きもので歩記(きものであるき) 高田知枝


このページでは着物で出かけた時の出来事や着物に関する事、街で見かけた着物美人をご紹介していきます。皆さんもぜひ着物で街を歩きましょう。

指長足袋 2014.4.25

皆様、特に背の高い方、足袋が痛いと感じたことは?

私は長年、常に痛かったのですが、その理由が分かりました。足の指が人より長めだからです!(興奮!)
足の指が長いと、普通の足袋では歩く度に親指が詰まって押されて、野外で草履を履こうものなら鼻緒で押されていよいよ詰まって痛くなるのです。泣。

なのでこれはもう誂えるしかないと思っていたのですが、なんと、メーカーさんが作って市販していました!

福助の指長足袋!これは素晴らしいです!ほんのちょっとの事ですが、もう天国と地獄!

23.5cm の方も指が長い方は痛いのです。皆様、ご自分の足の指が長いかもと思っていて、足袋が痛いのならば一度体験してみて下さい。もしかしたら救われるかもしれません。

普通なのに痛い方は、指の股のツボが刺激されて痛いのかもしれません。古い草履やビーチサンダルなどをお庭で履くなどして、ツボを普段から刺激して慣らしてあげましょう。むしろ健康になれるかもです。

それでだめなら草履の鼻緒のすげ方に問題があるのかもしれません。草履屋さんに相談してみましょう。

ババシャツをもっと自由に 2014.4.5

皆様、ババシャツのチョイスに悩んだ事は?私はずっと悩んでおりました。

着物のONシーズンは冬、冷たい袖口を出来るだけ暖かくしたい。
なのに袖口から見えてもいいような素敵なババシャツが見つからないのです。ババシャツについているレースは個人的にどうにも下着感があり、見せたくないと思ってしまうのです。かといってレースがないとショボさが際立つ・・。
肘までまくっても落ちてこないか気になって心から楽しめません。

そんなある日、御呼ばれしたお茶会で、素晴らしい発見がありました。

素敵なおもてなしを受ける中、心地よくフワフワとした心持ちでお給仕して下さる方のお着物姿を眺めていると、袖の中にちらちらと、白いコットンレースが見えました。

「あれは一体!?」私の目は釘づけになりました。

割烹着の袖のようにふんわりと膨らんだ袖にひらひらのコットンレースがついた下着?を着ていらっしゃる様子。

ひ〜らめいた〜!!!!!

早速作りました。事務さんが腕に付けているアレですよ。袖にかぶせるアレです。只布を筒にして、ひらひらのレースを付けて、ゴムを通すだけ。はい出来上がり。
ババシャツの上にこれを装着すれば、何色のババシャツでも大丈夫!気軽にどれでも選べます!

もう春ですが、まだまだ寒い日もありますね。レースをゴージャスにすれば、色々楽しめそうです。皆さんもちくちくやりましょう〜。

※後日確認したところ、なんとお給仕の方も同じように作った物を付けていたそうです。考える事は皆同じですね。

紳士帯
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男のオシャレはタイミング。 2012.11.1

皆さま、近頃では男性の方々も着物に興味がわいて来たようでございます。

問屋さんに仕入れに行くと、これまでには無かったような紳士着物や小物がどんどん製造されているようです。(いや、今までもシャープな感じのデザイナーズアイテムなどあったのですが、当店のセンスとは合致しなかったのです。または製造が少なくて価格も高く、購買層も薄かった)

元々自然界でもオスの方が派手だったり綺麗だったりしますよね。昔は男性がお金を自由にしていたからか、男性の方がオシャレだったようで。それで元々紳士用のオシャレグッズがたくさんあるんですね。(鎧兜などは相当なオシャレセンスを見せていますよね、すごい、凄すぎる・・。)

現代的な優しい色の角帯など、色々出てきております。当店にある珍しい物は和紙で出来た角帯。渋くてカッコいい。

近年あまり無かった物が今は手頃な価格で色々ある。男性の皆さん、今が好みの物を探すチャンスです。波平ライフとシャレこみましょう。

 

夏のオシャレは命がけ。 2011.8.25

 この夏はものすごく暑く感じましたね、皆さんそうお感じのはず。

 私はこの夏ついに自分の部屋では扇風機すら使いませんでした、休日で日中部屋にいる時すらも・・・。・・・暑かった・・・。
そして愛犬はクーラーの中でまどろむ・・・。うん、これでいい・・・。

 そんな熱い夏でしたが、皆さん着物の出番はありましたでしょうか?

 私はお祭で浴衣を少し着ました。わりと浴衣姿の女の子を連れたカップルも見ましたね。いいな〜。

恐ろしい程暑い昼日中、黒地の浴衣を着て涼しげな顔でしゃなりしゃなりと・・。
乙女のオシャレには季候は関係ありません。恋する乙女は命がけ。
カチカチ山にいても大丈夫。彼の笑顔とカキ氷さえあれば。

 それでは突然ですが、夏の着物に便利な下着のお話でもしましょうか。
夏といえば汗。とにかく大汗かきますね。Tシャツ一枚に比べたら着物は暑く感じると決まってるのですが、少しでも涼しく装いましょう。

 まず下着ですが、夏用の絹の下着があります。ワンピースタイプ。これは一番涼しい。天然素材の中でも一番の肌触り。よく乾き、薄いのにしっかりしている。しかも滑らか。

 次に良いのが夏用の下着があります。ワンピースタイプで上半身は綿、下は絽のポリエステル。お値段の点で一歩リードです。

 麻の下着もありますが、あれはゴワついて、薄くてしなやかな夏の着物には表に響いてしまいます。シルエットがゴワつくので要注意。芭蕉布を風をまとう様にふんわりと着る時ならいいかもです。肌に付かないように着るとそれは涼しいでしょうからね。

 しかしこの辺りではやはりシルエットが大事かと。麻以外がお奨めです。着物でも浴衣でも使用できます。

 次に長襦袢は、胴の部分だけが麻になっていて、あとは夏のポリエステル布地で出来ている胴麻長襦袢。これは衿もポリエステルにすれば、ネットに入れて洗濯機で丸洗いできます。

 あとは、帯板。夏用のメッシュものがのあります。

 実は補正腹巻にもメッシュになった物がありますが、これは厚さや長さなど、誰にでも合うというものではなく。

 夏は暑くて着る気を失わせますが、夏の着物の美しさ、軽やかさ、色、小物、どれもが特別な輝きを放っています。着物は特に夏が素敵なんじゃないかと思ってしまう程魅力的なものばかり。
 透けているだけであんなにも素敵に見えるわけではありません。夏を涼しく、しかも美しく装いたいという知恵が、技術が詰まっているから美しいのかな?

