月刊短波2023年12月号(第7版)
編集 赤林隆仁  時間  JST
◎Radio Andorra Revivalが年越し特別放送 7版新規
 英国のAlan Roe氏によると、Radio Andorra Revivalは大晦日の夜に年越し特別短波放送を行う。番組は「42 ans de Dance Music sur Radio Andorre」で、2024年1月1日05:00-09:00に7540kHz(Gavar)の予定で、05:00-07:00は100kW、07:00-09:00は300kWで放送する。(WORIG 12/26)

◎Pop Shop Radioの年末特番 6版新規
 
英国のTony Pavick氏によれば、米国Pop Shop Radioは以下のように年末特別放送を実施する。
 12/30 11:00-12:00 5960 Woofferton 250kW 294° 北米向
 1/1 07:00-08:00(12/30の再放送)3955 6070 9670 Channel 292 10kW
(BrDXC-UK io gr 12/14 via WWDXC TP 1565)

◎今年も米国から長波クリスマス特別実験放送 6版新規
 米国のBill Smith氏によると、米国の実験局WI2XLQ(在Viginia州Forest)は今年も12月25日06:00より24時間486kHzAMでクリスマス特別実験放送を実施する。また再放送を1月1日の06:00より24時間実施する。運用はアマチュア無線家WA1ZMSのBrian Justin氏である。受信報告は<WA1ZMS @ ARRL.Net>へ。(HCDX 12/22)

◎Sydney-Hobart間ヨットレース向海上気象放送 6版新規
 英国のMike Terry氏によると、今年も113隻が参加してオーストラリアのSyaney-Hobart間628マイルのヨットレース「Rolex Sydney to Hobart Yacht Race」が2023年12月26-31日に開催される。期間中はレース向に次のスケジュールで気象情報、レース状況が短波で提供される。ヨット及び関係者は短波4483/6516kHzUSBをモニターすることで情報が得られる。海岸局からは以下の情報は送信される。
 1)Bureau of Meteorologyによる気象通報(*はタスマニア島の気象通報);
  09:30 10:30* 13:30 14:30* 17:30 4426/8176/12365/16546kHzUSB
     01:30 05:30 21:30 2201/6507/8176/12365kHzUSB
 2)ヨットの位置情報;17:35 05:35 4483kHzUSB
    3)Tasmanian Maritime Radioからの気象通報;
  06:45 12:45 15:33 18:03 2524/4146/6627kHzUSB
(WORIG 12/22) 1)、2)はQueensland州のCharlesville Meteo VMC、3)はTasmania州HobartのTas Maritime Radioからの送信と思われます。

◎Radio Delta Internationalの12月スケジュール 2版新規 6版訂正
 
オランダRadio Delta Internationalの2023年12月23日付けのnews updateによると、同局はクリスマス期間中は次のスケジュールで放送する。Elburg送信所、1kW。 
    5 DACADES OF MUSIC  12/23 15:30-1800 6110 18:00-24:00 12030  12/24 15:30-17:00 6110
    RADIO DELTA GOES DX 12/24 17:00-18:00 6110
    FINNISH REQUEST 12/24  18:00-19:00 12030
    また12月24日の21:00-23:00にはRadio Telster(6045kHz Nauen 100kW 233°)を通じてクリスマス特番を放送する。(赤林

◎SE-TA2がクリスマス特番を放送 5版新規
 ドイツのDetlef Pagel氏によれば、同局は年1回の定期放送(クリスマス特番)「Musikalischer Frühschoppen」(音楽の朝をどうぞ)を放送する。スケジュールは以下の通り。
 12/25 18:00-20:00 6095AM Nauen 100kW 233°
    12/25 19:00-21:00 6195DRM Waldheim 2kW 0°
    12/31 18:00-20:00 6115 AM Hartenstein Saxony 1kW 0°
(WORIG 12/19) 受信報告等の宛先は<SE-TA @ web.de>。

◎Radio Northern Europe Internationalのクリスマス特番 5版新規
 
英国のDave Kenny氏がRadio Northern Europe InternationalのRoseanna氏から受け取った情報では、同局はクリスマス特番「RNEI Yule special」を2023年12月25日の23:00-翌日02:00にWoofferton送信所より5940kHz(125kW)で放送する。 Stephen (16 Gwendoline Street)、Mamma (M3)、DK (DK Radio)、Luca (Radio Carpathia) が登場する予定。(WORIG 12/19) URLはhttps://rnei.org/、受信報告は<qsl @ rnei.org>へ。

◎スペインRuquiRadioAMが短波でクリスマス特番 5版新規
 スペインのネット放送局RuquiRadioAMは2023年12月24日の02:00-05:00にクリスマス特別短波放送「Ruqui en la Onda Corta」(スペイン語)を行う。担当はJordan Alcolea氏、音楽の他DX番組「Captaciones RuquiDX」やSSTVによるイメージ送信も行う。同時にFMやインターネットでも中継する。周波数は以下の通り。
 短波 9670kHz Channel 292 Rohrbach 2kW 0°
               6931kHz Indy Radio(セビリア地方の海賊局)
    FM 100.70MHz Joven FM(El Pedernoso, Cuenca)
    インターネット http://www.ruquiradioam.com
    受信報告は、使用したアンテナ・受信機を明記し、受信画面コピーと音声サンプルを添付して<ruquiradioam @ hotmail.com>へ、特別eQSLが発行される。(AER foro DX via WORIG 12/18)

◎WRTH2024発行される 4版新規
 
World Radio TV Handbook 2024年版は予定通り12月15日に発行され、早期予約者の手許には既に届けられている。ページ数は2023年版の848ページに比べて816ページと減少している。これは国内向放送のページが減少したためで、世界的にラジオ放送局の数が減っていることがうかがえる。2023年版では活字が小さすぎて(特に冒頭の特集記事)見にくいとの批判があったが、大きく見やすい活字に改善されている。冒頭特集の内容は発行編集者Günter Lorenz/Oliver Schmidt氏による巻頭言、若手DXer Joakim Wecksrom氏(フィンランド)・ベテランDXer Glenn Hauser氏(米国)による自己紹介、編集協力者への謝辞、機器評価(Perseus 22、RTL-SDR、NXP TEF6686、NTI MegaLoop FX)、受信機ガイド、メキシコの公共放送Radio Educación、小さな国の放送局Radio Nauru、2024年の短波情勢、歴代プロフェッショナル短波受信機コレクション、NDB DXing、K9AYアンテナの遠隔受信方向切換システムなどである。更に「WRTH DX Club Partners」のページが新設され日本のJSWCも掲載されている。発行元のRadio Data Centerからの直接購入価格は$49.90でhttps://shop.radiodatacenter.net/product/wrth-2024-book/より注文可能である。日本短波クラブ(JSWC)では現在日本語による利用ガイドを作成中で、2024年初頭に例年通り一般国内頒布を開始する予定である(赤林)

