弘川寺紅櫻
河内弘川碧竹叢, 櫻花散盡一山空。 剩餘幾樹大門下, 護得南朝熱血紅。 |
桜の樹はあるが、桜はすっかり散っている。 | もう四、五日早かったら、この辺りはうす桃色に包まれていたのに…。 |
須磨明石 窓より見えて 住む庵の うしろにつづく葛城の峯 似雲 | 庵のあった場所から須磨、明石の方を見た。霞がかかっていて見えない。手前は桜の樹。 |
花がすっかり散った後。空山。 | 奥の方にわずかに残っていた。 |
墳墓前は、散った花びらでいっぱいになっている。 |
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桜は散っている。西行の歌:麓(ふもと)まで 唐紅(からくれなゐ)に 見ゆるかな さかりしぐるる 葛城の峰 訪ね来つる 宿は木(こ)の葉に埋(うづ)もれて 煙を立つる 弘川の里 |
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散った花びら。昨日の雨がこたえたのだろうか。 | |
山門の外側だが、真っ赤に美事な花が咲いていた。これを詩にした。 | |
山門外の風景。 | 山門外の風景。 |
南朝の忠臣・隅屋正高がこの枝垂れ桜の下で奮戦し、討ち死にを遂げたと云う隅屋(すや)桜。 |
河内の弘川 碧竹の叢, 櫻花 散り盡(つ)くして 一山 空し。 剩餘の 幾樹か 大門の下に, 護り得たり 南朝 熱血の紅を。 ******************************** |
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来るのが遅かった。さくらは散っていた。門の辺りには残っていたが、西行法師や似雲法師のあたりや奥山の桜はすっかり散ってしまっていた。花びらの散った地面が美しかった。 |
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・南朝…: | 山門外の強烈な赤さの桜(写真:中)を基に、南朝の忠臣の奮戦を伝える隅屋(すや)桜の薄紅の色(写真:下)を兼ねていう。 |
平成十九年四月八日 |
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