GU-74B Single 144MHzパワーアンプを作る
終了宣言をしたのにやや忍びないが、GU-84Bの入力回路のテストをしているうちに、並列共振回路とコイルのタップ位置の関係が気になってきた。プレート回路のタップ位置は既に幾度もテストを行いベストポイントを探したつもりだったが、どうも時間が過ぎるとそのときの自信が喪失してしまう。それで本日再び回り道をしてしまった。写真は出力タップ位置を約10mmコールドエンド側に寄せた様子。結果としてはこれによる改善は全く見られなかった。そうさせたのは1KWを出力するときにIp=800mA程度流れるため、ちょっと抑えてみようと言うきになったから。タップダウンして相対的にホット側のZに変化を与え(上げる)てみようと言うのが狙いだったが・・・。でも時々時間のあるときにこのような再トライをしてみるのも楽しい・・・本当に無線が好きなんだろう。
写真にはプレートコイルタップからリン青銅板によりロードVCにリードされ出力同軸につながる様子が写っている。発熱や変形はないのだが、ロードVCの容量は羽の位置からして15~20PF程度なので、フラッパー構造にして直にプレーとコイルと結合する方がロスが少ないかもしれない。或いはベストポイントダイレクト接続するとか・・・考え出すと色々なアイデアが巡って来て終了宣言が遠のく・・・。
電源と制御関係回路図をアップしました。部品番号は高周波部回路図と必ずしも一貫性をとっておりませんので悪しからずです。これにて「GU-74B/144MHzアンプ製作記」を一旦終了にします。
意表を突いたショートリングによるバリLとプレートラインをベンドし小型化を狙ったことに対して、既成概念を持たれるOM諸氏からは疑問のメールを頂戴しましたが、一定の成績が残せたものと考えております。特にEuやW方面からの問い合わせが幾つもあり、中にはVK4KDD/Ronのようにベンド型プレートラインで追試を試み、好結果を報告してくれた熱心なHandMakerもおります。またRussianPowerTubeの紹介で有名なND2X/Paulは、早速ご本人のHPにそのデータを紹介してくれ、当HPにLinkを張ってくれました。またハンガリーのHandMakerであるHA8UG/Paliは当製作記が気になるらしくご本人のHPよりLinkを張って頂いております。
と言う事でGU-74Bの144MHzアンプを通して国内外の様々な方々と交流を持つことが出来ました。製作を始める前は夢にも思わなかったことです。またインターネットが無ければ全く有り得ないことで、その有用性を改めて認識しております。
写真はWindowsXPの時代になっても愛用している「文豪ミニ7RX+自作SCSI/HDD」システムで回路図を描いている様子。ここで作成した文豪オリジナルIMGファイルをBMPファイルに変換してWindowsマシンで読み込んで作業しています。
このコーナーの終焉にあわせGU-84B/50MHzアンプの製作と研究のページを開設したので是非御覧下さい。自作の楽しさは完成後の運用より、その間のプロセスにあると信じております。その楽しさをHP等を通じて若い世代に継承して行きたいと考えています。Good Luck Your Hand Making & 73!
昨日から無入力送信状態(途中出力950Wで連続1分間送信数回あり)で10時間の連続通電を行うが異常無し。
写真左は温度SWを坂口電熱のサーモスタットBF140Lに変更した様子。取り付けは今までの3mmビスとファイナルボックスのタップを流用した。取付金具は両サイドを固定するのが望ましいがこここでは片側のみ固定した。念のためシリコングリスを接合面に薄く塗った。写真はその様子で、ケーブルはラグ端子が無いので中継コネクタで本体側と接続している。手前は高圧・ヒーター・DC用の電源トランスT1。この位置が温度センスのベストポイントとは言えないかも知れないが、出力ファンや電源トランスが近いのでまずまずの位置と思える。またTokinの温度SWはパッケージが樹脂製だったが、これは金属製なので熱伝達特性が改善されている筈である。やはり原始的なバイメタルによる温度SWは使っていて安心である。しかし、短時間に大損失を発生させた場合の到着温度には減衰や遅延があるので、本来なら管の直近(ボックス内側面)が良いと思われる。
出力約900Wで連続10分間キーイング(平文)したときのオフディレ時間は約9分30秒であった。GU-74Bの熱もさることながら、質量の大きい電源トランスの温度がかなり効いている。それは、2分後には再びファンがONとなり約1分間回り、更に2分後に再びONになり40秒回り、最後に20秒程度まわって完全に停止した事で推測できる。生きているようで実に面白い。室温は21.5℃だったが、この数字は季節や周辺温度で変わるだろう。
写真右はスケールアウトして指針が張り付いた状態のBird43(1000C)。スケールアウトはメーターの精度を落とすので余りやってはいけないが、これは撮影用である。
同僚で東京勤務のY氏に依頼してあった坂口電熱の40℃のサーモスタット4個が届いた。写真は40℃以上でONになるBF140L型とその取り付け金具BF1TK。価格はサーモスタットが\630で取り付け金具が\150。電流容量は3Aあるので、ファンのON/OFFには十分である。当然だが接点は筐体から完全に浮いている。白エナメルで封じてあるところが温度調整用のネジになっていて、設定温度を変えたければここを強引に回すことになる。近日中にNGになったTokinの温度SWと交換する予定である。
このサーモスタットは最初にGU-74Bの50MHzアンプを製作した時から愛用している。取付金具の片方の穴はリベット留めし、もう一方をビス締め(タップ)にする事で容易に取り外しが可能となる。丸型の製品もあるがこのような芸当は出来ないだろう。
頼んでおいたBirdのエレメントが米国のRF PARTSから本日届いた。早速Bird43に差込み今まで使っていたDRAKEのWV-4(20~200MHz)と比べてみた。写真はTx側にBird43負荷側にWV-4をつなげているが、その前後関係で電力表示が40W程度異なる。この差はケーブルロスにしては余りにも大きし、定在波によるものも含まれているのだろうか。何しろ1KWと40Wだからその関係は4%程度で良く分からない。前後を入れ替えて確認をすると、今度は両者の表示が逆転した。と言うことは相互の表示差は極僅かと言うことになる。写真のサイズではちょっと分かり難いが左のBird43で1KWを振らしている様子で、右のWV-4は950W程度を振っている。順番を入れ替えると、今度はWV-4が1KW、Bird43は950W程度を振る。
ショートリングの損失が気になるため、新たに2mm銅パイプによるショートリングを作った。また試しにポリロッドによるシャフトでプレートラインから直流的に浮かしてみた。直流的には浮いているが高周波的には締め付けボルトが埋め込まれているのでプレートラインとの間はCを構成してしまうので高周波では悪戯が起きそうである。写真は今までのオール金属で3mm銅パイプによるショートリングと並べてみた。
ところが1KWで2分程度の連続送信をしたら急にチューニングがずれ出した。中を開けて見ると写真の様にポリロッドの先端が溶けてボルト部分が流れ出し曲がっていた。ポリロッドの他の部分は異常が無く、またリングの接合部のハンダも流れ出してはいない。て事はやはりボルト-プレートライン間を充填するポリロッドが高周波による誘電と発熱で溶け出したものと思われる。したがってショートリング自身の発熱によるものではないと考えられる。
写真は最終的に決定したショートリング。即ち2mmの銅パイプに真鍮製の金属シャフトと取り付けた物である。貫通しているビスは3mmの皿ビスでシャフトは直径6mmの真鍮スペーサーである。銅パイプが2mmなのでそのままでは3mmの貫通穴を開けられない。ワンターンさせた銅パイプの端同士を10mm程度オーバーランさせて横に並べ、ハンダを流して固定し中央に3mmの穴を開ける。ショートリングはその直径・素材直径・リング位置で可変範囲が変わってくる。余り大きくすると可変範囲は大きく取れるが損失が増えQの低下を招くので大きさは必要最小限にする必要がある。
無入力送信状態の連続通電は丸3日(約72時間)行った(途中出力950Wで連続1分間程度の送信やキーイングを実施)が異常無し。
連続通電は3日目に入った。途中出力950Wで連続1分間程度の送信やキーイングを楽しんで知るが異常無し。
1昨日から無入力送信状態(途中出力950Wで連続1分間送信数回あり)で48時間の連続通電を行うが異常無し。
ショートリングのロスの確認のために、しばらくショートリングを外した状態で様子を見る事にした。ファイナルボックスの上蓋を外し、外カバーを取り付けた状態で同調周波数は凡そ145MHzに固定となっている。微調する場合はエキサイターの周波数を変えて行う。
K4KDD/Ronにの実験によればQ-factorの低下を指摘しているが、実験による大きな違いを確認できないでいる。両者ともEp=2.3KV、Ip≦800mA、Isg≦20mA、Ig≦2mAで凡そ1KWを出力している(WV-4表示)。入力が1.8KW前後あるのに出力が1KWとはやや効率が低い。と言うより他の国産パワー計を持ってくると1.4~1.5KW程度振れ、どれが真実か分からないので現在は一番表示の低いWV-4の表示で通している。この傾向はショートリングの有無に関係ないのでRonが言うような現象は本機では発生していないように思う。
この後ショートリングの取り付け構造やサイズ。すなわち可変範囲を満足する最小構造にしつつリング材料の模索をするのと、取り付け構造をプレートラインから絶縁する等の処置をとる予定。
昨日から無入力送信状態(途中出力950Wで連続1分間送信数回あり)で24時間の連続通電を行うが異常無し。
K4KDD/Ronからショートリングによるロスがあり、外してチューニングを取り直すと15%以上出力が伸びる旨の連絡があった。ショートリングからの発熱は殆ど無いから、ロスがあるにしてもそんなには多くないだろうと考えていた。それで確認するためにショートリングを外して最大出力を確認する事にした。左は取り外したショートリングで直径3mmの銅パイプを内径約25mmで1ターンしてある。つなぎ目は平らに叩きハンダを流し3mmの穴を開け、シャフトである直径6mmの真鍮パイプと合わせて3mmの皿長ビスで貫通しナット締めしてある。
ショートリングを外し、終段ボックスの天板を外してケースを被せると凡そ145MHzに同調するため、これに合うようにエキサイターの周波数を可変して同調をとった。ロードVCはやや入る方向で最大出力となり、目盛りは50程度(約15PF)になった。しかしこの状態で効率には劇的な変化は無く、50Wドライブで出力はDRAKEのWV-4で見ると約1KWを示すが大きな変化は無かった。
昨日から無入力送信状態(途中出力950Wで連続1分間送信数回あり)で35時間の連続通電を行うが異常無し。
本日両ファンともPapst3412(19V)で最終測定を行う。室温が当初のテスト時に比べ5℃程低く、データとしては良好な数字になっているが、その因果関係は定量的には分からない。グラフに今までのテスト結果を、下表にその代表値を一覧できるようにまとめ評価順位をつけた。測定日によって室温や開始温度が異なるのであくまで傾向である。600W程度の連続キーダウンなら、この程度のスケールファンによる冷却で間に合うと言う事である。送信はBias電流が流れファン温度が安定した段階から開始しているので、管をカットオフにしている状態からの送信に比べ条件を厳しくしている。参考だが、キーイングなら1KW出力を15分連続してもこの状態とほぼ同じ温度に落ち着く。
表で示すBackOffはファンから壁までの距離である。この距離の違いで測定データが大きく変わるので、あえて項目として書き込んだ。例えば1次・2次ファン共にPapst3412を同じ電圧で使用したテストNo.6とNo.7を比べると最終的な温度に5℃程度の差が出る。したがってアンプを設置する時の背面側の通風条件が冷却に大きく影響する事が予想される。また風量を回転速度に依存するスケールファンではどうしても騒音と風量がトレードオフの関係になる。これもアンプの設置場所でその選択が別れるところで一概に判定できない部分である。
どうも騒音が大きいため1次・2次ファン共Papst3412にファンに戻し、電圧を規格外の19V加えてみた。19Vと言うのは手持ち電源の関係で、NECのPC電源である。その結果は今までの中で2番目に良好だった。
ファン厚が38mmもあるSanAce92の1次ファンへの適用に二の足を踏んでいたが、冷却のデータ取得のために思い切って組み込んでみる事にした。写真は今までの1次ファンを取り外したときのネットの様子。毎日通電しているため部屋の綿クズがネットに引っかかっている。プロペラの円周上に綿クズがくっ付いている様子が分かる。ネットが無いとGU-74Bの放熱フィンに詰ってしまう事になり危ない。また定期的にネットの状態や冷却フィンの様子を確認する必要がある。
グラフの黄線が今回の測定カーブで、1次ファンと2次ファンそれぞれにSanAce92"9G0912G102"を組み込み11Vで動作させた結果である。思いの他温度が下がらなかったのは、1次ファンの実装高さが40mmでそこに無理やり38m厚のファンを組み込んだ事にある。底カバーに穴を空けてあるとは言え、余りにもクリアランスが少ない結果だと言える。また他の曲線は13分頃には殆どが飽和しているが、黄線は15分経過でも未だ落ち着かないでいる。内心グラフの赤線(1次ファンのみSanAce92"9G0912G102")より良い結果が出るのではと目論んでいたが当てが外れてしまった。限られた資源を有効に使うのと同じで、冷却も適材適所で形を変える必要がある事を実感した。
ファンの風量が増えて排出空気温度が下がったのは良いが、騒音は気になってしょうがない。そこで2次ファンの電圧を9Vに落として同じようなデータをとってみた。その様子をグラフに示す。ピンクの曲線が今回測定したものである。なお出力は600Wとしているが、WV-4の表示なので真の出力は実際にはこれより15~20%程度多い700W程度は出ていると想像している。写真はSanAce92"9G0912G102"のクローズアップ。羽は7枚で厚みが38mmあり、このサイズのスケールファンでは最高の風量110CFMを誇る。
その後更に2次ファンの電圧を6Vまで落としデータを取得してみた。グラフに追加したグリーンの曲線が今回の6Vのものである。さすがに風量が低下するため、従来のPapst3412より劣るデータとなっている。同等になる電圧は7.5V辺りかもしれないと想像している。スタート時点の温度がそれぞれに異なっているのは、晩秋で測定日や時間により室温はもとより、部屋の中の温度分布やBias値の微妙な違い等によるものである。今までの4回のテストを以下の一覧表にまとめたので参考になると思う。これに騒音(dB)が加われば良き判断材料になるかもしれない。写真はファンの電源に使用したSanhayatoのDK-801と温度計の「おんどとりRH」。DK-801はその昔のKitで3V/5V/6V/9V/12V/15Vを選択できる。
風力・風圧は気密度の高い箱の中で多くの羽を小刻みに配したシロッコファンにはかなわない。風圧を必要としなければ扇風機のようにスケールファンでも良い線いくのであるが、通過面積が一機に絞られるプレートフィンでは一定の風圧がないと十分なエアが通過しない。エア・トルクコンバータやエア・トランスフォーマーなるモノは世の中に存在しないのだろうか・・・色々と想像を巡らす。
いずれにしても、スケールファンでもそれなりの結果は出せるが、風量・風圧と騒音との闘い(トレードオフ)に遭遇する事は必須である。なおSanAce92"9G0912G102"(110CFM)を1次ファンと2次ファン両方に使い、電圧を規格一杯の13.8Vに上げれば1KW連続でも十分な冷却効果を得られるとものと想像している。勿論騒音は無視した話であるが・・・800W程度のヘアドライヤーが回っていると言った感じである。それにしても600W程度の連続送信ではびくともしない、ダミーやアッテネータの方の熱が心配になるほどである。
お昼頃山洋電気のファンSanAce92"9G0912G102"(Ampの上に1個置いてある)が届き早速2次ファンを交換しテストを行った。写真はその様子でグラフは比較のために前回と今回のデータを示している。600W連続キーダウン時のファン温度の変化を測定している。なお今回の室温は24.7℃で、2次ファンの電圧はDC12Vある。まず無入力の送信状態(主にBias電流とヒーターによる発熱)の温度が安定するまで待ち、落ち着いてから連続キーダウンを15分間続けた。スタート時の温度は38.3℃で前回は39.9℃(室温24.5℃)であった。室温は同等と見なせるので、スタート時点から冷却の改善が確認できる。また飽和するまでの時間は前回も今回もほぼ13分で、その温度は前回は60℃であったが今回は50℃で10℃と大幅に改善されている。
上記のように2次ファンのみの交換でかなりの改善が見られた。その代わりに騒音はかなり増えており回転数に依存するスケールファンの限界を感じている。但し電源電圧を9V→6Vと落とせば騒音は一気に低下するが、風量は従来のファンより大きく勝るので対策の道は残されている。またファンの厚みが38mmあるため、シャシ内高40mmに収める1次ファンにはクリアランス不足で使用を断念した。
もう一つの課題として冷却ファンの改善。JP3KHH/塚口氏より山洋電気サンエース92について写真と資料を頂いた。92mm角で38mm厚のファンであるが、最大風量は90~110CFM(Cubic Feet per Minute)あると言うから並のシロッコファンにも負けない。電圧は12V/48Vの2種類、風量も90CFM/110CFMの2種類で計4種類がリストされている。写真は塚口氏から送られてきた比較テストの模様で奥が12V/110CFM(型名:9G0912G102)、手前は現在私が使用中のモノ(PAPST社3412)で確かに馬力がありそうで一度試してみたい。黄色い部分はおもしで、これがないとファンが動き出してしまう。
入力回路の微調整を行う。利得アップを考えていたが、エキサイターに余裕があり過ぎて危険な場合(オーバードライブ等)もあるので、その方向を改め元の回路に戻した。これで微調整(L1の長さ、カップリングコンデンサのリード長)を行った。SWRアナライザBR-400を入力につなぎ、通電して実際に送信状態にして調整行った。球がカットオフの状態とバイアスが流れている状態ではSWRが変化するのでこの作業が必要になる。この違いは前述したがHFや50MHzでは殆ど影響しないがこのバンドではそうは行かない。SWR=1.1まで追い込んで良しとしたが、一定レベルでドライブを始めるとSWRが上昇するようであるが、実用上影響が無いので無視することにした。何故かと言うと、調整はアンプを上下逆さにし1次ファンを取り外した状態で行っているので、冷却が不十分だから。この調整で表示上1KWを振らなかったDRAKEのWV-4が、写真右の様にそれを超えるようになった。またIcgも50Wドライブでは殆ど振れる事は無かったが、3~4mA程度まで振れるようになった。信号源は50Ω/2と低いZなので、この程度のIcgでは歪みには殆ど影響ない。ステップアップして高いZでの駆動にすると、Icgの流れ出しで歪みの出方に影響を与えるものと経験的に感じている。これで入力側で行われるエネルギーの授受が改善されたと言える。
写真は入力回路のクローズアップ。L1は長さ約70mm(1.6mmΦ)のスズメッキ線。茶色のマイカコンデンサは2000PF。4mmビスで留めてあるのが50Ω(30W)のダミーチップ・・・ファンの直前なのでこのパワーでOKとした。この3者が入力のBNCコネクタで結合される。L1は球の入力容量(及びストレー)と並列共振させ、ダミーチップを純抵抗に保つ。このときの微調整は、L1に直列に入れたVCの容量性リアクタンスによりL1の誘導性リアクタンスを可変する事により行われる。
なお余談ですがND2X/Paulよりメールが届き、以下より当HPへリンクしたそうです。
A link to your 2M PA page is on http://www.nd2x.net/base-1.html in "PA LINKS" section.