◎年末休暇短波お勧め番組表公開 4版新規
 
英国のAlan Roe氏は2023年の年末休暇短波お勧め番組表(Holiday Programmes on Shortwave)を公開した。2023年12月16日-2024年1月1日の各局の英語お勧め番組を時間順に網羅している。https://app.box.com/s/kbdxb4c5lwpju0kpoi27aiwc35br2g2aよりダウンロードできる。(12/14) 上記のサイトからは「Music Programmes on Shortwave B23」、「Radio Romania International English Service Daily Programme Detailes B23」も同時にダウンロードできます。

◎FRS-Hollandが年末特別放送 3版新規
 
スペインのManuel Méndez氏によると、FRS-Hollandは2023年12月17日(日)の17:52-23:00に年末特別放送を実施する。内容は「FRS goes DXmas」等である。周波数は6185、7700、9335kHzの予定だが、9335kHzは9300-9345kHz間の別の周波数になる場合がある。放送内容は年内にストリーミング放送でも再放送される。(WORIG 12/12)

◎Atlantic 2000が12月9日に特別短波放送 2版新規
 
フランスのAtlantic 2000は来る2023年12月9日の18:00-19:00にドイツChannel 292より6070、9670kHzで特別短波放送を実施する。同時にhttp://radioatlantic2000.free.fr上でストリーミング放送も実施する。受信報告は<atlantic2000international @ gmail.com>へ。(Atlantic 2000)

◎Klingenfuss Publicationsの2024年版新出版物 2版新規
 Klingenfuss Publicationsから2024年版新出版物が2022年12月1日に発行された。価格は前年と同じである。主要なものは以下のとおりである、
 1) 2024 Shortwave Frequency Guide:4088波の世界の短波放送260局以上の周波数リスト、国別放送局リスト、8788波のユーティリティー局周波数リストを掲載。A4版340ページ。送料共€45。
    2)Super Frequency List on CD:4088波の放送局周波数リスト+8788波のユーティリティー局周波数リスト+24201波のユーティリティー局旧使用周波数リスト、略語集 (930語)、デジタル信号のスクリーンショット900枚以上を収録したCD。詳細検索が可能な機能改善済検索ソフト附属。送料共€30。
    3) 2023 Frequency Database for the Perseus LF-MF-HF SDR:4088波の放送局周波数リスト+8788波のユーティリティー局周波数リストを持つPerseus受信機用データベース、CDで提供される。送料共€50。
    4) 1997-2024 Digital Data Decoder Screenshots on USB Stick:1967年以降取得された色々な局のスクリーンショット26,000枚以上を収めたUSBメモリー。送料共€210。
    なお昨年発行された2023/2024 Guide to Utility Radio Stations(現在も入手可能€55)に対しては240波以上の情報を新たに追加したSupplement January 2024がpdf版として無料提供される。
 製品を組み合わせて注文すると割引が適用される。詳しい内容、注文方法はhttp://www.klingenfuss.orgを参照のこと。(Klingenfuss Publication via 赤林)

2024 Shortwave Frequency Guide


◎秋葉原BCLクラブ「あーゆぼーわん No.9」を発行 
2版新規
 
秋葉原BCLクラブはBCLファンの交流誌「あーゆぼーわん No.9」を発行した。今号は「グルメ特集」となっており、多くのBCLのグルメに関する投稿を掲載した。情報誌「ABC50's」 とは違った緩い感じの書籍となっているので、BCLや仕事で疲れた時に読んでいただきたい。内容は以下の通り。夢のアフタヌーンティー、アキバB級グルメ情報、クジラ肉、グルメ、ハンバーグステーキ大好き!、寿司とラーメン~韓国のBCLとの思い出、スリランカカレーの新たな聖地、長野県佐久市に行って来ました、瀬戸内グルメレポート、群馬でランチ~あつあつのうどんとトーストを訪ねて~、私のこだわりの味、福島のデカ盛り店、私が食べるラーメン、いっしょシリーズ Vol.10 「台湾国際放送」といっしょ、BCLパイセン列伝 第1回 自作のアマチュア無線機器の達人Hさん、RDS 体験in USA、ギャラリークロちゃん、ギャラリー柴犬、最近思うこと、哀愁の街に電磁波が降るのだ、上越BCLの集い、第6回上越BCLの集い(2023年)のフォトグラフィー、BCLの集い in 信州佐久、あとがき。同クラブのWebサイト「ABC書店」(https://abc50s.net/books.html)から無料でpdf版をダウンロードできる。また冊子で読みたい場合は、オンデマンド印刷版(価格:1,870円)を販売している。詳細は「ABC売店」(https://abc50s.net/shop.html)を参照のこと。
 次号No.10は「ベリカード特集」で、2024年6月発行を予定している。綺麗なデザイン、貴重なカード、思い出のカード等々をあーゆぼーわん誌上で公開してみたい方の投稿を歓迎する。またシリーズもの、連載もの、ねこやペットの写真もOKである。投稿して見たい方は「あーゆぼーわん原稿入稿フォーム」(https://www.abc50s.net/mail/ayubowan/)から。なお「あーゆぼーわん」とはシンハラ語(スリランカの公用語)で「こんにちは」という意味である。(秋葉原BCLクラブ 伊藤晃氏) 62ページ。発行日は2023年12月3日、1年前の同日に他界した金澤江美(えぃみぃ)さんが名誉編集長となっています。



