茨城県水戸市萬葉曝井の森の万葉歌碑
茨城県水戸市萬葉曝井(さらしい)の森にある万葉歌碑を訪ねてきました(2014/5)。ここには万葉歌碑が2つあります。有馬潔子著「時のかけはし」によると、この辺りは鬱蒼とした竹藪だったが1995年に「水戸のロマンチックゾーン」として整備されたのだそうです。ここには、下のマップが掲示されており、その地図では萬葉曝井の森は北西の端にあたります(地図では左が北です)。
ここには二つの歌碑がありますが、いずれも同じ万葉集巻9-1745「三栗(みつくり)の・・」の歌が刻まれてます。歌にある曝井は、布を晒すために使っていた湧き水のことだそうですが、各地で固有名詞に変わったようです。那賀の曝井については、ここ、水戸の他に埼玉県の美里町、他に候補地があります。この歌の解釈はこの記事の下部に書きましたが、織った布を女性達が湧き出る泉の水で晒している様子を詠ったものです。
北側の碑は明治11年に建てられたかなり古い碑です。下の写真です。場所は、下の地図のAのマークです。
その横に説明板があり、下の写真のように、碑陰の内容が説明されています。
この歌碑の脇には湧き水があります。下の写真では、碑のすぐ左側にある石で囲まれたところです(だろうと思います)。
下はもう一つの歌碑の写真です。上の歌碑の南側、斜面の少し上、にあります。場所は、下の地図のBのマークです。
説明板に碑陰に関する説明が書かれています。これによると、「常陸万葉の会」の同人が昭和52年に建てたものということです。
歌
三栗 (みつくり)の 那賀(なか)に向へる 曝井(さらしゐ)の 絶えず通(かよ)はむ そこに妻もが (巻9-1745) ← 歌をクリックすると注釈へジャンプします。
(作者) 未詳。
(大意) 那賀に向きあっている曝井の水が絶えないように、絶えず通ってこよう。そこに妻になる人がいて欲しい。
この首の曝井の場所については、武蔵国那珂郡(今の埼玉県美里町)、常陸国那珂郡(茨城県水戸市)と諸説あります。
所在地
茨城県水戸市愛宕町滝坂 となっていますが、滝坂が正式な地名か否か不明です。下の地図のマークの辺りです。