A link to your home page is on http://www.nd2x.net/links.html in "sites by callsign" section
気になっていた高調波特性をとってみた。その詳細はTest&Dataコーナーにアップしたのでご覧頂きたい。ここではその一部を紹介する。図は約600Wに最大チューニングした状態(Isg=15mA)からロードVCを入れる方向に回しIsg=0mAにした時の高調波特性である。この時の出力は約550Wである。表示はピックアップに使っている方向性結合器のf特が反映されていないので、高調波分は6dB/octの補正をかける必要がある。すなわち表示より2次高調波で6dB、3次で9dB、4次で12dB減ずる必要がある。よって図の表示は2次=-31dB、3次=-38dB、4次以降=Noiseと読み替えられる。
ちなみにロードVCを抜いてIsg=20mA程度にすると4次以上の高調波が一気に顔を出してくる。それがどの辺りなのか大変興味がわく。
いずれにしてもタンク回路はLPF効果を持ったπ型やπL型とは本質的に異なるため裸特性は良くない。運用に当たってはLPFやノッチフィルターの併用が必須となる。なお測定はPowerAverage100モード(一定時間の電力平均)で行っている。
ロードVCをMax50PFから30PFに変更した。100目盛りのダイアルの75辺りが適正位置だったが、VCが1/4程度まで抜けた位置だったたのが気に入らず30PFに交換した。適正位置で約13PF程度だったため、交換により60~65辺りが適正位置となった。VCのローターが抜けていると、経路がクランクしてL成分を発生させそうだったがこれでスマートになった・・・気分の問題か。
名古屋市東区大曽根の平丸ムセンよりKuranishiのRW-1000Dをお借りして入出力特性を取り直した。チューニングはEp=Highで50Wドライブした時の最大出力に合わせ込み、以降は一切触らないで測定を行った。ちなみに50Wでドライブすると1KWスケールをオーバー(写真)する。正確な値は読めないが、針の勢いから察すると1.15~1.2KW程度は出力している感じである。グラフはEpのHigh/Lowそれぞれの出力電力とIsgの変化を示している。200Wを境にRW-1000Dのレンジが変わるが、同じ200Wでも1KWレンジと200Wレンジで同じ表示にならないため、出力データに連続性を欠いが部分がある。また測定時間が土曜日とは言え昼間なので、受電電圧の低下が直線性をやや崩している。IsgはEpのHigh/Lowで違いが見られたので正確に取り直してみた。EpをLowにするとIpがIsgに持っていかれるため僅かではあるがIsgが増加する。4極管の動作そのものである。Isgがマイナス領域でも500W以上の出力を得る事が出来るGU-74Bは実に面白い真空管だと改めて感心している。
表は50Wドライブ時の各データを示している。およそ1.2KW出力(メーターの振れ具合から推測)を効率68%で実現しています。こうなると50Wを入力終端してしまうのはもったいない話で、やはりステップアップしてドライブに要する電力を落としたくなってくる。なおグラフと表で出力の違いは、表は送信開始時点のデータで数字が大きいが、グラフは時間をかけデータ取りしているため数字が伸びていない。
入力回路のデータについて知らせて欲しいとの要請があり、9月21日の回路図に定数を書き込み再掲した。なお現在は50Ω終端であるが、利得を得るためにこの10倍程度(500Ω)まで終端抵抗をあげ、ドライブ電圧のステップアップを図る予定である。そなるとCgのRF的な負荷状態が変わるので中和がより求められるかもしれない。Sgが0.01μF程度でバイパスされたSK-1Aは、一般的に言われるワグナー中和は難しい・・・簡単な直列共振回路を外部に取り付けたら吸収できるのだろうか・・・低い周波数では有り得ない話だけど。
リアパネルを撮影した。余り真正面から撮影した事が無かったので新鮮な感じがする。余談だが、明かりは室内の蛍光灯とスタンドライトのみ。相手が光モノなので白布によるレフ板を使って正面からフラットにあてている。ストロボは当然使っていない。ファンのフレームが黒く落ちるのでガンマを持ち上げるともう少し見易くなる。
600W連続キーダウン時の出力ファン温度特性をとってみた。600Wとしたのは家の配電NFBに余裕を持たせるためであるが、この電力は法定最大出力の上限許容値(=500Wx120%)でもある。
測定開始時の温度は約40℃であるが、12分過ぎに60℃に達しそのまま飽和点となる。限りない上昇は無く、過去に製作したGU-74Bアンプと比べて極端な違いは感じない。連続キーイング(デューティ比50%)ならこの倍の電力でも何とか使えるか・・・と勝手に想像している。FALのN氏によれば、熱源の温度は排出空気温度の約3倍程度あるとの事なので180℃以上はあるものと想像している。ダミーロードの同軸アッテネータはムンムンに発熱していた。手で触れる範囲なので溶け出す事は無いと思うが、水を張ったバケツに浸けるか巻き込みを解す等の対策が必要かもしれない。なお写真は測定のために2次ファンに取り付けた温度センサーである。
出力取り出し同軸のシールド側接地をアルミブロックコールドエンドの最寄に寄せた。またロードVCの角度を90度回転し、プレートコイルタップからの同軸までの経路をより直線に近づけた。写真はロードVC前後のクローズアップ。5D-2W右のビスは今までの接地ポイント。この作業によりWV-4の表示は950Wになった。取り出し部のインダクタンスが減少したため、ロードVCは今までより抜く方向で整合が取れている。角度から見るとロードVCの容量は12.5PF程度でXc=1/(2πfC)=88Ω。Q2=Xc/Rl=1.76でまずまずの値だろう。材料やグランドポイントの吟味(特にGU-74BのカソードやSgバイパスの整理)で、未だ1割程度出力が伸びそうな気がする。だいたい本当の信号源が良く分からなくなってきた。プレートと言ってもトップからフィンの端々まで無数にあるし、コールド側と言ったら全く限定が出来ない。Sgバイパスは四方に散っているし、カソードバイパスも然りで筐体には無数の電位が存在している。HFでは無視できるが、この周波数になるとそうも行かない。RFって実に面白い。
プレート同調の微調整を行う。ダイアル目盛り「50」でバンド中央(145MHz)に同調点が来るようにプレートコイルの調整を行った。何てことは無く1.5mm圧の真鍮板をプレートコイルとカップリングコンの間に挿入しただけである。これはコイルの長さが伸びたと言うより、天板とコイル間のストレー容量が僅かに増加したと見るべきであろう。併せてカップリングコンの取り付けネジ側にもワッシャ代わりに同じ真鍮板を挟み込んだ。参考までにバリLの可変周波数範囲は目盛り50~75(f-max)の方が目盛り50~25(f-mini)より遥かに広い。写真左はその様子。写真右は作業中のスナップ。
なお背面出力からパワーメータまでの間にCX-800Nが挿入され、配線用の5D-2Wを含めて発熱を感じるため、背面出力コネクタでは1KWを出力していると思われる。
大分形になってきたので連続キーダウン時の排気温度を測定してみた。なお950W出力でスタートしたが、3分を経過したところで自宅のNFBがトリップしテストは中止となった(情けない・・・)が、そこまでのデータをグラフにまとめてみた。室温は24.5℃、スタンバイ時の排気温度は31.6℃、無入力送信時の排気温度は41.5℃であった。温度センサーは排気に直に当てず、ファンに取り付けてみた。温度計はTandDの「おんどとりRH(TR-72)」。写真左のWV-4は深夜になって受電電圧が上がってくるとフルスケール(1KW)を示した。
写真は札幌FDT LABORから届いた乾式ダミー(500W?)とアッテネータ代わりに用意した5D-2W(100m)。144MHzで凡そ10.5dB(≒1/10)の減衰を得る事が出来る。ダミーロード環境が整ったので、DRAKEのパワー計WV-4で入出力特性を取ってみた。併せてIsgの変化も取った。グラフにまとめたが、WV-4の振れがどうも辛いようで1KW出力を示さない。と言うより10月30日のデータはSWRの悪化が招いたものと考えている。でもそれにしてもちょっと振れが少ないような気もするが・・・。EpがHigh(2400V)とLow(2200V)の両方のデータを取ったが、IsgについてはEpを変えても殆ど同じであった。なおIsgのスケールはY軸目盛りの1/10である。以前にも書いたが、GU-74BのIsgの振る舞いは本当に興味がある。ドライブ開始でいきなりマイナス方向(逆流)となり、程よきところで折り返しプラスに転じる。特筆すべきは出力500~600W程度ではIsgはゼロ付近にある事である。300V程度のEsgなら20mA程度で飽和になるため、極端に大きなSg電源は必要としない。Esgを更に高くとるとIsgが増加し飽和点が高くなってSg損失が増加していくが、連動してIpの増加を伴う。ベース(レスティング)電流はEpをHigh⇔Lowと切り替えてもIpの変化は殆んどなく、影響するのはプレート電流の飽和点と若干の利得。運用するEp・Esg・Ecgで様々に姿を変えるGU-74Bが大変不思議に見えてくる。オーナーはIsg=20mA程度をひとつの目安(限界)としてロードチューンを行っている。
写真は深夜の送信テスト中に溶け出した3D-2W。ダミーロードのアッテネータとして3D-2Wを20m程度巻き込んでいたのだが、その一部が写真のように溶け出して被覆同士がつながってしまった。実はインナーのポリエチレンも溶け芯線とシールドがタッチしてしまった。1KW前後で数分間の連続送信やKeyingでこの様になった。同軸をアッテネータとして使う場合は、入り口側の通風を促し場合によっては水冷にする必要がある。
電力測定に使っていたDAIWAのCN-101Lの動作がどうもおかしい。連続送信していると振れが段々落ち、最後は全く振れなくなってしまう。しかし反射波は振れているし、アンプ側のメーターは正常に振れている。取り外して調べると電子部品が焦げるような匂いがぷーん。1.5KWまで目盛りを振ってあるから大丈夫だと思っていたのに、どうやらダメにしてしまったようだ。それで写真左のように再びDRAKEのWV-4が登場した。Nコネ仕様でコネクタからの発熱は殆どない。1KWフルスケール(20~200MHz)だが、送信すると針は勢い良くスケールアウトする・・・一体何W出ているのだろうか。写真右は分解修理中のCN-101Lだが、熱でハンダが流れたのが故障の原因だった。芯線が動いた跡があったが、幸いにも燃え出した部品は無かった。
カナレ電気の圧着式N型プラグのテストを行う。圧着と聞いて疑問を持たれるOM諸氏もいらっしゃると思うが、現在ではラック内や建物内など比可動配線においては必須の工法となっている。テストは1KW以上の電力を通過させたときの発熱を、今まで使用していたノーブル製のS-LP043とを手触りで比較した。その結果は大変良好で、比較で言うなら従来の芯線はハンダ上げ、シールドは加圧による固定方法の物よりはベターであった。圧着をタブー視されていた向きもひとつお試し下さい。なおSWRについては144MHzでは差異を確認する事は出来なかった。写真はカナレ製圧着コネクタNP-LC51を取り付けた5D-2Wによる背面パネル処理。L型であるがケーブル側がちょっと長目に出来ているのが気になる。個人的にはこの半分の長さで出来ると思うのだが・・・。
この結果を見ようと測定を開始したが数分の後、今まで何をしても壊れなかったダミーロードが短絡状態でNGになってしまった・・・トホホである。それではと持ち出したHFで使っているオイル詰のダミー、144MHzではSWR=2以上もありテストにならないが1.2KWを振っていると思ったらこいつもNGになってしまった。きっかけは掴めたが散々な一日であった。写真はヒートシンクから取り出したチップ型ダミー素子。100Ωが並列に接続されていたが、素子の右側のラグが熱でとれてしまっている。本当は左側の様な金具が取り付けてあったのだが・・・ハンダ付けを試みたが着く筈もない。
DCファン用電源(TDK/FCP-101)を組み込む。シャシ内はスペースが無く絶望的なため、写真左の様に高圧整流平滑ブロックエリアに取り付けた。取り付けはフレームの側板(鉄)に皿穴を掘り、3mmの皿ビスで行っている。配線はシャシの反対側からシャシ内を横断して行っている。ACライン2本(温度SW経由)、DC24Vと中点の3本の合計5本をハーネスに忍ばせて配線した。このため随分と多量のタイラップを取り替える事になった。
Esg用に追加したトランスがみっともなかったため、小型トランスの再配置を行う。追加したEsg用のトランスはそのまま残し、Ecg用トランスを撤去しメイントランスの24V巻き線(実は巻いてあったんです!)を両波倍電圧整流する事にした。この作業によりトランス数は以前の状態に戻った。写真右はその様子。両波倍電圧整流に対応するために、低圧ボードにケミコン(100μ/100V)を1個追加し配線変更した。負荷状態で整流出力は62V程度で、これをRegして52V程度を作っている。
1次ファンと2次ファンを交換しテストする。当初風量・風力実験をして使おうとしていたPAPST社のType3412(12V_DCファン、7~15V)に交換した。ACファン(Tobish_N3901)は電源の必要が無いので便利であったが、どうも冷却がいまいちなのと金属音が気になったため、思い切って交換し様子をみた。電源はTDKのACパックFCP-101(12Vx2)を使ったが、取りあえず配線のみ行いACパックは外に宙ぶらりんの状態。電源を入れると排出エアの力が大分強い。1KW程度で送信すると排出空気温度がみるみる上昇するが、N3901の時に比べて大分下がったのが体感できた。後はこのACパックを何処に収めようか・・・。またこのファンには回転センサーが無いので、電源の両端24Vをリレーで検知してスタンバイ回路を制御し、ファン電源が異常な時は送信に移れないようにする予定である。写真は背後から見た2次ファン(排出用)と無理やりリード線でつなげているTDKのACパック。
昨日から無入力送信状態で7時間の連続通電を行うが、朝気が付くとEsgが10V程度に低下し送信できない(50WドライブでIp=100mA程度流れる)状態だった。調べると低圧ボードのツェナーダイオード(Toshiba/1ZB270/1W)に電源を供給する抵抗(5KΩ/5Wセメント)がツェナー側でハンダ付けが外れていた。熱のためハンダが溶けたものと推測する。ツェナーの直流抵抗を測ったら、順方向は7Ω程度で問題ないが、逆方向(ツェナー方向)が50Ωに落ちていた。正常な物はこのレンジでは無限大であった。これじゃ基準電圧どころか短絡で抵抗が発熱するのは当然である。入力のAC電圧を上げた事に原因があるが、ツェナー電流の設定が過去の実験のままだった事も災いしている。5KΩにこのツェナーではオーバーロードだったようだ。5KΩの両端は22Vあり電流は4.4mAとなるが、この状態でツェナーが320Vだと約1.4Wの損失となってしまう。最終的にツェナーは1ZB300(1W)に変更し抵抗値を27KΩにして、ツェナー電流を2.7mAに設定した。これで損失が1W以内に収まっているが未だ押さえ込んでも良いかもしれない。手持ちに程よき抵抗が無いのと、ツェナーからの発熱も無いのでこれで目をつむる事にした。その結果、今まで320V振れ負荷時に20Vも低下していたEsgが300V程度に収まり、Isgを25mA流しても電圧降下は殆ど無くなった。て事は今まで1ZB270を随分と無理して使っていた事になる・・・アブナイアブナイ!。写真左はNGになったツェナー1ZB270。写真右は久しぶりに取り外した低圧ボードで、赤茶色の酸化金属皮膜抵抗が交換した27KΩ。1ZB300は基板の裏面に取り付けてある。
午前中に上記作業を行い、その後深夜まで12時間の通電テストを行うが異常なし。
写真は本日の50Wドライブ時のメーター状況。Esgを上げたため出力は1.2KWを示しているが、代わりにIsgは24mAまで伸びている。プレート損失672Wで許容値は超えていないが、Ipは許容値である700mAを超え780mAを示している。これは冷却が追いつかないので瞬間芸に近い。
表は各部のデータである。Esgを上げた事により増加したBias電流(Ip)を戻した分Ecgがマイナス方向に深くなっている。Biasが深くなった分、同じ50WでドライブしてもIgは逆振れを維持している。またEsgは320Vで安定化しているはずだが、Isgを24mA流すと安定化領域を外れ300Vに低下している。元々ここまでのドライブを考えていないが、Esgを上げた事によりIsgが流れ易くなりSg電源の負担が大きくなっている。GU-74Bの魅力のひとつに「小容量のSg電源で良い」と言う事がある。Esgを上げるよりEpを上げる方が得策かもしれないが、ここはプレート負荷抵抗との兼ね合いがあるので、目的や環境に合わせた選択が必要と言う事だろう。なおIsgメーターはブリーダー抵抗分約3mAが常時加算されて表示されている。また参考までにEpをHi/Low切り替えしてもBias電流の変化は全く無く、4極管(多極管)ならではの特性で実に気持ちが良い。データから推測すると、プレート負荷抵抗は凡そ1KΩである。
なお10月13日のスタンバイ回路変更に伴いIp表示が可能となったので(従来はIk表示)表を変更した。また、この表はExcelファイルのコピーであるが、演算が面倒だったのでプレート入力・プレート損失・スクリーングリッド損失・効率・利得は自動計算が出来るようにした。Web上はただの表だがデータ収集する場合に大変便利で、これ以外にも入出力データを一括管理している。
Esgを320Vに上げる。一昨日Esg用トランスの2次巻き線(AC240V)に直列に接続した小型トランスのタップをAC57V(+10V)に上げた。これにより安定化出力は約320Vになった。Bias電流(Ip)が160mA程度に上がるので140mA程度に調整し、50Wでドライブすると出力計は一気に1200Wまで振れた。この時Isgは約24mA程度まで伸び、Isgがゼロの位置までドライブを下げるとその時の出力は約800Wとなる。更にドライブを下げ500W程度の出力にするとIsg=-6mAとなり、このポイントが最低値となる。更にドライブを下げるとIsgは再びゼロに向かって移動する。Isgの逆振れとは無関係に出力側はリニアに変化している点が大変興味深い。GU-74BのIsgの振る舞いは実に面白く、Eimacの4CX1000等とは全く趣を異にするものである。写真右上で斜めに見えるのが追加した小型トランス。4個の小型トランスは全て同一品(Toei製100~115V:200~240V/5VA)でEsg(3個)とEcg(1個)用である。入出力の方向やタップを変えて目的電圧を得ている。