◎BBC World Serviceがガザ向緊急サービス開始

 英国のMike Barraclough氏によると、BBC World Serviceは2023年11月よりパレスチナの    ガザ向緊急アラビア語ラジオ放送「Gaza Daily」を開始することになった。緊急の必要性に迫られているガザのリスナーに最新情勢、避難場所、食料・水の供給の関する情報、安全上のアドバイスを提供する。番組はカイロとロンドンで制作され、11月4日の00:00(現地の夕方)より毎日1回放送され、11月10日からは毎日14:00(現地の朝方)に2回目の放送も行う。BBC World Serviceの緊急対応放送は最近では、2022年2月ウクライナ向、2023年5月スーダン向が行われている。パレスチナ向緊急放送は2014年夏にも実施されたことがある。この放送はBBC Cyprus中継局より中波の639kHzで実施される。原記事はhttps://www.bbc.co.uk/mediacentre/2023/bbc-world-service-announces-emergency-radio-service-for-gaza。(WORIG 11/1)
  スケジュールは00:00-00:30及び14:00-14:30である。なおCyprus中継局(在Limassol/Lady's Mile)からはサウジアラビアのAl-Arabiya FMが04:00-06:00頃中継されている。送信方向は180°固定でアフリカを向いている。出力は250kW。(WORIG 11/4)(WWDXC TP 1561) 開始アナウンスは従来の「Hana London」ではなく「Hana BBC」と言っているとのことです。

◎Radio Six Internationalの12月の放送計画
 英国のRadio Six Internationalの発表では、同局は2023年12月には次のように放送する。
 12/3(日)21:00-22:00 9670 (Channel 292)
    12/25(月)20:00-21:00 6070 9670 (Channel 292)
    また1/1の06:00-08:59(英国では大晦日)にはhttps://www.radiosix.com上で同局の50年の歴史を辿る想い出をストリーミング放送する。
(BDXC Communication Dec 2023 via WORIG 12/1)

◎NDRより今年も「Gruß an Bord」特別短波放送 
2版追加
 
 スペインのManuel Méndez氏によると、ドイツNDRは今年も海外でクリスマスを迎えるドイツ人船員のために特別短波放送「Gruß an Bord」(「船上でのご挨拶」の意味)を実施する。スケジュールは以下の通り。
 12/25 03:00-06:00 15770(Okeechobee) 大西洋北西部向  13725(Nauen) 大西洋南部向  6030(Issoudun) 大西洋北東部向  9635(Nauen) インド洋向  11650(Issoudun) 大西洋・インド洋・南アフリカ向  6080(Tashkent) 欧州向
(WWDXC TP 1562)
 
 ドイツのKai Ludwig氏によると、NRDは2021年より他局と共同でこの日の時間の放送を制作しているため、06:00以降は特別の放送を実施できなくなっている。従って06:00-08:00に以前行われていたクリスマスミサの生中継はもうできなくなった。今年は代わりにNDRがFMで放送している情報番組を03:00-06:00に流すことになったのである。但しこの番組も来年からは04:00で打ち切られることが決定しているため、放送も04:00までになってしまう可能性もある。(WWDXC TP 1563)
 
◎SAQ Grimenton Radioが今年もクリスマス送信実施
 英国のMike Terry氏によると、スウェーデンの世界遺産保存無線局SAQ Grimeton Radioは今年も例年通りクリスマス特別送信を行うこととなった。期日は2023年12月24日の17:00からである。周波数は17.2kHz、出力200kWで1924年から現用に使用されているAlexanderson alternatorからCWモードで送信される。当日は16:00より送信室が一般公開され、16:25よりはその模様がYouTubeで配信される。16:30より調整と試験送信が開始され、18:00より本送信を行う。これに先立ち12月22日の21:00と24:00に短時間の試験送信を実施する。この送信の受信報告にはeQSLが発行される。詳しくはhttps://alexander.n.se/en/を参照のこと。(WORIG11/24)

◎イランからの「Voice of Palestine」
 イランのIRIBは「Voice of Palestine」という名称の独自のアラビア語番組を有しており、BCLの間ではイスラエル・ガザ紛争の勃発でこの放送に対する関心が高まっている。ドイツのWolfgang Bueschel氏によると、現在この放送は一般の24Hアラビア語放送とは別に12:20-13:20に6070/9645kHz(Sirjan送信所、500kW、285°)で行われている。使用言語はヘブライ語とアラビア語パレスチナ方言である。(WWDXC TP 1562) B22では1日2回行われていました。元々Palestine Broadcasting Corporationが西岸地区のRamallahより放送していましたが、2000年にイスラエルの空爆で破壊され、2008年にイランIRIBが短波放送でこれを引き継いだ格好になっています。

◎オランダRadio Delta InternationalのB23スケジュール

 英国のAlan Roe氏によると、オランダのRadio Delta InternationalのB23スケジュールは以下の通りである。
 土・日 15:00-18:00 6110
 土・日 18:00-24:00 12030
(WORIG 11/3 ) Elburg送信所から自前の送信機で行っています。URLは https://radiodelta.am。

◎Guamで放送休止中の中波局 ~KTWGは再開確認
 2023年10月21日現在FCCにより放送休止中とされたGuamの中波局は以下の通りである。
 KGUM 567kHz 10kW 9月26日以来送信機の不調で停波
    KICH 630kHz 2kW
    KTWG 801kHz 10kW
    KVOG 1530kHz
(NZ DX Times Nov 2023 via WORIG 11/3) 
 上記の内KTWG局801kHzが送信を再開しているのを、2023年11月27日、千葉県旭市の海岸で改造型YouLoop(長さを2倍にして中波の感度を向上させたもの)を使用して受信・確認した。(東京都  柴田俊雄氏)

KTWGのロゴ 開局当時の周波数のまま「am800」と称している


◎インドAkashvaniが新webサイト
 インドのAlokesh Gupta氏によると、同国Akashvani(旧All India Radio)が新しいwebサイトを立ち上げた。新webサイトのURLはhttps://akashvani.gov.inである。但し旧webサイトhttp://prasarbharati.gov.inも併存しており、内容的には同じである。(WORIG 11/4) https://akashvani.gov.in/air/custom-includes/stations.pdfより全放送局(AM/SW/FM)のリストがダウンロードできます。

新Akashvaniサイトのヘッダー "AIR"、"All India Radio"のロゴが健在である!