いいえ、違います。暑い中でも美しくあろうとするその心が、姿勢が、美しいのです。(いい事言った!)

つい先日に茨城県有形文化財に指定されました

大人と子供のお茶会 2008.11.26

 麻生に麻生藩家老屋敷記念館という文化財があるのをご存知ですか?
 かやぶきの立派な建物で、どっしりと昔の空気をそのままに、時代をそこに留めているようでした。そんな文化財でお茶会を催す・・、なんてゴージャスな企画でしょう?幸運にもお茶の先生にお誘い頂き、行くことができました。

 着物は子供達が喜ぶようにとカラフルな葉っぱの模様の(秋だから)小紋で。期待をもって会場に行ってみると、可愛らしい幼稚園児達の野点て風景や、七五三の着物で走り回る女の子、着物を着た大人達が入り混じっていて、時代劇のようでした。(勿論、洋服の方もたくさんいらっしゃいました。)

 屋敷の中に入ってお茶を頂くと、柔らかな光の中でお茶のお道具や着物がたいそう素敵に見えます。その中でお茶を頂くのはとても不思議で、時代劇というかこのお屋敷が現役だった頃に入ってしまったような感覚でした。

 そのお席は大日本茶道学会という流派の方(大人)が点てて下さって、きりりとした雰囲気の中、美味しいお茶を頂けました。

 外に出ると、幼稚園児に代わって七五三の着物を着た女の子達が野点ての席で頑張っていました。その可愛らしさたるや、お雛様がいっぱいという感じ。真っ赤な毛氈(下に敷くフェルト)の上で、綺麗な晴れ着を着た子供達が5人も座っている、も〜可愛いなんてもんじゃない。他人ながらも目じりが下がります。

 そんな可愛い子供達が目の前で(可笑しいくらい真剣に)シャカシャカとお茶を点ててくれて、元気な声で「どうぞ召し上がれ!と一斉にお礼してくれます。「は〜い、頂きます。」とつい返事してしまいます。

 こども達にも大人にも、大変いい経験をさせて頂きました。小さい子でもこんなに出来るんだと、子供達より大人達が驚いたかもしれません。 本当に素敵なお茶会でありました。

下の池に映る幽玄な鏡の国。実物はもっとハッキリ映ってました。

松島の円通院 2008.11.20

 松島の円通院をご存知ですか?とてもお庭が綺麗な所で、瑞巌寺のすぐ隣。

 円通院の紅葉はとても綺麗なのは勿論ですが、なんと夜にはライトアップされていて、とても幽玄で素敵に不思議な世界が展開されておりました。
真っ赤な紅葉や青々とした松や竹。イチョウは鮮やかな黄色でとても綺麗でした。

 中でも、特別に不思議に美しかったのは、池に映る紅葉の木々。 ライトアップされた木々が、真っ黒で鏡のようになった水面に全く本物のように映っています。 空まで映っているようで、「一体この池はどれ程深いんだろう、あの水底の奥底に見える空までも深いのか」と思わせる程でした。

すいこまれそうな池の美しさに、誰もがため息をつく。            

そしてその幽玄な世界に響き渡る、茨城弁と笑い声。

明るい時に見るその池はただのにごった池でございました・・。

 夜はなんでも美しく見せる。
            さあ、夜に出かけましょう!

青竹を切った花器に黄色や柿が映えますね。

コンサートを終えて 2008.10.31

 いつも当HPで告知していますコンサート、Concert Reposant Vol.4(コンセール ルポザン4)も今年は無事終了致しました。今回はイベントが重なった中でもたくさんの方にご来場頂けて、しみじみと有り難く感じた回でした。

今回はハープが来てくれて、ハープの意外な姿が見れました。こんなに間近で見れてピアノのように足元にペダルがあるなんて知らなかった〜。
 あまりの近さにそのペダルの音が客席まで聞こえてしまいましたが、ハープの優雅な音色を楽しむ事が出来ました。

主宰者のオーボエと、もはやお馴染みのファゴットも相変わらず素敵で、特に今回の曲目は誰もが耳慣れた曲ばかりで、とても楽しく聴けました。映画音楽などは、その映画を観ていた時の気分になったり、音が懐かしさを連れて来てくれました。

会場の北斎遊学館は、ゴージャスなお花を用意して下さって、演奏者達を華やかに彩ってくれました。生のお花の力はやはりすごいですね。ハープの華やかなゴージャス感に負けていませんでした。

蔵の和な雰囲気と、洋の楽器、懐かしい曲。とても素敵なハーモニーでした。おたのしみ献立のように・・。

 

素敵なワンピース 2008.8.27

 休日に染織家の友人と待ち合わせ。うきうきで待っていると(珍しく先に着いていた)、え?ニューヨーカー?と思うほど素敵な女性が現れた。

 まさに今映画が公開されたばかりのファッショナブルなアメリカドラマ、「Sex And The City」の中の登場人物のようないでたち。
 シックでポップな彼女らしい組み合わせ。彼女がデザインして染めて模様を描いた生地をお母さんがシンプルなワンピースに仕立て、飽きのこない素敵に上品な服に仕上がっていた。

 そのワンピースがあるのは前から知っていたが、着ているところを見たのは初めて。
 「着てきてよ」とせがんだのを覚えていてくれたのだ。

イヤリングまで自分で作ったそうで、ワンピースを一層華やかに彩っていた。髪はぴしっとまとめてウェービーな長いポニーテールが女性らしく、スパイスのきいた縁の太い眼鏡をかけて・・・、文句なしに素敵だ。