昨日から無入力送信状態(途中出力1000Wで連続1分間送信数回あり)で18時間の連続通電を行うが異常無し。
写真は今朝の1kW出力時のメーターリング。IC-706MKⅡGの出力はH表示で50W。1分間程度連続送信すると1KWを割り900W台に落ちて行く。90mm各のスケールファン2個では600W以上の連続熱処理は難しいし、送風ルートが内部で90℃折れているので無駄が多いと感じている。数分の連続送信をすると5D-2WやNコネがかなり熱を帯びてくる・・・業務用(プロ)無線設備では5D-2Wでこんな電力を送ったら危険とされるが、アマチュアは自由で逆に言えば限界を体験できる。試しに50cmのセミリジット線に変えてみたらチンチンになってしまった。
スタンバイ方式の変更のためにリレーの追加を行う。写真左はタイマーリレー横のスペースに取り付けたOMRONのDC12V小型リレーG2R-1-S(10A/30V)。本当はソケットを使いたかったが店に在庫が無かったため、止む無く強力両面テープでシャシに直付けした。スペースと配線の手間を考え、この場所でSg制御によるスタンバイを行う事にした。Sgを受信時は接地(9.1KΩ経由)し球をカットオフ、送信時はEsgに切り替え動作に入る。リレー巻き線はCX-800Nの巻き線及び送信表示LEDと並列接続した。送信は、Ecg・Fan回転・タイマーリレー(オンディレイ)・スタンバイSWが全てOKとなった時に、外部からの接点(RCA-JACK)で行う事が出来る。
写真右は久しぶりに見るボトムのフルショット。全体のレイアウトが一望できる。
なおスタンバイリレーの接点間隔を広げようと思ったが、このリレーは変更が難しい構造(可動接点の可動範囲が狭い)のため、CX-800Nとのタイミング合せが出来ない。写真は分解したG2R-1-Sのクローズアップ。
ケースの底の吸入孔を拡大し、保護のためにファンガードを取り付けた。本当はファンの真下が良いのだが、カバーのオリジナルスリットを生かしたいのと、ファンとカバー間のクリアランスがあるので、このずれた位置で良しとした。カバーは0.8mmの鉄のため、切り屑がアルミや銅に比べて硬く鋭い。したがってヤスリがけする時のリアクションも独特である。ファンガードの取り付けは3mmのビスで行ったが、オリジナルスリット側は貫通しナット締め、反対側は3mmのタップを立てた。スリット幅は3mm未満なので一番端に3mmの孔を空けるのだがドリルにスリットがはまって孔の拡大が出来ない。こういう場合はスリットの端を皿モミでさらって孔の位置決めを行い、3mmのタップをヤスリ代りに突っ込むと上手に穴あけが出来る・・・ひとつのノウハウである。しかし鉄ってのはこれ位薄くても3mm位ならタップが切れるので便利な素材である・・・材質は本当に適材適所だと思う。実はタップを立てた本当の理由は、後部にEcg用トランスがクリアランス無しでカバーに接していた為である。ビス(ブラス製)は締め付けておいてから内側をニッパで切断して面を合わせた。オリジナルスリットは大分首を絞めた状態だったが、これでいくらか球の冷却が進むものと思う。本当は一番最初にやっておかなきゃいけない事だが、ついつい不精が出てしまった。こうした、状況に合わせた金属加工もまた楽しい。
名古屋東急ハンズで4mm x 50mmのステンレスビスを買ってきた。早速CX-800Nを取り付けようとしたが、CX-800Nの貫通穴が完全に貫通していない。裏と表からドリルで攻めたと思われるが、微妙にセンターがずれていた。4mmのドリルで完全に貫通させ作業に入った。写真はCX-800Nを取り付けた背面である。外側から反対側のナットを気にしないで作業できる環境は、保守性や工作性は考慮した、本来あるべき製作者の心意気だろう。同軸関係は未だ整備していない。
昨日の自作同軸リレーコイルの焼損について・・・。近傍にあるリレーのコイルが、大電力が通過する接点回路より電力を誘起、その電力により結果的にコイルの焼損を誘い直流抵抗4.4Ωと言う短絡に近い状態になった。RFの伝送路から僅か数mmの所にあるコイルが、「ピックアップコイル」になってしまったようだ。コイルのホットエンドとコールドエンドは1000PFのセラミックコンでシャシへバイパスし、コイルにはスパイク防止用のダイオード(1A/1KV)が並列に接続されていた。前回(7/20)リレーが動かなくなったときはこのダイオードが短絡(0.2Ω)していた。今後コイルのシールドや隈取りコイル、それに巻き線インダクタンスの変更(6V/24V/48Vリレー等へ)による実験にトライしたい。
一般のパワーリレーを使い、RF接点とスタンバイ接点を同梱したこの方式を疑問視される向きもあるようですが、ここはあくまで「実験と製作」のWebで、タブーにあえて挑戦している事をご理解願います。その対策方法の追求で新しいノウハウが生まれる事が多々あります。
写真はCX-800Nに変更しテスト中のスナップ。取り付け用のビスに長い物が必要だが、現在は手持ちが無いためバラック状態である。これでも送信開始時の出力は1.1kWオーバーである。
補助用に取り付けたロードVCの向きを変更。容量調整をトップから行えるようにし、さらに配線リードを取り除き最短で接続した。テスト中に分かった事だが、リードを約5mm幅の銅板(長さ約25mm)から1.6mmΦのスズメッキ線に変更すると明らかに出力が低下が確認できる。いずれにしてもこんな不恰好な状態ではまずいので折をみてロードVCを統一する予定。ローターの引き出しが丈夫で大電流に耐えられ、かつ小型の物を探している。
テスト中に、送信SWをONにしても同軸リレーが動かなくなり送信に移れなくなった。同時に電源パイロットLED(DC12Vで点灯)が極端に暗くなった。以前発生したスパイク吸収ダイオードの不良と思い、分解してダイオード片側のハンダ付けを外しテスターで確認したらダイオードは問題ない。続いてリレーの巻き線抵抗を測ったら何と4.4Ωしかない。これじゃ短絡だ!。高電力の通過による電磁界で近傍のリレー巻き線に電力を誘起し、線間容量に電流が流れコイルの絶縁塗料を燃やしてしまったのだろうか?。そうならないように数cm離れたところにバイパスコンデンサを入れてあったのだが・・・殆ど気休めだったか。これは実に興味ある現象で研究に値するかも知れない
リレーを替えるにも持ち合わせが無いため、元々このアンプ用に購入してあった東洋通商のCX-800Nを取り付ける事にした。ところがCX-800NはRF切り替え専用で、スタンバイ用の汎用接点など無いため球のON/OFF制御が出来ない。そこで回路に若干の手を加え「実験のための送信制御」が出来るようにした。すなわちCX-800Nのコールド側(ホット側はダイオード経由でDC12V)とGU-74Bのカソード(カソード抵抗のホット側)をつなぎ、送信時に接地する事でこれを実現している。ダイオードは電位の高いGU-74BのカソードからDC12V電源への逆流防止用である。制御入力は背面にAUXとして用意してあったRCA-JACKへ接点情報を入力する。但し現在はここへ直にカソードがつながっており、フルドライブ時は700mAの電流が流れるので外部へは取り出せない。
いかにも「間に合わせ状態」だがテストをすると容易に出力1KWを超え一安心。写真左は回路変更の終わった本機と取り付けを待つCX-800N。右はCX-800Nを背面パネルに取り付けるための穴。内側に4mm2個と間に3mmのタップを立てた真鍮版をあて外から3mmの皿ビスで固定している。4mmの長ビス(48mm)が無いので未だ実装が出来ないでいる。
今日は思いもよらぬところで板金工作をやってしまった。作業量の割には進展の無い大変な一日であった。以下は1KW出力時の各データである。今回より受電電圧を明記するようにした。今までの経過を見ると、このアンプは高入力で使用し、エアを多量に送って使用するのに向いている印象を持っている。
ロードVCにパラッた補助コンデンサをタイト製の半固定VC(CT12F075J)に変えたみた。写真はちょっと見難いがその様子。予め出力側にSWRアナライザーをつなげ、プレートには1.5K~2KΩのカーボンソリッド抵抗を抱かせロードVCが程よき位置でSWR=1になるように、半固定VCを合わせ込んでおく。この状態で45Wを放り込んだら出力は950Wを示した。ただし以前も書いたように放熱対策が十分でないので、直ぐにプレート温度が上昇するようで、連続送信をすると1分程度で950W→900W→850W→800Wと低下していく。段々と欲が出てきて、真面目に風を送ってやろうかとも考え出している。GU-74Bをこのバンドで本格的に試したのは初めてであるが、大体こんなもんだろうか?・・・ご経験の方がいたらBBSでご教示を願いたい。
以下は900W出力時の各データである。
50Wエキサイター(IC=706MKⅡG)が昨日届いた。朝一番で早速にセットアップし入出力特性を見た。
チューニングは600W出力で最大出力になるようにしたが、Ipは伸びていくもののロードVC容量が不足しIsgが流れすぎている(20mA程度)。出力タップ上げかロードVC容量増かタップ直付けにすればIsgが落とせ出力も伸びると予想している。その対策は後日行う予定。グラフは現状での入出力特性である。思った以上にリニアであり驚いたが、前述の通り最適負荷整合をしていないのでやや伸びが少ない・・・Ipは伸びているので期待が持てる。
続けてロードVCをジャンパー線でスルーにした状態がこのグラフ。出力はようやく800wを超え、効率も53%に達した(Ep=2.5KV、Ip=640mA)。ただしこのポイントがベストとは思えないのでもう少し探りを入れてみる事にする。
なお冒頭の写真は800W出力時の様子を撮影したものである。また下表は40Wドライブして800W出力を得たときの各データである。
最初はどうなるのかと思われた向きの方もちょっと気になって来たのではないかと想像している。出力の整合を程よく行えばまだ100~200W程度の伸びは容易に期待できると考えている。ここまで来ると1KWも望みたくなる。ただし、元々そこまでの熱量処理は考えていないので、あくまでも実験データ取得の範囲。もしそこまで望むならせいぜいICAS動作の範囲内で、CCSなら十分な冷却が必要になるのでご注意を!。
なお利得についてはここでは余り魅力ではない。何故なら入力終端抵抗(50Ω)を2倍又は4倍にステップアップすれ容易に利得が得られるからである。ここではそれより効率(プレート効率・総合効率)とIMD・スプリアスへと移りつつある。
入力回路の微調を行う。入力SWRを限りなく1に近づけ、かつ最大ドライブできるポイントを探った。現在の入力回路は、写真右下のBNCコネクタに直に50Ωダミーチップが接続され、カップリングコンデンサC1(560PF)経由でGU-74BのCgをドライブする。しかしGU-74BにはCgk(約50PF)があるので、50Ωのダミーチップは容量性に傾く。これをキャンセルするために、ダミーチップに並列に写真のようにリードインダクタンスL1を抱かせているが、調整を容易にするためにトリマーVCとの直列回路で総合的なインダクタンスを可変している。また、実際にはGU-74BのCgkの他にカップリングコンデンサとGU-74BのリードインダクタンスLsも効いてくるので注意が必要である。調整はリードインダクタンスL1の増減とカップリングコンデンサC1の容量またはリード長Lsの増減で行う。写真とコメントだけだでは分かり難いのでfig1に等価回路を書いてみた。なおDC関係や説明に不要と思われるRF部品は省略してある。
この写真は作業後の様子であるが、これにより15Wのドライブで500W(Ep=2.6KV)または420W(Ep=2.2KV)を得られるようになった。なお入力SWR=1.2である。
また参考であるが、SgやKのパスコンは出力タンク回路のリターン近傍に接地し入力側のリターンと距離をおいておく。これを怠るとドライブを増やして行くと発振したり、場合によっては送信に移っただけでIcgが流れ出し発振する場合がある。今回の構造は、SK-1A(ソケット)を15mmの真鍮スペーサーで沈め高さを抑える構造をとっているため、ソケットの接地金具とシャシ間のRF電位が異なりSgのバイパスには注意を払う。HF~50MHz程度なら全く問題にならないのだが、この周波数では真鍮スペーサーのインダクターが効いてくるので細心の注意が必要となる。
これは回路上の都合だが、スタンバイ時のGU-74Bのカットオフは外部に設けられたカソード抵抗(30KΩ/10W)によるセルフバイアスで行っている。実はこのためにカソードは(RF的には最短で接地されているが)DC的に浮かせやや複雑な配線を行っている。本来なら直アースし、CgかSgでカットオフ回路を作った方が配線もシンプルになり不安定要素も排除できる。
EpのHigh:2.6KVとLow:2.2KVでデータをとってみた。相変わらず効率の低さが目立ち、パワー計がの表示が狂っているのでは?と思いたくなる(これは本当かもしれない!)。これにより分かった事は意外にもHigh側よりLow側の方が効率が高いと言う事実である。Low側でこのままドライブアップすれば効率が上がって行くものと想像している。今まで出力の伸びばかり気にしていたが、思い掛けないところにヒントがあった。負荷抵抗は予想より低いところにあるようだ。また入出力のカーブがどのようになっているかも確認する必要がある。あぁ・・・50W出力のエキサイターが欲しい!、IC-7400かIC-706MK2G等など・・・何方かHelpMe!である。
プレートコイルのコールドエンドをアルミブロックに変更した。写真左は30mm x 30mm x 10mmのアルミブロックに取り付け用の4mmタップを立てる作業をしているところ。本格的金属加工は随分と久し振りである。ボール盤やヤンキーバイスが無くても、穴あけはこの様に簡単なバイスとハンドドリルで出来る。垂直の精度もこのハンドドリルと共にした37年の経験と感が支える。穴は10mm以上あるため、タップ立てには少量のCRC5-56を流すとやり易くなる。写真右はプレートコイルにビス留めした様子。しかし、従来の真鍮スペーサに比べ表面積が増えたのでインダクタンスが低下し同頂点が上昇しバリL可変範囲を超えてしまった。またホット側で飛び出ていたプレートコイルを2cm程度切断した事もこれに影響を与えていると思われる。コイル部分を若干延長する必要がる。また出力取り出しポイントももう少しホット側に持って行く必要がある。
写真は実装したプレートコイル。同調ズレは取り付け穴を横長にヤスリで加工し全体で約4mm(2mmx2)延長し、145MHzをバリLの中心に持って来た。また出力の取り出しは、リードに使っているリン青銅板の引き出し角度をアルミブロックから離す事で解決した。ロードVCは凡そ25PF(中央)の位置にある。バリLの可変範囲を広くしたい時は、ショートリングをプレートコイル側に近づける。この位置でダイアル目盛90度の間に144~146MHzが展開する。
それにしても、こうしたアルミブロックから電力が取り出せると言う事は、シャシ上からもその可能性が十分ある。てことは不用意な接地やパスコンは、発振回路を作るような行為である事に気付く。完全なRFのゼロ電位を作るのが如何に難しい事かが分かる。
本日の作業台の様子。たまにはこうしたルーズショットも息抜きになって良い。プレートコイルと出力取り出し部分を変更した結果、15Wドライブで350~400W程度の出力が得られるようになった。発振や寄生振動など認められず動作良好である。この倍程度(30~40W)の出力のあるエキサイターでドライブしてみたい。
本日再び回路をGGからGKに変更した。その心は、カソードがRF的に浮くのがどうも気に入らず、何もしなくてもGND回路のインダクタンスが効いているこの周波数で、GNDポイントの妙技で発振を逃れている技法の限界を感じたからである。カソードをきっぱりと最短で出力回路のリターン方向にバイパスし、入力は50Ωダミーチップで終端後560PFのマイカでCgに接続する(この560PFは同じ容量でもリードインダクタンスが効いてくるので、物によっては入力SWRが落ちない事がある)。しかしCgkとLcgがあるので、これを1TのコイルとVCの直列回をダミーチップにつなぎキャンセルした。こんな所でバリLは大変だから、この手法がベストではないがベターである。基本的にはXl(インダクタンス)であるが、微調はXc(キャパシタンス)との合成で行う。カソードまでの入力リターン回路は絶対に出力側と共通インピーダンスにならないポイントで行う。大電力でシャシを励振してしまうとそれが中々難しいが・・・。この状態で15Wを放り込んで300~350Wを出力する。写真はその様子である。ファイナルボックスの上蓋をビスで固定しないで作業中、いたずらに上蓋を叩くと隙間から火花が散る・・・RFってのはスゴイ。
その他に、バリLのショートリングを一番小振りにし、シャフトを5mm伸ばし位置を中央に寄せた。
東急ハンズで30mm x 30mm x 10mmのアルミブロックを購入。使途はプレートコイルの先端ショートコイル(現在は真鍮製のスペーサー2本で行っている)。こんなアルミの塊で接地しても一定のインダクタンスがあり両端に電力を発生するのが面白い。HFアンプに馴染んだ方にはこの劇的な現象が中々理解出来ないらしい。本等は30mm x 25mm x 6mm位が希望だったが、切り出した適当な物はこのサイズしか無かった。これに4mmのタップを立ててプレートコイルの先端とシャシ間にネジ留めする。しかし、取り付けは何時になるか分からない。