◎Akashvaniが国内中波局のQSL発行再開
 
インドAkashvaniは国内中波局の受信報告に対するQSLカードの発行を再開しているようだ。東京、新潟、いちき串木野で改造型YouLoopを使用して受信し、録音を添付してNew DelhiのAkashvaniに送付したところ、Nagpur(585kHz)、Port Blair(684kHz)、Dibrugarh(567kHz)等の受信報告に対してそれぞれQSLカードが郵送されてきた。(東京都  柴田俊雄氏)

QSLカードのヘッダー部分 「AKASHVANI」は上から貼ってある(柴田氏提供)


◎Radio Rossiiの中波送信にeQSL

 ベルギーのGuido Schotmans氏によれば、KaliningradのBolshakovo Radiocenter N.5から594kHZで新たに送信されているRadio Rossiiへの受信報告に対してQSLマネージャーのAndrey Molokov氏より実際にeQSLが発行されている。受信報告はロシアで一般的に使用されているTelegramで送るのが望ましいが、<andrey_hamradio @ mail.ru>でも受けつけられる模様である。(RUS-DX #1262 via WORIG 11/4)

◎山東省菏沢市広播電視台の中波放送が停波
 中国山東省菏沢(Heze/かたく)市において2023年10月31日にリスナーが調査したところでは、菏沢広播電視台(HZTV)新聞広播の中波放送1197kHz(10kW)と菏沢交通広播の1323kHz(10kW)が出ていなかったため、停波した可能性が強い。一時的中断か廃止かは不明である。(Cahcn自留地 10/31)新聞広播はFM92.7MHz、交通広播はFM94.8MHzでも放送しています。



◎新疆ウイグル治区石河子市のFM放送2波が廃止
 2023年11月6日中国新疆ウイグル(維吾爾)自治区の石河子(Shihezi/せきかし)市融媒体中心は、同市内で放送中の経済広播(103.5MHz)、ウイグル語交通音楽広播(91.5MHz)、及びTV3チャンネルを11月13日以降廃止すると発表した。綜合広播(89.3MHz)とTVの綜合チャンネルは現在のところ保留となっている。石河子市は県クラスの市で、石河子人民広播電台と石河子電視台を石河子市融媒体中心に統合しようとしたところ国家広播電視総局はそれを認めずラジオ局とTV局は別々のままであった。今回これを認める代償として局の削減を求められたものらしく、結局石河子市融媒体中心はラジオ・TV一系統ずつしか放送できないことになる。しかも残存する綜合広播の番組は大半がウルムチの搏広声伝媒有限責任公司が制作したものとなっている。(Cahcn自留地 11/6)

◎アンゴラより38年振りにeQSL

 オーストリアのHarald Suess Strasshof氏はRadio Nacional Angolaに38年前の受信報告(郵送)のフォローアップをE-mailで行ったところ、eQSLを受け取ることができた。(BDXC Communication Nov via WORIG 11/6) QSLは何年前の受信報告に対しても発行されるのです。

◎アルジェリアの長波放送試験 ~ルクセンブルグ現象も!
 Jorge Garzon氏がmediumwave.infoに報告したところによると、アルジェリアのRadio Algérienneは9月末より153kHzで第1放送(Chaîne 1)の試験放送を間欠的に行っている。多分第1放送の周波数として長波の153kHzを復活させる予定なのであろう。欧州ではルクセンブルグ現象(電離層の非直線性により反射過程で強い電波同士が混変調を生じる現象)でモロッコNador送信所からのMédi 1の電波(171kHz 1600kW)と混信して聞こえる。(BDXC Communication Nov via WORIG 11/6) 153kHzの送信所はモロッコ国境近くのKanadsaにあり、出力2000kWでしたが、2017年ころより送信を休止していました。

◎Radio Cultural Araquaraが一時送信を再開
 イタリアのDX Fanzineによると、長らく送信を休止していたブラジルのRadio Cultural Araquaraが3365kHzで2023年10月15日の06:00-11:00に送信を一時再開した。これは当日に同地域で日食が起こったための臨時実験放送であるとされている。DXerからの受信報告はあまりなかった模様。(BDXC Communication Nov via WORIG 11/6)

◎CNR14「香港之声」
 CNRの香港地域向放送としてはCNR7「大湾区之声」が有名だが、実はこれより古くからある放送「香港之声」も存在する。この放送はCNR14とされているが、WRTH2023には掲載されていない。「香港之声」は現在24時間放送(毎週火曜日の01:05-05:55は休止)されており、周波数は以下の通りで、深圳と香港の両地点から送信されている。
 FM 87.8MHz  広東省深圳梧桐(Wutong)山送信所  
 AM 675kHz  香港RTHK坪洲(Peng Chau)送信所 10kW
 この放送はRTHKがデジタル音声放送を開始したのに合わせて、中央人民広播電台第14放送(CNR14)として2011年に発足し2012-2017年にはRTHKのデジタルラジオ放送の第32チャンネルと放送された。しかし同デジタルラジオ放送のサービス終了に伴い、2017年9月4日よりRTHKの中波第6チャネルに移転した。それまでこの周波数ではBBC-WSが24時間中継されていた。同年11月1日には受信状態改善のために深圳よりのFM波も追加された。2019年に「大湾区之声」が開始されたため役割を終えた形となっており、現在は4番組のみが独自番組で、他の番組は「大湾区之声」と同じ番組の並行放送または再放送となっている。 
 URL http://rtgb.cnr.cn/(「大湾区之声」と共用だが、2020年以来更新されていない)
 RTHK側のURL https://www.rthk.hk/radio/radiocnrhk (ストリーミング放送)
 香港島の瀑布湾(Waterfall Bay)にあるKiwiSDRで675kHzの放送を受信したところ、坪洲送信所とは海上で10kmしか離れていないにも拘わらず、金山(Golden Hill)送信所からのRTHK 567kHz、621kHzと比べて、信号は弱くノイズも多かった。但しこれは受信機のアンテナのせいであるとKiwiSDRの所有者から説明を受けた。なお2023年いっぱいの予定で坪洲送信所の更新工事が行われており現在は仮設アンテナから出ていると言われている。(赤林)