「う〜ん、敵わないなあ」 などと思いつつも、素敵な子と歩くのはなんだかウキウキ。

自分で染めて模様も描いて、思い通りの服が作れるなんて最強ですよね。しかもスタイルが良くて姿勢がいいから何を着ても似合うのだ。鬼に金棒。

 え〜と、今回は、彼女の染めた服は美しかった。 という、おはなし。 (機関車トー○ス風に。)

ちょっと写真が綺麗に撮れなかったですね。

雨ニモ負ケズ 2008.8.24

潮来の花火大会に行ってきました。

当日は開催が危ぶまれる天気予報でしたが、もちろん浴衣を着て行きました。

いつもお世話になっているコンサート会場、北斎遊学館の前ではオカリナの屋外コンサートが開かれておりました。
 かりゆしのようなシャツを着て演奏していたので、なんだかちょっと沖縄気分。は〜、沖縄行きたい。

幸い雨も控えめで、花火も無事にあがりました。相当近い場所で見ているため、ド迫力。音も遅れることなく響いてくる。お腹にドン!ドン!と。

こんな天気予報なのに、浴衣の女性や小さな女の子、カップル浴衣もいらっしゃいました。うんうん、良い!

風情ある花火大会でありました。  しかし今日は首が痛いですね・・。

今でもとても綺麗ですね。

東京ミッドタウン 2008.8.22

 東京ミッドタウンという言葉は知っていても、実態はさっぱりだったものですが、その地に新しく出来たサントリー美術館に行く機会ができました。 チケットを頂いたのです。有り難し〜。

 なんの展示かというと、松坂屋の所蔵している江戸時代の小袖です。 染色の学校やデザイン学校あたりには必ずおいてあるであろう古典柄の見本書などに載っている着物がずらりとここに。

 もう300年以上経っているのに美しく色を保ち、刺繍の質感もそのまま。刺繍の糸に染めるというのは威力がありますね。染めの方はあせ易い色などは少しとんでいたり、綺麗に落ち着いた渋めの色になっています。こんなに綺麗に色が残るのかと感心しました。顔料や漆もそうですが、やはり自然の力は凄いですね。

 白地に刺繍の豪華な衣装なども、白い部分が少し進んで上品なシャンパンゴールドっぽい色になっておりましたが、カビの茶色いぽつぽつも出ず、保存技術はお見事というほかありません。

 それにしても大胆で美しい、やりたい放題のこの着物達を御覧なさい!なんて面白綺麗なんでしょうか?
美しい草花の裾模様、その肩にいきなりコウモリが群れ飛ぶ・・・。よくぞこんな、売れるの?と心配したくなるような文様も、オーダーだったのかな?で済んじゃう時代です。

当時はどれ程盛んに女性達からオーダーがあったのでしょう?当時のファッション雑誌、というかオーダーの為の見本帳があったのですが、これを見て女性達がお茶を飲みながら「この柄いいわね。」なんて言ってたりしたのでしょうか。呉服屋が大きくなるわけですねぇ。

 

 しかも、ここからが本題です。展示室を出た後にカフェが付いてる美術館が多いですよね、このカフェというか甘味処はじつに美味しい!

 和栗のモンブランにとっても美味しいコーヒーがついて千円切っている!「え?お釣りくれるの?」っていうほど美味しいのに、しかも都会なのに!
 接客態度も良い◎。麩あんみつも「可愛い!」とつい大きな声が出ちゃいそうな可愛らしい色合いと美味しさ。お薦めです。

カフェはこちら。→http://www.suntory.co.jp/sma/shopcafe/index.html

美術館の回りのショップなども和な物が多く、ちょっと面白い物がいっぱいです。ショッピングでも見るだけでも、ちょっと時間をとりたい所ですね。

男性は女性が戻ってこなくてうんざりな所かもですが、椅子もたくさんおいてあるので大丈夫。小説を持って行きましょう。ちょっと歩けば本屋もあります。

この小袖展は9月まで見れます。是非行ってみましょう!着物でご来場の方は300円割引です。
 着物姿で来ている方も多いのでそちらも楽しみですね。皆さんそれぞれのオシャレぶり、皆さんもおしゃれして行きましょう。

美術館はこちら。→http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol04kosode/index.html

古典柄の浴衣。可愛いですね。

ゆかたでGO! 2008.8.10

浴衣、それはパジャマ。という時代は遠い昔。

今の位置づけはワンピース。

下駄にはカラコロと音がしないようにゴムが付けられているし(ホテルやレストラン等では騒音とみなされることもあるので)、柄も色も多種多様。
 近頃では絵羽柄(付下げや訪問着みたいにつなぎ目に柄がちゃんとつながってついてるもの)まで登場してきた程、浴衣は多様な進化?を遂げている。

先日までの3千円ほどで上から下まで手に入る浴衣は、衿もぺらぺら、プリントもかすれ、どうしてこれが売れようかという物がほとんどでしたが、ある大手の安い浴衣は中々良く出来てきたようで、衿もしっかりしてきましたね。着心地はわかりませんが、プリントもまあまあ。

なんでもいいから着ていただきたいものです。お祭(はもう終わってしまった所が多いけど)、花火大会、デートなどに。
 私は浴衣ほど日本的で大胆で素敵カジュアルな物は中々ないと思っているのです。まさかTシャツやワンピースよりは暑いけど、でも素敵さではダントツです。

先程なんでもいいから着て欲しいなんて書きましたが、本当はきちんと選んで心底似合うものを着て頂きたいのです。
 着物や浴衣は全身を同じ色柄で包むので、似合わない物を着るのはかなり避けたい所です。プレタ(仕上がってる)の浴衣なら、ちゃんと試着して、反物ならきちんと全身鏡で合わせてみてから。

そうして選んだ浴衣は貴方を五割増しに見せてくれること間違いなしです。浴衣や着物を着ていくと色んな得をするサービスがありますよね。ネットで検索して行ってみましょう!

さあ、浴衣で出かけましょう〜。

おしゃれしてお出かけするおせん。相当可愛いです。

「おせん」を観ていますか? 2008.5.14

おせんというTVドラマを観ていますか?