プレートコイルを銅板に変更した。種々の変更に備えて若干長めに切り込んでいる。プレート側に伸びている部分がそれだが、これによる同調周波数の変化は殆んど無かった。試験用のアルミ板から銅板に変更しても、送信時の温度上昇に伴なうチューニングズレが改善される程度で、出力や効率には影響ないようである。また両者共に幅は33mm厚さは1mmであるが、同調周波数には殆んど影響を与えていない。なおこの際コールドエンドのスペーサーを25mm長の物(2本)に変更し、出力もスペーサーのホット側からリン青銅板で取り出すように変更している。またショートリングを一時ステアタイトのスペーサーで浮かしていたが、機械的強度を優先し初期の様にい金属スペーサー直付けとした。またショートリングによるQの低下を嫌い、近いうちにもう少し小径のショートリングに変更する予定である。
余談だがピカピカの銅板に比しGU-74Bは黒焦げに見える。送風を忘れてプレートを真赤にし、もうダメかと落胆した事もある実験用だが、本当に丈夫な球である。
仕事の関係で帰宅時間が遅く久しく電源が入らなかった。久し振りに通電しチェックしていると2回程内部でパーンとスパーク音が発生した。3回目に発生した時は何やら焦げるような匂いを伴い、高圧整流平滑ブロックから煙が上がった。慌てて電源を落とし調べると、写真の様に高圧整流平滑ブロックのプリントパターンが破断していた。また破断した部分のガラスエポキシ基板は黒く焦げ上がり炭化していた。煙は炭化した部分に電流が流れエポキシが焦げたものと考えられる。復旧は炭化した部分を掘り出し、破断した部分はリード線を渡した。破断部分はLowerブロック4個の内マイナス側から3番目と4番目の間。何故ここが破断したかは全く判らない。強いて言うならHVメーター用のパスコン(10MΩ倍率器の後でオープン禁止対策用の抵抗とパラ)が直近にあった。灰色のセラミックコンデンサがそれで、スパークによるとばっちりで黒くなっていたが、直接スパークした様な形跡は無かった。最初破断し、その後炭化した部分が成長して行ったものと思われる。
本日再び回路をGKからGGに変更した。色々と思わぬ現象が発生しており、状況を整理(リセット)するための対応である。入力回路は過去にテストしているT型である。15W程度のドライブで200W近くを出力する。GKに比べ大分利得が少ない。1週間程休みがあったが、所用がありアンプ製作には時間が割けなかった。
Hvメーターが逆振れした様子を撮影した。左のパワー計は出力500Wを示している。右上はIpで約500mAを示している。右下はマルチメータで5000V/FS(フルスケール)であるが、出力とIpが正常にもかかわらず突如(Ipが400mAを越えた辺り)として逆に振れ出した様子(詳細は既述)。その状態を写真1枚に収めた。この状態でドライブを切ると当然パワー計表示はゼロになるが、Hvは逆振れを継続しIpも同じ値を示したままとなる。解除するにはスタンバイスイッチで送信を停止するしかない。入力側パワー計のRef側にも電力誘起は無いのでRFで発振したものとは思えない。
グリッドのドライブ回路の調整を行った。SWRが悪かったので、50Ω終端後の接続先をグリッドコイルのホットエンドから1Tタップダウンした。この結果15Wのドライブで500Wを出力するようになったが、ちょっと可笑しい。Hvメーターがマイナスに振れ、ドライブを切っても500mA程度のIpが流れる。可笑しくない時はHvメーターの振れは正常になるし、IpもBias値まで戻る。また場合によっては送信に移った瞬間から(ドライブ無しでも)Ipが500mA流れ、Hvメーターが逆振れする。ドライブをトリガーにした寄生発振の様にも見えるが、RFの出力は無いし、IgやIsgは可笑しいと言う程の振れ方ではなく問題は無い・・・直流的な発振のような気もするが、一体何なんだろう?。以前マルチバンドアンプで似た様な現象を体験しているが、そのときはIpを400mA程流す(RFドライブしてもBiasを浅くしても)と突如として1AのIpメーターが振り切れ、受電NFBを何回も飛ばしている。結果的にSg回路に数10Ωの抵抗を直列に入れる事で対策している。・・・色々と楽しませてくれる。500Wを出力してもやはりプレート効率の改善は見られない。
シャックの掃除を行ったついでに測定ベンチを変更した。今まで畳の上に敷かれたカーペット上で作業していたが、掃除が出来ないと家族に不評だったため座卓の上に移したのが数日前。帰宅が遅く電源が入らない日が続いていたが、久々に電源を入れ動作確認をした。15W入れて380W程度出力する。30W入れれば700Wオーバーだが、残された課題は効率・・・少なくとも60%は欲しいが、現在は500W出力でようやく50%でそれ以下なら更に悪い。そう言えば、プレートリングとDCカットコンデンサ取り付け金具間の接触面積が気になり、接合部にロウを流し込んだが効率は全く改善されなかった。写真は新しい測定ベンチで通電中のアンプ。無入力送信状態で450Wの発熱がある。バイアス150mAでEpは3KVでなのでちょっと流し過ぎかもしれない。ちなみに100mAにするとEpは3.1KVで310W程度に落ちるが、ゲインが若干減少し15Wドライブで300W程度の出力となった。なお現在はGK動作である。
気分転換にGU-74Bを交換してみた。ひょっとしたら出力や利得アップが図れるのではと期待するのは人情と言うもの。しかし現実はそんなに甘くはなく変化無しだった。何も成果が無いのはしゃくなのでデータを取ってみて驚き。今までバイアスIpが150mA(Ecg=-48V)流れていた所に別の新品を実装したら何と200mA以上も流れた。慌ててBiasバイアスボリュームを絞ったが150mAまで落とせない。エージングの問題もあるのかもしれないが、最初からこれだけ流れる球は初めてであった。と言う事なので、並列動作させる場合は必ず単管ごとのBias値の把握が重要である事が分かる・・・特にロシア球は。写真は取り出したド新品のGU-74Bと、ロシア文字のシールが貼られたダンボール箱。Svetlana社のロゴマークが見える。
同軸リレーのスパイク吸収ダイオードが断。350W程度でプレートチューニングをすると、突如として同軸リレー(RF切り替えとスタンバイ併用)がバタついた。送信インジケータのLEDも送受信制御も同様。リレー電源(12V)を測ると7~8V程度まで落ち込みハンチングしている。こりゃおかしいぞ!。試しに3端子レギュレータをパスしてみたら、バタつきに合わせ整流用ブリッジダイオードがパンクした。ダイオードを交換し3端子レギュレータを元に戻し様子を見たら今度は同軸リレーが動かない。外からテスターで当たるとどうやら電源ラインが短絡しているようだ。リレーコイルの短絡なんて経験的に有り得ないので、スパイク吸収ダイオードの短絡を疑った。写真のように取り外して蓋を開けるとプーンと電子部品の焦げたような匂い。やはりスパイク吸収ダイオードがやられていた(短絡≒0.2Ω)。リレーに直付けしていたのを止め、送信系から離れたコネクタ側で処理するようにした。また取り付けるのを失念していたパスコンも取り付け万全を期した。短絡した原因は、ダイオードが送信系と結合しスイッチング(導通)され、リレー電源の負荷(短絡)になってしまったと考えている。初期には問題なかったので、徐々に劣化していったものと考えられる。ダイオードの位置が余りにも送信系に近かったから、パスコンを取り付けてあってもやられていたかも知れない。またリレー電源のブリッジダイオードは負荷短絡による過電流でパンク、この時スパーク吸収ダイオードも完全に短絡してしまったようだ。また3端子レギュレータが入ると負荷が短絡しても自ら保護回路で守られるので、ダイオードブリッジまで影響が及ばなかったと考えられる。
ところでこうしたトラブルのために、容易に分解できる構造にしておくとメンテナンスが楽である。写真はドライバー1本で背面パネルを取り外し、同軸リレー(アルミダイキャスト)を外したところ。
今日はちょっとした回り道をしてしまったが、またRFの不思議なところを見る事ができた。
背面パネルにレタリングを施す。全てではないが一部を残し半透明の粘着フィルムによるレタリングを行った。これをやるとそれなりに締まってくるのが不思議である。名盤シールには「Mar 2003」とあるがこれは目標値であった。
ファン上部の四角い出っ張りは回転センサー部。もしファンの回転が停止するとリレー接点を出力し送信制御を遮断し絶対に送信に移れないよう制御する。左下のVRはG1バイアス電圧設定、無記名のRCAジャックはスペア。アルミダイキャスト内の自作同軸&スタンバイリレーも問題無く動作している。ダミーロードとエキサイタへの接続が楽な様に現在はL型変換を取り付けてある。
プレートコイルの出力タップ位置を探る。写真はプレートコイルのコールドエンドに10mm間隔にアナを空け、出力タップの最適ポイントを探している様子。穴が3個あるが、中央の位置でロードVC無しで15Wのドライブで450Wupを出力した。写真の位置は更にホット側に10mm寄った位置で、ここではインダクティブとなりロードVCを直列に入れている。この状態での出力は15Wドライブで400Wとなった。ただ依然として効率には劇的な変化は無い。いずれにしても、負荷と信号源である球との整合がj(虚数)分はキャンセル出来ても抵抗分がベストではなかった事は事実である。出来る事ならプレートもタップダウンしたいところだが・・・。
このバンドから僅か数mmの違いで「R±jX」が大きく変化する。これはシャシやGND回路にも言える事で、不用意な接地やGNDへのバイパスは発振回路を作るようなものである事が分かる。こんな所から500Wもの電力がわき出てくるRFってのは本等に面白い。HFや50MHzがオーディオに見えてくる・・・。
気分転換にGGからGKに変更してみた。入力は発振対策でCg-GND間に入れてあったPS用のダミー抵抗(30W)で終端し、Cgk(≒50PF)は入力整合に使っていたT型回路でキャンセルするようにした。結果は何時ものドライブで約320W程度出力するが、効率には余り変化はない。またICgの逆振れもGGの時と同じであった。カソード電位がGNDレベルになるのと、入力の終端が完全になるので個人的にはGKが好きであるが、Cgを接地できないのでCpgによる影響でチューニング位置に影響があるかも知れない。ICgの逆振れは数字的にデータを取ってないので近々測定する予定である。
実験中にCg入力がオープンになった。Cgバイアスは-48B程度与えているのだが、送信に写ってプレートチューンを回すと無入力でも激しい発振を起こした。周波数は離れている模様で、出力計は殆ど振れないがIpは700mAを越える。真空管のCg回路はHi-Zで使えて便利だが、「電荷レベル」でも反応してしまうので注意が必要である。Cgに限らず電圧を掛けないから良いだろうとSgをオープンにしてEpを掛けしばらくするとると、Sgに電荷が溜まり突如としてIpが暴走する。オープンにならないように抵抗で必ず終端するよう心掛ける必要がある。
写真はGU-74Bと出力タンク回路のカップリングの様子。RFドライブでIpは十分振らしているので、効率が上がらないのは管と負荷との整合の問題か・・・他のタンク回路につい浮気心がわいてしまう。しかし効率は低くても600Wupを出力するのだからまぁそれなりのアンプになったか・・・。
プレートコイルのバリL用ショートリングを取り付けた。写真はその様子だが、同調周波数が若干可低い方にシフトしてしまった。この状態で15W程度でドライブすると200~250Wの出力を示すが、以前に比べ改善に至っていない。タップの位置はショートリング軸受けのままである。その引き出しからロードVCまでの長さも気になる。プレートコイルはDCカットされるようになったので、タップ位置の最適化の必要もありそうだ。なおロードVCのDCカットに使用していたコンデンサは撤去し、ブラス製スペーサーに置き換えている。簡単には先に進ませてくれない。
入力のT型タンク回路の微調整を行った。VCを回すと一部で短絡が確認できたがこれはリードのハンダ付け位置が良くなかったので改善した。完璧に入力SWR=1となった・・・但し出力には全く影響なし。
DCカットコンデンサーをプレートコイルのプレート側に変更した。暫定的にプレートコイルはアルミニウムで製作した。DCカットコンデンサはプレートリングに銅製のLアングルを製作し取り付け、そこにビス留めした。プレートコイルのコールド側はブラス製のスペーサー(4mmネジ)2本で固定した。写真は未だショートリングを取り付ける前のもの。
デジタルディップメーターを使い共振周波数の確認をする。今までの経験で、写真の様に蓋を外しオープン状態でバンドエッジ下端に共振点が来ればOKである。
背面の同軸リレーと本体を結ぶケーブルを作り直した。写真はDCプラグをL型に変更し(片側は既にL型でモールド)同軸リレーと背面をつないだ様子。通常のストレート型だと背面の突起が長くなりぶつけ易かった。なおこのプラグは2Pであるが、シャシグランドをコモンにして、リレー電源(DC12V)の供給とスタンバイ接点の取り出しを行っている。アルミダイキャストボックスが自作同軸リレー。RCAジャックはスタンバイ入力。微弱電力での動作確認は済ませているものの、500W以上の通過には不安があったが問題無く動作している。業務用機器では100Wを超えたら同軸管を使うのが普通だが、アマチュアは気楽で、この様に同軸で機器間接続をやってしまう・・・当然発熱や損失があるが。
ふと気が付くと机の周辺に過去に実験して廃棄になったプレートコイルが散乱していた。拾い集めて机上のハンガーに掛けたら7個にもなった。まるで干し柿のようだ。写真はそのスナップ。背景に映る怪しげな機械は何とあの3-500ZGを使いタブーに挑戦した144MHz/500Wアンプ。この時は集中定数回路にこだわり、出力タンク回路を直列同調半波回路で行い、1Tのリンクコイルで500W(プレート効率≒50%)出力を得ていた。
三度目の正直を狙い、平丸ムセンに持ち込みテストを行う。写真左はエキサイターにIC-7400、出力電力計にKuranishiのRW-1000D、入力電力計にDrakeのWV-4を接続し測定中のものだが、既にRW-1000Dの温度警報が点いている。写真右は、約40Wのドライブで570Wを出力している様子。
表はそのときの各パラメータである。Igの逆振れ(原因調査中)が気になるのと、プレート効率が未だ未だ悪い。Isgはプラス側に転じているが8~10mA程度で最大出力にチューンする。またこのテストのためにお店の配電NFBを6回もトリップさせてしまった。なおGGアンプだがここでの利得は単純に出力電力をドライブ電力で割った値としている。
今後の課題・・・
①プレート効率改善・・・少なくとも60%は越したい
②Igの逆振れ調査・・・ドライブに対応して戻る筈だが
③入力タンク回路の再チューン・・・ドライブ電力の増加でズレ
④プレート同調の温度特性・・・立ち上がり時に部材の熱膨張と思われるfズレ
⑤DCカットをプレート側で行う・・・先端(コールドエンド)短絡でDCカットコンデンサの電流負担軽減
・・・と、色々あり日々勉強させてくれる。
写真は記念すべき500Wオーバー(570W)の電力計スナップ。RW-1000Dまでの5D-2Vが若干長めで発熱を確認できるため、出力端子では600Wを超えているものと思われる。またエキサイター出力の到着が50Wに至らなかったが、それを満たせばプレート損失(Pd)800W以内で出力は700Wを超えるものと考えられる。
帰宅後ファイナルボックスを空け内部の様子を確認したが異常は認められず良好だった。
両写真はバリLからのタップによる直出しを止め、1ターンのリンクコイルとロードVCによる方法を実験中のもの。この方法で両者共約15Wのドライブで250W程度の出力を得る事が出来た。左はリンクコイル素材に5D-2Wの芯腺を、右は9mm幅x1.5厚のブラス板を使用したもの。コイルの位置やバリLとの間隔を調整し出力最大点を探る。バリLの同調点はショートリング軸受けからタップを出す方法と殆ど変わらないが、ロードVCの位置がかなり抜けた位置になった。これはリンクコイルのインダクタンスが構造上大きくなってしまったからである。左のは随分アバウトなコイルに見えるが、これでも250Wの電力が伝達できる高周波ってのは不思議な世界である。シールドボックスの壁面が迫っているのでその影響もあり、ファイナルボックス蓋がオープンの状態では出力はさらに20W程増加する(同調を取り直す必要あり)。
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写真左はブラス板で特殊金具を製作しプレートコイルのタップ位置を自由に探れるようにした様子。幾つかのポイントで実験したが、コールドエンドに近づけるとロードVCが容量不足になると共に、バリLの同調周波数が高い方向にシフトし144MHzバンドを外れてしまう。なおショートリングの軸受けよりホットエンド側では実験していない。いずれにしても劇的な出力増加は無かったので、写真右の様に再び従来のポイント(ショートリング軸受け)に戻した。300W以上を取り出せたのはこの方式だけであった。
出力の取り出しには、これ以外の方法のひとつとしてプレートから直にC結合で取り出す方法がある。エッ?と思われる向きの方もいらっしゃると思うが、これは見た目は「C+負荷」の直列回路がプレートとグランド間につながっているように見えるが、「直列」の発想のままだとその解釈に苦しむ。すなわち直列回路を並列回路に置き換えてみないと動作原理の理解に至らない。j(虚数)と直並列変換公式などを使って計算してみると参考になる・・・まだ少年の頃、最初にこれを知った時はスゴイこじ付けだと思った。目的周波数で強力な共振動作と負荷(50Ω)へのインピーダンス変換動作を行っているだけなのに実に奥が深い世界だ・・・。無負荷の先端短絡1/4λ線路は、それだけで強力な並列共振回路であるが、先端短絡部はZ=0だから途中に必ず50Ωのポイントがあるはずだ・・・電圧・電流の節と腹が1/4λシフトしているからそれが出来る、まさにトランスフォーマーだ。写真はそんな事を考えながら小雨の降る窓外を背景に入れて撮影した本日の雑感・・・気がつくと既に梅雨である。
背面にある同軸リレーと入出力コネクターを結ぶケーブルを製作する。コネクタはノーブルのN-L型(S-LPO43)でケーブルは5D-2W。写真左は製作したケーブルを取り付けた様子。L型にする事で背面への突起を最小限に押さえている。なおこのコネクタは名古屋市東区大曽根の「平丸ムセン」より譲り受けたモノ。この状態で、入出力の配線を最短にし、何時も通りにドライブしてみると何と300Wを出力した。実は今までの線材が余りにも貧弱だった・・・。その様子を撮影したのが写真右。WV-4パワー計でみるとドライブは15W程度なので約20倍(13dB)の利得がある模様。実はタンク回路から背面コネクタへの配線もやや貧弱(手持ちの関係で)なので更新する予定である。・・・30Wでドライブしたら600W程度は出てくるか?・・・段々と目標に近づいてきた。しかしプレート効率が余りにも悪く40%を割っている。無造作にバリLシャフト軸受けとしていた出力取り出しのタップ位置を、週末にコールド側に寄せてみる予定だ。
