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       腹部超音波検診で右腎臓に腫瘍が発見された46才女性 
      46才の女性 I さんは、腹部超音波検診で右腎臓に腫瘍を指摘されました。 
      前回の検診でこの腫瘍が指摘されていなかったので、 
      成長が速い腫瘍ということで、腎臓癌が疑われました。 
      CTスキャンの検査で血管の豊富な腫瘍であることがわかりました。 
      しかし、CTスキャンで見ると腫瘍内部に脂肪が確認されました。 
      脂肪のある腎臓の腫瘍は血管筋脂肪腫と言って 
      良性の腎臓腫瘍によく見られる特徴でした。 
      しかし、MRI の検査では腎臓癌で特徴的な血流パタ−ンを示しており、 
      この腫瘍は良性か悪性かが検討されました。 
      結局、泌尿器科に紹介しましたが、放射線科の血管造影の検査で、 
      良性の血管筋脂肪腫と診断されました。 
      前回の検診で指摘されなかったのが、 
      腫瘍の増大速度が速いと誤解してしまったため、 
      悪性が最後まで否定できなかった理由です。 
      結局、良性でほっとしましたが、 
      この腫瘍は出血の可能性があるということがわかり、 
      塞栓術という処置が必要と判断され腎臓の動脈のなかに 
      塞栓物質(スポンジの様なもの)と金属コイルを入れ 
      腫瘍血管を塞栓(詰めること)しました。 
      後で血管造影で確認しましたが、この腎臓の腫瘍は消失しました。 
      結局良性の腫瘍でしたが、出血の予防治療までうまくできました。
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