IC-7300のACC(BAND-DC)より14〜28MHz情報をORで取得する(Nov 11, 2017)
回路図
icomのACCコネクタにはバンドに応じたDC電圧が出ている。これをコンパレートして50MHzと10MHzバンド情報を取り出し、前者は50MHzアンテナ(HB9CV)とリニアアンプ(GU-74B/4CX800A)、後者は10MHzアンテナ(HB9CV)の切替に使用していた。
今回、2017年10月にHex-Beamアンテナ(WARC含む14〜50MHz変則八木)をタワートップに設置したことにより、バンドデコード情報を追加したので概要を記す。
左はその回路図(クリックで拡大)。icomのオリジナル回路をモディファイしたもので、これまでの50MHz/10MHz/HFの区分けを、50MHz/14〜28MHz/10MHz/HFへ変更した。今回も主役はLM3914N。このICは10ポイントのLEDバーグラフを点灯させる目的の物だが、特定の電圧範囲をLED点灯出来るので、この機能をそっくり頂戴し、上記のバンド情報を取り出す。
なおLM3914Nの出力はオープンコレクタのため、OR回路の構成は単純な並列接続としている。
近年はCI-Vでシリアルデータをデコードするのが一般的だが、この方法は簡単な回路で容易にバンド情報を得ることができ便利。ただし18/21MHz、24/28MHzはそれぞれ同一バンド扱いなので注意。
ちなみにicomのバンド電圧は以下とされている。
 @1.9MHz…7,0-8.0V
 A3.5MHz…6.0-6.5V
 B7MHz…5.0-5.5V
 C10MHz…0.1-1.2V
 D14MHz…4.0-4.5V
 E18/21MHz…3.0-3.5V
 F24/28MHz…2.0-2.5V
 G50MHz…1.2-2.0V
WARCバンドや50MHzバンドは後から追加されたため、必ずしも連続しておらず面白い。また24MHzは28MHzに、18MHzは21MHzにグループされている。
写真左はHPA(リニアアンプ)切替ボックス(上)及びアンテナ切替リレーボックス(下)とのスリーショット。今回アンテナ系統が1つ増えることで、外部に1:2の同軸リレーを新設し、これをANT/Dummy(トランシーバ入力接地)切替に充てる。その電源は、IC-7300の13.8V出力(電源SW経由)を利用し、ATU(MFJ-998RT)電源制御にも併用する。
写真右はデコーダボックス内の様子。手前がデコーダ&リレードライブ基板。ケース右手のDCジャックは10/50MHzのリレードライブ出力。14〜28MHz用DCジャックはスペースが無かいため、バンドDC出力(RCA-JACK)を止めこれに変更した。
RFの回り込み対策は必須。ACCコネクタからの13.8V・8V・バンド電圧にはFB801を挿入しLM3914N側は0.1μFの積層セラミックコンで接地している(回路図通り)。またリレー駆動Trのベースは0.1μF積層セラミックコンで接地した。これらをやらないとIC-7300単体動作でもLM3914Nの誤動作を招く可能性がある。予防保全としてACCコネクタケーブルにも大型のフェライトビーズを挟んでいる。

参考:2017年11月11日現在のリモートシャックアンテナ・主要設備状況。
 @1.8/3.5/7MHz…Windom(with MFJ-998RT)
 A10MHz…HB9CV
 B14.17.21.24.28MHz…Hex-Beam
 C50MHz…HB9CV
 Dローテータ…KR-400
 Eランシーバ…IC-7300
 FHPA…HF/ARF1500プッシュプル 50MHz/GU-74B(4CX800A)
 G無線LAN…WAPS-HP-G54+パラボラアンテナ(1m径・利得24dB/2.4GHz)
 H発電機…EG-2600(4サイクルガソリンエンジン、2.8KVA)、燃料52リットル)