| 
       突然右下腹部痛で発症した27才女性 
      27才のNさんは、スナックに勤務中、 
      突然右の下腹部痛が起こりました。 
      お店の人に連れられて私の病院を受診されました。 
      来院時血圧低下(75/50)を認めショック状態でした。 
      意識はまだはきりしていましたが、かなり腹痛が強く、顔面蒼白でした。 
      右下腹部に圧痛を認めました。 
      腹部超音波上は右卵巣に腫瘤を認め、 
      ダグラス窩(直腸と子宮を間)に液貯留を認めました。 
      卵巣腫瘍からの出血または子宮外妊娠を疑いました。 
      本人に妊娠の可能性、最終月経を確認しましたが、 
      月経は数日前に終ったばかりだということで妊娠は否定されました。 
      しかし、超音波検査からは強く子宮外妊娠を疑い産婦人科へ紹介しました。 
      結局、産婦人科の診断も右付属器の子宮外妊娠で緊急手術となりました。 
      幸い、手術は問題なく終了し救命出来ました。 
      本人への最終月経の確認で、 
      本人が月経と思っていたものは実は不正出血だったようです。 
      右付属器の子宮外妊娠破裂で大量に腹腔内出血したものと思われました。 
      子宮外妊娠は女性特有の急性腹症の原因となる代表的な疾患と考えて診療すべきです。 
      そして患者さんの最終月経に期日は参考にすべきですが、 
      その情報を完全に信じると誤診の可能性があり注意すべきです。 
      この患者さんも不正出血を正常月経と思っており、 
      最後まで妊娠を否定されていました。
      |