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       バレ-ボ-ル中、突然右下肢麻痺を起こした30歳男性 
      30歳男性が突然激しい頭痛、後頭部痛が起こりました。 
      数日寝込みましたが、特に病院には行かず、そのまま様子を見ました。 
      徐々に頭痛はとれてきましたが、鈍痛が残りなかなかすっきりしませんでした。 
      その後数ヶ月が経ち妻の勧めである病院を受診しました。 
      CTスキャンを撮りましたが明らかな異常は認めませんでした。 
      数日後、バレ−ボ−ルの練習中突然右下肢の麻痺が起こりました。 
      そのまま、私の病院に搬送されました。 
      やはりCTスキャン上、明らかな異常所見はなく、翌日MRI を撮りました。 
      MRI 上は、左の前頭葉に脳梗塞が確認されました。 
      これが今回の右下肢麻痺の原因と思われました。 
      30歳の若さでの脳梗塞であり、何か脳血管の病変があるのではないかと考えられ、 
      MRA (MRIを使った脳血管撮影)を行いました。 
      MRA 上、右椎骨動脈に解離性動脈瘤が確認されました。 
      しかし、この血管と今回の脳梗塞の場所は因果関係はなく全く別の異常と判断されました。 
      おそらく数カ月前の激しい頭痛はこの解離性動脈瘤からのくも膜下出血が原因であろうと思われました。 
      自然経過の中で再出血せずにすんだものと思われました。 
      しかし今後再出血の可能性は残っており経過観察となりました。 
      結局、なぜこの若さで脳梗塞を起こしたのかはわかりませんでした。 
      また、解離性動脈瘤を起こすこと自体何らかの血管の脆弱性の問題があるものと思われますが、 
      明らかな原因は同定できませんでした。
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