月刊短波2024年2月号(第4版)
編集 赤林隆仁  時間  JST

◎JSWC湘南ミーティングの状況をHCJB日本語放送で紹介 ~JSWCからはSt.Helena関連グッズで返信も 4版新規
 日本短波クラブ(JSWC)は去る2月11日、鎌倉にて4年振りに湘南ミーティングを開催した。HCJB日本語放送ではその時の参加者インタビュー・クラブの紹介等を2月17日(土)の放送で紹介する。この放送に対する受信報告にはJSWCからもQSLが発行される。今回紙のQSLを希望するリスナーには、JSWCが協賛した2009年のRadio St.Helena Day関連グッズも通常のQSLとともに贈呈される。具体的には封筒は当時返信に使用されたRadio St.Helenaのものを使用し、JSWCの2024年「札幌」QSLカードとともに、当時日本で印刷されて提供されたRadio St.HelanaのQSLカード(データの記入なし)を添付する。これは最近St.Helanaから当時の剰余品がJSWCに返送されてきたことによる。希望する場合は〒248-8691 鎌倉郵便局私書箱44号 日本短波クラブQSL係宛に受信報告、手数料・返信料として84円切手2枚、宛先を書いたシールを同封して送付する。なお数に限りがあるため提供は先着順となり、なくなってしまった場合には通常の2024年QSLカードによる返信のみとなる。(JSWC 大武逞伯理事)放送は2月17日(土)の07:30-08:00 15420kHz 20:00-20:30 11905kHzとなります。

◎Atlantic 2000が特別短波放送 3版新規
 フランスのAtlantic 2000 International からのメールによれば、来る2024年2月10日(土)の18:00-19:00にドイツChannel 292より特別短波放送を行う。周波数は6070、9670kHzである。詳細はホームページ http://radioatlantic2000.free.fr/を参照のこと。受信報告の宛先は<atlantic2000international @ gmail.com>で、eQSLが発行されるが、少なくとも15分以上の受信が必要である。なお通常は1日24時間インターネット放送を行っている。(神奈川県 加藤信哉氏)(Atlantic 2000 International)

◎Akashvani External Serviceの新スケジュール公開 3版新規
 インドJose Jacob氏によると、同氏は同国Akashvani(旧All India Radio) External Serviceの2024年2月1日以降の新スケジュールを公開した。
 時間別 https://qsl.net/vu2jos/es/time.htm
 言語別 https://qsl.net/vu2jos/es/Language.htm
 周波数別 https://qsl.net/vu2jos/sw/freq.htm
 送信所別 https://qsl.net/vu2jos/sw/loc.htm
(WORIG 2/6)

◎SDXFがWorld Radio Dayに特別放送 3版追加
 スウェーデンのSwedish DX Federation(SDXF)のStig Granfeldt氏によると、同クラブは来る2024年2月13日にWorld Radio Dayの特別放送を英語とスウェーデン語で行う。Göran Lindemark氏の制作で、ペルー音楽なども放送する。ドイツのChannel 292より9670kHzで放送する。受信報告はP.O. Box 1097, SE-405 23 Göteborg, Sweden、ないしはE-mailで<sdxf @ sdxf.se>へ。(WORIG 1/31)
   同放送の放送時間は2月13日19:00-20:00及び23:00-24:00 9670kHzである。(神奈川県 加藤信哉氏) 

◎北朝鮮による「平壌放送」、「統一のこだま放送」中止の背景 2版新規
 韓国SPN(Seoul Pyongyang News)によれば、北朝鮮は2023年末の金正恩総書記の「統一放棄宣言」以降「6・15(祖国平和統一)委員会」や「民族和解協会」など南北間の組織を整理したが、それに伴い韓国向けの宣伝放送である「平壌放送(평양방송)」と「統一のこだま放送(통일의 메아리 방송)」を2024年1月12日より完全に停止した。韓国のBCLクラブ北東アジア放送研究会(会長:朴世京氏)のモニターで判明した。
 平壌放送は北朝鮮労働党南朝鮮部が運営するラジオ放送で、北朝鮮の対外・韓国向宣伝放送である。1972年11月に第2朝鮮中央放送が改称して誕生した。放送内容の約40%は韓国に対する放送で、北朝鮮工作員をターゲットにした乱数表放送が中波、短波、FMチャンネルで朝の06:00から翌日の05:00まで放送された。周波数は中波657、801、855kHz、短波3220、3320、6160kHz、FM 92.5、92.8、93.6、103.5、103.7MHzが使用されていた。
 統一のこだま放送は、2012年12月1日に開始された対韓国心理戦放送で、短波とFMで毎日3回、07:00~09:00、13:00~15:00、21:00~23:00に放送されていたが、12日には放送は行われなかった。周波数は短波 6250、5905、3970kHzとFM 97.8、97.0、89.4MHzで放送していた。
 朴世京会長は、「北朝鮮が平壌放送や統一のこだま放送などの韓国向け放送を中断しているのは、最近の南北間の組織を整理し、閉鎖するプロセスの一環である」と分析している。韓国ではこれらの放送がほとんど聴かれていないためプロパガンダ効果がないということのようだ。しかし朴会長によれば北朝鮮はこれらの放送を中止する代わりに、最近韓国で流行しているYouTubeやSNSを通じて韓国に対する誹謗中傷や宣伝活動をさらに強化するだろうとしている。実際に北朝鮮は最近、YouTubeやXを通じて積極的にプロパガンダを展開している。一方、「わが民族同士(우리민족끼리)」、「統一のこだま(통일의 메아리)」、「柳京(유경)」、「朝鮮の今日(조선의 오늘)」、「黎明(려명)」など、北朝鮮の反韓プロパガンダサイトも1月11日以降、アクセスできなくなっている。(BDXC "Communication" Feb 2024 via WORIG 2/5)

