のくも膜下腔に出血を認めました。
普通であれば緊急血管造影、緊急手術なのですが、この患者さんは92歳という高齢でした。
また、痴呆症状もあり、手術の適応と判断されず、保存的に治療しました。
主に安静、降圧、止血剤の点滴などで内科的に治療されました。
結局1ヶ月後のCTで出血は消失しました。手術無しで救命されました。
3D−CTの検査で椎骨動脈の後下小脳動脈分岐部に動脈瘤が発見されました。
この患者さんは救命されましたが、残念ながら痴呆がかなり進行しました。
この動脈瘤は手術をしない限り再出血の危険性がありますが、
年齢や痴呆の存在のため、このまま内科的に診ていくしか方法がありません。

発症翌日のCTです

脳幹部右側のくも膜下腔に出血を認める


1ヶ月後のCTです

脳幹部右側のくも膜下出血は消失しています


3D- CTです

右側の椎骨動脈(後下小脳動脈分岐部)に動脈瘤を認める

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