犬咬合 | ||
愚佛 |
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椀椀椀椀亦椀椀, 亦亦椀椀又椀椀。 夜暗何疋頓不分, 始終只聞椀椀椀。 |
椀椀 椀椀 亦 た椀椀 ,
亦 た亦 た椀椀 又 た椀椀 。
夜 暗 くして何 疋 か頓 と分 らず,
始終 只 だ聞く椀椀椀 を。
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◎ 私感註釈
※愚仏:不詳。「愚物」を捩ったか。『續太平樂府』猪飼五九郎:著。南娥王維:校。
※犬咬合:犬の咬みあい。犬の喧嘩。夜間、犬が呼応して吠え合うさまを詠った。 *これは狂詩。
※椀椀椀椀亦椀椀:ワンワンワンワン、またワンワンワン。 ・椀椀椀椀:ワンワンワンワン。犬の鳴き声。なお、現代語(中国語)では、「汪汪」(ワンワン;wang1wang1)とすることが多い。 ・亦:…もまた。また。
※亦亦椀椀又椀椀:またまたワンワン、またワンワン。 ・又:またしても。また。
※夜暗何疋頓不分:夜が暗いので、何匹、吠えているのか、とんと分からず。 ・夜暗:夜が暗い、の意。 ・何疋:「なんびき」=「何匹」。 ・頓不分:とんと分からず。
※始終只聞椀椀椀:ずっと、ワンワンワンだけが聞こえて来る。 ・始終:始めから終わりまでずっと。 ・只:ただ…だけ。
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◎ 構成について
韻式は、「AAA」。韻脚は「椀椀椀」で、平水韻上声十四旱。この作品の平仄は、次の通り。
●●●●●●●,(韻)
●●●●●●●。(韻)
●●○●●●○,
●○●○●●●。(韻)
平成30.8.3 |
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