◎中国で怪電波出現 2版追加
 2023年12月、1542kHzで1000Hzの信号音を流す正体不明局が出現し、中国の沿海地域、ロシア極東、東南アジアの広い地域で受信された。2024年1月26日になってこの局はインチキな偽薬の広告放送を開始し、放送時間は1日24時間に及ぶこともあった。この局は個人が自分の設備から行っている「黒電台」なのか、勝手に大出力送信所を使用して利益を図る「灰電台」なのかはこの時点でははっきりしなかった。但しこんな放送が当局の認可を受けて放送されるということは中国ではあり得ない。中国当局の捜査で1月29日になってこの放送は南京にある江蘇省広播電視台広播発射部が管理する送信所から出ている「灰電台」であることがはっきりしたが、同日午後より放送は中断している。(Cahcn的自留地 1/26 1/29)
   カナダのWalter Salmaniw氏によると、この局はカナダBritish Columbia州Massetの同氏自宅でも2023年12月初旬から2024年1月28日まで良好に受信できていた。(WORIG 2/2)
   2月3日の夕刻には同じ局が送信を再開した。放送内容には雑音がかぶっている。また1000Hzの信号音も聞こえる。2月4日の午前中にも聞こえたが、午後以降聞こえず、2月6日現在聞こえていない。(Cahcn的自留地 2/7) 送信機の調整中に誤って別の信号を入れてしまったとの噂もありますが???

◎ItalradioがWorld Radio Day特別短波放送実施 
2版新規

 フランスのChristian Ghibaud氏によると、来る2月13日のWorld Radio Dayを記念して、イタリアの無線雑誌社ItalradioはVatican RadioのSt.Maria de Galeria送信所より短波の特別放送を行う。スケジュールは以下の通り。 2/14 04:00-05:00 6035kHz St.Maria de Galeria 100kW
放送番組はFirenzeのRadio Toscanaと共同制作した「Qui Italradio」で、15分づつ、イタリア語、英語、フランス語、イタリア語の順で行われる。受信報告の宛先は<web2012 @ italradio.org>である。(WORIG 2/1) ItalradioのURLはhttps://www.italradio.org/portale/

◎ブラジルのRádio Super Rede Boa Vontadeの短波中止 2版新規
 スペインのManuel Méndez氏がブラジルのDXer Célio Romais氏から得た情報によると、ブラジルPorto AlegreのRádio Super Rede Boa Vontadeは6160、9550、11895kHzで行われていた短波放送を中止している。同局の技術者に確認したところ、同局はFM移管を計画しており、政府に短波周波数の廃止を申請中であったのが認められたためとしている。(WORIG 1/31)

◎Tropical Bands Monitor2月版発行 2版新規
 米国のGlenn Hauser氏によると、DSWCIよりTropical Bands Monitor2月版が発行された。http://www.dswci.org/tbmonitor/2024.pdf。(WORIG 2/1)

◎ラジオ受信バイブル2024発行
 
毎年発売されている国内局受信を中心とする情報ムック「ラジオ受信バイブル2024」が1月30日に三才ブックスより発行された。2024年版の内容は、●巻頭カラー企画:瀬戸内海受信実験レポート、短波ラジオ3機種徹底比較、ソニーICF-EX5(MK2)、●第1章: 実験・知識編 AM停波 AM停波実証実験地理的大考察!、はじめての短波放送、NHK第二放送の大研究!、AMもFMも”岬受信”が最強説、 AIノイズキャンセリングはラジオ受信の救世主となるか?、AMの移動受信に適した場所はどこだ!? 、BCLラジオ再入門、FM・AM短波放送局ラジオ送信所巡り~千葉編、2023 BCLニュース、●第2章: 電子工作キット”透明2バンドラジオ”を作ってみよう!、ステレオFMホームラジオの製作、針式チューニングラジオにプリセット機能を付けよう!、SDGs的ラジオかんたん修理術、FM受信用フォークヘンテナの製作、●第3章: SANGEAN ATS-909X2使用レポ、RADIO from USA マキタ・MR008Gは「買い」か否か、アイコムIC-R8600長期使用レポート、DT-800徹底使用レポート、現行ラジオ使用レポート(12種)。A5版、178ページ。価格\1,540。アマゾンでは書籍版は送料サービス、またKindle(電子書籍)版は\1,400で入手できる。(赤林)



