ノイズ対策(Aug 18, 2016)
はじめに
リモートシャック及び富士山カメラシステムの構築中に、IC-7300の受信機が色々なノイズを捉える。
当初は、リモートシャックを動かすことに作業の主眼が置かれているため気付かずに済んでいたノイズも、終盤に入ると段々と気になってくる。
いか、構築中に遭遇した順にノイズの紹介とその対策について記してみた。



@バンドデコーダへRF回り込み
もとよりRF対策を失念していたことが原因。IC-7300のACCコネクタの+13.8V・+8V・Band電圧からコンパレータIC(LM3914N)で50MHzと10MHz情報を得る仕掛けだが、RFの侵入を許してしまい誤動作。
3系統にフェライトビーズFB801を挿入し、コンパレータIC側は0.1μFの積層セラミックコンでバイパスさせることで安定動作。

AIC-7300へのRF回り込み
50MHzリニアアンプ動作をバンドデコーダを含めてテスト中、送信に移るとIC-7300制御部がハングアップし通信・制御が不能となった。また、送信状態でロックしている状況も確認された。
IC-7300のACCコネクタケーブルに大型フェライトビーズ(パッチンコア)を挿入。コモンモードチョーク処理を行い対策。
併せてIC-7300〜リニアンプ〜リニアアンプ切替箱〜アンテナ切替箱〜接地ルートを構築。
B富士山カメラ用PoE電源(SW'ing)のノイズ
PoE電源に12Vから48V(0.2A)を生成するDC/DCコンバータを使用している。この電源が発生する高調波が、中波帯〜HF帯〜50MHz帯及ぶ範囲でS9程度のレベルで受かる(アンテナは80m長逆V-Windom)。明らかにSW'ing周波数の高調波で、周波数が安定せず常にドリフトしている。強力な中波ラジオもノイズに悩まされる状況。
ノイズを含んだ電源がLANケーブルにPoEされるとき、RF成分を含んだノイズがLANケーブルから輻射される状況が見えてくる。
7MHz帯を聞くとAGCで利得が抑えられ、S9+数10dBの局しか聴くことが出来ない状況。
48Vバッテリで給電すると、ノイズを確認できないので、明らかにDC/DCコンバータの問題。
この対策としてDC〜商用AC用のノイズフィルタ(松下電器製)を48V出力に挿入してみたが、全く効果が無し。
続いて出力ケーブルをフェライトコアに6回巻いたCMC(コモンモードチョークコイル)を3段、入力側にも1段組み込むと見事にノイズ減少、実用範囲になった。
何れも電源もしくは電源ラインからの輻射をトランシーバが感じているもので、トランシーバ入力を終端すると感じなくなる。

C発電機のイグニッションノイズ
DC/DCコンバータ電源の対策が終わると、発電機起動時のイグニッションノイズが気になってくる。
ノイズは広帯域に渡りランダムに分布し一点に集中することが無く、高調波関係のあるSW'ingノイズとは異なる。
発電機を停止させればノイズは発生しない。
EG-2600R(発電機)の点火プラグは金属カバーで覆われ、カバーは接地される構造になっている。
大雨が降るとノイズは明らかに低減する。樹木に多量の水が付着し、地面(発電機)とアンテナ間でシールド効果をもたらしていると推測される。
発電機自身の接地と無線機システムの接地の接続を行い、更に鉄塔へ接地することで一定の軽減を実現するか…。
発電機をシールドボックス(トタン製など)で覆い、発電機出力及び設置をコモンモードチョークで絶縁するなどのテストを行う。
DPC/情報機器からのノイズ

E予備データ測定時(ダミーロード)、21/24/28MHzでリニアアンプ動作せずリレーボックスチャタリング
リレー駆動するTr回路かバンドデコーダIC回路にRFが回り込んでいると思われる。トランシーバ〜リニアアンプ〜切替リレー〜 負荷間のアース回路の強化RF対策、及びTr&IC回路のRF対策。
Fその他のノイズ