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TOP >注目インタビュー 金守珍「新宿梁山泊の新たなる出発」

■注目インタビュー 金守珍「新宿梁山泊の新たなる出発」

新春3連続公演、2012年12月の「紙芝居 アメ横のドロップ売り」を含めると4公演連続という
タフなスケジュールを組んだ、その思惑とは 



ここ東中野のアトリエ「芝居砦・満天星(しばいとりで・まんてんぼし)」は 「芝居砦」の名を唐十郎から「満天星」の名を小田島雄志から付けてもらった。
そこが少しずつ劇場らしくとトイレや空調などを整えてやっとお客さんを招き入れる劇場環境になったと。

じゃあ作品はというと、まずは唐十郎が梁山泊の為に
書き下ろした作品「風のほこり」。 これは新春恒例
という形で毎年やるという決意がある。ここ(満天星)は正に 「風のほこり」の為の劇場だね。 だけど 「風のほこり」だけだと単なる再演になるんで、 もっと唐十郎の世界をしっかりと掘り下げる為に「風のほこりプラス何か」と考えたんです。

まず一番に考えたのは「少女仮面」。 この作品が岸田戯曲賞を受賞した事で日本の演劇界に革命が起きた。 つまり、それまでのリアリズム演劇からもっと自由な「アンダーグラウンド」っていう力へ。 そこには寺山修司があり鈴木忠志があり。すごいエネルギーを発して根底から変えちゃった。 その作品にあえて今まで手を出さないで来たのは、やはり自分達が成熟するまでそれはね、 到達出来ない何かだったんだろうね。 この「少女仮面」の裏にある作品「少女都市からの呼び声」は、何度も何度も繰り返しチャレンジ してきて世界的に認められてもいる。けれどもこれまでは「裏」だったり「影」だったが いよいよ表にあるこの「少女仮面」にチャレンジする。「風のほこり」の次なるターゲット・目標としてね。

で次の作品は何か。 僕は予てから、唐十郎こそ日本のシェイクスピアだと言っているけど、 そろそろ(シェイクスピアを)やってもいいかなと(笑) 僕も蜷川幸雄の弟子として、いずれという思いもあったし、唐十郎が日本のシェイクスピアであるならば、 本家シェイクスピアを「唐十郎的な読み方」で演出するのも唐十郎に対する、演劇に対するチャレンジかなと。 そういう意味では、この「風のほこり」「少女仮面」「ロミオとジュリエット」というのは 「ある一つのエネルギー体」であるんだね。だから分離していないんですよ。
新春の梁山泊の新たなる出発というか、その決意として、この三本を同時にやる事は 僕の中では芝居砦・満天星でやる「全部で一つの芝居」。世界というかね。

とりあえずそれに向かう「姿勢」かな。 それが今梁山泊に問われているし、まぁもうすぐ30年近くこの集団もなるわけですから 集団としての力量も試されていると思うし、それに恥じないレベルアップというか上を目指してね。 役者もその三本同時に出る人もいるわけですよね。大変に物理的に無理難題はあるんですが、 時間があれば出来るというものではない。

ここ(満天星)は一つの子宮ですよね。ここで唐十郎の作品をもっともっと熟成して 花園のテントに向かって、しっかり送り出して行こうと。 だから僕の中では無謀な挑戦というよりは三公演一体になって唐十郎というものを 読み解こうとしているわけです。 普通の劇場じゃできない。やっぱり自分のアトリエを持つ事によって又その環境を整える事によって、まぁ時間はないけど集中する環境は整ったと。
考えたら、すごい贅沢だもんね。 稽古場借りてたり劇場借りてたりしたらこんな自由さは無いわけだし。
単なる自宅の中の稽古場みたいな所はこうじゃないもんね。 上は宿泊もできる。宿泊施設もあるし、小道具・衣装大道具管理加工できる倉庫もある。 常に思いっきりチャレンジする環境は整った。 だから生涯、唐十郎の世界を掘り下げて行きたい、掘り進んで行きたい。

「紙芝居 アメ横のドロップ売り」中の台詞にあるように、縦穴をもっと深く掘って で横穴を掘って、何処に出るか、生涯かけてその鉱脈を探そう、という決心の年だと。 またそれが可能な場所、それが「芝居砦・満天星」であると。 それで、あくまでもここで培ったことをテントで発散するような基地が出来た。この芝居砦と名づけたようにね。

世界的にも「少女都市~」が芸術祭取ったり、ニューヨーク・欧米に行ったり 韓国行ったりしている様に「少女仮面」でも旅をしたい。 2012年12月初演の「紙芝居」はまだ始まったばかりだけど「風のほこり」と「紙芝居」というのは すごく連動してるし、「風のほこり」と「紙芝居」の同時上演も企画してるの。
ここはそれが可能な「芝居砦」なんだから。





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