FL-2100ZのバンドSW交換(Mar 14. 2011)
FL-2100ZのバンドSWで、プレートVCの補助コンの開閉に使う接点の溶解を時折見る。こうなるともうLow Bandではにっちもさっちも行かない。
友人からQSYしてきたFL-2100Z、1.9MHzと3.5MHzで同調が取れないため調べると全く同様の現象だった。
FL-2100ZのバンドSWは3枚のウェハーで構成されている。パネル寄りのウェハーにその接点S7-aがある。ウェハーの表裏に接点があり並列接続され電流容量を稼いでいる。ちなみに残り2枚のウェハーでS7-bを構成している。
状況は、ステータ側の1.9MHz用補助コン接点と接地接点との間で放電し両接点が溶解している。また3.5MHz接点と接地接点との間にも放電痕があるが、3.5MHz接点は溶解まで至っていない。更にローター側のショートバー(幅2接点分)は表側は残っているが裏側はちぎれて無くなっている。
作業はノブを外し締め付けナットを緩める。狭いので作業がやり難いが、バンドSWと配線を一体で外した方が楽な場合もあるので状況を見ながら作業する。バンドSWは2011年4月現在、バーテックススタンダード(旧八重洲無線)で取り扱っている。
不良バンドSWから配線を外し良品へ移植して本体へ戻す。TL-922に比べるとやり難いが、前述の様に予め線材を取り付けてから実装する事で作業の効率化が図られ仕上がりも綺麗になる。



写真最上は取り外し前のバンドSW。上から見ただけでは何処が不良か分らない。FL-2100Bに比べると線材は随分細くなっているのが印象的。
写真上左はバンドSWノブを取り外したバンドSWシャフトと固定ナットの様子。FL-2100Bに比べると補修性が大幅に改善されている。
同右は線材を取り付けたまま外した不良バンドSW(左)とバーテックススタンダードから届いた新品バンドSW(右)。写真の様に線材は外さずに取り出し、そのまま新しいSWへ移植して戻した方が良い。
写真左は不良バンドSWのクローズアップ。ハヤトールで洗浄した。一番手前のウェハーに溶解した接点を確認できる。ここが使えなくても他は正常なので自作アンプを試みる場合に再利用が可能だ。
実は交換作業で楽をしようと、取り外した時に不良ウェハーのみ交換しようと思ったが、シャフトとローターが接着剤で固定されているため目論みは叶わなかった。
交換後のテストを1.9MHzで行うと、シールドボックス内で青白い放電。マズイ!と思い調べると、1.9MHz補助コンデンサ〜バンドSW間の配線(写真上右の最左リード)がシャシに寄添う部分で放電していた。グラスチューブを被せてあったが放電により貫通し小さな穴が開いていた。間隔をとる事で無事問題は解決。GU-74B改修機で良好に働いている。(2011.04.14)


 関連情報・・・Yaesu FL-2100Z/Bのテストと改修