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千葉県市原市市原阿須波神社の万葉歌碑

千葉県市原市市原の阿須波(あすは)神社に万葉歌碑があります。下の写真です。

千葉県市原市阿須波神社

歌は、「庭中の阿須波の神に・・」(巻20-4350)で、その阿須波の神とは、この神社だといわれています。阿須波の神は、旅の安全を司る神だそうで、上総の、若麻続部諸人(わかをみべのもろひと)が防人として九州に旅立つときの歌です。

この辺りは、市原台地(阿須波台地)と呼ぶようで、阿須波神社は台地の西側の縁にあります。下の写真は阿須波神社です。右端に鳥居、中央が社殿、その左奥に歌碑があります。草むらが邪魔をしてわかりづらいのですが、ここは高台なので、社殿の左右に、崖下に広がる風景が垣間見えています。

千葉県市原市阿須波神社全景

阿須波神社の下から西の東京湾方向に古代道路の跡が延びており、また、阿須波神社の南東1km程のところには上総の国の国府跡推定地(他にも候補があります)、阿須波神社の南約2km程のところには国分寺跡があり、この辺りは古代の要所だったようです。

歌の作者は、帳丁(ふみひとのよぼろ)となっています。帳丁は、主帳(シュチョウは、書記役)の丁(ヨボロは令制で課役負担者となる成年男子)を略したものらしいので、国府と関係があった人かもしれません。ただし、万葉集にはこの作者の出身地が書かれていませんので、定かではありません。

庭中(にはなか)の 阿須波(あすは)の神に 小柴(こしば)さし あれは斎(いは)はむ 帰り来(く)までに (巻20-4350) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。

(作者) 帳丁(ふみひとのよぼろ)若麻続部諸人(わかをみべのもろひと)。

(大意) 庭の中の阿須波の神に、小柴を挿して祈り、私は身を清めて待ちましょう。貴方が帰って来るまで。

所在地

千葉県市原市市原 阿須波神社境内です。JR内房線八幡宿駅の南南東2km程の距離で、地図 のマークのところです。