1月28日の放送内容

イントネーション克服大作戦!!

<企画説明>

 「イントネーション」…それは話すときに発する声の高さの変動だが、言葉の中のアクセントによって話の印象や内容が変わってくることもある。例えば「雨」と読むのを「飴」と発すると異なった意味になり、同様に「橋」は「箸」、「亀」は「瓶」となる。さらに地域によっても変わり、文章1つをとっても全国各地に様々なイントネーションが伝統的に存在する。

 そして戦後、報道や教育の現場では統一した約束事として「共通語」を導入し、アナウンサーや接客業、サービス業などに携わる人にとって大切なコミュニケーションの手段となっている。しかし、その共通語をキチンと身につけられずに不安を抱く人たちもいる…そこで番組で呼びかけたところ、全国から「526通」もの応募があった!

 ならばやってみよう!
イントネーション克服大作戦!!

 東京駅へやってきた城島、待ち合わせ場所に向かうと、現れたのは今回克服に挑む対馬留美さん(18歳)、青森県で生まれ、現在も青森市内の大学に通っている。看護婦を目指して勉強中の彼女には、「看護婦になって東京の病院で働きたい!」という夢があり、この機会に克服したいと願う。

 一方、同じく東京駅で待つ長瀬のもとへ現れたのは、山本哲くん(22歳)、茨城出身・茨城在住で将来は役者になりたいという。そこで早速、長瀬からの特別課題…ドラマ「サイコメトラーEIJI 2」の1シーンの台詞を2人で読んでみる。緊迫したシーンのはずだが、どうも緊張感が伝わってこない…。

 そんな2人にそれぞれ城島と長瀬がサポートにつき、いろんな方法を模索しながらイントネーションの克服に挑む!

果たして、2人は課題をクリアし、夢への第一歩を踏み出せるのか?


< 結 果 >

 とある一室にて、まずは2人それぞれに課題となる例題文が渡された。

青森の対馬さんへの課題はエッセイの一文…

遠い北国から来た少女。自転車に乗り橋を渡る。「怖くない?」と尋ねたら 「怖くない!」と答えた。しんしんと降る雪の中彼女の想いが熱く感じられる。

この文章の朗読に挑む対馬さん、共通語としてイントネーションが正しいかどうかは、パソコンが「音声入力ソフト」で判断。マイクを通じて話した言葉が画面上に写し出され自動的に文字変換される仕組みだが、これは共通語対応のシステムであるため、アクセントが違うと別の言葉として文字変換されてしまう。

果たしてどうなるか? 対馬さん、深呼吸して挑戦!

とう多い北国から症状指定車に乗り橋を渡る。「5枠内?」と尋ねたら「5枠内!」と答えた。新進党冬雪7課鹿の頭の想いが熱く漢字られる。

 例題文に対し、10ヶ所の誤入力があった。城島が再度聴いてみると、彼女は「怖くない?」を「ごわくない?」と発音しており、奈良出身の城島も言葉の難しさを実感。

一方、茨城の山本くんへの課題はニュース原稿の一文…

21世紀。世界の端に位置する日本でワールドカップが行われる。
世界という 未知なる厚い壁に挑む。選手たちのプレッシャーがひしひしと伝わってくる。

緊張の汗を拭いながら山本くんが挑戦!

移住、1世紀。世界の、橋に1時ルンルン日本でワールドカップが行われる。
世界共有道なる壁に胃飲む1000宗達のフレッシュああんが石井氏とタワーってクール

こちらは11ヶ所の誤入力。これに長瀬は唖然…「軽く中国語みたいになってるよ」。

ここからは城島・対馬ペア、長瀬・山本ペアに分かれ、正しい音声入力を目指してそれぞれのポイント克服へと動き出す!

 車で移動中の山本くんと長瀬、車内でも例題文をもとに特訓! まずは「21世紀」、語頭にアクセントをつける長瀬に対し、山本くんは逆に上がり調子になってしまう。2人で発音を何度も繰り返し、ここで長瀬が自信のある単語を尋ねると、山本くんは「カタツムリ」のイントネーションには自信があるらしく、確かに正しかった。

 そして向かった先は浅草演芸ホール。楽屋を訪ねると、そこにいたのは落語家の桂平治さん。15年前に大分県から上京してイントネーションを学んだ経験を持つ、山本くんにとって恰好の先生。まずは平治さんの前で例題を読んでみると、「なるほどひどいねぇ」と笑顔での反面、内心かなり驚いた様子…。ここでみっちりと稽古に入る。平治さんの言葉に続いて山本くんが繰り返し、「21世紀」「世界という」と続くが、上がり調子のクセは中々直らない…。