◎秋葉原BCLクラブより2種類のDX資料を発売
 
秋葉原BCLクラブは「みんなのBCLマニュアル2024」と「みんなの周波数リスト2024」の製本版の販売を開始した。本年は、周波数リストを本体より分離し必要に応じて購入できるようにした。内容は以下の通り。
 ■「みんなのBCLマニュアル 2024」:国内民放中波局返信状況(2023年版、珍しいQSL、国内放送局の現状、民放ラジオ局系列局一覧表、教えて!OMさん!<郷原 徹さん>の巻、BCL FAQ(よくある質問 ・BCLこれだけは知っておこう~BCL 用語集、国内民放中波局受信ガイド☆聞こえなくなる前に、FMわたらせ開局記、ヒコーキでBCL、海外日本語放送ガイド、B23 海外日本語放送スケジュール、秋葉原BCLクラブからのお知らせ、あとがき。135ページ。
 ■「みんなの周波数リスト 2024」:国内中波ラジオ放送局、国内FMラジオ放送局、路側ラジオ(道路交通情報ラジオ・ハイウェイラジオ)無線局一覧。81ページ。
 価格は「みんなのBCLマニュアル 2024」が¥2,530、「みんなの周波数リスト 2024」が¥1,320円、セットで¥3,520となる。「ABC売店」(https://abc50s.net/shop.html)から注文することができる。(秋葉原DXクラブ 伊藤晃氏)

  

◎中国中波局ID集を公開
 
米国のChris Kadlec氏が、2021年5月より開始した中国中波局のIDをとりまとめたデーターベースがこのほど完成し、オンライン上で2024年1月に公開された。中国本土だけでなく、台湾、香港もカバーしている。インターネットストリーミング上で収集した計636局、1,515本(1本2-3分)、53時間分のID録音を周波数またはローマ字の局名から検索して聴取することができる。ほぼ対象地域の95%の局はカバーしている。なお中国国内で使用される約30言語のIDサンプルも付録としてついている。DXingのみならず学術研究にも役立つことが期待される。アクセスはhttps://www.chriskadlec.com/radio/china-databaseより。(IRCA iog 1/23 MWCircle iog 1/17 via WWDXC TP 1569)





◎イスラエル軍局Galei Tzahalの中波2波が復活

 英国のSteve Whitt氏がキプロスのCosta Constantinidesよりの情報として伝えたところによると、FM放送のみだったイスラエルの軍局Galei Tzahalが中波1287kHzを復活させており、キプロスでは良く聞こえている。キプロスに設置されたTWRのKiwi SDRでモニターすることができる。英国のAndrew Brade氏は01:00頃直接受信することに成功した。
 英国のArthur Pozner氏によれば、1287kHz(100kW)の他に945kHz(50kW)でも受信できた。24時間放送である。(WORIG 1/2) ガザやヨルダン川西岸に進軍した部隊向けか?



◎イスラエルGalei Tzahalの中波送信所の所在地
 米国のBenjamin Dawson氏によると、イスラエルの軍局Galei Tzahalは1287kHzと945kHzで中波送信を復活させたが、いずれもかつて(2017-2019年)Voice of Hope(VOH)が使用していた周波数である。
 ドイツのKai Ludwig氏、Wolfgang Bueschel氏らによると、VOH時代の送信所は1287kHzがパレスチナのRamalahに、945kHzがレバノン南部のMarjaayounにあった。送信所は移転したが元の周波数をそのまま利用しているものである。推測される送信地は945kHzがイスラエル中部で地中海に近いYavneにあるかつてGalei Tzahalの短波送信所、1257kHzがイスラエル最北西部のレバノン国境に近いShe'ar-YeshuvにあるかつてGalei Tzahalの中波送信所、何れも現在はイスラエルの通信会社Bezeqが管理している。(WWDXC TP 1567)
 ロシアのAnatoly Klepov氏によれば、更に昔はこれらの周波数をGalei Tzahal自体が使用していた。1287kHz(100kW)は2005年まで、945kHzもその後数年間使われていた。送信所はTel Aviv近郊のYavneであった。Yavneには短波送信所もあり、Kol Israelの送信も2013年まで(2008年にほぼすべての送信が停止されたペルシャ語放送のみ2013年まで継続されていた)が行われていた。イスラエルの国内向放送は2012年にすべての中波放送を終了しているので、現在イスラエルから出ている中波放送はこの2波のみである。(RUS-DX #1272 via WWDXC TP 1568)