◎英国北部の民放がAM放送を年内で中止に
 英国のMike Terry氏がRadio Todayの報道として伝えたところによると、Bauer社は英国北部で行っているAM放送を2023年いっぱいで廃止することがわかった。
 具体的にはスコットランド及びイングランドのNewcastle・South Yorkshireで放送中のGreatest Hits Radioと、北アイルランドのDowntown Radioである。既に放送の中でリスナーに対して繰り返し予告されている。AM放送廃止後はデジタルプラトフォーム上で放送を聴く事ができる。(WORIG 11/12) 小出力のAM中継局でした。HP上でも廃止周波数が記載されていません。

◎Media BroadcastからのMusic 4 JoyがB23ではDRM放送のみに
 ウクライナのAlexander Miatlikov氏によると、Media Broadcast社のドイツNauen送信所から放送されている「Music 4 Joy」がB23ではすべてDRMモードでの放送となった。スケジュールは以下の通り。Nauen送信所、100kW。 
   03:30-04:30 7225 101° 中東向

   05:00-06:00 9810 213° アフリカ西部向
   22:00-23:00 13650 62° アフリカ南部向
   03:00-04:00 13710 158° アフリカ東部向
(WWDXC TP 1560) 「Music 4 Joy」はアナウンスなしに電子音楽のみをNauen送信所から放送している局でその正体は不明ですが、Nauenの民間局が番組を提供していると言われています。B23ではアフリカ向のみですが、A23では極東向、中東向もあり毎週火曜・木曜日に放送されていました。

◎KTWRのB23 DRM放送スケジュール

 KTWRはB23シーズンでは従来と同一時刻にDRM定期放送を実施する。スケジュールは以下の通り。
 土曜 19:59-20:29 12040 90kW 305°中国向英語
 土曜 20:30-21:30 9910 50kW 350° 日本向日本語・英語
 月曜 00:00-00:45 13690 90kW 290° インド向英語
 月曜 01:00-01:30 13690 90kW 285° インド向南インド諸言語
 月曜 21:15-21:45 9910 90kW 305° 中国向中国語
 水-土曜 01:00-01:30 13690 90kW 290° インド向英語
(BDXC "Communication" Nov via WWDXC TP 1560)

◎Dhabayya送信所からのWRN Broadcast中継
 ウクライナのAlex Miatlikov氏によると、B23シーズンより英国Encompass社Dhabayya送信所(UAE)より同国のWRN Broadcast(旧World Radio Network)の短波中継が開始された。スケジュールは00:00-02:00 12095kHzで、各国際放送局のロシア語放送である。
 00:00 Radio Prague International、00:30 United Nations Radio、01:00 Radio Japan、01:30 Radio Slovakia International
 番組の最初には「WRN」ないしは「Studio Europe」のアナウンスが放送される。これはWRNが24時間衛星(Eutelsat HotBird )及びストリーミング(http://streaming.edmradio.online:8025/WRN-R)で放送しているロシア語放送の一部である。24時間放送のスケジュールはhttp://wrn.ru/programm.htmlを参照のこと。
 この放送の受信報告にはロシアのVadim Alekseyev氏よりeQSLが発行される予定である。宛先は<feedback2 @ wrn.ru>である。(WWDXC TP 1560) モスクワでは738kHz(5kW)で24時間放送を行っていましたが、これが出来なくなり、更にインターネットも制限されたための措置と思われます。



◎BDXCより地域別短波放送4資料発行
 ギリシアのZacharias Liangas氏によると、British DX ClubはB23スケジュールに基づいて次の地域別短波放送資料を更新・発行した。Tony Rogers氏監修。無料でダウンロード可能。
 North America on Shortwave 22p http://bdxc.org.uk/americaN.pdf
 Pacific on Shortwave 10p http://bdxc.org.uk/pacific.pdf
 Middle East on Shortwave 14p http://bit.ly/TheMiddleEastonSW
 Africa on Shortwave  24p http://bdxc.org.uk/africa.pdf
(WORIG 11/13)

◎ロシア極東FM局情報
 ギリシアのZacharias Liangas氏が、ロシアの「+ACI-RUS-DX+ACI- +ACM- 1263」からの情報として伝えたところによると、ロシア極東地区では次のFM局に変動があった。
 ・沿海州DalnerechenskのPrimorskaya Volna(Приморская Волна)は周波数を89.8MHzに変更して放送している。

 ・KhabarovskのDetskoe Radio(Детское Радио)に99.1MHz 450Wの放送免許が与えられた。

(WORIG 11/13) Primorskaya Volnaは沿海州の中国国境沿い8都市から出ています。Vladivostokからは100.3MHz、Nahodkaからは101.9MHzで出ています。

(左)Primorskaya Volna(右)Detskoe Radioのロゴ
  

◎海岸局短波気象放送
 ロシアのVictor Tsekhanovich氏によれば、以下の3海岸局の短波気象放送が確認されている。
 Varna Radio(ブルガリア) 黒海周辺の気象状況、航路警報(英語・ブルガリア語)
  16:03 22:03 04:03 3740USB
 Olympia Radio(ギリシア) 連絡先<olymprad @ otenet.gr><shipsva @ otenet.gr>
      20:45-21:20 13134USB 17341USB
     04:45-05:20 8776USB 13134USB
   Istanbul Radio(トルコ) 船舶向気象通報(トルコ語・英語)連絡先<telsiz @ atkiyiemniyeti.gov.tr><turkradyo @ kiyiemniyeti.gov.tr>
    19:00-19:30 8812 13128
    03:00-03:30 4405 8812 13128
   なお世界の海岸局気象放送の周波数リストはhttps://www.hfunderground.com/wiki/index.php?title=Maritime_Weather_Transmissions&oldid=7928&printable=yesを参照のこと。また航空気象通報(Volmet)はhttps://www.dxinfocentre.com/volmet.htmを参照のこと。
(RUD-DX #1263 via WORIG 11/13)
 
