第73回

肥満は病気か?

00.9.25

肥満は病気か?

肥満という身体状況は、一般の関心が極めて高い。
しかし、その関心の多くは
美容的見地からのものであったり、
健康面からでも単に
体重が重ければ悪いと画一的に論じられることが多く、
本来の
医学的な見地とはかけ離れているのが実情である。
そのうえ、そのような関心を利用した営利目的の施設や
医師さえも存在するということは大きな問題である。

肥満とは「脂肪組織が過度に蓄積した状態」で、太っていても合併症はなく、
健康的に活動している人は多数あり、肥満が直ちに病的であるとは言えない。

肥満によって糖尿病、高血圧、高脂血症
さらに
動脈硬化性疾患などの生活習慣病の発生頻度が高くなることや、
整形外科的疾患や呼吸器循環器障害が生じることは良く知られていることである。

このような合併症が起こりやすいのは肥満の中でも
腹腔内内蔵脂肪の蓄積が多い型であることがわかっている。

肥満は脂肪分布によって次の2つに分類される。
1.内臓脂肪型肥満
2.皮下脂肪型肥満

1.が病的肥満で成人病の合併がだんぜん多いのである。

さてみなさんはどちらでしょう・・・・

下にそれぞれのCTスキャンを提示する。

2.皮下脂肪型肥満

皮下脂肪は多いが腹腔内脂肪は少ないのが分かる

黒い部分が脂肪


1.腹腔内脂肪型肥満

ほとんど皮下脂肪はないが腹腔内には脂肪が著明

腹腔内が脂肪のため真っ黒

診療日記ホ−ムへ