◎Galei Tzahal中波復活の狙い
 2023年1月9日、イスラエルHerzliyaのReichman大学で開催されたデジタルジャーナリズム会議に出席した同国のShlomo Karhi 通信大臣は、軍局Galei Tzahalの中波復活の狙いについて次のように発表した。通信省は軍と協力して緊急通信能力を強化するためにBezeq社の持つ中波送信機を導入した。中波放送は現地時間の1月3日夜に開始され、パレスチナ地域を含むイスラエル全土を同時にカバーしている。周波数は1287kHzと945kHzで、前者はHaifa及び北部地区、後者はHaifa-Beersheba間の地域に向けたものである。(WORIG 1/9)

◎Radio Russii中波放送の新スケジュール
 ロシアのAnatoly Klepov氏によると、Radio RussiiはMayakの中波放送をモルドバGrigoriopol送信所より以下のスケジュールで2024年1月1日より放送する。
 11:00-07:00 999kHz 1000kW 無指向性
 送信機は旧ソ連製RV-954である。
(RUS-DX #1269 via WWDXC TP 1566)

◎Radio Northern Starが送信を回復
 ノルウェーRadio Northern StarのSvenn Martinsen氏によると、昨年末に送信設備の故障でQRTしていた同局は、技術陣の奮闘で1611kHz及び5895kHzの放送をこのほど回復した。故障の原因は送信所の改造作業中にインターネット回線を切断してしまったことで、代替措置として携帯電話により接続した。1611kHz用送信機の音声パラメータを修正した結果音質は改善されている。完全回復にはもう少し時間がかかる。(Medium Wave News January 2024 via WORIG 1/2) スマホでデザリングを行ったということですね。これで短波送信が出来てしまうのですね!

◎WINTER SWL FESTの日程を延期
 WINTER SWL FEST事務局によれば、例年3月初めに米国ペンシルバニア州Plymouthで開催されている米国NASWA主催の同会合が2024年は5月10-11日に延期されることが正式に決まった。これでは「WINTER SWL FEST」とは言えないが、BCLに高齢者が多くなったため、移動がし易く、健康上のリスクが少ない季節にしたというのが実情である。いわゆる「なんちゃって WINTER SWL FEST」なのだ。代わりにZOOMミーティング等を充実させたいとしている。(WORIG 1/2)

◎ラオスの中波局はついに1局のみに?
 スリランカのSarath Weerakoon氏がLao National Radioに近い筋から得た情報によると、首都Vientianeから行われていた567kHzの中波放送は既に行われておらず、ラオスに残る中波放送はLuang Prabangの705kHz(2.5kW)だけになった模様である。(NZ DX Times January 2024 via WORIG 1/4) WRTH2024によればSavannaket局が585kHz(25kW)にリストされています。

◎ラオスの中波放送モニター結果
 ラオスの現地で中波放送をモニターした結果、確認出来たのはLuang Prabangの一波だけであった。詳細は以下の通り。
 Vientiane : Lao National Radio(LNR)の国内向中波567kHz、短波6130kHzともに市内でも聞こえず、放送されていない。
 Savannakhet:比較的距離の近いVientiane市内で夜間受信しても585kHz(25kW)のLNRは受信されなかった。放送していないと推測される。
 Luang Prabang:市内ではLuang Prabang Provincial Radio Station(過去には短波の6971kHzで出ており日本でも受信された)の705kHzが強力に受信できた。現地時間の朝06:30(日本時間08:30)に開始し、昼間に休みがあり、夜は現地時間22:00頃(日本時間24:00頃、日によって終了時間が若干異なる)に終了する。終了時に周波数705kHzのみをアナウンスしており、FMで出ているとされる102.6MHzや103.5MHzでは聞こえなかった。多分中波でのみ放送しているものと思われる。送信アンテナは市街の西側、メコン川沿いに立っているのが確認できる。多分現在のラオスでは唯一の中波局であろう。ラオスでは子供の坊さんまでスマホを持っており、テレビやラジオはメディアとしてはあまり注目されていないようだ。(赤林)

