茫茫往時
少年曾讀馬翁書, 薩特卡夫偕拮据。 老去始知萬有事, 不如煕洽尚安居。 |
少年 曾て讀む 馬翁の書, 薩特 卡夫 偕に 拮据す。 老い去りて 始めて知る 萬有の事, 煕洽に 如かずして 安居を 尚ぶ。 ******************************** |
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今、家の中は整理の作業でひっくり返っている。整頓をしていると、若い時代に見た本が出てきた。当時、内容が分からなくとも、無理をしても“読んでいる”というということが大事に思えた。そういう時代の雰囲気だった、その時の本だった。 ------------------------ |
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・馬翁: | 馬克思(マルクス)翁の略称。「馬列」として、馬克思(マルクス)・列寧(レーニン)としたかった。 |
・薩特: | サルトル。 |
・卡夫: | 卡夫卡(カフカ)のこと。 |
・拮据: | 難儀する。 |
・萬有: | 宇宙間のありとあらゆるもの。万物。万象。藤村操の『巖頭之感』「悠々(いういう)たる哉(かな)天壤(てんじゃう)、遼々(れうれう)たる哉(かな)古今。五尺の小躯(せうく)を以(もっ)て此(この)大をはからむとす。ホレーショの哲學竟(つひ)に何等(なんら)のオーソリチィーを價(あたひ)するものぞ。萬有(ばんいう)の眞相は唯(た)だ一言にして悉(つく)す。曰(いは)く:『不可解』…。」に因る。 |
・煕洽: | たのしみやわらぐ。 |
平成十九年一月二十二日 |
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