旭日 | |
宋・太祖 趙匡胤 |
太陽初出光赫赫,
千山萬山如火發。
一輪頃刻上天衢,
逐退羣星與殘月。
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旭日
太陽 初めて出 でて光 赫赫 ,
千山萬山 火 の發 するが如し。
一輪頃刻 天衢 に上 り,
羣星 と殘月 とを逐退 す。
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◎ 私感註釈
※趙匡胤:〔てうきゃういん;Zhao4 Kuang1yin4〕(北)宋の初代皇帝。太祖。927年(天成二年)〜976年(開寶九年)。涿州(現・河北省涿州市)の人。後周の禁軍の軍人となり、後周・世宗の没後、宋朝を建てた。
※旭日:朝日。「初日」ともする。 *太陽は作者・太祖のことであり、群星や残月は、覇を争ったライバルたちのことになる。王者の詩である。
※太陽初出光赫赫:太陽が初めて昇り(始めたが、その)光るさまは盛んで。 ・赫赫:〔かくかく;he4he4●●〕明らかでさかんなさま。日でりの厳しいさま。はやいさま。
※千山万山如火発:(陽光が射した)多くの山々は、火が着いたようになった。 ・火発:〔くゎはつ;huo3fa1●●〕かっと怒る。
※一輪頃刻上天衢:(太陽が)一つ、暫くして天上の大道に上り。 ・一輪:太陽や満月を謂う。 円いもの一つをさして謂う。開いた一つの花。一つの車輪。 ・頃刻:〔けいこく;qing3ke4●●〕たちまち。ほどなく。しばらくして。また、しばらくの間。少しの間。ここは、前者の意。 ・衢:〔く;qu2○〕みち。四方に通じる大道。四つ辻。
※逐退群星与残月:(陽光は、)数多くの星々や明け方まで空に残っている月を、駆逐してしまった。 ・逐退:〔ちくたい;zhu2tui4●●〕追い退ける。 ・群星:数多くの星。群がり集まる星。 ・与:…と。…と…と(を)。 ・残月:明け方まで空に残っている月。有明の月。
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◎ 構成について
韻式は、「aaa」。韻脚は「赫發月」で、平水韻入声六月(發月)、十一陌(赫)。この作品の平仄は、次の通り。
●○○●○●●,(韻)
○○●○○●●。(韻)
●○●●●○○,
●●○○●○●。(韻)
2011.6.21 6.22 |
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