◎Radio Pragueの2024年QSLカードシリーズ
 Radio Pragueでは毎年新しいテーマのQSLカードシリーズを発行しているが、2024年のテーマは「チェコの音楽」である。これは今年が「チェコ音楽年」であることにちなんだもので、3カ月おきに4人の異なる作曲家(Antonín Dvořák、Bedřich Smetana、Leoš Janáček、Ema Destinnová)の楽曲イメージ(Kristýna Marková氏のデザインによる)を描いたQSLカードが発行される。今年より印刷されたカードの他にeQSL(デジタルバージョン)としても発行される。多くの国際放送局はQSLカードの発行を停止しているが、Radio PragueはQSLカード発行という伝統的な習慣を今後も守る方針である。手紙による受信報告には印刷バージョンが、E-mailによる受信報告にはデジタルバージョンが発行される。E-mailによる受信報告はhttps://english.radio.cz/reception-reportより送ることができる。手紙による場合の宛先はRadio Prague International, Vinohradská 12, 120 99 Prague 2, Czech Republicである。(WORIG 1/2)

Dvořákのイメージを表した第1回目のQSL


◎ブラジルの海賊局
 米国のGlenn Hauser氏が最新のEiBiリストを検索した結果、以下のブラジル海賊局が存在することが明らかになった。すべての局は放送時間が不定で、24時間いつでも出現する。
 Rádio Casa AM: 4005 5900 7455 8000
 Rádio Tury: 6265 13525
 Rádio Antares, Pará: 7400
 Rádio Araucária: 9290
 Rádio Pink: 9485
 Rádio Transglobe: 12000
 Rádio Alpha Centauri: 7540
 Rádio Cidade Oldies: 7685 13555 15010 21500
(WORIG 1/5)

◎オランダ領キュラソーのCurom Broadcasting Corporationが倒産・停波
 Richinald Velasquez氏によると、カリブ海のオランダ領キュラソー(Curaçao)にあるCurom Broadcasting Corporationは「Curaçao Z-86」(860kHz)と「MI 95」(95.7MHz)の放送を行っていたが、2023年12月22日この2波の放送が停止した。原因は親会社の倒産である。もう一波出ていた「88 Rock Corsou」(88.3MHz)は事実上別経営であったため生き残っている。「Curaçao Z-86」は1933年放送開始でカリブ海のオランダ領地域で最も古い放送局であった。860kHzが出なくなったことで同地域で放送している中波AM局はBonaireのTWR(800kHz)だけになってしまった。(IRCA DX Monitor Jan 6 via WORIG 1/2)
米国のBenjamin Dawson氏によると、Curom Broadcasting Corporationの親会社は非営利団体Curom Foundationで、既に会社更生手続きに入っており、860kHzと95.7MHzの放送は数ヶ月後に再び出てくる可能性はある。(WORIG 1/5)

(左)MI95のロゴ (右)Curaçao Z-86のロゴ
 


◎ALA-1530の生みの親Andrew Ikin氏が死去
 英国のTracy Garner氏によると、同国の旧Wellbrook Communicationsの社長で、世界中のBCLに愛用されているALA-1530の生みの親Andrew Ikin氏が2023年10月25日に病気で死去していたことが分かった。享年78歳であった。自宅のあるBeulahの地元教会に11月10日に埋葬された。ALA-1530を初めとするWellbrook Communicationsのプロダクトは世界中のBCLで知らない人はないくらい有名であった。(WORIG 1/4) ALA-1530は「BCLの救世主」のようなアンテナで四半世紀近くにわたり本当にお世話になっております。ご冥福をお祈りいたします。

◎Moresh Voice of Amhara Radio出現
 新しいエチオピア向のアムハリ語放送Moresh Voice of Amhara Radioが出現した。米国のWRMIの仲介により以下のように放送している。
 火・木・土曜 13:00-13:30 9590 Issoudun
 月曜 01:00-01:30 15170 Issoudun
 同局のURLはhttps://www.moreshwegenie.org/。2016年に「Voice of Amhara」という放送の録音がYouTube上に公開されていたことがあるため、再登場の可能性もある。(BDXC Communication Jan 2024 via WORIG 1/5)



◎米国放送局数 ~ラジオ局数は減少
 米国のDennis Gibsonr氏によると、FCCより2023年末現在の放送局数が発表された。https://docs.fcc.gov/public/attachments/DA-24-17A1.pdf。(WORIG 1/9)
 上記の資料によると、放送局数は以下の通り。カッコ内は2022年末からの増減。
 AM放送局 4,444 (-40)
 FM商業放送局 6,663 (-23)
 FM教育放送局 4,286 (+79)
  ラジオ放送局合計 15,393 (+16)
 UHF商業TV局 1,016 (+10)
 VHF商業TV局 364 (-5)
 UHF教育TV局 267 (+4)
 VHF教育TV局 116 (-4)
  TV放送局合計 1,763 (+5)
 コミュニティ(Class A) UHF TV局 349 (-3)
 コミュニティ(Class A) VHF TV局 30 (-1)
  コミュニティ(Class A) TV放送局合計 379 (-4)
 FM中継局 8,927 (-23)
 UHF TV中継局 2,456 (+29)
 VHF TV中継局 665 (-30)
  中継局合計 12,048 (-24)
 低電力UHF TV局 1,561 (+28)
 低電力VHF TV局 317 (-6)
 低電力TV(LPTV)局合計 1,878 (-34)
 低電力FM(LPFM)局 1,967 (-48)
 FCCが監理している局数 33,428 (-89)
(赤林)米国ではアナログTVの存在及びVHFでのデジタル送信が認められているためVHFのTV局が存在します。LPTV局とはVHFで3kW以下、UHFで15kW以下のTV局、LPFMとは100W以下のFM局。何れも狭いエリアを対象とした局に認められている免許です。商業放送局に限ればAMラジオ放送及びFM放送の局数は明らかに減少傾向であることが分かります。