 一方、対馬さんと城島は観光バスでおなじみ「はとバス」のガイドさんを訪ねた。対馬さんが例題文を読み上げると、3人のガイドさんは単語1つ1つの細かいイントネーションに手振りを交えて教えてくれた。噛み砕くように発音すると上手くいく対馬さんだが、続けて発音すると元に戻ってしまう。彼女の特徴は…「津軽弁」「語尾が上がる」「滑舌が悪い」「声が小さい」などといったアクセントの違いにくわえ、発する言葉に自信が持てないのも問題。ここでガイドさんがどのようにして正しいイントネーションをマスターしたのかを尋ねると、「アクセント辞典」なるものを教えてくれた。

 その頃、山本くんは平治さん指導のもと次第に良くなってはきたが、自分の言葉で話し出すとすぐにアクセントが戻ってしまう。彼の特徴は…「茨城弁」「決まったイントネーションの形がない」「語尾がだんだん上がる」といったアクセントに対する意識が薄く、語尾の発音も大ざっぱ。最後に平治さんから専門の学校へ行くことを薦められ、山本くんが「(教えてもらって)良かったですね」と長瀬に語りかけると、「もう訛ってるよ」と平治さんから帰り際まで注意された! そして2人は「東京アクセント教室」なる学校を見つけ、早速行ってみることに。

 一方、対馬さんと城島は紀伊国屋書店へやってきた。そこで見つけたのは「アクセント辞典」、単語1つ1つに対して分かりやすく「アクセント記号」が付いており、共通語のアクセントがすべて確認できるため、アナウンサーなど話のプロにも使われている。その場で見入る2人、奈良出身の城島もつい熟読!

 その頃、山本くんと長瀬は「東京アクセント教室」へやってきた。ここでは日本語のイントネーションやアクセントを専門に教えており、小森法孝先生はアナウンサーや役者として活躍中の人も数多く指導してきた。山本くんが例題文を読んでみると、小森先生の分析がはじまった…山本くんは最初から高い音を発する単語が苦手で、これは茨城県出身の人に多い特徴だという。

 言葉のアクセントは幼い頃、育った地域によりほぼ決まる。各地域によってアクセントの特徴は様々だが、そもそもアクセントの概念は京都・大阪が発祥、そこから全国に伝わり「京阪式」「東京式」といった2つの流れになった。ところが茨城県などは「無アクセント地域」といわれ、その概念が上手く伝わらず型が崩壊してしまった地域。そのためアクセントが意識され辛かったのだ。

 まず先生は例題文の紙にアクセントの記号を付けはじめた。アクセントを理解するには、単語1つ1つの音の高低を意識することが必要。山本くんが特に苦手なのは、「21世紀」「世界の」「位置する」「未知なる」「選手達の」「ひしひしと」といった高い音から発する単語。続いて先生の指導、音の高低を強調して発し、同時に手をかざして高低に合わせて手を上下させる。練習の際にはこの方法でゆっくり発するほうが分かりやすく、これが次第に慣れてくると普段のイントネーションも良くなってくるという。

 一方、対馬さんと城島は例題文の単語1つ1つにアクセント記号を書き足し、すべてのアクセントを把握する。中でも不安なのは、疑問の場合の「怖くない?」と、言い切る場合の「怖くない!」、この2つの違い。そして対馬さんが記号に沿って読み上げると、ここで城島は気づいた…一番の欠点は津軽弁ではなく、「自信のなさ」ではないかという。自分に自信を持たなければ、看護婦になって患者さんとのコミュニケーションも上手くとれない。城島のサポートを受けながら対馬さんは繰り返し練習に励む!

 その頃、アクセント教室の山本くんは例題文を繰り返し読んで徐々に上達してきた。先生によると、山本くんは音感がまだしっかりと身についていないため、例えば「♪夕やーけ小やけーの にじゅういっせーきー」といった具合に、「赤とんぼ」の部分に似た旋律の「21世紀」を当てはめて唄うことで、音感が身につきやすいという。そこで長瀬が「歌でやってみる?」と思いつき、「そうですね」と応える山本くんだが、またも自然に語尾が上がってしまいここでも先生に注意を受けた!