UKの業者に頼んでおいたリバーサルのダイアル目盛り板が届いた。ところが荷物を手にすると重たい。空けてビックリ、なんと目盛り板だけではなくボールドライブごと揃っていた、しかも黒アルマイト処理されたのが4個も。Reversal Dial Scale Plate 4pcsと念を押したのに・・・。気を取り直して既にアンプに取り付けてあるシルバー色のモノと交換した。シャフト径は日本向けに気をつかったのか6mmφであった。短時間に色々と動揺したが、結局は写真左のように中々のルックスになった・・・としておかないと気が収まらない!。目盛りも左一杯で「0」(周波数最小)、右一杯で「100」(周波数最大)となるようになり使いやすくなった・・・これは事実。写真右は新旧(黒が新)の目盛りを比べている。
インプットチューンをノブ化した。今までパネルに出したロッド先端の掘り込みにマイナスドライバーを当て行っていた。実験が佳境になるとマイナスドライバーを探したり面倒なため、思い切ってノブを取り付ける事にした。ロッドもブラス製に変更した。パネル面はノブによるデザイン上の圧迫も無い・・・と言うより、最初からそれを意識したレイアウトにしてあった。。
プレーコイルを銅製に交換する。30mm幅x1mm厚x200mm長で、過去の実験で使ったアルミ(1mm厚)でのデータを参考にした。なお交換による出力の改善は無かった。200Wの連続出力を10分程度行い、局部的な発熱が無い事を確認した。ところで銅板の入手だが、かつては30mm幅の物が各種厚さで1m程度の尺で売られていたが、最近は手に入り難くなくなってしまった。止む無く100mm幅のを買い求めオフセンター型の金切りバサミで切断する事になった。ハサミを使うと切断面が丸くなるので、それがコイルの内側になるようになめした。プレートリングとの接合は4mmの皿ビスで行っているが、銅製の枕を挟んで銀ロウ付けする予定である。
写真左は交換直後の銅製プレートコイル。銅板の長さは端から端まで200mmで、取り付け穴はその内側にある。銅独特の光沢を放っているが、通電しRFを流せば焼きが入るのだろう・・・。幾度も作っていると、目的の周波数に合わせる作業はいとも簡単に行えるようになるから面白い。写真右は本日届いたDRAKEのWV-4電力計で220W出力を表示させているところ。メータを入れ替えてはっきりした事がある。どうもエキサイター出力が10Wちょっとしかない模様・・・て事は利得は13dBとなりまずまずとなるが果たしてどうか。
プレートリングをブラス製から銅製に変更した。写真左はCU-74Bの真俯瞰ショットで、銅製のプレートリングは既に熱で焼けているが薄くなった様子が分かる。右はプレートコイル越しにGU-74Bを覗いたもの。ここでのプレートリングの主な役割は以下の5点である。
①プレートコイルの支持
②プレートへ直流給電
③プレートから高周波取り出し
④チムニィ(円筒シリコンゴム)のストッパー
⑤プレート放熱の支援
素材を変更に踏み切った理由は以下の通りである。・・・金属素材の表皮効果について調べているうちに以下URLで有効な資料・データを発見した。これによると・・・
①表皮効果領域では抵抗値は断面積ではなく半径に反比例する
②銅や黄銅の「表皮深さ」は十ミクロン以下しかなく肉厚は全く不要
③表皮効果時の黄銅の導電率は銅・アルミより遥かに悪い
・・・そのまま無視も出来ないため、本日プレートリングを銅製に変更してみた。12mm幅x1mm厚の素材を加工した。今までのブラス板は15mm幅x2mm厚だった。HF辺りでは気にもしなかった事だが、少しでも能率を上げるための努力が続いている。
写真左は歴代のアルミニューム製プレートコイルを並べてみた。ここまで来るとかなりの精度で切り込める。左の2個は30mm幅x3mm厚のアルミサッシだったが、ロスが多くて結局使い物にならなかった。右上は現在実装中の30mm幅x2mm厚のもとの同じ材質のもの。右下は実験用の30mm幅x1mm厚の軟アルミ板である。右側の各素材については写真右のように15Wのドライブで200Wを出力する。ちなみに左の素材ではその約半分ちょっとであった。
近日中にアルミともおさらばして、銅かブラスで実験してみる予定である。
入力T型整合回路の定数を変更する。L1は1T(但しリード長い)、L2は4Tとし全体にL分を減らした。これに併せカソードへのカップリングコンデンサをやや大型のキャラメルマイカとした。これだけの作業で全体の利得が上がり、15Wのドライブで250Wを出力するようになった。この作業はカットアンドトライだが、1次ファンを取り外すので、GU-74Bの発熱には注意する必要がある。これでプレートコイルの素材変更を施せば15Wドライブで300W程度出力するか・・・。まだあちこちに無駄がありそうである。但し、カップリングコンデンサは球の熱か、ドライブ時の電流か結構熱くなっている。写真は250Wを出力した様子。
昨日到着したシャント抵抗をIpメーターに取り付けた。これで久し振りに正規のIp(この場合Ik)が読めるようになった。抵抗値は計算上凡そ40mΩであるが、ミリオーム計が無いので正確には測れない。こうした不測のトラブルが発生しても、部品交換が容易に行える造りにしておく事も、自作をする時の重要なポイントである。風をこじらせ38℃の熱があるため休みをもらい布団に入っていたが、回復を待ちきれず作業を行った・・・殆ど子供の世界に近い。
メーターメーカーである渋川桑野電機より1A直流電流計のシャント抵抗を2個分けてもらった。営業部のY氏の御好意に甘えたものだが、粋な計らいに感激している。ニクロム線を購入して自作する決心をしていた矢先の出来事であった。地方に住む者は抵抗1本の購入もままならない場合があるのです。これでIpを正確に読めるようになる・・・本当に有り難いし嬉しい。。
気になっていたfズレ調査と可変f範囲の調整その他を行う。以下作業項目。
①プレートコイルをアルミサッシから軟アルミ材に変更・・・良好になった
②プレートコイルコールドエンドのバイパスコンデンサを100PF/7.5KVx2に変更・・・1000PFの特性不良か?
③ショートリングを小径のモノに変更・・・可変範囲が程よくなり1MHz幅が10目盛り程度になった
④SgとCg回路にRFC(100μH/3Ω)を挿入し抵抗は撤去・・・しゃっくり現象・Ip暴走対策
⑤入力TマッチングのVCアースを銅板に変更し入力最寄に接地・・・シャシに1.6mmΦスズメッキ最短接地から変更
写真左はその様子である。この状態で15Wのドライブで200W出力が得られる。これにより、アルミサッシのプレートコイルによるfズレやロスが確認された。但し同一の環境で比較していないので定量的なデータは披露できない。
写真右は歴代のショートリング。調整途上では、バリL同調点の探りを容易にするため(可変範囲を広く取る)、コイル径ギリギリで且つ幅の広いリングを使っていた。バンド中心を目盛りのセンターに追い込めば、後は小径のリングに交換して同調を取り易くする。コイル径ギリギリの場合は相当の電力を吸収するためコイルのQは落ち出力の低下を招く。右上以外は軟銅なのに色が違うのはその為である。従って、ショートリングによるバリLはなるべく結合を浅くした状態で使う(作る)必要がある。現状でも可変範囲は10MHz近くあるので、更に径を小さくする事が可能である。
なおRFC挿入の理由は、チューニングのピークでしゃっくり現象を起こしたり、突如としてIpが1A近く流れる現象(RFの自己発振ではない)があったため対策を施した。GU-74Bでマルチバンドアンプを製作したときにもに似た現象があり、そのときはSg回路に数10Ωの抵抗を直列に入れて対策したが、今回は同じ対策では効果が無かった。
VCのアース回路については入出力のアース回路による結合を更に嫌ったものだが、元々トラブルは発生していないのでこの措置は気持ちの問題程度。
その後ショートリングシャフトがプレートコイルと接触いているのが気になり写真左の様にシャフト途中にステアタイトのスペーサーを挿入してみた。この作業によるfズレや出力の増減は認められなかった。気になっている向きもこれで安心するかもしれない。この作業によりリングがコイルから離れた分バーニア効果がでて、可変範囲は1MHz当たり15目盛りとなった。
写真右は休日の6畳間の窓際で調整中のアンプ。窓外がハイライトですっ飛び、手前が暗く落ちていて何となく気だるい雰囲気が伝わってくる・・・これはまた別の趣味の話。今日は懸案だった問題が随分と解決を見た気がする。
Ipメーターのシャント抵抗のみの購入が可能かどうかを製造元の渋川桑野電機に問い合わせたところ「新規購入になる」旨の返事が届いた。何てこった!。メーターは未だ生きているのに・・・物を粗末にしろと言っているようなものじゃないか。ややがっかりして別の手を考えた。写真はシャント抵抗用に購入してきた500W/100Vのニクロム線。これから40mΩ前後を切り出しシャント抵抗に使う事にする。名古屋大須の電気街を探したが中々見つからなかったが、最後に第一アメ横のKDSにあった。
名古屋市東区大曽根の平丸ムセンの御好意で、エキサイターとパワーメーターを借用した。写真はアンプを持ち込んで測定中の様子。出入りするお客さん達は「何をやってんだろう顔」であった。写真を撮らして欲しいとお願いしたところ「ゴチャゴチャしているから・・・」と遠慮気味であったが、撮ってみたらやっぱり。でも良く考えたらこう言うハムショップは最近では珍しい。
50W程度でドライブするとプレート電圧LowHvで300W程度、HighHvで350W程度出力する。Ipの状況はシャント抵抗が正規でないため正確に読めない。Igは0.5mA程度振れていた。Isgは未だ振れ出さない・・・ちょっと可笑しい。それよりか余りにも利得が少なく予定の半分以下だ。それどころかHighHvでテスト中にプレートコイルのコールドエンドとアース(GND)間に入れているHH58M(1000PF/5KV)2個のうち一つが突然バチッバチッ音と伴に破裂。同時の電源ヒューズ20Aが飛んだ。前回はコイルの途中にDCカットとして入れていた物が破裂したが、似たような現象である。但し前回はスタンバイ中の出来事だったが今回は送信中だった。写真左は破片を拾い集めたHH58M(1000PF/5KV)の無残な姿。幸い片方のHH58Mは問題無いので、破片を取り除いたあとLowHvでテストを再開。写真右は300Wを表示するパワー計を撮影したもの。
帰宅後プレートコイルの正式版を製作。硬質アルミはそのままでは堅く手におえないので、写真の様にガスコンロで火あぶりにして焼きなました。こうする事により力は必要だが、かなり加工性が上がる。但し、プレートコイルをアルミにしてから温度変化によるfズレを感じている。不思議に思いGU-74Bを別のものに交換してみたが状況は同じであった・・・要検討である。
バリLの可変範囲が広いため、ショートリングへの負担(負荷)が大きいものと考え、リングをやや小振りの物に変更した。4mmΦの銅パイプを使ったものを製作した。写真はこれまでの歴代(?)ショートリング。これにより中心周波数が低い方にシフトしたため、プレートコイルのコールドエンドを再び5mm程度切り詰めた。この作業でショートリング軸受け位置がずれるため、プレートコイルの穴をヤスリ上方向に延長させた。この作業で、プレートチューンは145MHzで中央にきた。但し未だ1MHzがスケールで5目盛り程度で可変範囲は広い。希望としてはかなり小径のショートリングで±2MHz程度に収まるようにしたい。
プレートコイルを正式に製作する。写真左は30mm幅x3mm厚の硬質アルミサッシをパイプに巻きつけプレートコイルを製作している様子。軟アルミなら簡単に巻き込めるのだが、硬質なので工具が無い場合はこのような工夫が必要だ。手で巻く場合はそれなりの力が必要になる。写真右はデータ取りに製作したものと今回製作した正式バージョン。データ取りしたコイルを型紙代わりにして新バージョンを作る。同じ長さでも質量が増えているのでインダクタンスは減少し、共振周波数が上がるので長さに多少余裕を持たせるのがコツ。最終的に、プレートリングの締め付けネジ穴からHH58の締め付けネジ穴までの長さは185mmであった。
実装したプレートコイル。従来のものに比べてガッチリとした様子が一目で分かる。なおショートリングも銅パイプを使用した小振りのものに変更している。但し余りにも堅いので、ショートリングの軸受け角度のアジャストができず、現在はフレキシブルシャフトカップリングで強引にズレを吸収している。今回は正式バージョンと言っても未だ「共振周波数の探り」的要素があったので、改めて全体の機構的サイズを考慮して作り直す予定。なおアルミの材質及び厚さ変更による出力への影響は認められなかった。
バリLショートリングの発熱が気になり、小ぶりの物に交換する。左は10時間連続送信した後に取り出したもの。元々軟銅板(10mm幅x1mm厚)だが、高周波による焼きが入ったためか、黒化していることに併せ硬度が上がって叩くと軟銅らしくない高い音がする・・・金属素材の高周波処理について詳しい方がいらっしゃらないだろうか?。右は新たに製作した小ぶりのショートリング。アルミのプレートコイルのコールドエンド側を約く5mm縮めこのリングを実装すると程良い位置で同調するようになった。
写真はコールドエンドに締め付けビス用の穴をあけ、電気的にサイズを詰めたプレートコイル。前明かりのストロボを当てないで、ちょっと象徴的に撮影してみた。それにしても一風変わった形をした出力回路である。
プレートコイルのタップリードを2mmΦのスズメッキ線から写真左の様に10mm幅x1mm厚の銅板に変更する。ロードVC側は2mmΦのスズメッキ線に変更した。写真右は今まで使用していた2mmΦスズメッキ線のタップリード。黒っぽく変色しており、プレートコイルの発熱が相当なものである事が伺える。おまけにショートリングの軸受けがプレートコイルにあるのもそれに拍車を掛けているに違いない。部材の関係で15mm幅x2mm厚のブラス板を使っていたが、30mm幅以上のサイズに変更を考えている。
併せて、過去にも記したが、DCカットコンデンサはバイパスコンデンサとし、HVの給電このコンデンサとプレートコイルの接続点に行う。これによりプレートRFCの影響が無くなるので、共振周波数が低い方に移動する。
夕方になり意を決しプレートコイルとHV給電位置を変更した。近所のホームセンターを回り、30mm幅x2mm厚の銅板を探すが見つからない。止む無く硬質のアルミ板で我慢する事にした。写真は実験的に別の軟アルミ板(30mmx1mm)でプレート回路を構成したところ。HH58はHVのバイパスコンデンサとなり、ベースに直にネジ留めした。この状態で145MHzがバリLの中心にきた。ただ現状だと可変範囲が10MHzもあるため、ショートリング径を小さくしてテストすると、今度はアマチュアバンドより下方に共振点がずれてしまう。正式なプレートコイルを取り付けるときにサイズ合わせをする予定。上の写真と比べると随分とコイルが大きくなったのが分かる。
アルミはその昔3-500Zで144MHzと闘っていた時にやはりバリLで使った事がある。熱の伝導速度が遅いので球(プレート)の冷却には余り役立たないかもしれない。また膨張による定数変化も不明である。ただ、先のコイルと比しロスが少ない模様で、いつものエキサイターで150Wが簡単に出てくる。絶対銅で銀メッキでなければダメだとする向きにも見て欲しい。銅は熱伝導が良すぎてつないだ部品を壊し易い・・・部品内のハンダを溶かしたり。早く正規の質量があるコイル(厚さが3mm)に変更して、50W級のエキサイターでドライブしてみたい・・・ついつい気持ちが早ってしまう。
出勤前に18日に変更した出力回路の写真を撮影した。ショートリング軸受けに2mmΦのスズメッキ線を共締めし、HH50(100PF/7.5KV)を介しリン青銅板でロードVCにハンダ付けされている。HH50の両サイドはネジ締めである。3時間の120W連続送信が効いたのか、ショートリングとプレートコイル中央に焼き込みを感じる。プレートコイル(ライン)はこの倍程の幅が欲しかったが店に無かった。またショートリングは可変範囲を大きく取るために、円弧ギリギリのサイズにしているが、中心周波数が固まればもう少し径を小さくし負担を軽くしたい。
なお取り出しはテストで暫定的なものなので、この後ブラス板等に変更してみる予定。またHH58を2個使用したDCカットはバイパス用とし、HV給電をこのHH58のところに持っ行きプレートRFCを撤去する手も検討している。但し、現在はプレートRFCのインダクタンスが共振周波数に影響しているため、回路変更すると共振周波数が130MHz台に下がってしまうため、簡単に変更が出来ないでいる。
基本的には1/4λラインでコールド側を短絡、ホット側はプレートZで目的周波数に共振させ、タップダウンで出力を取り出す方法には変わりがない。この辺まで来ると集中定数的な発想と分布定数的な発想が入り乱れて中々面白いと思う。
150W程度の出力で連続通電中に、プレートコイルからタップダウンしたDCカット(カップリングコンデンサ)が閃光とバチバチ音を伴って破裂した。隣の部屋にいた三男が「今の何?」と言って飛び込んで来た。破裂する前に、RFノイズを発し144MHzの受信機にバリバリとノイズ音を感じた。写真はそのコンデンサD-30型(300PF/3KV)。テストなので耐圧はやや低く3KVの手持ち品で間に合わせていた。ファイナルボックス上蓋のネットの上に置くと、まるで魚を焼いているみたいだ。コンデンサはこのあとHH50の100PF/7.5KVに変更した。なお破損して負荷側がオープンになると、寄生発振を誘発しやすくなる。
プレートコイルのタップ位置が良く分かる。HH50のプレート側は卵ラグを直にプレートコイルにハンダ付け、ロードVCへの配線は10mm幅のリン青銅板で行った。実験的な雰囲気の方が強くやや間に合わせ的になってきた感があるここ数日である。データが取れたらもう少し綺麗に処理する。
