叢竹酷梺n, 月明影斑斑。 不照死者心, 空照生人顏。 |
月下懷 ひを寫 す
叢竹 地に到り,
月明 影斑斑 たり。
照 らさず 死者の心を,
空 しく照らすは 生きたる人の顏。
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◎ 私感訳註:
※陳衡恪:清末・民初の篆刻家・画家。1876年(清・光緒二年(明治九年))〜1923年(中華民国十二年(大正十二年)) 湖南省・長沙の出身。字は師曽。号して槐堂、朽道人。日本に留学し、爾後、美術教育に携わった。父は詩人の陳三立で、祖父は湖南巡撫の陳宝箴。歴史学者の陳寅恪は弟。
※月下写懐:月明かりの下で、心に思うことを書いた。 ・写:書く。うつす。 ・懐:心を込めて思う。なつかしむ。心に思うこと。
※叢竹緑到地:群がって生えている竹の緑の葉が、地面に着く(ほどに曲がって)。 ・叢:むらがる。あつまる。多い。 ・緑:ここでは竹の葉の緑を謂う。
※月明影斑斑:月明かりで、影がぼつぼつと斑(まだら)である。 ・月明:月明かり。 ・斑斑:まじりあっているさま。まだらなさま。ぼつぼつとあるさま。斑点がたくさんある。きらびやかである。
※不照死者心:(月は)死んだ者(=亡き妻)の心を照らすことはないが。 ・死者:ここでは、亡くなった作者の妻・汪春綺を指す。
※空照生人顔:(月光は):生きている人(=作者自身)の顔を空しく照らし出している。 ・空:むなしく。 ・生人顔:生きている人の顔の意で、作者自身を指そう。
◎ 構成について
2021.1.24 1.25 1.26完 2021.2.15補 |
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