一升庵という料理屋をきりもりする天然天才女将の物語。蒼井 優主演。この子の着物姿はとても可愛いのです。
 紬やら木綿やら、カラフルで可愛くて素敵な着物ばかり。前から似合うだろうなと思っていましたが、想像以上に似合っていました。
 髪形やかんざしも美しく、フォーマルな装いでは表現しにくい着物の楽しみ方がありました。時代劇ではなく、今の女の子の着物の楽しみ方の見本のようなものです。思いっきり楽しんでいる。普段着ならあれくらい楽しみたいですよね。

そして着物のみならず、日本人なら着物好きなら誰もが憧れそうなしつらえの見事な一升庵。壁の飾り花やお庭もみんな綺麗。
皆様も是非一度、ご覧あれ。(DVDが出たら是非手に入れたいものです。)

しかも、昨日の放送を観てビックリ。下の写真のピンク木綿の着物を着ているじゃないですか。私も同じ物を仕立てたのです。(なにやら申し訳ない気がしてきました。小心。)
  ええ、私も着てみましたとも。布地が少しごわっとしてるので、裾さばきに少々問題がありますが、逆に激しい動きでも裾が開き過ぎないのはいいかもです。
 それとごわっとしてるおかげで着付けは比較的簡単です。思った形になってくれるから、初心者には持って来いです。だから着付けは浴衣から始めると良い訳ですね。実感。

帯も何年も前に自分で染めた帯(大変勉強になりました)ですが、この恥ずかしい作品も大胆な柄の着物にはベストマッチ。これならなんだか恥ずかしくない。

また、洗えると思えば大胆に着れるものですね。今度は長襦袢の上に浴衣でもと思ったり、幅が広がりますね。紬はジーンズのようなものだと思ってたのですが、絹なのでやはり気を使います。木綿こそ本当にジーンズな気持ちで着れるものだと実感できました。

うん、やはりなんでもやってみなければ分かりませんね。百聞は一見に如かず。思った以上に色々実感できました。着物初心者の方には所作の勉強にもなるし。皆様もお試しあれ。

「おせん」公式サイト http://www.ntv.co.jp/osen/

木綿の着物。可愛いチェック柄もあって、面白いです。
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木綿の着物 2008.3.9

自分で洗えるもう一つの着物、それは木綿の着物です。

現在ではすっかり定着したシルックのポリエステル着物とはまた違う、日本古来の普段着です。

私ももっと深く着物に慣れないとと感じる事が多々あり、今現在私が着ているユニフォームの作務衣と同じくらい気軽に着れるようにと考えた結果、木綿の着物にチャレンジしようと思った訳でございます。

何事も自分で試してみなければ本当には分からないものですから、膝のスレや様々な動き、洗濯に対してどれほどの強度があるのか試してみたいと思います。乞う御期待!

  横山大観 没後50年展 2008.2.13

皆さんもうご覧になりましたでしょうか?横山大観の作品展が国立新美術館で開催されています。
感動的に素晴らしい作品ばかりです。

最初は教科書でよく見る作品でお出迎え。その後は大きな作品がたくさん並び、大きな屏風はそれはもうため息もののド迫力な美しさ。

中には40メートルの巻物に長〜く連続で風景が描かれた作品もあり、長い渋滞を作っておりましたが、穏やかな景色の中に時折生きいきとした動物や町人の姿が描かれていて、昔の日本はさぞかし美しかったのでしょうと思わせました。でも100年も経ってないはずですが。

この作品展を見ていて、着物との柄の類似点を色々見ることができました。

いつも思うことですが、絵画のような柄のついた着物に更に柄のついた帯を合わせるなんて、日本の文化の底力はすごいです。こんなに主張するもの達を上手にまとめて一つにしてしまう。
美術品を身にまとうことが出来る着物というものは本当にすごいものですね。

これは世界にも類を見ないと思います。色をたくさん合わせる民族衣装はあっても、パターンではない「絵」を着るというのは日本だけではないでしょうか。(しいて言えばチャイナ服もたまにすごい絵が刺繍されてたりしますが、そこにまた何かをプラスすることはないでしょう。)

四角いシルエットのなせる業でしょうか。キャンバスのように自由に描き、帯をコラージュされる着物。帯や小物を替えるだけで幾通りもの変化を見せる。
横山大観をみて、思考がいろんなところにトリップしてしまいました。お薦めです。

総刺繍のお振袖のごく一部、本当に綺麗です。

成人式 2008.1.16

無事に成人式が過ぎました。天気も良く、皆さんそれぞれに気に入った髪形に出来てたようで、ご機嫌で出発なされた様子。本当に良かったです。

毎年当店で振袖をお買上げになって頂いた方が当日着付けにいらっしゃってお着せするのですが、二十歳の綺麗なお嬢様方が振袖を着てさらに綺麗になっていくのを見るのはすごく楽しみです。役得。

さて、毎年成人式のお嬢様方を悩ませる一番の課題はなんでしょうか?はい、それは髪形です。
洋服でもそうですが、全体の着あがりを生かすも殺すも髪形次第と言っていいでしょう。
アカデミー賞のレッドカーペットを歩く女優達も、ハイブランドのドレスにあったゴージャスな髪形でなければいかにもミスマッチな姿になり、雑誌などでこき下ろされます。

振袖の準備が整ったら髪形に全精力を傾けましょう。当店でも雑誌から切り抜きなどを集めたり、それを美容師さんに渡せるようにプリントしておいたり、お客様からのご相談に応えられるよう工夫しております。本屋さんにもお着物の雑誌など出ておりますので参考に見てみましょう。

あまり時流にのったヘアーは後で見ると恥ずかしくなる恐れがあるので当店ではお勧めしておりません。レースやフリルを着物に飾るのも同様です。もともと振袖はゴージャスなのに飾る必要は無いと思うのですが・・・。
前髪をたくさんおろすのも賛成出来ません。顔の縦のラインが狭まるとバランスがとり難いし、マイライトやレフ板がなければカメラ写りも期待薄でしょう。雑誌のようにはいきません。横に流すなり、あげるなり、縦のラインを確保しましょう。

早速来年の成人式の為に、お母様とお嬢様が買いにいらして下さっています。
さあ、また当店も素敵な髪形を探さないといけませんね。素敵なかんざしも。(ふんわりした色や、日本的な色使いや美しさを持ったかんざしを探すのは中々大変なのです。)