ところが午前中のテストで、プレートコイルの熱で卵ラグのハンダが溶けだした。止む無くハンダ付けを諦め、ショートリング軸受けのナットに2mmΦスズメッキ線を共締めし、反対側はHH50に直にビス締めした。これにより安定な動作が望めるようになった。写真は、たまたま札幌の小池氏(FDT LABOR)から届いた日本電業のダミーロードを使って、連続運転のテストをしているところ。120W連続出力で、30分と3時間の耐久テストを行った。2次ファン温度は69.1℃に達したが、アンプもダミーも安定した動作を示した。参考までにエキサイターのIC-706MKⅡはチンチン状態であった。
写真は出力回路の取り出しテストの様子。垂直に仮設してあるのがロードVCで、ローター・スタータ間でなるべくL(インダクタンス)を持たないタイプを使っている。DCカットのHH58(1000Px2/5KV)右側が4cmx4cmのブラス板で接地されているが、その締め付けビスからロードVCを介して出力を取り出している。下にある元々のロードVCは向きの関係で配線でインダクタンスが増加するためここでは使っていない。この程度のブラス板でもしっかりとインダクタンスを示し電力が取り出せるのが面白い。50MHz以下ならアース回路と見なす範囲である。従って、この周波数では線材による配線の全てはインダクタンス(RFC)だと思うべきである。配線もそうだが筐体(アース回路)やバスコン・抵抗も同じである。高周波ってのは本当に不思議な世界である。
この後は、下のロードVCの取り付け方向を逆にして、フロントパネルから負荷チューンが出来るようにする予定。
その後ロードVCを20PF/500Vのモノに変更。このためにアルミのアングルに穴空けを実施した。VCは90度回転させて取り付け、外側からのハンダ付け作業をやり易くした。この状態でDCカットコンデンサよりリン青銅板で接続し出力を確認したが20Wドライブで50W程度しか出ない。またプレートチューンの感じにヒステリシスがあり、寄生発振を誘発している感じがある。
ここで作業を中断し、プレートコイルタップの最適値を探す事にした。太目で必要最小限のワニ口を作り、ロードVCへの接続ポイントの最適値を出力コネクタにSWRアナライザ(BR-400・Kuranishi)をつなぎ探す。するとどうだろう、今まで信じきっていたDCカットコンデンサのネジ位置より遥かにプレート側にずれた位置に最良点があった(但しプレート負荷抵抗は2.7KΩでちょっと高目)。そこはHVのかかっている場所なので、暫定的に300PFの高圧コンデンサ経由で接続した。これにより20Wのドライブで150W程度を出力している。
こうなると、DCカットコンデンサはバイパス用にして、そこにHVを供給したくなる。いずれにしても同頂点を見失った時のSWRアナライザは強い見方である。
昨夜から100W出力で11時間の連続通電実施、異常なし。
背面パネルの同軸リレーを接続しテストする。ところがアンプスルー時のSWRが良くない。調べると、連日のテストでダミーロード(MFJ-264)の抵抗値が199Ωに上昇し使えない事が判明した。止む無く自作のダミーを持ち出した。写真はNGになったMFJ-264ドライダミーロード。スペックでは1.5KWで10秒間、100Wなら連続とうたっています。て事はパワーメーターの表示が可笑しいのか・・・。
ファイナルボックスを目視点検中にロードVCの補助コンデンサ(50PF)が発熱で変色しているのを確認。ここで思い切って出力回路の変更を決定。出力はプレートコイルからタップダウンして取り出すことにした。DCカットコンデンサー(1000PF/5KVx2)からロードVCに接続しているブラス板を直にダイキャストベースに接地、出力はコンデンサー締め付けビスから取り出した。
高圧のスパークが再び発生、メーター保護ダイオードが吹き飛び、ダイオードの短絡が得られずIpメーターも飛ばしてしまった。このときメーターの透明カバーまでが吹き飛んでしまった。密閉状態からメーター内部の溶断で気圧が急上昇したためと思われる。メーター保護を優先するため図の様にメーターの挿入箇所を高圧電源のリターン側からGU-74Bのカソード側に変更した。この場合IpではなくIkとなる。これで負荷側でスパークが発生してもメーターは安全だが電源ヒューズが飛ぶ事になる。写真はシャント抵抗と内部が溶断したIpメーターKuwano/TRM-55(1A)。
このまま引き下がるのはシャク・・・負荷側を調べても問題は無く、やや途方にくれながら通電テストをしていたところ、高圧のホット側のケミコンケース付近からのスパークを確認・・・ヒューズが切れる前に電源を切った(メーターは勿論無事)。もしやと思い取り外して見ると当たりだった。今までのスパークは全てここで発生していた。スパークの相手は、整流・平滑ブロックをネジ留めするためにタップを立てたブラス板。取り付けた時やや隙間が少ないとは感じていたが・・・余裕を持たせておくべきだった。ブラス板の取り付けを電圧の低い方向に変更して対策した。ケミコン側は被覆の一部が溶け黒化していたが、汚れを拭き取るだけの対策とした。写真は処理の終わったブラス板。
恐らくこれでスパーク騒ぎからは開放されるだろう。写真は過去何度も飛ばした20Aヒューズ群。余談だが、プレート側のスパークで同じ様な経験をされたOM諸氏がいらっしゃると思う。特に3極管GGアンプではIgとIpの分離のために、高圧電源のマイナス(リターン)側にIpメーターを入れる事が多く、このようなトラブルに巻き込まれ易い。メーター保護用のダイオードも短絡してくれるのなら良いが、一瞬に飛び散ってしまうモノには注意したい。
昨夜から100W出力で9時間の連続通電実施、異常なし。長時間の連続出力テストは今回が初めてである。今までは1時間程度であったが、思い切って9時間に挑戦してみた。但し出力はエキサイターの関係で100W程度である。時間数は帰宅時間と出勤時間の関係で決めたものです。これは言わば耐久テストですが、一度確認しておくと安心で、ここまで確認すれば24時間でも恐らく大丈夫だと思います。
新しいトラブルが発生した。スタンバイ(受信)時に高圧がスパークしIpメーターの保護ダイオードが短絡する現象が発生した。ダイオードがメーターやシャント抵抗を守ってくれたのは有り難いが、一体何処でスパークしているのだろう。オンディレイタイマー動作直後と送信から受信に移った瞬間の2回発生した。連続通電テスト後に目視確認をしたが異常は見られず、また再発もしていない・・・ちょっと気持ち悪い。
Ipメーターは高圧電源のリターン(マイナス側)に入れ接地しているが、プラス側でスパーク等で瞬間地絡があるともろにメーターが負荷になってしまう。本来なら高圧電源のマイナス側は直に設置すべきであるが、スタンバイ回路の関係でこのような形になっている。3極管のGGアンプでIpとIgの分離のために、高圧のリターン側にIpメーターを入れるのと同じである。
昨夜から送信無入力状態で10時間の連続通電実施、異常なし。
ファイナルボックス上蓋にエア抜き補助穴を空ける。写真の様にフロントパネルの直近をくり抜きダイアプレスネットを張った。タンク回路側の熱のこもり方が激しいため通風を良くする事が狙い。その、効果は大でファイナルボックスの部分的な温度上昇が緩和された。これによる共振周波数への影響は生じていない。
なお本アンプの出力タンク回路は、「プレート容量固定のバリL+ロードVC」の変則π型のつもりでいたが、Ipの振れを良く見ると最大点が出力最大点とピタリ一致している。てことは、信号源(GU-74B)に対して直列共振していることになるか・・・やや複雑な心境。
なおバリL同調がバンドの低端に来ていたのが気になったためプレートコイルを約1cm切断し、145MHzがバリLの中央に来るようにした。写真はその様子をファイナルボックス上部から見たもの。また、バリL範囲の拡大のためにプレートコイルの円弧部分を若干増やした。その結果プレートリングとプレートコイル間の接続をブラス製のスペーサーの共締めに変更した。スペーサーの長さを可変すれば経路長が変わり同調周波数の微調整が出来る。しかしこの周波数帯では、集中定数による共振と分布定数による共振、さらに入れ物(箱)の共振が混在し易いため注意が必要である。下側に見えるHH58コンデンサーはロードVC(30PF)の補完用50PF。バリLとロードVCの延長シャフトは金属製(アルミ)に変更した。
昨夜から送信無入力状態で10時間の連続通電実施、異常なし。続けて120W出力で1時間30分の連続通電実施。室温30℃で出力ファン温度は60℃前後であった。但し壁にファンを近づける(10cm程度)と68度まで上昇した。
ところが時間ははっきり記録していないが、出力が一気に低下。調べると写真左の様に、バリLショートリングがオープンになっていた。9mmx1.5mmのブラス板を丸め接合部(突合せ部)にハンダを流していたが、ハンダの一部が熱で溶けてしまった。また、ブラス板は特別な熱処理はしていないので、熱で膨張し易かった事もオープンに拍車をかけたものと推測する。写真右は取り出したNGショートリングと新たに製作したショートリング。材料は軟銅の10mmx1mmで接合面は重ね合わせネジ締めとした。またサイズを若干大き目にして、可変範囲の拡大を狙っている。これで復元したが、毎日一喜一憂である。
Cg接地回路の修正に伴い入力整合がずれSWRが上昇した。L2の長さを短くする方向に調整しSWR=1に追い込んだ。写真で見るとエキサイター側のL1よりカソード側のL2の方が短くなっている(今までとは逆)。
Ipメーターを交換し保護ダイオードを追加する。温存する予定でいたIpメーター(Kuwano TRM-55/1A)を交換した。破断したシャント抵抗の交換では十分な精度が出なかったためである。高圧整流平滑ブロックを外し、パネル裏側からボックスドライバーでナットを回す。メーターにはダイオード2個による電流制限をかけた。マルチメーターには既にこの対策をしてあった。果たしてこれでメーター回路を守れるか・・・。
また発光量の低下していたオンエアLEDランプも交換した。
予期せぬトラブルが発生。写真左は、Cg接地回路のマイカ(700PF/1KV)が破裂<した様子。写真右はその破片を拾い集めたもの。随分と電流が流れたのだろう・・・てことは寄生発振?。ドライブしないと出力が無かったから発振とは思わなかった・・・うかつだった。スペアナが無いので正確な周波数がつかめない。
写真はCg接地回路のインダクタンスを下げるために、更に大き目のマイカ(JRC-2200PF/1KV)を取り付け、パラ止めのLのサイズを見直したもの。これにより出力は120W程度に落ちる事になった・・・倍くらいあった出力の半分は寄生発振だったのか。
破裂が発生したタイミングは不明で、関連して発生した現象も不明(記憶がない)。それにしてもマイカ破裂の様子も凄まじい。久し振りに飛び散った雲母(マイカ)板を見た。Cg損失が2W程度なのに、球は大丈夫だったのだろかと心配になる。
トップからノーライト(雲天下の自然光のみ)で撮影してみた。プレートの直流給電はプレートダイレクトでほぼ決まり。何故かと言うと共振周波数に微妙に影響し、バリLのセンター周波数に影響してくるから。現在15W(IC-706MKⅡが20W出力しなくなってしまった)のドライブで200~250Wの出力を得る事が出来る。30Wで押せば500W程度の出力が取り出せると思うが本当だろうか・・・。
その後送信無入力状態で翌朝まで通電、異常なし。
出張帰りに秋葉原に立ち寄り写真の部品を購入。主たる目的は昨日破裂したHH58の購入(写真右下、斎藤電気)だったが、その他気が付いた部品を買い求めた。この米国製のコンデンサは今までインチネジであったが、現在はHH58Mとして、4mmもISOネジが使えるタイプも製造している。キャラメル状のマイカコンデンサ(桜屋電気)は電流を流せるのでGGアンプのグリッド接地用に最適だし、ロードVCの補助用としても使える。メータは吹き飛んだシャントのみの購入がかなわず、新品を買わされてしまう(東洋計測)。その後シャントに使える0.04Ωを発見(桜屋電気)して悔しがる。LEDブラケットは光量の落ちたオンエアランプ、シャフトカップリング(シオヤムセン)はくたびれた30年前の物の交換用である。
早々にHH58を2個取り付ける。電流が平衡に流れるように、1000PFx2とし、今までの500PFは取り外した。写真左は2個並んだHH58(1000PF/5KV)のアップだが、気がついたら向きが逆だった。写真右は破断した1Aプレート電流計のシャント抵抗を40mΩのセメント抵抗で代替した様子。表示はやや少な目になってしまった・・・購入したメーターは温存してある。チラッと見えるシャフトカップリングも新品に交換した。
出力の取り出しポイントを変更する。カップリング(DCカット)コンデンサの固定ビスから、ロードVCステーター側に変更する。この間は幅4cm長さ5cm厚さ1mmのブラス板で50MHz以下なら無視しても差し支えないが、この周波数ではやはり問題だった。ブラス(真鍮)板がインダクタンスになり正規の整合回路が構成されないでいた。写真は変更した様子を示す。
この状態で、15Wのドライブで200~250Wを出力するようになり、ロードVCステーターの発熱も解消された。またドライブ時の発熱による定数変更を感じるため、Cg接地用のコンデンサをセラミックからキャラメルマイカに、CgRFCをFB802+2Turnから4.7KΩソリッド抵抗に変更した。
メンテナンス性を意識した機構になっているため、分解や組み立てが簡単に行える。このようにしておかないと製作途中のトラブル対策が面倒になり、最後は投げ出したくなってしまう。
写真はちょっと見難いが、ロードVCにハンダ付けされたブラス板の中央下端から出力を取り出している様子。DC接地用のRFCは未だ取り付けていないが、通電をするようになったら負荷側を守る意味で取り付けを励行したい。
カップリングコンデンサHH58が破裂した。手持ちの関係でHEC(ハイエナジー社)の1000PFと500PFをパラって使用していたが、1000PFが側が音を立てて破裂してしまった。送信テストを行い15Wのドライブで250W程度の出力を確認後、送信を停止しスタンバイ状態でいたとろろ発生した。轟音・閃光と共に破片がファイナルボックス内に飛び散った。この閃光の際プレート電源が接地状態になりIpメーターのシャント抵抗が吹き飛んでしまった。したがってはっきりとした原因は分からない。RFで駆動中ならまだしも、DCしか印加していない状態からの出来事にやや困感である。良いところまで来ていたのがちょっと逆戻りする事になってしまった。
それにしても高圧のスパークによる瞬間地絡は色々な影響をもたらす。メーターシャント(純抵抗)は吹き飛んでも、メーターは可動コイルでインダクタンスがあるため、その一瞬大半はシャントに流れ込むが、メーターは自己インダクタンスがあるので立ち上がりが遅い・・・電気って言うのは本当に面白い。
20Wエキサイターで再びテスト。職場ハムクラブのIC-706MKⅡを借用しテストしてみた。144MHzバンドの出力は20Wである。20W入れて100W程度の出力があったがやはりロードVCが発熱する・・・可笑しい。数分間連続送信すると前回と同様にハンダが溶けてVCのステーターがローターにタッチする。それにしても出力端子の電力とVCの発熱に関わる電力を含めれば、ある程度の増幅が行われている。この後整合ポイントを見直してみる予定だ。Isgが振れて来ないのは負荷が軽すぎる事が原因と思われる。なお金属に変更したショートリング・シャフトはこの電力では問題なかった。
先日も記述したが、久しく50MHzやHFをやっていると、数cm平方程度の金属板でも端と端では電位が全く異なる事を忘れさせてしまう。思いもよらぬところでL分が発生し悪戯をしている場合が殆どである。また、絶縁物の静電誘導による変形や破壊にも注意しなければいけない。ロードVCのシャフト(ローター)は回路上接地でもとんでもない電位になるし、それをポリロッドで延長してパネルを通すときに静電誘導でポリロッドが膨れ出す事がままある。・・・こんな事を考えているとファイナルボックス内にケーブルを這わす事自体が本当は好ましくないと弱気になってくる。その昔、外側の絶縁被覆が特定のポイントで溶け出した(内側はOK)経験が幾度もある。だが基本的な構造は変えないで完成を目指す。
写真はヒートラン中の本機とエキサイターのIC-706MKⅡ、それに通過型電力計。別件だが、数日前から送信表示LEDが減光していて殆ど光らなくなっている。原因不明だが固体の問題と思われる。
低圧電源ボードのレギュレーターにヒートシンクを付ける。12Vと-57V電源のレギュレーターにヒートシンクを取り付けた。-57Vのは簡易型を取り付けてあったが12Vと同じアルミ削り出しタイプに変更した。両者とも指先を当てても発熱は殆ど感じられない。
写真上から-57V用(Ecg)LM-317HVT、中央が12V用(リレー)TA7812、下が300V用(Esg)2SC22749。左側の3個の4Pは600V/1Aダイオードブリッジ、右の中央は安全リレーで「-57V断&2次ファン停止」で送信制御を禁止する。
昨日の修復を行う。写真左はバリLのショートリングシャフトを金属(6mmΦ真鍮スペーサー)に変更し、ボールドライブ間をステアタイトのフレキシブルシャフトカップリングでつないだ。
写真右はハンダが溶け出したロードVCを修復したところ。実はロードVCのアルミL金具の締め付けを失念していた。これが発熱の原因かどうか不明だが、ネジの緩みには気をつけたい。またプレートリングとプレートコイル(ライン)間の締め付けを4mmΦの皿ビスに変更した(今までは3mmΦの皿ビス)。これでどうやら昨日の状態に戻った。
なおファイナルボックス内でポリ系の絶縁物を使うと、静電誘導で思いもよらぬ発熱や融解に遭遇する場合があるので扱いには注意したい。昨日の一件もその可能性が考えられる。ここ4年程144MHz以上のアンプを作っていなかったので、感覚や記憶が鈍っていた。
シャフトを6mmΦの金属スペーサーに変更したバリLショートリング。3mmのビスで貫通しナット締めしてある。これによりポリロッドの誘電による発熱から開放された。チューニングには影響していない。
再びハンディエキサイターで動作確認をする。4Wでドライブして25W程度の出力がある。データはHv=2500V(Low)、IpBaseCurrent=140mA、4WドライブでのIp増加=40mA、Isg=0mA、2次ファン温度52℃、商用受電AC99.9V。その後ベースカレントを流した状態で5時間程連続運転。Ipの変化や各電圧電流の変化、温度変化を確認したが全く異常は無かった。