◎西蔵人民広播電台の英語放送番組名変更
 英国のMalcolm Kirk氏によると、毎日01:00-02:00に中国の西蔵人民広播電台の「蔵語広播」で行われている英語番組「Holy Tibet」の番組名が「Hello Xizang」に変更されている。(BDXC Communication Jan 2024 via WORIG 1/5) 短波周波数は6200、7385kHzなど。「Tibet」という英語の地名を嫌って「Xizang(西蔵)」という中国語名にしたものと思われます。

◎Pacific Asian Log 2024年1月版発行
 オーストラリアのBruce Portzer氏によると、同氏編集のアジア・太平洋地域の定評ある長波・中波周波数リストPacific Asian Log(PAL)の2024年1月版が発行された。https://www.radioheritage.com/ よりダウンロードすることができる。50ヵ国4500波以上の周波数、コールサイン、出力、系列、webサイト、オーディオストリーミングの場所、放送スケジュール、言語、番組形態、その他の最新情報が掲載されている。(WORIG 1/11) 全449ページ、アフガニスタン以東のアジア地域、大洋州地域、ハワイ、アラスカ、カザフスタン以東の中央アジア諸国、ロシアのアジア地域も含まれています。放送局の他ビーコンの情報も収録しています。

◎Radio Gloriaが時々短波で放送
 スイスの宗教局Radio GloriaのPeter Galliker氏によれば、同局は2023年12月26日-2024年1月1日に短波の6140kHzで放送を行い欧州各地で受信された。送信所はオランダ南部にあるRadio Ondaの送信所から出力200Wで行われた。今後も時々短波放送を行う。受信報告は<QSL @ radiogloria.eu>、<pgalliker @ radiogloria.ch>またはPostfach CH-6281 Hochdorf, Schweiz, -Switzerlandへ。今後の情報はhttp://www.radiogloria.chを参照のこと。(WWDXC TP 1567) 通常はDAB+で出ています。



◎英国長波放送保存キャンペーン開始
 英国のTobias Thornes博士によると、同博士ら13人は「英国長波放送保存キャンペーン」(Campaign to Keep Longwave in United Kingdom)を開始した。2024年は伝統あるBBCのDroitwich長波送信所が開設90周年を迎えるのにBBCは長波放送の廃止と同送信所の取り壊しを発表したからである。既に2500人の長波放送廃止反対署名が集まった。同キャンペーンは2段階で行われる。
 プランA(段階1)でははBBCにRadio 4の長波放送を継続させることを目標とする。BBCへは何度か反対の陳情に訪れているが、BBC側の回答は「もう長波など聞いている人はいない」と門前払いである。しかし実際の聴取率は調査されていない。長波放送は欧州では普通に聞かれており、長波放送は欧州では普通に聞かれており、英国外にも多くのリスナーがいる。また信号は遠くカナダのNewfoundlandまで届いている。。BBCの長波放送が消えてしまうと、欧州内での英国のプレゼンスも小さくなってしまう、またDroitwich長波送信所自体にも歴史的文化的価値がある。この辺の事実を具体的に訴えてBBCに翻意を促して行く。
 ブランB(段階2)はBBCがそれでも長波放送を廃止する場合の行動で、自主長波放送の実施を目標とする。その場合現行のDroitwich長波送信所の維持はコスト的に困難であるため、別の場所から小電力の送信機で実施することになる。勿論コストがかかるため資金調達キャンペーンをその時点で実施する。
 キャンペーンの詳細等はhttp://www.keeplongwave.co.ukを参照のこと。(BrDXC-UK iogroups Jan 4 via WWDXC TP 1567) BBC Radio 4の長波放送は198kHzで英国内4カ所(Droitwich 250kW、Burghead 50kW、Westerglen 50kW、Dartford Tunnel 4W)で行われています。何れも10:00-14:20にBBC World Service英語放送、14:20-10:00にBBC Radio 4の放送を送信しています。

