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長堤遠雷



殷殷遠雷嚇狗魂,
烏雲壓水一時昏。
方銷三伏芙蓉熱,
獨有小黄縮竇門。


  たいへんだ〜
たいへんだ〜
   


殷殷(いんいん)たる遠雷(ゑんらい)は  狗魂を(おど)し,
烏雲 水を壓して  一時 (くら)し。
(まさ)()す 三伏(さんぷく)  芙蓉の熱,
(ひと)り 小黄の  竇門(とうもん)(ちぢ)む 有り。

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  土手の上で聞いた雷、遠かったが、犬の肝を冷やすには十分すぎた。飛んで帰った。

    −−−−−−−−−−−−−−−−−−
・竇: 〔とう;dou4●〕孔(あな)。まるいあな。あなぐら。また、くぐりど。ここでは「狗竇」〔こうとう;gou3dou4●●〕の意で、飼い犬の出入り用の壁穴。犬がくぐって出入りするへいなどのあな。 南宋・范成大の『四時田園雜興』に「胡蝶雙雙入菜花,日長無客到田家。鷄飛過籬犬吠,知有行商來賣茶。」とある。
・小黄: 茶色の犬の呼び名。赤犬ちゃん。アカ。我が家の犬なので「小清」として、詩句を「獨有小C縮竇門」としてもよいのだが、第三者からは理解されがたくなる。

平成二十三年八月七日




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