![]() シンデレラ★エマ 月桂樹 |
あるところに、継母・ヒーセと暮らす少女・エマがいました。 今日もヒーセに用事を頼まれ、忙しく働いています。 「エマちゃん、夕食はまだ?」 「すいません、お母様。もうすぐ出来ます」 「早くしてね。それから、お城での舞踏会に着ていくドレスを頼んであるから、明日取ってきてちょうだい。お前はちゃんと留守番してるんだよ」 「お城で舞踏会!私もロビン王子に一目会ってみたい・・・」 翌日夕方 舞踏会に出かけたヒーセを羨ましそうに見送っているエマ。 「舞踏会に行きたいなぁ。魔法が使えれば、私も素敵なドレスを着て舞踏会に行かれるのに」 その時、白い煙と共に魔法使いアニーが現れました。 「はじめまして。おれ、魔法使いのアニーといいます。あなたの願いを叶えたくて来ました」 「魔法使い??」 「はい。望みはなんですか?」 「望み?えーと、舞踏会に行きたいんだけど」 「わかりました。それじゃ、カボチャとネズミ3匹捕まえてきて下さい」 「嫌!ネズミなんか捕まえられない」 「でも、ネズミがいないと馬と御者に変えられないんですよ」 「嫌なものは嫌!今までだってお母様が捕まえてくれてたんだから。アニーがネズミ捕まえてよ」 「俺が?」 「だって、ネズミに触りたくないんだもん!」 「・・・わかりました」 悪戦苦闘の末にネズミを捕まえると、アニーはエマにカボチャを持ってくるように頼みました。 アニーがエマが台所から持ってきたカボチャとネズミに向って魔法を唱えると、カボチャは馬車に、ネズミは馬と御者に変わり、エマの質素な服はドレスへと変わりました。 「すごーい。アニーって本当に魔法使いだったんだ。ね、この馬車もらっていいの?」 「いや、この魔法は12時までしか効かないんです。日付が変わると元の姿に戻っちゃいます」 「そうなの?」 「すいません。まだ修行中の身なんで、おれの魔法じゃ そこまではちょっと・・・」 「じゃ、このドレスも元の服に?」 「・・・はい。でも、このガラスの靴は師匠が作ったんで、12時を過ぎても消えることは無いですから」 「靴だけか・・・」 「・・・すいません」 「ま、いいや。ありがとうね」 そう言って馬車に乗り込むと、お城に向いました。 「疲れた・・・。今度出るときは我儘を言わない人にしよう」 舞踏会の会場に入ってきたエマを一目見るなり、ロビン王子は回りを取り巻いていた女たちを蹴散らし走り寄り、エマにダンスを申し込みました。 エマはロビン王子の申し込みを受けると、二人はダンスを踊りながら楽しい時を過ごしました。 やがて12時が近づくと、エマは魔法が解けてしまう前にお城を出ようとロビン王子のもとから去ろうとしましたが、エマが自分のもとから消えてしまいそうな気配を感じたロビン王子は、その場でエマとの婚約発表をしてしまいました。 そしてロビン王子はエマが逃げ出さないよう自分の部屋へと連れて行った丁度その時、12時の鐘が鳴り響きました。 しかし、エマにかかっていた魔法が解けてしまってもロビン王子には関係ありませんでした。 ・・・こうして、エマはロビン王子といつまでも幸せに暮らしましたとさ。 おしまい。 |
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