Droitwich送信所の長波送信鉄塔(上記HPより)


◎アフガニスタンLogar州に民間放送局Radio 'Aynak'が開局
 英国の Mike Cooper氏が、Khaama Pressの報道として伝えたところによると、アフガニスタンLogar州の州都Pul-e-Alamに民間放送局Radio 'Aynak'が開局し2ヵ月間の試験送信を経て本放送を開始した。放送は現地時間の06:00-24:00にFM95.5MHzで行われ、政治、経済、文化、宗教、健康、教育など様々な話題を扱っている。また婦人、子供向の時間もある。Logar地方の他、Wardak、Paktia、Kabulにも電波が届いている。タリバンが政権についてから放送局を含む約600のメディアが活動停止となり、ジャーナリストの大半が国外に逃れた中で純粋に独立した民間放送局で、タリバン政権の正式認可を得ている。(WORIG 1/15) "Aynak"(اینک)は「現在」、「今」の意味。Logar州は首都Kabulの南約50kmにある州です。既に同種と思われる民間局はいくつか存在します。更に「国営民間局」という名称の事実上の国営放送局(全国ネット)が3系統あり、Pul-e-AlamにはAriana News FMの支局(93.5MHz)が設置されています。

スタジオ内に設置された同局のロゴ(Khaama Pressによる)


◎Radio Congo 6115kHz復活
 スペインのManuel Méndez氏によると、過去3ヶ月間出なくなっていたRadio Congoの6115kHzが1月13日より復活した。03:32にs/offしている。キャリアは強いが変調が浅く音声が小さい。(WORIG 1/16)

◎2023年中国国内局の動き
 中国国家広電総局の公式発表によると、2023年における中国国内局の廃止統合等の状況は以下の通りである。
 1)廃止
 内モンゴル 鄂爾多斯(オルドス)鄂尔多斯広播電視台 曲藝評書広播 97.3MHz 2023/10/23
 黒竜江 双鴨山広播電視台 評書音楽広播 88.6MHz 2023/8/9
 黒竜江 五大連池市広播電視台 綜合広播 周波数不明
 浙江 寧波人民広播電台 老年与小児広播 90.4MHz 1251kHz 2023/12/1
 浙江 舟山広播電視台 文藝広播 91.0MHz 2023/9/6
 浙江 麗水広播電視台 新農村広播 88.3MHz
 浙江 金華広播電視台 経済広播 101.4MHz
 安徽 合肥広播電視台 巣湖綜合広播 93.8MHz 2023/12/11
 福建 福建人民広播電台 文藝広播 88.3MHz 2023/12/31
 江西 南昌広播電視台 経済生活広播 89.7MHz
 湖北 湖北広播電視台 生活広播 91.2MHz+中波
 広東 韶関広播電視台 交通旅游広播 97.5MHz
 貴州 貴州広播電視台 都市広播 106.2MHz 2023/10/24
 チベット 西藏広播電視台 藏語科教広播 106.3MHz
 新疆 石河子市人民広播電台 経済広播 103.5MHz 
  維吾爾語交通音楽広播 91.5MHz 2023/11/3
 新疆 昌吉州広播電視台 交通広播 103.3MHz 音楽広播 105.3MHz
 2)名称変更
 遼寧 瀋陽広播電視台 新聞広播→新聞綜合広播 792kHz 104.5 107.0MH
 遼寧 大連広播電視台 綜合広播→新聞綜合広播 882kHz 101.5 103.3 103.7MHz
  経済広播→老友之声 93.1MHz
 江蘇 揚州広播電視台 邗江区融媒体中心綜合広播→邗江広播 96.7MHz
  江都区融媒体中心綜合広播→江都広播 100.7MHz (各区の管理団体が合併)
 浙江 舟山広播電視台 綜合広播→新聞綜合広播 99.8MHz 
  経済広播→交通音楽広播 97.0MHz
 新疆 昌吉州広播電視台 交通広播→綜合広播 103.3MHz
 3)統合
 広東 揭陽広播電視台 農業広播+交通旅游広播→農業交通広播 95.2MHz 2023/5/1
 4)新設
 北京 北京市門頭溝区融媒体中心 綜合広播 周波数不明
 原情報はhttps://cahcn.github.io/posts/2024-01-16-nrta-data.htmlを参照のこと。
(Cahcn自留地 1/16)

◎オランダの低電力中波局リスト
 Paul Flanagan氏によると、オランダ国内で放送している低電力中波局(LPAM Stations:50/100Wの出力で免許を受けて放送している中波ラジオ局)の最新リストの内、Zaandijk - Enschedeより北の部分の詳細版が出来上がった。https://babylona.home.xs4all.nl/pe9mj/indexLPAM.htm?で参照することができる。
(MWCircle iog via WORIG 1/17)