◎一時運用を休止するAMラジオ事業者決まる
 総務省の発表によると、2024年2月より一時運用を休止するAMラジオ事業者は以下の13社である。山口放送(全局)以外は小電力の中継局である。
 IBC岩手放送 田野畑 1062kHz 300W 2024/2/1~2025/1/31
 Lucky FM 茨城放送 土浦 1458kHz 1kW 関城 1458kHz 1kW 2024/2/1~2025/7/31
 新潟放送 長岡 1062kHz 100W 柏崎 1062kHz 100W 2024/2/5~2024/9/1
    北陸放送 七尾 1107kHz 1kW 山中 1485kHz 100W 輪島 1107kHz 100W 2024/4/1~2024/9/30
    福井放送 敦賀 1557kHz 100W 小浜 1557kHz 100W 2024/2/5~2024/8/4
    東海ラジオ放送 下呂 1485kHz 100W 恵那 801kHz 100W 高山 1485kHz 100W 神岡 1458kHz 100W 上野 1557kHz 100W 尾鷲 1062kHz 100W 熊野 1485kHz 100W 2024/7/1~2025/1/31
    山口放送 須佐田万川 765kHz 300W 萩 1485kHz 1kW 山口 765kHz 300W 岩国 918kHz 1kW 下関 18kHz 1KW 周南 765kHz 5kW( 全局)2024/2/5~2025/1/31
    南海放送 新居浜 1116kHz 1kW 八幡浜 1116kHz 100W 宇和島 1116kHz 1kW 2024/2/1~2024/9/30 3/31までは減力
 RKBラジオ 行橋 1062kHz 100W 2024/2/1~2024/9/3
    KBCラジオ 行橋 1485kHz 100W 2024/2/5~2024/8/4
    長崎放送 佐賀 1458kHz 1kW 唐津 1458kHz 100W 有田 1458kHz 100W 伊万里 1116kHz 100W 2024/2/5~2025/1/31
    熊本放送 荒尾 1197kHz 100W 2024/2/5~2025/1/31
    南日本放送 阿久根 1107kHz 1kW 川内 1107kHz 1kW 大口 1107kHz 300W 2024/2/1~2025/1/31
(赤林)全局停止の山口放送以外は小規模中継局です。FMの代替周波数、今後のポリシー(全面FM化かAMと併存かなど)は各局の専用HPを参照して下さい。

◎Radio ErenaがGavar送信所から
 エチオピア・エリトリア向秘密局Radio Erenaは、B23スケジュールで送信所をKostinbrodからアルメニアのGavarに変更した。スケジュールは02:00-03:00 9585kHz(100kW 192°)で、言語はティグリナ語である。フィンランドのMauno氏宅のリモートSDRで受信したところ良好に受信できた。ブローカーは英国Encompass社。(ドイツWolfgang Bueschel氏)

◎金融取引短波通信の日本側局整備進む
 米国で計画されている金融取引短波通信に対応する日本側通信局の整備が進んでいる。千葉県の房総半島に以下の実験局が設置されている。カッコ内は米国の親会社。
 袖ケ浦市 DATACOM SERVICES (IMC Asia Pacific B.V.) JS2RA 対シカゴ JS2RB 対フィリピン
 南房総市 4HF (Raft Technology) JS2SA 対シカゴ・ロンドン・シンガポール
 南房総市 High Bar Communications(New Line Networks LLC) JB2XH 対ジョホールバル(マレーシア)
 南房総市 Nuvo Networks(DRW Holidings LLC) 申請中 対シカゴ
(JJ1WTL 本林良太氏)帯域幅は実験局は10kHz、実用化時は85kHzとなるようです。実験条件としてアマチュア無線以外の無線業務に影響を与えないこととされています。

◎HAARPが3250kHzにも出現
 カナダのWalt Salmaniw氏によると、アラスカの電離層研究実験局HAARPが試験電波を3250kHzで出していることがある。5800kHzとともに今後要注意である。(WWDXC TP 1561)

◎2つのウルムチ短波送信所
 フィンランドのMauno Ritola氏、ドイツのWolfgang Bueschel氏らによると、中国新疆ウイグル(維吾爾)自治区の首都ウルムチ(烏魯木斉)近辺には国外用と国内用の2つの短波送信所があり、どちらも略号URUで表示されている。
 国際放送(CRI)用の短波送信所は「呼図壁(Hutubi)国際送信所」と呼ばれ、ウルムチ市の中心部から西北に約40kmの新疆ウイグル(維吾爾)自治区昌吉回族自治州呼図壁県にある。この場所には現在500kW短波送信機8基、100kW短波送信機9基、短波送信用マスト26基が設置されている。更に隣接して大出力中波送信所も設置されており、500kW4基を組み合わせて2000kWを出している中波送信機2セットが設置され、1323kHzでロシア向(58°)及びアフガニスタン・イラン向(240°)、1521kHzでロシア向(308°)の電波を出している。正式な位置は43 52 52.76 N 87 36 47.08 Eである。
 国内放送(CNR、新疆人民広播電台)用の短波送信所は「昌吉(Changji) 天山送信所」と呼ばれウルムチ市の中心部の西北約20kmにある新疆ウイグル(維吾爾)自治区昌吉回族自治州昌吉市にある。1960-2000年に送信所のあったウルムチ市中心部の紅光山(Hongguangshan)より移転された新しい送信所である、なお1960年以前は哈密(Qumul)にあった。現在50-100kW短波送信機15基、送信マスト58基が設置されている。WRTHに「Changji」と記載されている送信所はこちらである。正式な位置は43 58 26.04 N 87 14 56.35 Eである。(WWDXC TP 1561)

◎Radio Ukraine International B23スケジュール
 ウクライナのAlexander Miatlikov氏によると、B23スケジュールでRadio Ukraine Internationalは引き続き国内向Ukrainian Radio第1放送の中継をリトアニアのRadio Baltic Waves Internationalより1386kHz(Viesintos送信所 75kW)で06:00-12:30に放送する。また衛星放送やインターネット放送(http://radio.ukr.radio:8000/ur4-mp3)では原則24時間放送を行う。外国語放送は英語10:00-10:24 07:00-07:08、スロバキア語(不定期)12:00-12:08、ハンガリー語(不定期)13:00-13:08、ルーマニア語05:00-05:20(日曜は05:08)、ブルガリア語(不定期)05:20-05:28、ポーランド語08:00-08:08である。ドイツ語は2023年10月1日、ロシア語は同年7月29日で廃止された。また米国WRMIによる短波中継は2023年5月で終了している。(WWDXC TP 1561)
英国のRichard Langley氏によると、2023年11月2日で英語放送は終了した模様である。この日以後ストリーミング放送でもRadio Baltic Wave中継(1385kHz)でも英語放送が聞こえていない。(WORIG 11/22)

