ク村の夏社(かしゃ=夏祭り) 豫章(よしゃう)の祠,
歳歳 年年 荳(とうこう) 癡(ち)なり。
墨餅(ぼくへい=イカ焼き) 褐衣(かつい=ゆかた) 猶(な)ほ 舊(きう)に 似て,
人 能(よ)く 留め得たり 夕陽の姿を。
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夏祭りだった。早足で出かけて帰ってきた。
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・夏社: |
夏祭り。 |
・豫章: |
クスノキ。この神社、クスノキが多く、大阪緑の百選に入っている。杜牧『張好好詩』に「君爲豫章,十三纔有餘。翠当P生尾,丹葉蓮含。」とある。 |
・歳歳…: |
劉希夷の『白頭吟』に「年年歳歳花相似,歳歳年年人不同。」とある。 |
・荳: |
杜牧の七絶『贈別・二首其一』に「娉娉嫋嫋十三餘,荳梢頭二月初。春風十里揚州路,卷上珠簾總不如。」とある。 |
・癡: |
あどけない。杜甫『乾元中寓居同谷縣作歌』に「有妹有妹在鍾離,良人早歿諸孤癡。長淮浪高蛟龍怒,十年不見來何時。」とある。 |
・墨餅: |
墨魚煎餅。いか焼きを謂う。 |
・褐衣: |
ゆかた。 |
・夕陽: |
李商隱『登樂遊原』に「向晩意不適,驅車登古原。夕陽無限好,只是近黄昏。」とある。
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