Reuiemに使用されている辞世の句に関する補足

Jisei


Requiemで使用されている辞世の句と詠み人の簡単なプロフィールです。
これらの曲を聴くとKarl Jenkinsは辞世の句の意味をちゃんと理解して曲を作っている事が感じられました。

3. The Snow Of Yesterday [by Gozan]
花と見し 雪はきのふぞ もとの水
詠み人:越谷吾山(1716-1787)
南総里見八犬伝を著した曲亭馬琴の師です。
余談ですが一般的に知られている「滝沢馬琴」は明治ごろ誤って本名とペンネームが混同されてしまいそれがそのまま広まったものです。

6. From Deep In My Heart [by Issho]
心から 雪美しや 西の雲
詠み人:小杉一笑(1652-1688)
松尾芭蕉の弟子であり友人です。
生没年でも分かるように36歳の若さで亡くなっています。
芭蕉は「奥の細道」の旅路で彼の死の半年後に住んでいた金沢を訪れその事を知り『塚も動け我が泣く声は秋の風』と慟哭の句を詠んだそうです。

8. Now As A Spirit [by Hokusai]
人魂で 行く気散じや 夏野原
詠み人:葛飾北斎(1760-1849)
言うまでもなく「富嶽三十六景」「北斎漫画」等の代表作で有名な浮世絵師です。

10. Having Seen The Moon [by Kaga-No-Chiyo]
月も見て 我はこの世を かしくかな
詠み人:加賀の千代(1703-1775)
女流俳人です。

12. Farewell [by Banzan]
まめでいよ 身は慣わしの 草の露
詠み人:爪木晩山(1662-1730)
江戸時代中期の俳人です。


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