エキサイターが手元にあれば直ぐチェックが出来るのだが・・・まぁゆっくりやろう。
入力T型整合回路の微調整を行う。5W程の電力で以前からL2に入れていた微調用のフェライトコアが熱くなり、fズレを起すため空芯コイルに変更した。入力側L1と同じ内径10mmΦに1.6mmΦスズメッキ線を4tであるが、長さは写真に示す様に約2倍である。これで5Wドライブ時のSWRは限りなく「1」に近くなった。
また寄生発振を誘発する傾向があったため、その防止用にCg接地回路にパラ止め(50Ω/30Wチップダミー+Uターンコイル並列)を入れた。写真の左上の白い四角がダミー抵抗。Cg接地用のパスコンはマイカが有効であるが手持ちの関係でセラミックを使っている。ソケットを真鍮スペーサーで10mm程度沈めているため、バスコンのインダクタンス成分が増加しているためと思われる(RF的に完全に接地されていない)。
この状態で4Wのドライブで凡そ25W程度出力する・・・ちょっとゲインが少なすぎるか?。手元にはハンディ機しかないので、これ以上のドライブが出来ない・・・。
夕方、名古屋市東区大曽根の平丸ムセンにお願いし、エキサイターや電力計を借りお店でドライブテストを行った。50W放り込んだら400W以上出力した。ところがと言うよりは予想はしていたが、バリLのショートリング・シャフト(ポリロッド)が熱で変形してしまった。写真左はその様子。100W程度の出力では問題なかったのに・・・。またロードVCのステーターをステアタイトに固定しているハンダ部が溶け出し、羽が角度によってはローターにタッチする状態になっている。
ショートリング・シャフトは思い切って金属にしてタイトカップリングを取り付ける予定。VCはハンダを溶かし間隔を修正する予定。ちなみに400W出力時のデータはHv=2500V、Ip=400mA、Isg=-3mAでちょっと能率が悪すぎるのと、Isgの逆流が気になる・・・先は長そうだ。
なお高圧電源の給電位置による違いを確認してみた。写真右はバリLのコールド側からプレート・トップに変更した様子。RFCをホースクランプでプレートに締め付けてある。出力の変化などは認められなかった。上記データはこの状態でのものである。
今日の作業でプレートが随分と焼けたがシリコンゴム(SiSP340)製のチムニィは全く問題なかった。
プレートRFCとRF検波ダイオードを取り付ける。RFCは1/4λ長の1.6mmΦスズメッキ線を単三乾電池上に巻いた。RFメーター用の検波ダイオードはゲルマニュームダイオード1N60を使った。プレート電源の給電はプレートダイレクトではなく、インピーダンスの低い出力側で行った。
ところがスタンバイ回路で語配線を発見。夜明けを待って配線を修正した。送信状態にしてCgバイアスを約150mAにセットする。エキサイターにKenwoodのTH-F7(5W)を使い恐る恐る送信するとしっかりと増幅している模様。それ以上の出力を持つエキサイターが無いので実験が出来ないがこの先が楽しみである。
低圧電源ボードを作る。リレー電源は12Vの3端子レギュレーターで済ます。またCg電源はLM317HVTを1個使用して57V電源を組み込んだ。ここまでは順調だった。課題はSg電源。整流出力が無負荷で340V程度しかない。20KΩの負荷をつなぎ約15mA程度流しても300V以下にはならないので、これはLM317HVTが1個で何とかなりそうだと判断。実装してテストすると、入力側は300V以上あるのに、20KΩ負荷をかけるとLM371HVTの出力で260V付近まで出力が低下してしまう。リファレンスの設定を未だ良く理解していないので、マニュアルを見てもう一度挑戦する。目論見としてはLM317HVT内で30~40V程度の電圧降下を見込み、300V付近の出力を得たい。・・・と、色々と思いはあったが結局Sg電源はパワーTr(2SC2749)とツェナーダイオード(1ZM330)によるシリーズレギュレーターに落ち着いた。回路はプロテクション用にTr(2SC2752)を1個追加した。整流出力電圧が低めなので負荷するとツェナー領域を外れ、出力は319V程度まで落ちる。後日300Vのツェナーダイオードに変更する予定でいる。
このボードには、Cg電圧断もしくは大幅低下と排出ファン停止センサーにより、スタンバイ回路を遮断する安全回路も組み込んだ。写真でやや茶色に見えるのがCg電源を供給したリレー(24V)で、そのコールドエンドをTr(2SC2752)でドライブする。ファンセンサーはファン停止でメイク接点のため、このTrでインバーとさせている。
通電し各電源の動作確認をする。電源オン後オンディレイ動作、ファンセンス動作、異音・異臭等の確認をしながら約60分程度通電する。この間各部の電圧やマルチメーターの電圧表示に大きな狂いが無いかを確認しておく。・・・電源投入と共に2個のファンが心地良く回りだし、オンディレイが働き高圧が入る・・・わくわくするするのと不安の一瞬である。右の写真はマルチメーターでEsgを表示させているところ。約330Vを示している。通電したまま床につく・・・今夜はラジオ少年の夢を見るかも知れない。
シャシ内の配線完了。昨夜からの作業が本日1時頃まで継続した。写真左は配線の完了したシャシ内部。高圧トランス部の露出を避けるためにアクリル板で覆い、注意を促す「DANGER HIGH VOLTAGE」シールを貼った。低圧ボードにコネクタが1個追加されているが、これはファンセンサーとスタンバイスイッチ情報を導くもの。これでCgバイアス電源が断、2次ファンが停止した時は送信に移れないロジック回路が構成される。写真右は温度スイッチの取り付け位置。一番温度が上がり、電源OFF後も温度が継続する場所を選ぶ。随分と雰囲気が出てきた・・・さあ朝になったら低圧ボードを完成させるぞ!。なおシャシ内の配線と書いたが、タンクボックス内は未だプレートRFC他一部部品が未実装。
配線の基本部分ほぼ完了。「ほぼ」としたのは、サーモスイッチとメーター用シャント抵抗が未実装と言う意味である。今日午後名古屋大須アメ横に行くので、シャント用抵抗をゲットしてくる予定。しかししっかりと確認していないので未だ忘れ物があるかもしれない。もしこれでOKなら後は低圧電源ボードの作業に専念できる。
名古屋大須のアメ横には1W/1%級の抵抗は置いてなかった。1/4Wの1%級はあったが、ちょっと心持たないため、2W/5%級の酸化金属皮膜抵抗を数個買い込み、目的値に近い物を選ぶ事にした。写真左はDELICAのインピーダンスブリッジD1SでIsg用のシャント抵抗を測定しているところ。幸いにも目的にほぼドンピシャのがあった。写真右はIsg(2.27Ω/左)とIcg(25Ω/右)用シャント抵抗をマルチメーターセレクトのロータリーSWに取り付けたところ。取り付けや配線後実装する方が作業がやり易いし仕上がりも綺麗になる。
低圧ボード製作開始。取り敢えず入出力コネクタと各ブリッジ整流器(Sg・Cg・リレー)と平滑コンデンサ、それにSg回路以外のレギュレーターを取り付けた。レギュレーターはリレー電源用がTA7812S、Cg電源用がLM317HVTである。LM317HVTはJA1HOU渡邊OMの奨めで使ってみることにした。Sg用はこのLM317HVTをカスケードにするか、従来通りパワーTrとツェナーダイオードで組むか思案中。ちなみに平滑コンデンサはSg電源用が33μF/400V、Cg電源用が100μF/100V、リレー電源用が470μF/25V、ブリッジ整流器は600V/1Aで統一している。古典的な回路も良いがこうした半導体デバイスを使う事も忘れてはいけないと考えている。
引き続き配線作業を行う。写真は本日の出来高。通電を行い高圧整流・平滑回路、ファン動作、オンディレイ動作、低圧部のAC電圧等を確認した。今日中に低圧基板以外の配線を終わりたいが・・・果たしてどうなるか。タイマーリレーの横に10Wのセメント抵抗が配線されているが、これはカットオフバイアス用で50KΩ。実はもう少し少な目の例えば30KΩ前後の物を欲しかったがこれしか手元に無かった。
右はACラインに挿入したLPF。どの程度の効き目があるかは測定していないが、外部のアルミダイキャスト箱にヒューズホルダごと組み込む事を考えていたが忘れていた。このまま行くとする。メガネコアは#43材で、セラミックコンデンサは0.001μFである。
マルチメーターのセレクトSWの配線を行った。SWをパネルに取り付けた状態だと作業がやり難いので、このように外して配線を行うとやり易い。但しIsgとIcg用のシャント抵抗が正規のモノが手元に無いため、この部分は後回しになった。このSWの端子は小さいため、配線用線材も太さを変えた方が賢明。写真では2種類の太さの線材を使っているが、細い方で十分である。
タイマーリレー(H3Y-2/5M)とRF出力用フィードスルーコンデンサを取り付ける。写真左は取り付けの終わったタイマーリレーで、AC100Vにてオンディレイ5分まで設定可能。高圧トランスの2次側を開閉するので、ガラスエポキシ基板で一度受け「高電圧の負担」を軽減している(気休めか!)。今までは直接アルミ板に取り付けて問題は発生していなかったが大事をとった。普通は1次側でやるのが一般的だが使用しているトランスが高圧巻線単独ではないので苦肉の策。しかし2次側なので電流容量は少なくて済む。
写真右はRF出力レベル用のフィードスルーコンデンサを取り付けた様子。回路はいたって簡単で検波用ダイオードをGND間に取り付けるだけ。表示レベルの調整はダイオードとシャシ間隔の調整で行う。右にある赤色の高圧用に比べると何とも小さい。
板金関係が一部を残し完了のため、いよいよ配線作業に掛かる。高圧周りと電源トランス周りを配線してみた。十分な線材が無いため、部品箱のアリモノを吟味しながら使った。高圧関係は古河電工の耐熱電線ビーメックスで行い、ポリエチレンのスパイラルを掛けた。その他は協和電線のUL耐熱電線で行った。ハンダゴテの熱で溶けてしまう電線は使わないようにする。配線作業に入ると、保守性を考慮した構造であるかどうかが一発で分かってしまう。ハンダゴテが入らないとか、ネジを回すすべがないとか等の問題に遭遇し、一気にやる気を無くしてしまう場合があるが如何だろうか?。
2個並んだ小型トランスは100V:240VでSg電源用。実は、これを並列にし更に高圧トランスの24V/0.5Aと直列に接続して264Vを得る。もう一つの小型トランスは、同型を逆接続(200V:115V)にして57.5Vを得、Cg電源用として使う。リレー電源はGU-74Bヒーター用の12.6V/5Aを兼用する。何とも心持たないと御思いの向きもあるだろうが、GU-74Bで一度お試し頂きたい。
プレートコイル(ライン)とプレートリングを結合する。既に共振周波数を確認済みのプレートコイルをプレートリングにネジ止めした。リングの内側から3mm皿ビスで貫通しプレートコイル側でスプリングワッシャを通しナット締めした。このビス・ナットは温度変化による膨張伸縮で緩まないように強く締められる材質が好ましい。ここではステンレス鋼の物を使った。プレートリングは丸め込んだ影響で側面が平らでなく上下が盛り上がっている。これをヤスリで削り落とし平らにしプレートコイルとの当たりを良くする。かなりしっかりしているので、ひょっとしたらロウ付は必要ないかも知れない。ちなみにプレートコイルの長さは約19.5cmだった。現在ダイアルの中心が145MHzよりやや低いところにあるが、微調整はショートリングの直径の変更で行う事にする。即ち現在より直径が広げればインダクタンスが減り共振点を上げる事が出来る。なおコイルの取り付けは、先端を4mmビス(6角レンチ)で締め付けて行う。取り外しはこのように自由自在なので保守性が高い。
PS:この一風変わったタンク機構にEu方面から数件問い合わせがあった。日本語は読めないがJPGやGIFは見る事が出来るらしい。
左はファイナルボックス側板を仮り付けした様子。昨日の接着剤が固まるのを待って側板を仮留めしてみた。皿ビスが整然と並んでいるのを見ると気持ちが良くなる。皿ビスは単に突起を回避するばかりでなく接触面積を広く取れ、またパネル面を傷めない特徴があり、高周波工作に向いています・・・とはオーナーの持論です。
右は久々に見る背面パネル。大分部品が付いたが未だACコードはつながっていない。同軸リレーと本体を結ぶN-Nケーブルも製作しなければいけない。
本日の前方向からのスナップ・・・この角度からのショットが好きである。電源トランスの手前にある高圧の整流平滑ブロックが背が低いため左側に若干のスペースがある。12Vのリレー電源をここにおいても良いのだが、前述のブロックの保守性が悪くなるのでこのままにする予定。ファン制御のための温度スイッチを何処かにつけなければいけない。恐らくファイナルボックスの電源トランス側か・・・或いは排出ファンのフレームか・・・色々と想いが巡る。ところでもう3月も終わりなのに何時になったら電源が入るのだろうか。
ファイナルボックス側板内側にナットを留める。本来ならタップを立てたブラス板等を皿ビス等で固定すれば済むのだが、そんなに力が加わらないのでこんなやり方をしてみた。通常の3mmビス用のナットを、G17かソニーボンドで固定してしまうやり方だ。ボンドの食い付きを良くするためにサンドペーパーで側板の表面を磨く。磨くと言うよりは表面を荒くする。側板とナットに薄くボンドを塗り表面が乾いたら張り合わせる。さらにナット周辺にボンドを流しておく。乾くと程よい粘度を持った状態になるため、ビスを当てた時もショックを吸収してくれる。アラルダイト、ましてやアロンアルファではこの様には行かない。外からフロントパネルやリアパネルの耳を挟み込み、皿ビスで締め上げる事になる。
出力タンク回路の共振周波数を確認する。ファイナルボックスに上蓋を取り付け(運用状態と同じ環境で)共振周波数を確認した。プレートには2.5KΩのダミー抵抗を対GND間に取り付けている。写真は144.5MHz付近でSWR=1になっているが、141~147MHzの範囲でチューニングが可能であった。144MHzバンドは可変範囲内に収まっているが、145MHzを中心にもって来たいのでプレートコイルを若干短くする予定。この作業が終わればプレートコイルとリングをロウ付する事が出来る。
ファイナルボックス上蓋の取り付けネジ処理を行う。上蓋に罫書きを入れネジ位置にポンチを打つ。写真のようにハタガネで上蓋を固定し2.5mmのドリルで貫通する。上蓋側は更に3.2mmに広げる。ボックス側は3mmのタップでネジを切る。上蓋とボックスの合わせ精度を確保するには以上のやり方が簡単である。こうした作業は板金加工時に集中して行うべきだが、部材調達の関係で今になってしまった。
写真左は3mmのタップとタップハンドルでファイナルボックスにネジを切って(タップを立てて)いるところ。タップの先端にCRC:5-56などのオイルを塗るとネジ切りの作業がやり易い。写真右は上蓋を3mmビスで締め付けた様子。ちょっと気が早いが「DANGER HIGH VOLTAGE」シールを貼ってみた・・・中々決まっている。
ファイナルボックスの上蓋を切り出し、そこに吸気穴を空けた。丸穴の大きなサイズは作業が面倒なので、写真左の様に角丸四角形とした。周辺のRは30mmΦのシャシパンチで作り、パンチ後間を金ノコで切り落とした。写真右はダイアプレスのパンチネットをブラインドリベッターで取り付けたところ。ネット越しに見えるGU-74Bが美しい。上蓋は3mmビスで周辺を締め付ける予定だが、穴とタップ処理は未だ行っていない。トランスや整流・平滑ブロックの熱はこの穴を経由して背面の2次ファンで吸い出される。球も冷やしながら電源部も冷やす苦肉の策である。毎晩1時間程度の作業で製作が進行している。
ファイナルボックスのサイドパネルを製作する。1mmアルミ板をベースに、上蓋側に2mmx2mmの硬質Lアングルを添えた。ここには上蓋取り付け用の3mmのタップを立てる。取り付けはカバーの邪魔にならないように皿ビス(3mm)で行う。タップを立てられるのは前述のLアングルの部分のみ(写真はそのタップと皿ビスのみで取り付けてある)なので、他は裏側に3mmナットをソニーボンド等で取り付ける。ここはそんなに力が加わらないので、ナットが落ちない程度に接着しておれば良い事にする。これらはメンテナンスを容易にするための工夫である。これで上蓋が取り付けば真の共振周波数が確認でき、プレートリングとプレートコイル(ライン)のロウ付が実施できる。
シリコンゴムSiSp340を約25mm幅にカットしチムニィを製作。円筒状に巻きつなぎ目はステンレス製ホッチキスで留めた。写真左は上部から差込みブラス(真鍮)製プレートリングで押さえ込んだ様子。写真右は80Wハンダゴテにシリコンゴムを巻き込んで、耐熱性を確認しているところ。コテ先にはハンダがどろどろに溶けている。この状態からクリップを外し、強引に反り返りをすると内側に縦にヒビが入る。但し、焦げや異臭・変質は無く冷ませば元に戻る。したがって、通常のエアを送る運用では問題無いと思われる。
シャシ貫通ブッシングのクローズアップ。左は高圧回路用に設けた樹脂ブッシング。右はメーター回路を中心とした低圧回路用の自在ブッシング。シャシ厚が2mmあるため自在ブッシングも厚みを合わせた。配線作業中にケーブルを傷めたりするのは勿論だが、金属穴に直に通すのは見た目にも良くないので慎みたい。
ファンの選択で動揺する。1次ファンをDCファンにしようと決めたまでは良かったが、DC電源の事も考える必要があった。オフディレイ動作させなければいけないのでリレー電源とは共用できなし、ACファンなら電源も要らないなぁ・・・なんて考えているうちに再びACファンが復活する事になった。実は今日、2次ファンまでDC化すると心に決め交換作業までしていた。色々考えると確かに無負荷状態での風量はあったが、ファンは軽く慣性力も無い、また回転センサーも無い・・・と段々弱気になっていた。写真は復活したIkura(Tobishi)のACファンN3091。このファンはファンセンサーTMA5を取り付けたもので、ファンの回転が停止すると接点出力を出す事が出来る。この接点で送信制御回路をゲートすれば、ファン停止時には送信に移れない安全回路が出来る。但し本当は逆論理(ファン回転時に接点出力)の方が使いやすいのだが・・・。
