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モラルハラスメント |
最近、テレビなどのメディアでも、
モラルハラスメントという言葉を聞くようになりました。
言葉が広まってきたことで、
相談者自らが「モラルハラスメント」という言葉を使われることも多くなりました。
それを考えると、今の状況は喜ばしいことだと感じています。
しかし、テレビでコメントを語る人たちからの二次加害かとも思えるような
発言を聞くことも多く、この問題の難しさを痛感します。
たとえば、「私なら言い返すから」「言い返す人は被害者にはならない」
などの発言がなされることがあります。
これは、言い返さない人に問題があるかのような印象を与えます。
わたしたちウィズでは、モラルハラスメントの場合、
言い返しても解決することはないととらえています。
言い返した場合、加害者は被害者の言った言葉を取り上げ
「こんなことを言うなんてお前は…」と攻撃してきます。
または「俺に反抗するのか。お前、何様のつもりだ」とか、
「そんなひどい言い方をするなんて…」と、
言い返した姿勢そのものを突いてきます。
また、もしそこで被害者が黙ると「無視するのか」と言われ、
その場を離れようとすると「逃げるのか」と言われます。
そのように「ああ言えばこう言う」状態の攻撃なので、
被害者は八方ふさがりだと感じ、言い返せなくなるのです。
言い返しても無駄だと分かった、と言った方が正確かもしれません。
第一、なぜ被害者の対応が
「落ち度」として問われなければならないのでしょう。
そのようなことは、二次加害につながることなのでやめてほしいのです。
今の現状として、言い返さなかった被害者は
まわりの人から「言い返さないからだ」と言われ、
言い返した被害者は「言い返すからだ」と責められる傾向があります。
どちらにしても被害者の対応が悪いかのような言い方をされるのです。
それは、起きていることを暴力ととらえていないときか、
もしくは「暴力の責任は被害者にある」「暴力は被害者が誘発する」などと
考えているときの発言ではないでしょうか。
それは、結果的に加害者の暴力の責任を被害者に押しつけ、
加害者を擁護することになります。
第三者まで被害者を攻撃するのはやめてほしいと願っています。
また、「罪悪感を感じやすい人が被害者になる」
「被害者は罪悪感を感じやすい人」などの言葉もよく言われますが、
これも誤解をまねく表現だと思います。
確かに被害者は罪悪感を刺激されています。
しかし、それはモラルハラスメントの原因や要因ではなく、
結果である可能性が大きいのではないでしょうか。
罪悪感を感じやすい人は、まわりの適切な関わりがない場合、
被害の状況から抜け出すのに時間がかかることがあるかもしれません。
しかし被害そのものは、そうではない人でも受けることがあります。
加害者の攻撃方法が、罪悪感を刺激するやり方なので
「人としての心」を持っているたいていの人は、罪悪感を刺激されてしまうでしょう。
決して、被害者が特別な人ではないのです。
ことさら「被害者像」を取り上げて論ずるのは、やめてほしいと思います。
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