手の不自由な方との交流体験
子どもたちにもっと詳しく調べてみたいという課題を決めさせたときに、T児が「体のどこかを失った方の気持ちを実際に聞いてみたい」という課題を作った。
そんな折り、片手を事故で失ったK氏の存在(社会福祉協議会の職員)を知り、子どもたちとの交流体験が実現した。
(授業の実際)
1.子どもたちの自己紹介
ひとりずつ、「名前、好きなもの(勉強・スポーツ等)」を自己紹介していった。
その間、K氏は一人一人の言葉に相づちを打ちながら聞いておられた。時折、質問もされていた。
2.ゲーム
フルーツバスケットをK氏や担任も含めてみんなで行った。
3.K氏の話
まず、ここまで車で来たこと、車にはハンドルにユンボのようなものがついているから片手でも運転できること、ウインカーは足についていることなど、車のことから話を始められた。
また、みんなが助けてくれないときが困る。障害者の人が困っているようなときは、まず、あいさつをして声をかけてほしい、という内容を話していただいた。
4.子どもたちからの質問
その後、質問タイムになり、主に次のような質問が出された。
・いつ事故にあったのか。→小学校3年のときに交通事故。
・仕事は何をしているのか。→社会福祉協議会でみんなが幸せになるようにがんばっている。
・事故にあって一番変わったことは?→生活の仕方が変わった。今まで簡単にできることでもできないようになった。
・どんなことを手伝ってもらいたいか?→荷物を運ぶときなど手伝ってもらいたい。声をかけてほしい。
5.K氏から子どもたちへの質問
子どもたちの質問がとぎれたので、K氏から子どもたちへ質問があった。
(1)車椅子やアイマスク体験などをする前とした後で、どんなことを感じましたか。
・体が不自由だと大変なのだなあと思った。
・アイマスクをはめると、サポートしてもらわないと大変。
・アイマスクは階段がこわい。壁にぶつかりそう。
・車椅子は大変。
・手話は大変。手も痛くなる。
・浦島太郎(高齢者擬似体験)では、体が動きにくく、階段の上り下りが大変だった。目も見えにくく本を読むのも大変。
・また、物もつかみにくく、ふたあけが難しかった。
以上のような答えが子どもから返ってきた。
(2)では、体の不自由な方に、どのようにしてやったらよいと思いますか。
・手伝ってやればよい。
・手伝ってくださいと言われたら、手伝ってやるとよい。
(3)段差があるときはどのようにしてやればいいですか。
・補助についてやる。
・目の見えない人には段差があります、と言ってやる。
以上の意見に対して、K氏は次のような話をされた。
「環境を整えることも大切です。例えば、段差の横にはスロープをつけたりすればよいのです。このように、環境を整備することも大切なのです。」
最後に一人ひとりの子ども達とあくしゅをして授業を終えた。
(考 察)
多くの子が「事故で片手がないのに、明るく元気で仕事などにもがんばっておられるので驚いた。Kさんの話を聞いて、困っている人がいたら、助けてやろうという気持ちが増えました。」と感想を書いていた。
今回の交流によって、子ども達は障害者に対するイメージが変わったようである。交流体験は大変意義のある実践であったと思う。