12月あたりにはデパートでも成人式用にかんざしが特集されたりしますので、見てみるのもよいですよ。老舗のお店が作る美しいかんざしが京都から来たりします。是非行ってみましょう。

着物がよく似合う香嵐渓。苔むした屋根が美しかった〜。

着物で旅行 2007.11.29

 着物を着て旅行。それは皆さん中々考えにくいことになっている昨今です。
私は仕事柄、着物での旅行には慣れている為、着物でお出かけ、着物で旅行、共にためらうものではありません。

では、着物で旅行をためらう理由とはなんでしょうか?
まず第一に着付け、次に汚れの心配、クリーニング代の心配、動きの制限などでしょうか。

着付けは慣れです。ロールプレイングゲームと同じように、経験をつめばつむ程経験値が上がり、強くたくましくなっていくのですね。自分で着れなければ色んな事態に対応できません。(でも着せてくれる友人等いれば大丈夫)
浴衣から始めましょう。浴衣が着れれば着物はその延長線上にありますから、帯は半巾帯に細い帯〆などして始めていきましょう。
半巾帯の利点はまず簡単なこと。自分の前で締めてくるっと回せること、荷物が少なくてすむことです。ただし、締めすぎに注意。

汚れの心配はまずコートを着ましょう。古着が流行りの近年では、若い方などはコート無しでいる方が多いようですが、大切な着物にはきちんとコートを着ましょう。帯を守るために、常識的にも欠かせないアイテムです。理想的には正装用のコート(道行き)、軽装用のコート(道中着)、雨コートの三種類必要です。紬には着なくていいし、寒くてもショールがあれば平気という方は軽装用がなくともいいかな・・・でも寒いからなあ。

また近年防水技術の発達により、たいていの汚れは心配なくなりました。白地の着物もドンと来いです。
以前テレビCMでもやっておりましたパールトーン。これは本当に素晴らしい技術です。CMに嘘偽りはありません。本当に水滴がコロコロと着物の上を滑っていき、着物に付くことはありません。
(どろどろした液体は勿論例外です。)雨の日には本当に強い味方になってくれます。行きつけの呉服屋さんできいてみましょう。

※この防水をかけた後に普通のクリーニングを行うと、せっかくかけた防水が駄目になりますのでご注意を。クリーニングはパールトーン防水の発注を頼んだ呉服屋さんに相談しましょう。

このパールトーン防水があれば普通のクリーニングよりはだいぶ安く済むはずです。あまり普段着ない方は、着るたびにすぐにしみ抜きに出しましょう。着た直後は衿の汚れなどは分かりにくいので、呉服屋さんに見て頂きましょう。よく着る方は少しの汚れなら何度か着てから出しても大丈夫です。半年や一年は着ないという方は必ずしみ抜きに出しましょう。汚れが酸化して黄ばんでからは、いくら防水がよくてもどうにもできません。出す出さないの判断は呉服屋さんに相談しましょう。

動きの制限については、これも慣れでしょうか。よく着ること。昔の人は一日中着物をきてお風呂掃除やらご飯の仕度やらしていました。
 歩き方は背筋が伸びていれば大丈夫。上から紐で吊るされているようにスッと立ち、小さい歩幅で歩く。裾がばっさばっさ言うなら足先を出すのではなく膝から歩きましょう。膝が着物の中にスペースを作ってくれて、足先が動いてもばさばさ言いません。都会は鏡や大きいウィンドウがたくさんあるので、姿を映して研究してみましょう。

常に袖を意識しましょう。そのうち無意識で袖を扱うようになれます。何か手を伸ばして取る時は片手で袖を持ってやらないと、手前にあるものをドミノのように倒してしまいますから。また、いつもよりも壁から距離を多くとりましょう。袖は意外と外に膨らんでいます。壁をすって歩いたら壁を袖で掃除してるようなものです。車に乗るときも注意!車体を拭き掃除しないように。

このように常に袖をつまんだりするので、両手は空けておきましょう。手さげバッグが通例です。ショルダーは着崩れしやすいのでお勧めしません。自分で着崩れが直せるようになったら使いましょう。

先日、いつもファッショナブルなご夫妻が大きなトランクにお着物を詰めて海外へ出発しました。豪華客船の旅。船の中のパーティで着るそうです。侍カップルの周りにはいつも人がやってきます。
だんな様が奥様の帯を締める係、素敵でゴージャスな文子結びを締めます。その他洋服の正装、靴を持ってギリギリ20kg以内。お見事。
 私も時々海外に紬や訪問着を持参します。大変喜ばれますし、ものすごく目立ちます。浴衣は一番手軽に持っていけるアイテム。荷物も少なく着付けも簡単。お薦めです。

さあ、長々と書いてしまいましたが、早速旅仕度して出かけましょう。
                         寒いのでショールと手袋も忘れずに。

唯一ちゃんと役目を果たしていた照明。外だったので綺麗に目立ってました。
童謡のイメージで、蔵の外観にもぴったり。

癒しのコンサート 2007.10.26

先日、(当サイトでも告知しておりました)コンサートがありました。

Concert Reposant コンセール ルポザン という名前のコンサートです。
コンセールはコンサート、ルポザンは心和むという意味です。
このコンサートで少しでも心和む思いを感じて頂けたらという主催者の願いが込められています。

今回は昼と夜、2回行われました。昼と夜では少しだけプログラムを違えて。
楽器はオーボエとフルートとピアノ。夜は少しムーディーな曲になっていました、素晴らしい〜。

私も少しお手伝い。今回は2回目ということで飾りも欲しいと思い、中にローソクを仕込んだ飾り照明を増やしました。 床と壁に3つずつ。
しかし予想外に西日が強かった為、お昼はほとんど役立たず。

夜になればと期待したのですが、意外とステージを照らすライトが強力だったので昼よりはマシという程度。 見事撃沈!

