TL-922出力タンク回路のRFリターンルートを考える(July 10, 2012)
その1
TL-922プレートVCのロータ側の接地はアルミアングルで行われている。
良く見ると接地先はアルミシャシで、それは筐体鉄フレームにビス止めされている(ロードVCも同様)。
すぐ奥に3-500Zx2を乗せたアルミシャシがあり、こちらも筐体鉄フレームにビス止めされている。
ぼんやり見ているの見過ごしてしまうが、実はこのアルミシャシ板同士、直接つながっていない。
タンク回路のリターン経路が一度筐体(鉄フレーム・ビス締め)を経由して信号源である3-500Zx2側へ返っている。
明らかに不必要な筐体駆動と思わうが如何だろうか…。
タンク回路側にはローバンド・コイルがあるため広い幅は取れないが、何らかのショートカット経路がアルミシャシ間に欲しい。出来れば1枚板のシャシで・・・。
その後底蓋を開けて観察すると、10mm幅のアルミL金具(写真)で両シャシ間を渡しセルフタップビス締めする「ジャンパ板」を発見。
ウーンこれって後から付けたんじゃない・・・と思いたくなる雰囲気だ。

その2
改修作業があり右側面のダイキャスト板を外した。
すると出力タンク回路シャシと3-500Zx2シャシの間に、RFリターンルートが組めそうな構造を発見。
程良き位置にビスやセルフタップビス穴がある。
1mm厚x10mm幅のアルミ板を取り出し、写真の様に折り曲げてジャンパ板を作成し取り付けてみた。
こちらのサイドは前項の様なリターンルートが無く、鉄フレームとダイキャスト板に依存するしか無かったから、それなりの改善が期待できそうだ。
この方がRF的に断然美しいと思うが如何だろう・・・。
それにしてもTL-922って隙間だらけだと思わない?・・・と言うよりこの時代のアンプって皆・・・!。
ノーマルモードもコモンモードも、水がこぼれる様にRFが・・・。

その3
以前から良く見えていた場所。タンクコイルを固定している金具のビスが、コイルの左手にある。
また3-500Zをドライブする信号を供給する同軸ケーブルを固定するスタンドオフ碍子。これをとめているビス。この間に写真の様にアルミ板を切り出してリターンルートを確保した。
これで3箇所でRFリターンが確保され、タンク回路シャシと3-500ZシャシのRF電位が安定になったものと推測する。
作業しながらTL-922の筐体やフレームを覗くと、このアンプは隙間だらけであることが分かってくる。