■設計監理日記■


『質朴な素材の家 〜東京都伊豆大島』



【構造規模】

木造2階 1階床面積=46.37u(14.02坪)
     2階床面積=39.74u(12.02坪)
     延べ床面積=86.11u(26.04坪)
          *その他ロフト有り

【主な外部仕上】

屋根/ガルバリウム鋼板縦平葺
外壁/焼杉縦羽目板張 目板打
軒天井/無塗装有孔ケイカル版

【主な内部仕上】

床/杉縁甲板
壁/針葉樹合板
天井/針葉樹合板

【その他】

木材/国産材(杉・桧)
防蟻/ホウ酸注入処理

【施工会社】

桑原建築/大島町







令和元年11月7日(木)  敷地調査


敷地は分譲地の一画で
道路より一段高く
擁壁に囲われています

島という環境から
強風、塩害、湿気、シロアリの対策に注意を図ります

分譲地ということで、給水、排水、電気等
設備環境は整っています
令和2年2月4日(火)  地盤調査


スウェーデン式サウンディング試験
結果は良好な地盤でした
令和3年12月2日(木)  工事着工


コロナの影響で当初より予定が大幅に遅れましたが
まずは無事に着工を迎えることが出来ました
令和3年12月12日(日)  基礎配筋検査


すぐに行くことが出来る現場ではないので
木工事、水道、電気、ガス各工事
今後の作業の注意点も含め
入念に打合せをして確認しておきます
令和4年2月14日(月)  上棟後

3日前に無事上棟式が執り行われました
棟梁とは屋根外壁下地の構成、補強金物等について
設備屋さんとは配管配線ルート等について
それぞれ打合せを行い意思の疎通を図ります


PS.昨夜竹芝からさるびあ丸に乗船して今朝6時に
大島岡田港に到着。外へ出ると台風でもないのに
立っているのがやっとという物凄い強風でした
ただ現場(内地)まで来ると強風も少し和らいでいました
屋根裏換気(垂木間充填断熱)について

通常は棟のところで換気役物を利用するのですが、島では
台風の強風時においては簡単に換気役物から雨水が進入す
ることが考えられるので屋根の上面には換気穴は設けず軒
裏全面から屋根下地全面に通気が取れるようにしています
令和4年2月28日(月)   構造補強金物のチェック

柱梁材は全て国産杉材
1階天井仕上は構造表し
外壁下地の構造面材はダイライト

ダイライトは強度面の他に
透湿性、防蟻性、耐火性、耐久性
に優れた材料として利用しています
床下の環境

大島はシロアリの活動が活発であるので
それを踏まえた建築であることが大切です

土台桧120角、大引桧90角、1階床下地24mm合板は
ホウ酸処理を施しています

べた基礎の床下空間は大引下の高さで570mmあり
人が入っての点検を容易にしています
令和4年3月30日(水)  雨仕舞

屋根(ガルバリウム鋼板縦平葺)
外壁下地(ダイライト・透湿防水紙・樹脂胴縁)
アルミ樹脂複合サッシ(トステムサーモスL)
まで終わり雨仕舞が出来る状態になりました

外壁仕上の焼杉板の張り方について
棟梁と打合せをして確認しておきます
島では一年を通して湿度が高く
カビやすい環境があります
そのため隠れて見えなくなる壁内や床下にも
湿気対策は大切です



室内は電気配線と給排水配管工事が進んでいます
各設備機器の設置位置は事前に打合せ済みなので
間違いがないかを確認します
令和4年4月25日(月)  外装内装

外壁は
焼杉板(厚15)縦羽目板張りに目板打ちです

2階は
断熱材(パーフェクトバリア)が入り始めました

1階は
床下の設備配管が済んで床下地合板が張られています
令和4年5月19日(木)  外装内装

外壁
焼杉板張りが終わりました

2階内装
天井仕上の針葉樹合板張
床下地の吸音ボード+転ばし根太
まで終わりました

1階内装
壁下地の枠組みが進んでいます

   ■令和4年6月16日(木)  内装

内装が仕上がってきました
仕上は1階2階共通
床〜杉縁甲板t=15 壁天井〜針葉樹合板t=9

    【外壁】焼杉縦羽目板t=15 目板t=12

愛媛県(株)共栄木材のバーナー素焼材です
自然の経年変化を許容出来れば
塗装仕上より耐久性は優れるものと思います

あと、、触ると炭が着いて汚れます
   【内装 壁・天井】針葉樹合板t=9

タフでラフに使えるよう無塗装のまま仕上
ローコスト仕様で納める選択の一つでした

ただ、合板の極端な値上りがありこれからは
ローコストにはならない仕上になりそうです

   【内装 床】杉縁甲板t=15

1階は下地合板t=24のうえに直張り

2階は階下への音を軽減させるために
下地合板t=24
吸音ボードt=8
転し根太30×40
で下地を作りそのうえに張っています
   【屋外】配管廻り

基礎を貫通する設備配管廻りは
シロアリ対策として
防蟻コーキング材でシールをしています
令和4年7月11日(月)  工事終盤

<外廻り>
外壁が仕上り足場が外れました

<室内>
建具、戸棚、設備機器の取付をしていきます

<外構工事>
既存のモノを残し砂利敷のみ新設になります
 
   ■令和4年8月25日(木)  完成

工事前、工事中、新型コロナの影響
もあってここまで長引きましたが
桑原建築さん、施主Iさん立ち合いにて
建物完成のチェックを行い
無事に完成引き渡しとなりました

これから、Iさんご家族の新しい生活が始まります!

 「建物完成写真はこちらをどうぞ」