しかしこの教訓をいかして来年の五月にはまた頑張ります。飾りを。

コンサートは生で聴けるのがやはり最高です。素敵なブルーや薄紫のドレスを着た3人の女の子が奏でる音楽はパワーと癒しがありました。細い体から一体どうやってあれ程の音をつむぐのか。
ドレスを着た綺麗な姿は見るだけでも嬉しいです。

毎回クラシック音楽と、日本の歌というプログラムなのですが、どちらも大変魅力的です。
でもクラシックを聴く経験が浅い私はやはり、日本の歌に強く惹かれてしまうのです。
いや、惹かれるというか勝手に身体が反応するというか。
みなさんも
 「しょ、しょ、しょうじょうじ、 しょうじょうじの庭は♪」 ときたら

 「つ、つ、月夜だ皆出てコイコイコイ」 と歌ってしまうでしょ?それが日本人というものです。

なるべく誰もが知っている曲を選んでいるので、クラシックも聴きやすく、ちゃんと入り込めるとい〜い気分です。少し泣いていた人も。
こんな風な気分になれるなら、もっとクラシックの曲を知りたいなあ。

アンコールは森山良子さんの「さとうきび畑」。これまた泣けました・・・。

次回は来年の五月を予定しております。楽器はオーボエとファゴットとクラリネット。
クラリネットはまだ聴いたことないからとても楽しみです。

さあ、また来年頑張るぞ〜。

パールトーン防水のありがたみ 2007.9.30

本日、水戸でお茶会がありました。
 昨日まで曇りと予報されていたのに、朝からジャージャーと雨が降っています。

着た着物は単衣の訪問着だったのですが、ちりめんなのに防水をしていなかった〜〜!
 まあ着いたら止むかもなんて思いも虚しく、どんどんひどくなってきた雨。車を降りるや否や、

「ぼた。」

大きな雨だれが袖に!
 たちまち布地の中にしゅっと吸収され、そこだけ色が濃くなって繊維が縮んでシワがよっている。

「えぇ〜〜!?これ直るの?」

私は幸運にも防水のかかってない着物の恐ろしさを今日まで知りませんでした。
 他の皆さんを見回すと、果敢にも雨の中コートを着ないで傘で歩く方、足元まで無い普通のコートを着ている方もいらっしゃる。

防水がないと雨コートをたたむ時にコートの水気を付けてしまう、ちょっとも濡れてはいけない。
 人の傘からの雨だれも、テントの端からまんべんなくボタボタ落ちている雨だれをくぐる時も。
 あれもこれもそれも、防水してあれば恐くなかったのに〜〜!

やることなすこと大変で、少し歩いてすぐコートを脱ぐお茶会には最悪でした。
素早く行動出来ない為同行させて頂いてる皆様をお待たせしてしまい、一番ぺーぺーなのに一番高いお席に座ってしまうという失態を・・・。 防水しておけば良かった〜〜〜〜!

皆さんもお着物には防水をかけましょうね。防水バンザイ!!

本日同行させて頂いた皆様、大変なご迷惑をお掛けしました。申し訳ありませんでした。m(_ _)m

”私の針仕事”展 2007.9.20

池袋の西武で”私の針仕事”展を見てきました。むふふ、友人がチケットをくれたのです。
 最終日だったからか、毎日そうなのか、大変な混みようでした。平日だったのですが。

和の布を使ったキルト作品を所狭しと展示。みんな本当に好きなんだなあと思えるような気持ちのこもった作品ばかりでした。愛です、愛。

畳の上で夢中になって裁縫をしている着物姿の女の子が見えるような、細かくて美しく、ユーモアに溢れた作品がい〜っぱい。
天井からも縮緬の可愛い巾着袋(金魚やらお花やら鳥やらの)が下がり雛みたいに下がっています。立派な傘もついて、メリーゴーランドみたい。

他にも縮緬で出来たお寿司の裁縫箱、勿論3段重ねの重箱に入ってます。海苔巻きのお寿司はよく見たらメジャーになってたり、小鋏のカバーだって愛嬌のあるワンワンだし、夢がいっぱいつまってる。

この展覧会は毎年やってるような気がします。皆さんも来年は是非行ってみましょう。
こちらのページに詳しく載っています。↓

手作りタウンhttp://www.tezukuritown.com/shop/default.phppgn=patchwork/event/hari07/01

マロニエゲート 2007.9.7

仕事帰りにちょっと寄ってみましたマロニエゲート。 ユナイテッドアローズに着物が置いてあるということでしたので、ちょっと偵察に。

予想通りのモダンな渋めのお着物でしたし、お値段も(私からすると)少々高め。 ふむふむ、世の中の若い女性はこういう好みなのかしら。
 マロニエゲートのターゲットは20〜30代ですとか。その中でもきっと収入の良い年代、30代以上あたりがお着物のターゲットでしょうか。渋いのもいいけどもっと綺麗な色を提案したらいいのにな〜と思いました。

レストラン階で 石焼ビビンパを食べました。ちょっと開店したてでゴタゴタした慣れない感じですが、美味しかったです。チヂミはもちっとして少し香ばしくておいしい〜。

韓式料理いふう http://www.marronniergate.com/guide/floor11_ifu.html

風薫るコンサート 2007.6.26

またもや大分前のお話ですが、5月に素敵なコンサートが行われました。
 気持ちのいい風が渡る川沿いで、米蔵を利用したイベントスペースでのコンサート。石の壁に天井も高く、コンサートには丁度良い。

 私は単衣の小紋を着て受付役。ちょっと受付業務が滞り、皆様をジリジリと照りつける日差しの中、お待たせしてしまいました。は〜申し訳なかった。

すっかり皆さん着席して、オレンジのライトに浮かび上がるステージに楽器と共に演奏者が登場すると、会場の期待が一層高まりました。
 私もワクワク。

 呼吸を合わせて滑るように演奏が始まり、楽器の響きが心地よく会場を包むと、体の皮膚や芯が音楽を感じます。
ん〜、CDとは全然違うな〜。正に感じて聴くって感じ。

ちょっとスタッフとして参加している私は、皆さんの反応が気になるのです。
この曲の時に皆さんどんな風に感じてるのかな〜とちょっと反応を見たりしましたが、暗くてよく分からず。

