寒夜客來茶當酒, 竹爐湯沸火初紅。 尋常一樣窗前月, 纔有梅花便不同。 |
寒夜
寒夜 客來 りて 茶 酒に當 つ,
竹爐 湯沸 きて火 初 めて紅 なり。
尋常 一樣 窗前 の月,
纔 に梅花 有れば便 ち同じからず。
◎ 私感訳註:
※杜秉:南宋の人。
※寒夜:(冬の)寒い夜。
※寒夜客来茶当酒:(冬の)寒い夜に人が来たので、お茶を酒と見なして(もてなしをすることにした)。 ・茶当酒:茶を酒と見なす。 ・当:〔たう;dang4●〕…と見なす。…とする。あてる。 〔たう;dang1○〕は別義。
※竹炉湯沸火初紅:竹炉(≒箱火鉢(はこひばち)では湯が沸(わ)いており、火はたった今、赤くなったばかりだ。 ・竹炉:一種の箱火鉢(はこひばち)。四角い大型の竹籠の中に、小型の火鉢(ひばち)を収めた、屋内の暖房器具。 ・湯:ゆ。(余談になるが、以前、中国出版の詩詞の註釈書で「湯」の註釈があった。註に「スープではない」と書かれていた)。 ・沸:わく。 ・初:たった今。…したばかり。初めて。 ・紅:あかくなる。中唐・白居易の『問劉十九』に「 螘新醅酒,紅泥小火壚。晩來天欲雪,能飮一杯無。」とある。
※尋常一様窓前月:いつもと同じ、窓辺に見える月影だ(が)。 ・尋常一様:いつもと同じ、の意。 ・一様:同様(の)。 ・窓前月:窓辺に見える月影の意。
※纔有梅花便不同:わずかに梅の花があるところが、つまり、(いつもとは)違うところだ。 ・纔:わずかに。…だけ。 ・便:つまり。すなわち。 ・不同:同じではない。違う。
◎ 構成について
2016.11.30 12. 1 |