◎ベトナムに海賊局出現
 HFU Facebookに次のようなメッセージが寄せられた。《皆さん、北ベトナムからお送りするVAE Radioです。今後150Wで2回目の放送を行います、前回は40Wでした。期日は2023年11月5日の19:45-20:15、周波数は13890kHzUSBです。放送は1kHzのテストトーンで開始し、次にSSTVでイメージが流れます。高さ7mの垂直ダイポールアンテナから送信します。受信報告にはeQSLを発行します。録音や受信画面を貼付して<vaeradio @ gmail.com>に送付して下さい。紙のQSLが欲しい場合はその旨記載して下さい、送付先を教えますので1ドル相当の返信料を同封の上郵送して下さい。》 (WWDXC TP 1561) 本当にベトナムからなのかは不明です。

◎AIでDXingはこうなる!
 ギリシアのZacharias Liangas氏はGPTのようなAI技術が短波DXingに与える効果を次のように予測した。
 ①ノイズ除去:AIにノイズを覚えさせることで受信信号に含まれるノイズを除去して聞くことができる。
 ②自動復調:受信した信号のパターンから復調アルゴリズムを自動選択することができる。
 ③自動同調:伝搬状況、時間、場所などを総合して最も良く聞こえる周波数に自動同調できる。
 ④複数アンテナによる信号最適化:複数のアンテナで受信している場合、各アンテナの受信パターンの中から最適な受信波形を合成し、干渉やノイズを結果的に抑制できる。 
 ⑤伝搬予測:過去のデータ、太陽活動、天候パターン、地理的要因等から最適な周波数・経路を予測できる。
 ⑥信号再生:信号に欠落部分や歪があっても適切にこれを補って再構成・復元できる。
 ⑦イコライゼーション:フェーディング、マルチパス干渉等の現象に対してアルゴリズムにより目的の信号のみを正確に推定・再生できる。
 ⑧優先受信:混信している信号に優先度をつけ、優先するもののみを受信することができる。
 ⑨最適周波数の自動選択:信号のパターンから電離層での反射状況を判断し、最適な反射状態で伝わってきている周波数をその時々で自動選択・切換して受信する。
 ⑩アンテナ自動切換:複数アンテナで受信している場合、最も受信状態の良いアンテナを随時判断・選択して自動的に切り替えて受信する。
 ⑪内容判断:受信内容を解析・判断・翻訳する。そのため不明局や不明語が減少する。更に受信者の好みの内容の放送を判断して自動選択受信することもできる。
 ⑫機能の自動最適化:ユーザーの評価、好み、受信品質のフィードバックを継続的に学習することで、自動的に①~⑪の機能が止まることなく更新・向上されて行く。
(WORIG 11/17) OM諸氏が良く言われていた「耳フィルター」、「多言語対応」など不要になりそうです。こういう機能を満載した「AIレシーバー」なるものが登場するのも時間の問題だとは思われ、かつて「未来の受信機」を予測していた「BCLの神様」山田耕嗣氏もびっくりかも知れません。但しこういう機能が実現された時、趣味としての短波受信の「面白さ」は維持されるのでしょうか?

◎Trincomalee送信所からのAWRが変則送信
 インドのJose Jacob氏によると、スリランカのTrincomalee送信所からのAdventist World Radio(AWR)がこのところA23スケジュールと異なった周波等数で出ている。多分何らかの問題が発生しているのであろう。AWRがこの状況を認識して手を打つことが望まれる。
 10:00-11:00 中国語・広東語 11830 → 15625
 23:00-24:00 中国語 12040 → 9450
 01:00-01:30 ウルドー語 11755 出ていない
(WORIG 11/20)

◎Echo of HelsinkiがChannel 292よりロシア向反戦放送開始
 Arthur Pozner氏によると、ロシア向反戦放送Echo of Stockholm(水曜 05:00-06:00 Chennel 292 9670kHz)を運営するスウェーデンのインターネットプロバイダーのBahnhofは、このほどフィンランドに支部を設立し、Echo of Helsinkiの名称でChannel 292より水・金・日曜06:00-07:00に9670kHzでロシア向反戦放送を開始した。(WORIG 11/20)

◎Radio Broadcasting in Russianの旧版アーカイブ
 ロシアのAlex M.氏によると、世界のロシア語放送を網羅した「Radio Broadcasting in Russian」(Радиовещание на Росском Языке)の約20年前(2001-2003年)の旧版がアーカイブとして提供されている。
 B01 http://radio.hobby.ru/rusradio-b01.pdf
 A02 http://radio.hobby.ru/rusradio-a02.pdf
 B02 http://radio.hobby.ru/rusradio-b02.pdf
 A03 http://radio.hobby.ru/rusradio-a03.pdf
 B03 http://radio.hobby.ru/rusradio-b03.pdf
(RUS-DX #1264 via WORIG 11/19) 現在のものと見比べると短波放送の衰退状況がよく分かります。

◎「Dobroe Utro」のアーカイブ公開
 「Dobroe Utro」(Доброе утро、「お早う」の意味)は、1960年から1995年まで日曜日の9時と15時に45分間放送された全ソ連邦・ラジオ(All-Union Radio)の風刺・ユーモア番組であった。番組名は当時のソ連人気作曲家Mark Bernesによる番組冒頭の曲の名前であった。番組では当時のソ連人気歌手の曲や、風刺作家、演劇人による作品も披露された。この番組のアーカイブが以下のサイトで公開されている。http://club-cccp.ucoz.ru/publ/sovetskie_ispolniteli/s_dobrym_utrom/19。(RUS-DX #1264 via WORIG 11/19)


◎2023年度上半期の中国国内ラジオ局の動き
 中国の「微博軽享版」に同国DXerによって投稿された情報によると、2023年度上半期(4-10月)の中国国内ラジオ放送局の動きの内廃止以外のものは次のものであった。
 ・県級の市による放送機関名から「市」が削除された。例えば「石家荘市広播電視台」は「石家荘広播電視台」となった。
 ・江蘇省・揚州市漢江区広播電視台と揚州市江都区広播電視台が揚州市広播電視台に統合され、ラジオチャンネル名も「揚州広播電視台~節目」と変更された。
 ・新疆ウイグル自治区・石河子市人民広播電台の局のレベルが地級市レベルから県級市レベルに格下げされた。(赤林)中国には国家による直轄市、省や自治区と同レベルの地級市、県レベルの県級市があり、格は直轄市>地級市>県級市となっています。廃止局については別掲の予定です。

