Premiertek社の2.4GHzパラボラアンテナを試す(Mar 31. 2017)
以前よりAmazonのショップで展示されていた米Premiertek社2.4GHz帯グリッド型パラボラアンテナが気になっていた。その理由は¥1万を切る価格。
同社のサイトには「New Outdoor 2.4GHz 24dBi Directional High-Gain N-Type Female Aluminum Die Cast Grid Parabolic Antenna」と紹介があり、詳細なデータが記されている。スペック上の利得は、23.5±0.5dBiとやや遠慮気味に記されている。なんとなく良心的な雰囲気が漂う。サイトを良く見るとPart#:ANT-GRID-24dBiと標記があったが、これってパーツ扱いなのと妙な疑問…。
それで問題は国内価格。Amazonのショップで、今まで¥1万を切っていた金額が最近\1.6万程度に上昇していた。相場が不安定なのか良く分らないが、この金額だと買う気が起こらない。暫く様子を見ていたら3月末週、急に元の価格に戻っていた。今が時機だろうと慌てて購入することになった。
既に2km先の山頂と自宅を同型の国産アンテナ(NATEC製)で結んでいるが、それからみると信じ難い価格なのだ。届いたパラボラアンテナを早々に組み上げてみたので、その状況や使用感を記したい。

3月28日に注文すると30日に到着。せいぜい50cm余四方で高さも15cm程度のダンボーは幅1mを超えるパラボラを想像させない。開梱するとパラボラは分割して重ねてあった…なーるほどだ。早速組み上げ部屋の中で一晩過ごし、翌朝庭に出してポーズ。国産のNATECとほぼ同じサイズだが、重量はこちらが軽い。説明書はA4サイズのシートが2枚のみで、それ以上はサイトを見ろという事なのかと探すとPDFのマニュアルがあったが、大した違いは無かった。

このパラボラアンテナを送受信に使い、無線LAN端末(10dBm/10mW)を接続して到着レベルを確認する。
スパンは見通しが確保できる1km程度を選び、地図上で正確な距離を求め、その距離から自遊空間ロスを算出する。
更に空中線電力(10dBm)、パラボラアンテナ利得(24dB+24dB=48dB、自遊空間ロス(-100dB/1km/2.4GHz)を合算すると、10+48-100=-42dBmとなる。仮に距離が倍の2kmなら-106dBの自遊空間ロスとなる。
但しアンテナケーブルロスとコネクタロスを送受合計で3dB(1.5dBx2)程度見込むと合計で-45dBm程度の受信レベルが想定される。
この計算値(理論値)をどれだけ満たせるかの確認をフィールドで行う。
無線LAN端末に必要な受信レベルについては以下の目安が参考になる。ただ国産メーカーにはかなり厳しく指定している場合もあるので、ここは参考程度に見た方が良い。
レベルは無線LAN端末管理ソフトのサーベイ機能を生かすと直読できる。その際近傍に散らばる各種無線LAN端末の電波を拾い上げてくる。
拙作マウンテン・リモートシャックの無線LANパラボラは、山頂向けは30局程度を広い上げるが、自宅向けは地区民家の電波を拾うため60局以上を拾い上げてくる。但しそれら目的外波のレベルは-80〜90dBm以下で全く問題にならない。


表はBUFFALOの無線LAN端末WAPS-HP-G54のサーベイ機能を生かして表示させた無線LAN環境モニターの画面(画像クリックで拡大)。RSSI(Received Signal Strength Indication)の欄が受信レベル(dBm)。
これはリモートシャック側から自宅を向けている端末を見たものだが、目的波(最上段)以外に多くの無線LANを拾い上げている。
時間帯で変化し、多い時は50〜60になる。その殆どは-80dBm以下で問題にならない。最初にこの状況を見た時は驚いたが、世の中如何に無線LANに依存しているか良く分かる。