さて、私の期待していた曲 「亡き王女のためのパヴァーヌ」 が始まり、ファゴットとオーボエという楽器のゆっくり しっとりした旋律に 「は〜」 と感動していると。

「カサカサ、カサカサカサカサ」

と微かな音が。ゴキブリではありません、ビニールの音。
「あ〜、誰か咳が出そうになっちゃって飴を食べようとしてるんだ。しょうがないな〜。」 と思っていると、

「カサカサ、カサカサ、カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサ」

と長〜いカサカサが。

「むぉ〜、なぜこの曲で〜〜。」と悶絶してましたが、まあ生理現象だから仕方ない。私も咳がどうしても我慢できない時がある。
 多分、音を立てないように気を使うあまり、中々袋から出せなかったのでしょう。そんな感じでした。

ちょっとしたギャグなのか?って程長いカサカサだったので、演奏者は爆笑をこらえていたそうです。

 最後のアンコールは皆大好き「千の風になって」。ちょっと泣いちゃいました。

この素敵なイベントはまた10月に行われるのです。は〜、待ち遠しい。

あれ?!なんだかコンサートレポートじゃなく、単なる面白話になってる。
いやいや、違うのです。とても素敵なコンサートだったのですよ。
やはり音楽を生で聴けるのはとても贅沢なことですよね。ホントに。

あいらぶにっぽん! 2007.2.15

少し前にフランスに行く機会がありました。いつも外国に行くとその国の文化と共に日本文化の素晴らしさ、際立った美的感覚を再認識します。 (そうは言ってもやはり外国は魅力的なのですが)

ちょうど日程が重なり、見たいけど到底無理だと諦めていたフランスで開催中の「バレンシアガ展」に行く事ができました。

 うきうきでルーブル美術館のファッション・テキスタイル部門へ行き、チケットを購入。するとさすが広いルーブル、一つのチケットで3つの展示を見ることができるようです!

その中の一つに、世界の超ド級ジュエリーのコレクション展(有名企業の所蔵)がありました。

縦長の12畳程の部屋の中、漆黒のベルベットが貼られた壁、ガラスケースの中に浮いてるように飾られたジュエリーがコインロッカーのように壁を埋め尽くしています。宇宙に星が輝いているようにキラキラと輝きを放ち、「ヤバイよ、そんなにキラキラしたらルパンが来ちゃうよ」というくらい。
三輪彰浩もびっくり。      ・・・・・・いや、・・・びっくりしないかな?

エジプトの物やギリシャやアフリカ、各国の美術館に並びそうな宝石の中、密やかに静謐に自分の存在を表す物が・・・。日本の漆塗り、美しい鶴の模様のついた金蒔絵の櫛かんざしセットでした。

それは他のジュエリーに比べたら、非常に安価なものです。木の土台に漆を塗り、ほんの少しの金粉が付いているだけ。つまり、技巧だけで他のジュエリーを圧倒しているのです。
 それを見た瞬間、凄い宝石に目がくらんでいた浮ついた気分が一気に現実に引き戻され、

「・・・なんて美しいんだろう。」

と思いました。正にこれがハッとしたというやつです。

その繊細な美しさの後ではきらびやかなジュエリーがゴテゴテした物に見え、細工の細やかさ、シンプルさ、完成度の高さ、どこをとってもこのかんざしには敵わないと感じました。

私が日本人だから日本の物に特に惹かれるのだと言われたらそうかもしれませんが、日本を誇りに思いました。
 日本の工芸技術は世界でも群を抜いていた。そしてそれは現在でも受け継がれている。

あいらぶにっぽん!

余談ですが、アカデミー賞の3つの技術部門を獲得した「SAYURI」は「GEISHA」という原題がついている。フランスの街を紬を着て歩いていたら、「GEISHA」の小説を持ったマダムが「あなた達ゲイシャなの?」と聞いてきた。無理もないけど色々違いますよ〜、マダム。しかもかなり嬉しそうでした。今度は本物のゲイシャに会えるといいね、マダム。

きものと美術館 2007.2.15

東京都庭園美術館に行ってきました。

冬の忙しさに甘えて、更新をさぼっておりましたので、大分前のお話です。
昨年11月に東京都庭園美術館に行ってまいりました。勿論きもので。

この美術館は元は朝香宮[あさかのみや]邸で、アール・デコ様式の素晴らしい建物です。
外装のみならず、内装も隅からすみまでデザインされていて、展示されている美術品と共にシャンデリアや暖炉のカバー、床の寄木など、見ごたえ満載です。
この美しい邸宅に、日頃から楚々と美しく装った人々が生活していたのかと考えると、どうしてもタイムマシンが欲しくなります。

そんな美術館には着物がよく似合います。展示物は20世紀前半のアール・デコの時代にカルティエで活躍した宝飾デザイナー、シャルル・ジャコーのデザイン画と数点の宝飾品。
どれも目がくらむような素敵なジュエリーでした。

今は春、緑が美しくなる芽吹きの季節ですね、都会の中の緑豊かで静かな美術館に皆さんも是非お出かけ下さい。
3月31日までアルフレッド・ウォリスの素朴で素敵な絵が展示されています。

東京都庭園美術館 http://www.teien-art-museum.ne.jp/

ゆかたで花火 2006.8.20

浴衣を新調したお嬢様方をお連れして、花火大会に行ってきました。

皆タイプの違う美人で、浴衣が素晴らしく似合っています。
そんなお嬢様方をエスコートする為に、私はお昼過ぎに場所とりをしておいたのですが、行ってみたら程よく空いていて大変快適に過ごせました。

近頃はレジャーグッズが大変お手頃価格なので、小さな椅子とアルミテーブルにちょっとしたお料理とビールで花火見物。ずらりと浴衣女性が並んでいると、(凄〜。アナウンサーみたい。私が男性ならむちゃくちゃ嬉しいよね。)と一人ほくほくしておりました。

そんな時、一人の酔っ払いのおじさんが近づいてきて長々とつまらない事を言って中々離れてくれません。大ピンチ。ハハハと乾いた笑いもおじさんには通用しません。
時間もいい加減経った頃、やっと引き際を見せてきたおじさん。