◎「世界のスペイン語放送」検索サイト
 スペインのManuel Méndez氏によると、B23における世界のスペイン語放送を検索できるサイトをスペインのDXクラブAER(Asociación Española de Radioeschucha)が提供している。「LISTA MUNDIAL DE EMISIONES EN ESPAÑOL」(LMEE)という名称で世界中の国際放送(秘密局、海賊局を含む)で行われているスペイン語放送を検索できるものである。AERメンバーであるMartin Estevez 氏、Pedro Sedano氏の監修・制作によるものである。データベースの内容は常に新鮮なものに更新されている。結果はpdfで保存することもできる、アクセスはhttps://aer.org.es/listas-dx/lista-mundial-de-emisiones-en-espanolより。(WORIG 11/23)

◎新局Radio Sound of Africaが登場
 スペインのManuel Mendez氏によると、Radio Sound of Africaという新局が2023年11月25日の22:30-23:30に11625kHzで試験放送を行った。ドイツのRoger Thauer氏によると、この試験送信はChannel 292が非公式にBavaria送信所から行ったもので、出力は200W、ビームは南を向いていた。歪みが多く失敗だった模様である。同局の連絡先は<radiosoundofafrica @ gmail.com>である。(WWDXC TP 1562)
    スペインのJuan I. Gutiérrez氏によると、この局はコートジボアールにあるインターネット放送局らしい。同局はinstagram上にアカウントを有している。(AER foro DX 11/29 via WORIG 11/29)    確かに「https://www.instagram.com/soundofafricaradio/」に存在しますが、「Sound of Africa Radio」と称しており本当にこの局かは不明です。もしこの局だとするとfacebookに公式サイトhttps://m.facebook.com/p/Sound-of-Africa-webradio-Officiel-100046972282780/があります。またhttps://musicxchange.org/radioに「SOUND OF AFRICA」という名称でストリーミングが出ていますが関係は不明です。

◎Radio PakistanよりeQSL

 ロシアのIvan Zeleny氏によると、短波放送が消滅したRadio Pakistanだが中波放送にはeQSLが発行されている。Faqeerabadからの585kHz(500kW)の放送に対する受信報告を<fmcell @ radio.gov.pk>に送ったところeQSLが発行された。(RUS-DX #1264 via WWDXC TP 1562)

◎アルジャジーラTVの音声を放送する短波局出現 ~ガザ地区向?
 米国のArthur Pozner氏によると、2023年11月15日より15675kHz及び15385kHzでアルジャジーラTVの番組を流す不明アラビア語局が出現した。02:59にs/offしている。エジプトのTarek Zeidan氏によると、放送は20:30頃-23:00及び01:00-03:00に行われており、9965kHzでも確認された。放送の中でガザ地区では93.9MHzでも送信されていると言っている。15385kHzはEncompass社のWoofferton送信所から出ているとされている。(WWDXC TP 1562) 英国が拘わっている模様です。アルジャジーラTVと関係なく同局の音声を短波中継する事例は過去にもありました。

◎寧波老年与少児広播が停波発表
 中国浙江省の寧波Ningbo/ねいは)広播電視集団は2023年11月8日、同集団が経営する寧波老年与少児広播(90.4MHz、1251kHz-20kW)を2023年12月1日以降廃止すると正式発表した。一部の番組は他の放送に移管されるという。この放送は2007年1月に中国初の老人及び子供向放送として開局し、別名を「寧波老少広播陽光調頻」(サンシャインFM)と称した。(Cahcn自留地 11/26)



◎デンマークの長波放送最終段階に
 英国のMike Terry氏によると、2023年いっぱいで廃止が予定されているDenmark Radio・Kalundborg送信所からの243kHz長波放送は、現地で最終日に当たる2024年1月1日02:40-03:30に放送終了に関する特別放送を行って終了する。(WORIG 11/28)

◎Radio New Zealand Pacificの新送信機設置作業開始
 インドのAlokesh Gupta氏によると、Radio New Zealand PacificのRangitaiki送信所では1989年に設置された100kW送信機をスイスAmpegon社製の新送信機に置き換える作業が2024年1月末に開始されることになった。置き換え作業中はもう一基ある旧式の100kW送信機のみで放送するが、放送時間の縮小は最低限に留める。(WORIG 11/28)

◎Radio Exterior de Españaが一時短波放送を停止
 イタリアのG.A. Marabello氏が、スペインRadio Exterior de Españaの声明として伝えたところによると、同局は2023年12月4日及び5日に短波放送を停止する。その理由は電力会社Unión Fenosaの都合でNoblejas送信所にこの両日電力が供給されなくなることによる。予定通り行けば6日には送信を再開できる筈である。(WORIG 11/28)。

◎常熟市綜合広播の中波放送廃止
 中国江蘇省蘇州市の県級市常熟(Changshu/じょうじゅく)市の常熟市融媒体中心(メディアセンター)が2023年11月30日に発表したところによると、同団体の綜合広播の中波放送1116kHz(3kW)及び747kHz(3kW)が2023年12月1日より廃止されることになった。廃止前日の通告であった。今後はFM100.8MHz及びスマホアプリ「看常熟App」で聴取して欲しいとのことである。
 常熟市融媒体中心(元・常熟市広播電視台)は現在の中国で中波を併用して放送している数少ない県級市レベルの放送局である。特に中波の1116kHzは1988年12月15日に当時の常熟人民広播電台が放送開始した時から35年間使用されてきた。2015年には新聞広播(99.6MHz/1116kHz)、交通広播(100.8MHz/747kHz)、音楽広播(91.9MHz/927kHz)の3系統の放送を行っていたが、2016年に国家広播電視総局の命令で3放送が合併して新聞交通広播(100.8MHz/1116kHz/747kHz)となり、99.6MHz・91.9MHzが廃止された(同時に927kHzも廃止されたものと見られる)。更にその後名称を「常熟広播声動1008」、そして現在の「綜合広播」に変更している。同局のURLは中波の周波数を記載したhttp://www.am1116.com/ であったが、現在は閉鎖されている。(Cahcn自留地 11/30)




出典の略称
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle


トップページ