◎EiBi B23 English Extracts公開
 EiBiのB23スケジュールから英語放送のみを抜粋した「EiBi B23 English Extracts」が米国のKaraig Krist氏により公開されている。https://www.kg4lac.com。(WORIG 1/17)

◎VOA50周年記念ビデオ公開
 米国のRichard Langley氏によると、20世紀末に制作されたVOAの50周年記念ビデオ「The Voice」が保存公開されている。https://digital.library.unt.edu/ark:/67531/metadc849958/。
 John Houseman氏など知られざる人々がVOAの発展に貢献したことを知ることができる。(WORIG 1/21) ナレーションも一言一句文に起こされています。

当時のVOA短波送信所(同ビデオより)


◎CPRVが古いQSLカードの受取を終了
 ブラジルのJorge Freitas氏によると、米国のCommittee to Preserve Radio Verifications (CPRV)は古いQSLカードの受取を終了した。今後は他の団体を探さなくてはならない。(WORIG 1/19) Jerry Berg氏ら5人の発案・運営者が高齢化し、後継者もいないため管理が出来なくなったものと思われます。URLはhttps://www.ontheshortwaves.com/cprv.html#:~:text=The%20Committee%20to%20Preserve%20Radio,who%20are%20no%20longer%20active。

◎Radio Româniaの中波・長波船舶向気象通報
 ロシアのAnatoly Klepov氏によれば、Radio Româniaの国内向長波・中波放送では毎日19:12-19:15に以下の周波数でドナウ川を航行する船舶向の航路通報・気象通報をルーマニア語、ロシア語、フランス語で放送している。
 153kHz 全国向
 531kHz Bacau Braila Calarasi Ialomina Vrancea地方向
 603kHz Ilfov Giurgiu Prahova Teleorman地方向
 630kHz Arges Dambovitsa Dolj Olt Venca地方向
 1314kHz Banat Dobruja地方向
 なおこれらの周波数を使っている中波・長波送信所の詳細はドイツAlexander Busneag氏編集の「LW/MW in Romania」(http://ab27.bplaced.net/ul-um_romania.pdf)を参照のこと。
(RUS-DX #1272 via WWDXC TP 1568)


◎ELWA 6050kHzが再び聞こえる
 ギリシアのZacharias Liangas氏によると、リベリアの宗教局ELWAが再び短波で聞こえだしている。周波数は6050kHzで英語番組、05:35に「ELWA」のIDが確認できた。(WORIG 1/23)
 
◎Radio Naciconal Arcángel San Gabrielが試験送信
ウルグアイのHoracio A. Nigro氏が、南極局Radio Naciconal Arcángel San Gabrielの技術者Alejandro Petrecca氏及びClaudio García氏から受け取った情報では、同局は故障していたCollins HF80送信機の修理を終えたため2024年2月1日の05:00-07:00及び2月3日の08:00-10:00に15476kHzUSBで調整のための試験送信を実施する。受信報告は<raegsl @ gmail.com>で受付ける。(WORIG 1/31) 新送信機設置の話との関係は?
 
◎ブルガリアのIvo Ivanov氏がDX界引退声明
 米国のGlenn Hauser氏によると、「Bulgarian DX blog」を主催するするなど過去45年間に渡り世界のDX界に貢献してきた、ブルガリアのIvo Ivanov氏が2024年1月31日、DX界から引退することを発表した。同日は同氏が勤務していたRadio Bulgaria(海外放送)の廃止から丁度12年に当たり、けじめをつけた形となった。(WORIG 1/31)

◎WLW局の500kW中波送信時のビデオを公開
 VOA Museumが制作した、米国WLW局が中波で500kW送信を行っていた頃の歴史ドキュメンタリービデオが公開されている。https://www.youtube.com/watch?v=y1u0bHx83Vw。(WORIG 1/25) WLWは米国オハイオ州Cincinattiで1922年3月23日より放送している世界で最も古い放送局で、1934-39年には当時画期的であった500kW送信を行っていました。現在は700kHz、50kWで放送しています。

◎Radio Oeoemrang今年も特別短波放送を実施
 フランスのChristian Ghibaud氏によると、ドイツの北海沿いの島Amrum島にあるRadio Oeoemrangが年1回毎年放送している特別短波放送がフランスMedia Broadcastの仲介で2024年も行われる。スケジュールは以下の通り。2/22 01:00-02:00 15215 Issoudun。(WWDXC TP 1569)





出典の略称
   WORIG : World of Radio io group
   WWDXC TP:World Wide DX Club Topnews  
   HCDX: Hard-Core-DX  
   JSWC: Japan Shortwave Club  
   NDXC: Nagoya DXers' Circle


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