「しつこくて悪かったね、この爺が!この!この!」
と自分のお尻をパンパン叩き始めました。

ヤバイ、凄く面白い・・・!!!!
私は顔をそらし笑いをこらえ、おじさんは去って行きました。

めでたしめでたし。あ、写真撮るの忘れました。

キルト
キルト展ページへ。
クリックしてください
和のキルト 2006.6.15

蔵を利用したギャラリーで、和の布ばかりを使ったキルト展が催されました。
作者は私のパッチワークの先生で、大変丁寧で懐かしい作品を作る方です。暇を見つけてはちくちくと針を走らすのが大好きな方で、子供みたいに目をキラキラさせて製作しています。先生の戸棚の中は小さな宝物がいっぱいで、箱庭のようにこまごまと可愛いものが並んでいます。アリスもびっくり。掃除が大変。

童謡が流れる会場には小さな兎のにおい袋や細かな布で作られたバッグ、懐かしい感じのガラス食器、ご本人が小さな頃に着けた七五三の着物とかんざし等々、先生らしい宝物がいっぱいです。メインは勿論、壁に大きく掛けられた美しい椿のキルト。全部正絹で出来ていたのかも?鈍く柔らかい光沢をはなっていました。黒っぽい地に赤い椿がいっぱい咲いています。可愛い〜。綺麗。

素敵なお茶碗とお皿で美味しいお茶とカステラを頂きました。は〜、なんていい時間。作品を眺めながらのお茶、最高でした。
また11月に街角ギャラリーで催すそうです。その時は許可を得てお報せページを作成させて頂こうと思います。皆さん是非ご近所お誘いあわせの上、参りましょう。綺麗ですよ〜。


お水差し きものと桜 2006.4.12

桜の花びらが舞い散る中、お茶会が催されました。
この時期は茶道の先生方は大忙しです。いろんな場所でお客様へお茶をお出ししているのです。
その準備はとても大変で、前日から大切なお道具を出してきたり、茶色く散り落ちた椿を拾ってお庭をきれいにしたり、緑がより映えるように掃き清めたりと、あちこちに気を配りまくります。私もスタッフとして参加、ちょっと腰が痛くなると、楚々として咲いているシラネアオイに目を落とすのです。は〜、きれい。

当日は穏やかに晴れ、ひらひらと桜の花びらが舞っています。お庭の一隅に扇面の形のテーブルを置き、畳ベンチに腰掛けたお客様へお茶とお菓子をお出しします。爽やかに春らしい着物を着た方々がお庭を行き交い、これぞ日本といった様相です。男性は着物に袴姿で凛々しく、やはり日本人はスーツより着物が似合うなあと思いました。これホント。
特にこういう日本的な場所にスーツだともったいない気になります。

写真のお水差し(というお茶の道具。水が入っています)は地元の若手美人陶芸家の作で、先生がオーダーしたものです。日差しは暖かいのにキンと冷えた風が吹くこの季節に、華やかさとクールさがあるこの作品がぴったりだなあと思いました。部屋の中にある時よりも緑が萌える広い空間にあるのが相応しい、勢いのある作品なのかも。黒漆の台に映りこむ姿も美しく、大変な人気を博しました。フムフム、さすがですな。

綺麗に決まった。 2006.3.23

着物の問屋さんにて、母と二人で着物の仕入れをしていた時のことでした。
 そのフロアには私たちの他に2人のお客様がおりました。どうも男性が女性にシルックの着物と帯を買ってあげると言っているようで、どれにしようか迷っているようでした。 「あ〜、帯が決まらない、この着物にはどちらの帯が合うと思いますか?」 と聞かれた問屋さん。問屋さんはコーディネートをする職業ではありません。困った問屋さんは母を見るなり 「あ、あちらの奥さんに聞けば間違いないですよ。」 とこちらに振ってきました。この後の会話。

女性 「この着物にはどちらの帯がいいですか?」

母  「こちらですね。」 キッパリ

女性 「え、そうですか、こちらの方がいいと思ったのに。縞(シマ)の着物に縞(シマ)の帯はあまり合わせないものなんですか?」

母  「ええ、しません。」

私 !!!!!!!!!!! シマセン!?  縞・線 !!!!?  綺麗に決まった〜!!!!!!!!!!

もう私は爆笑をこらえるのが大変でした、いやもう走って逃げ出したい程に。母の妙に硬い表情も拍車をかけるのみ。

 ・・いや〜、いいものを見ました。ベビーカステラの屋台が渋谷の交差点を横断しているのを見た時と同じくらい感動しました。

皆さんもこんな経験ありますよね?

かんざし かんざしについて  2006.3.8

伊勢丹に行ってきました。「かづら清老舗」という和の小物のお店が京都から来ていたので、参考に見て来ました。以前から雑誌などで見ていて興味があったのです。見事なべっ甲のかんざしや漆塗りのかんざし、縮緬や羽二重のつまみかんざしなどがたくさんありました。綺麗でした〜、色使いの美しさや技術の高さに歴史を感じます。どんな着物にもあいそうな。うちも仕入れたいなあ。(当店好みの素敵なかんざしを仕入れたいと探していますが、中々見つからないのです。)

 そこへ古典的なというか時代を感じる小紋を着たきれいな女の子が来ました。かんざしを見ています。丸くて小さい顔、なんでも似合いそうだ〜と思いました。
※左はかづら清老舗のかんざしです。カタログより

あ、URLがありました。http://www.kazurasei.co.jp target/

ツモリチサトゆかた ゆかたについて  2006.2.24

ゆかたを仕入れる季節がやって参りました。ゆかた係を自称する私は、この時期になるとカタログを見て注文したり、実際に問屋さんへ見に行って柄を選んで仕入れます。今年はどんな柄を仕入れようかというよりは、素敵だと思ったら仕入れるのがうちの体制です。
 個人的には古典的な日本らしいゆかたが好きで、黒田清輝画伯の描く女性のような生命力のある美しい女性になって頂きたいと思いながらお勧めしています。勿論お客様の要望を満たすのが仕事ですから洋柄のゆかたも揃えてあります。私の趣味は心の中にひっそりと。
※左はツモリチサトのゆかたです。とても可愛くて素敵です。カタログより

(画像をクリックすると模様の拡大画像がでます)

高田京染呉服店

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