ファンの風量(風圧)テストを行う。PAPSTの3412と言うDC12Vファンがジャンクで転がり込んできた。DC12Vを印加すると勢いよく回り出しひょっとしたらと思いAC100ファンのIkura(Tobishi)N3901と比較実験をする事になった。写真はその様子で、奥側がAC100VファンのN3901で手前がDC12Vファンの3412。な何とDC12Vファンの方が力があるではないか。紙が同じ様に反り返るには、N9301を約半分の位置まで移動する必要があった。ちなみにN3901は10Wで1.3立方m/分、4312は僅か2.4W(12V)で使用範囲は7~15Vとなっている。この結果1次ファンは4312を使う事にする。但しファンがプラスチックなので、吸出し用の2次ファンは金属ファンのN3901を使う事にする。
その他部品の位置を決定し穴あけ等を実施する。その他部品とは写真の様に高圧・低圧電源用トランス、基板、タイマーリレー、シャシ貫通用ブッシング、高圧フィードスルーコンデンサ、高圧整流平滑ブロック等。高圧トランスは久し振りに乗せてみたがとにかく重たい。乗せると作業効率が落ちる。でも出し入れが大変なため意を決してナット締めした。ブッシングはメーター周りにはフレキシブル型、高圧専用に樹脂製ネジ締め型を使用した。基板にはDC12V(リレー)、DC300V(Sg)、DC-60V(Cg)電源の整流・安定化分が乗る。シャシ内のビスは極力皿ビスにして、配線の邪魔にならないようにする。タイマーリレーは高圧が掛かる方式なので、一度ガラエポ基板で受けてからシャシに取り付ける。・・・色々とイメージがわき想いが巡り面白い。回路図も未だ頭の中である。
ソケットSK-1Aの周辺と貫通端子周りの配線を行う。写真左はその様子。入力タンク回路も取り付け、目的周波数でSWR=1になるように調整を済ませた。この際入力のT型回路のカソード側に取り付けたカップリングコンデンサ(シルバードマイカ560PF)のリードインダクタンスを利用し、T型タンク回路のカソード側Lを省略した。コンデンサのリードをFBに2T巻き微調を行っている。写真右はそのクローズアップ。入力側のLは1.6mmスズメッキ線を内径10mm空芯で3T巻いている。Cg回路のRFCはFB-801に2T巻いた。その他ヒーター、Sg、カソード各回路から貫通端子の間にもFB-801を挿入した。カソードRFCは1.6mmスズメッキ線を内径10mm空芯で10T巻いた。なおGU-74Bは傍熱型なので、今回はヒーターチョークは省略している。エアが通る部分はなるべく塞がない様に部品配置を行う。パスコンのリードが細く長いため何とも心もたないが、機構サイズと手持ち部品の関係でここは泣く事にした。なお0.001μのセラミックコンをこの程度のリードにすると、実測で40~50MHz付近に共振周波数がくる。
写真は、配線の済んだファイナルベースをシャシに仮付けした様子。下からもソケット周りの細工は可能なのでシャシ底からビス止めしてみた。また入力BNCケーブルを接続し、出力取り出しも同軸ケーブルのグランド点に4mmのタップを立て仮配線(ハンダは流していない)してある。プレートコイル(ライン)とリング間は最終的に銀ロウ付けする。大分感じが出てきた。
試験的にシリコンゴム(SiSP340)を円筒に巻く。素材を突き合わせ3箇所をホッチキスで留めた。10mmサイズのホッチキスでは肉を掴みきれないので、本来ならもう一サイズ上のホッチキスが必要である。さらに素材はステンレス製が好ましい。この留め方がベストとは言えないが、ゴムの伸縮があるので突き合わせ面は思った以上にしっかりしている。写真の様に横に寝かせても型崩れしない。プレート直径に若干のクリアランスを持たせた大きさにするのがコツ。製作中のアンプ用チムニィは、GU-74Bを約1cm沈めて取り付けているので円筒の高さは25mm程度で良い。
IpとIsg及びIcgメーター系統と、EsgとHv電源の接地ポイントの考えを整理した。スタンバイ用のバイアスはカーソード回路に抵抗を挿入して行う。送信時はこれを短絡し接地する。IpとIsgを分流するする必要があり、かつスタンバイ抵抗は片側接地と言う宿命があるため、このような回路になった。Sg電源はIpに影響しないポイントに接続してある。個人的にはHv電源のマイナス側は直に接地したいところだが・・・その理由は、何らかの障害でメーター回路が断になると、Hv電源のマイナス側がシャシに対して負の高電圧を示すからである。不慮の危険を避けるために、マイナス側はどのような状況でもシャシ電位と同じにしておきたい、一つの考え方である。したがってこの方式ではIpメーターと並列に安全回路を設ける必要がある。なおIpは専用メーター、Isg・Icgはマルチメーターを使う。
入力回路で使用するT型タンク回路のテストを行う。経験的にコイル(1.6mmスズメッキ線10mmΦ3T)を巻き小型のVCを取り付けデータをとった。写真の様に目的周波数でSWR=1である。負荷抵抗は56Ω、68Ω、56+68Ωで行い、負荷側Lの調整とVCの調整で問題なくSWRを落せる事を確認した。目的周波数と書いたが、負荷Qが低いので130~150MHzに渡る広い範囲で低SWRが実現している。また、球の入力容量相当の50PFを負荷した時の傾向を確認した。この場合負荷側Lを1.5T付近まで減らす必要があった。これを実装したらまた様子は変わるだろうが、とりあえず共振状態の把握にはなる。
背面パネルとファイナルベース間の接続ケーブルを製作。上は入力用のBNC(L)-BNC(L)、下は出力用のN(L)-先バラだが先端のシールドはスリーブ処理しラグを取り付けてある。ケーブルは何れもRG-55U(2重シールド)。芯線と外皮はは耐熱素材かと思ったが普通のポリエチレンだった。末端が流れ出したため黄色の伸縮チューブを被せてある。この辺の作業は一気にやると雑になってしまうので、時間があるときにやっておくと後が楽である。
気分転換にSK-1A周辺に部品を取り付けてみた。ファンからの送風の妨げにならないように考慮する。カソード端子3箇所(2.4.6番)をリン青銅板で結び、Cg(1番)とSg(5番)に0.001μのセラミックコンを2個ずつ取り付けた。SgのはSK-1Aに立派なパスコンが内蔵されているので殆どは気休め。またSgには100KΩのブリーダー抵抗も取り付けた。この抵抗値に疑問を持つ向きもあるようだが、GU-74BはISgの暴れが殆ど無いので、4CX1000A等と同じに考えない方が良い。CgはAB1クラスと言ってもRF本線が流れる場合があるので、本来なら電流容量のあるマイカ等がベストかも知れない。配線は巻きつけるだけでハンダは未だ流さない。ハンダは「付ける」のではなく「流す」ものなり!。中継端子用に1L5P(懐かしい響き!)のラグ端子を取り付けた。カソードとヒーターの片側を接続したいが、トランスの巻き線をDC12V用と兼用を考えているため出来ない・・・ヒーター・カソード間の電圧最大値を越えなければ良いかぁ・・・色々と想いを巡らしながら一つ一つ部品を取り付ける・・・実に楽しい時間である。
昨日購入した部品を使ってみた。写真左は、シリコンゴムSiSP340をチムニィ状に丸めてみた。幅が40mmあって厚みも3mmあるため、1mm厚のテフロンシートを巻くよりはしっかりした感じになる。実際には幅40mmもいらないので30mm程度でカットする事になる。クリップで仮止めしてあるが、実際にはステンレスホッチキスで行う予定。80Wのハンダゴテに巻きつけて数分間様子を見たが、全く問題は無かった。
写真右は、一個不足していた貫通端子を、ベース底に当てるアルミパネル(加工済み2mm厚)に取り付けた。これでHeaterx2、Chathode、Sg、Cg分が完了した。リターン(グランド)はベースをシャシ底から締めるインチネジで、アースラグを共締めしそこが全電源のコモンとなる予定。
貫通端子パネルをファイナルベースにあてがってみた。この写真で、ファイナルベースとシャシの取り付け関係や給電の様子が想像できるものと思う。貫通端子内側は0.001μFのセラミックコンでグランドへバイパスされる。シャシ内には高周波が漏れ込まないようにし、直流と低周波交流のみの世界にする。・・・ここまで来ると配線作業に入りたくなる。
秋葉原で関連部品を購入する。川崎に所用があり、その帰路に秋葉原に立ち寄った。写真は購入した部品だが、1時間で店を回り物色したもの。名古屋でも探せばある物もあるが、探すだけで時間を費やしてしまうだろう。手前はフレキシブルブッシング3種類と6mmΦのアルミとブラス棒、左上の袋は貫通端子・インチネジ・4mmネジスペーサー(以上ネジの西川電子)、中央左は0.001μ/2KVのセラミックコン(斎藤電気)、中央は耐熱シリコンゴム(坂口電熱)、その下はマルチメーター用分流器抵抗と倍率器抵抗で誤差1%(海神無線)、右はL型DCプラグコード(千石電商)。
耐熱シリコンゴム(SiSP340)の耐熱は200℃ありチムニィに使えそうなので買ってきた。厚さは3mmほどある。インチネジはTAKACHIのアルミダイキャストボックスに合わせるため。セラミックコンはパスコン用。
INPUT-TUNE用のVCと入力BNCコネクタをベース内に取り付ける。VCはフロントパネルから調整できるよう、フロントパネルに軸受けを取り付け、そこに頭にスリットを入れたポリロッドが顔を出すようにした。この調子だと入力タンク回路はT型になりそうだ。回路の負荷Qは低いはずだから、半固定で背面パネル等からの調整でも良かったが・・・フロントパネルに出し、ノブを付けないところはオーナーの性格か?。またポリロッドは暫定で、最終的にはパネルに露出する部分はブラス等の金属素材にする予定。これらの作業には、正確な採寸と罫書きが必要である。
パネルデザイン上ロードVCダイアルから可能な限り離したい。でもベースは箱だから
、箱の中で可能な限り逃げるしかない。なるべくシャフトがベース側面に寄るように細工した。手元にあった半固定用のシャフト3.5mmΦの小型タイトVCに、6mmΦ(内径3.2mmΦ)のポリカラーを押し込み使用した。写真はVCに万力を使ってポリカラーを押し込んでいる様子。押し込んだら念のためアロンアルファを一滴流しておく。
Fan1を取り付けてみた。Fan1とシャシの間にはステンレスネットを挟み込んでいる。Fan1もFan2はIkura(Tobishi)のN3901(1.3立方m/分)であるが、このファンは取り付け穴は3箇所しかない。風がシャシ底から上方に吹く方向で使用するため、プロペラが剥き出しになるのでガードを取り付けている。
リアパネルに部品を取り付け、シャシにファイナルベースの取り付け穴を空ける。ファン2の内側はステンレスネットを張った。ファン2は回転センサー付のもので、送信制御とANDをとる予定。同軸リレーボックスは対角上に付属の皿ビス2本で蓋を締め付け、残りの2本で背面パネルに取り付ける。但しパネルを貫通するには付属の皿ビスでは長さが不足するため、別途4mmビスを用意しボックス側もタップを立て直して締め付けた。オリジナルのネジサイズはインチネジである。背面パネルの内側はシアン色のアルマイト処理をしてあるため、電気的に結合が必要な場所はサンドペーパーで削り落とす必要がある。
ファイナルベースの穴はファン1のサイズに合わせる。ベースに使用しているアルミダイキャストボックスのネジ間隔が、ほぼファンの規格に合致している。但し、それは角の2本だけなので、残り2本はシャシに皿ビスを埋め込みナット締めとする。またGU-74BのHx2・Sg・Cg・Kの電極を取り出すため、写真の様にベースの底に貫通端子板を設けシャシ下部に顔を出すようにする。この辺の構造がやや複雑である。
フロントパネルに吸入穴を空ける。エアの吸入穴はケース底と側面と決めていたが、フロントパネル中央のスペースがデザイン上気になったのと、セッティングによっては側面が塞がれる可能性があるため、思い切って正面に角穴を空けネットを張った。既にレタリングを済ませてあるため、恐る恐る罫書きをやり、写真のように小穴を空けたあと金ノコで切り開いた。ネットはステンレス製で2.5mmピッチの物にした。角穴とネットひとつで、昨日とは随分と雰囲気が変わった。なおネットの取り付けは、サブパネル上から2mmの皿ビス8本を貫通させ、反対側に硬質アルミ板をあてがいナット締めしてある。
左は化粧パネル下のサブパネル。ビス処理は全て皿ビスで行う。右はサブパネルの内側。ボールドライブやステンレスネットの取り付け状況が分かる。化粧パネル上は余分なネジを出さないように工夫している。板金は工作過程の中でも時間も忍耐も必要とする作業である。ここをきちんと抑えないと、電気回路が優れていても装置としての完成度は期待出来ない。額に汗をかきながら、手に豆を造りながらも、色々な思いが頭の中を巡る楽しい時間でもある。。
フロントパネルのレタリングを実施。文豪ミニ7RXで書いたものをワープロ粘着フィルム(つや消し)に打ち出し、これをフロントパネルに貼り付けた。粘着フィルムはPLUSのTree'sシリーズの物を使った。ワープロリボンの駆動系が壊れ、リボンを送れなくなるハプニングがあったが、NECサービスで部品を買い求め修理するハメになった。印刷したフィルムは、カッターで慎重に切り出す。貼る時は手やパネルの汚れを落してから作業に入る。この作業で装置の顔が決定してしまうので、ちょっとした角度ずれや位置ずれは納得いくまで修正する。・・・何とか様になっているが、今日は自前のデジカメを修理に出したため息子のカメラで撮影した。随分と雰囲気が出てきた。
バリL機構の調整とボールドライブの取り付けを行う。バリLはアルミ板で覆うと同調周波数が高くなった。先日試作した機構だとインダクタンスが不足するため、写真の様にやや長めにして作り直した。なるべく可変範囲をとるために、ショートリングと同じ円弧状にした。またプレート側のホースクランプを緩めれば、Lの長さを微調して同調周波数を可変できる。バリLシャフトとロードVCシャフト位置が決まったのでパネルにボールドライブの穴を空け取り付けた。SWRアナライザで145MHzがバリLの中心付近にある事を確認した。
負荷状態でSWRを確認する。プレート側に2.5KΩ、出力側に50Ω/BR-400(KuranishiSWRアナライザ)を接続し、チューニングが可能である事を確認した。写真は約146.5MHzにチューンした様子。また、目的周波数以外に共振点が無い事を確認しておく。この作業を済ませておけば、実装時の手順が大幅に簡素化されるし闇雲にならない。
出力タンク回路の実験。回路は変則π型(独断で命名)。プレート同調はバリLでローディングはVCで行う。プレート側の同調容量は球の出力容量とストレー容量となる。また、信号源からバリLへの接続は直に行い、DCカットはロードVCの手前で行っている。L分はプレートからのコの字に折り曲げられた真鍮板(2mm厚x15mm幅x約180mm長)、DCカットコンデンサ(1000PF/5KVx2)、ロードVCリード真鍮板(40mm幅x60mm長x1mm厚)で構成される1ターンループ。この内側で真鍮製のショートリング(1.5mm厚x9mm幅x40mmΦ)を回転させてバリL操作を行う。バリL処理するためにプレート側をすっきりさせる必要がありこの様な構造になった。ショートリングは四角形でも構わなが、回転角に対する同調曲線が変わってくる。写真左はプレート側にダミーロード(約2.5KΩ)を取り付け、これから負荷側からSWRアナライザをつなぎ整合状態を見ようとする段階。なお無負荷状態で140.2~147.7MHzに同調する事が出来た。しかしこれはオープン状態なので、シールドボックスに収めた状態は当然変化する。写真ではステンレスのホースクランプで仮止めしているが、最終的には昨日製作した真鍮板のハチマキにロウ付けする予定。写真右はロードVC(TamaDenyo:50PF/1KV)で、数年前に清水市宮下町のユニオン無線で購入したモノ。
プレートのリングを製作する。2mm厚x15mm幅の真鍮板をGU-74Bのプレートにハチマキにした。専用工具など無いため、この作業にはかなりの手力が必要であった。真鍮板を円状に曲げ、程良きところを直角に折り曲げ、締め付け用のバカ穴とタップを立てる。タップのサイズは4mm、バカ穴は4.2mmを横長に拡大した。4mmのステンレスビスでスプリングワッシャと平ワッシャを通して締めつけてある。この時点でどのようなタンク回路にするか・・・ほぼ決まった。RSBGのVHF/UHF MANUALによれば「144MHz帯にリニア回路を使用しても殆ど効果がない」が何時も頭の中にあって、今回も集中定数的な回路に落ち着きそうだ。リングには質量があるので、プレートの放熱に一役買う。またプレート回路はDC的にもRF的にも直付けとすれば、これも同様である。
フロントパネルにBallDriveダイアルl他を乗せてみた。ダイアルはアルミの削りだしのため、シルバー調が基本となり何となく締りがない?(好みの問題か!)。同じ形で色違いの黒地の方がスイッチ類やメーターの黒枠部分とマッチしたかもしれないが、この辺はメータースイッチノブやレタリングで吸収する予定。但しタンク回路が決定していないのでダイアルの正確な位置は未定。この後タンク回路が決まれば、ダイアル貫通穴(30mm)と取り付けビス穴(3.1mm)を空けフロントパネルの板金工作は完了する。大分雰囲気が出てきたと思う。
0.001μ/10KV(102K/10KV/松下製)掘り出し物。名古屋市大須第1アメ横2Fのボントンラジオを別件で尋ねたら、写真のセラミックコンデンサが置いてあった。名古屋では珍しい事なので10個ゲットした。値段は1個\100で秋葉原価格である。未だ数量があるので地元の自作派の方はどうぞ。松葉マークが印刷されてあるので松下電器製と思われる。しっかりとした作りで、大きさもあるので複数個を並列にしてカップリングに使ったり高圧のバイパスに使える。
JacksonBrothersのBallDriveDial届く。1月19日の22時頃、米国のSurplusSalesにInternetで注文したJacksonBrothersのBallDriveDial「4060SK」
が本日届いた。何と言う早さだろう、3.5日しかかかっていない。写真はダイアルの表と裏。アルミのムク材を旋盤で削り出してある。表面はアルミ地を生かした梨地である。取り付けは3mmのビス2本で行えるので極めて簡単である。当然ながらボールドライブのシャフトは1/4インチである。ボールドライブの粘りは最高だが、ノブがチョッとつまみ難い感じがする・・・好みの問題だが。これで製作に拍車がかかるか。