囘故里
故里早春十里程,
來囘老路白梅英。
雖如一世異朝市,
喜看門牌依舊名。
故里の早春 十里の程,
來り囘る老路 白梅の英。
一世 朝市を異にするが如しと雖も,
喜び看る 門牌 依舊の名を。
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出かけた先からの帰途、以前に住んでいた町を通って帰った。街の感じは変わっていたが、一軒の曾ての文具店(わたしが小学生の頃、よくそこで文具を買ったところ)の前を通ったところ、屋号だった「○○文具店」の「○○」の表札が掛けられていた。何だか、懐かしい人に出会った感じがした。
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・一世異朝市:東晉・陶淵明の『歸園田居』五首の其四に「久去山澤游,浪莽林野娯。試攜子姪輩,披榛歩荒墟。徘徊丘壟間,依依昔人居。井竈有遺處,桑竹殘朽株。借問採薪者,此人皆焉如。薪者向我言,死沒無復餘。
一世異朝市
,此語眞不虚。人生似幻化,終當歸空無。」
とあるのに拠る。
・門牌:表札。
平成二十三年二月十日
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