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       便秘の症状で受診し直腸癌が発見された31才女性 
      31才の女性が以前から便秘の症状がありました。 
      最近この便秘がひどくなり病院を受診しました。 
      便潜血検査で陽性が出て大腸ファイバ−検査をすすめられました。 
      この大腸ファイバ−検査で 
      直腸に全周性の直腸癌があることがわかりました。 
      すでに進行癌でした。 
      31才の若さですが残念ながら進行癌で 
      肛門に近いことから人工肛門にせざるを得ませんでした。 
      また、CT検査では一応画像上の転移病巣は見つかっていませんが、 
      今後他臓器への転移も考えられるため、抗癌剤の投与も必要と考えられます。 
      大腸癌など高齢者の病気と考えられがちですが、 
      こういう若い方の癌も時々経験します。 
      やはり何らかの便通異常(便秘、下痢、出血、便が細い、等)の方は注意すべきです。 
      一度検査を受けましょう。 
      私が以前(13年ほど前)経験した患者さんで、28才の妊婦の大腸癌がありました。 
      妊娠6ヶ月の時大腸癌と診断されましたが、 
      出産まで待たざるを得ませんでした。 
      しかし、出産後検査してみると、この大腸癌は著明に増大し、 
      ソフトボ−ル台に大きくなっていました。 
      すでに、転移しているのが発見されました。 
      結局、元気な赤ちゃんを出産されましたが、 
      出産後6ヶ月でこの女性はこの癌の進行で亡くなりました。 
      妊娠中であったため手術検査が制限された例です。 
      かわいそうな症例でした。 
      ですから若いということは検査をしない理由にならないのです。 
      便通異常の方はやはり一度検査しておくべきです。
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