 2人はカラオケボックスへ向かい、唄って叩き込むことに。まずは先生に教わった「赤とんぼ」、続いて「何度も夢の中で繰り返すラブ・ソング」、この歌に強引に当てはめてみる。「♪何度も夢の中で…」の部分に苦手な「♪世界の…」に変えて唄ってみるが、あまり効率は上がらず、長瀬は気づいた…「これをやっていたら時間がかかってしょうがない!」、そして思いついた…「自分たちで作曲しちゃおうか?」

 一方、特訓中の対馬さんと城島、最も不安な「怖くない?」「怖くない!」の表現も次第にマスターし、最初の頃に比べてかなり上達してきた! だが、依然として残る「滑舌の悪さ」を何とかしなければならない。

 その頃、山本くんと長瀬は音楽教室の「ミュージックスクールウッド」へやってきた。長瀬の提案は例題文のアクセントを音符に置き換え、ピアノで伴奏するというもの。古川友子先生にお願いし、ピアノレッスンがはじまった! 先生のピアノに合わせて言葉を発する山本くん、すると説明する先生も山本くんにつられて訛ってきた…と思ったら、先生も茨城出身だった! この方法は山本くんにとって身につきやすく、次第に調子を上げてきた。そして一息ついたところで山本くんと先生による同郷人の会話がはじまった。すると山本くんの言葉が訛りはじめ、2人に割って入る長瀬…「今までやってきたことが水の泡になってしまいますんで…」。

 一方、対馬さんと城島は「劇団俳協」の稽古場へやってきた。城島は彼女に自信をつけてもらい、滑舌の悪さを克服するためにこの場を選んだ。劇団員の発声練習に参加させてもらい、先導役の声に続いて全員で発声。すると今度は対馬さんが先導役を任された。この役は特に大声を出さなくてはならないが、照れくさそうな対馬さんは中々出ない。すると先生の平松広和さんからアドバイス…自信を持って発声するには、お腹から押し出すように声を出し、さらに笑顔で発声すること。そして再び挑むと、自然と照れくささが消え、大声が出るようになった!

 その頃、ピアノレッスンの山本くんに新たな壁が立ちはだかった…「ひ」と「し」が重なると発音しづらく、「ひしひしと」が上手く言えない。そこで先生から「し」を素早く発するようアドバイスを受けると、次第に言えるようになってきた!

 山本くんにも自信がつき、ここで再び音声入力に挑戦! イントネーション克服の検定…成功なるか?

21世紀。世界の端に位置する日本でワールドカップが行われる。世界という
未知なる厚い壁に挑む。選手たちのプレッシャーが

 と、ここまで順調に解読され、続いて問題の「ひしひしと伝わってくる」だが、次の瞬間、長瀬が思いっきりずっこけた! なんと、「日CCCと次する伝わって来る」と変換されてしまった! 再び練習する山本くん、最大の壁を乗り越えられるのか?

 一方、対馬さんも細かいチェックを終え、団員の皆さんが見守る中、音声入力に挑む!

遠い北国から来た少女。自転車に乗り橋を渡る。「怖くない?」と尋ねたら
「怖くない!」と答えた。しんしんと降る雪の中彼女の想いが熱く感じられる。

2度目の挑戦にして音声入力成功! 団員の皆さんからも温かい拍手が沸き起こった!

 残るは山本くん、苦手な発音を何度も繰り返し練習し、3度目の挑戦!「…選手達のプレッシャーが」まで順調に進み、そして最後の難関…「ひしひしと伝わって来る」と無事に変換され山本くんも見事成功! 長瀬と古川先生も一安心。感想を語る山本くん、「やれば出来る…」と言った瞬間、気を抜いて訛りが戻っていた!

キレイなイントネーションは自信を持って自分を表現するための大切な手段、2人の夢への挑戦ははじまったばかり!

日本音調教育研究会 東京発音アクセント教室
TEL:03-5568-8851

<放送されなかったロケエピソード>
 今回参加した対馬さん、彼女の出身は青森県西津軽郡木造町であるが、同じ青森県でも言葉に若干の違いがあり、現在住んでいる青森市内でも話が伝わらないことがあるという。そのため、看護実習では実際に患者さんのケアをしているが、話が伝わらないことがあり常に不安だった。だが、今回の特訓で「自信を持つ」ことの大切さを知り、それ以来、明るく積極的になったという。

 一方、移動中も特訓に励んでいた山本くんと長瀬、はじめは自信を持ってアドバイスしていた長瀬だが、次第に山本くんの上がり調子の語尾につられ、ついにそのイントネーションが移ってしまった! 山本くんに「茨城に来ても通用しますよ!」と太鼓判を押され、複雑な面持ちの長瀬だった。



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