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◆本章のポイント

――神の摂理の要点

最後に本章で述べた「神の摂理」に関する要点を整理します。

〈神の摂理による絶対的支配と、摂理の永遠性・不変性〉

①神は、霊界・宇宙・すべての存在物(万物)を創造しましたが、その際、摂理を通じてこれらを支配するシステムも同時に設けました。そのため霊界・宇宙・すべての存在物が、「神の摂理」の厳格な支配のもとに置かれるようになっています。

②神は、霊界・宇宙・全存在物を摂理によって間接的に支配しています。神が直接、支配するのではなく、すべての支配は間接的になされています。摂理による支配は機械的で厳格であり、そこには例外も特例も一切ありません。こうした摂理の支配下では、偶然とか奇跡といったものは存在しません。

③神は、霊界・宇宙・全存在物を支配するために無数の摂理を準備しました。霊界・宇宙・万物は、無数の摂理の支配を受けて存在し維持されるようになっています。一種類の摂理による支配というようなことはありません。霊界も宇宙も万物も、常に複数の摂理の支配を同時に受ける中で存在しています。さまざまな摂理が、表となり裏となって複雑に絡み合う中で支配がなされるようになっています。

このように宇宙は、数限りない摂理の支配のもとで維持されていますが、その無数の摂理が、全体として完璧な秩序と調和を維持するようになっています。すなわち無数の摂理は、さらに「大きな摂理(神の叡智)」によって支配され、常に全体の秩序と調和が保たれるようになっているのです。

④神の摂理は、永遠であり不変です。今後、霊界・宇宙の状況に応じて新たな摂理が造られたり、摂理が変更されるようなことはありません。神はその叡智によって、霊界・宇宙を創造した時点においてありとあらゆるケースを想定し、それに対する摂理を完璧に準備されたからです。

〈神の摂理による人間の創造と支配〉

①神は摂理によって、物質世界・生命界(動植物界)・人間界を造られました。人間は、神の創造計画の最終段階に「最高次元の生命体(生物)」として創造されました。そのため人間は、物質的要素・生命的要素・霊的要素からなる多重構造・多層構造を形成しているのです。人間を構成する各要素は、それぞれ異なる摂理の支配を受けて存在するようになっています。

②神は人間だけに「霊的要素(霊・霊の心・霊体)」を付与しました。このため人間は、死後も霊界で永遠に存在し続けることになります。これが人間と動物の根本的な違いです。「永遠的な霊的存在者」という点が、人間と動物の決定的な違いなのです。そこには人間を特別な存在として創造しようとした“神の意図”が明確に示されています。

③神が人間に“永遠性”を与えたのは、人間に永遠の霊的成長の道を歩ませようとする神の計画があったからです。霊界で単に生き続けるだけでなく、どこまでも霊的成長を求める存在として造ったのです。「霊的成長」は人間にとって最高に価値ある霊的宝であり、地上人生だけでなく、永遠の霊界人生においても究極の目的となっています。人間にとって最も重要な霊的成長も、多くの摂理の支配のもとで達成されるようになっています。

〈神と摂理に対する絶対信仰〉

①スピリチュアリズムとは「神と摂理に対する絶対信仰」であり、それは霊界におけるすべての霊たちの信仰と同じものです。

②スピリチュアリズムは他の宗教と同様に、神が愛の存在であることを認めますが、それと同時に「摂理(法則)の神」を強調します。これは地上人類がとかく期待する、神からの直接指導や特別な配慮は一切ないということを意味します。人間が自分に都合のいい願いや希望をいくら訴えても、神がそれを聞き入れることはありません。

③神は摂理を通して間接的に人間と関わるため、万人に対して「完全平等・完全公平」な立場に立っています。そうした神を人間の側から見ると、神は人間に直接手を貸したり関与はしないけれど、すべての人間を平等・公平に愛してくれているということになります。

④摂理の支配のもとで生きるように造られている人間にとって、正しい信仰とは「摂理に自らを忠実に一致させる努力」と言えます。これが「摂理を信仰対象とする」ということです。神の摂理に忠実に従って生きることで、人間は結果的に霊的成長をなし、神の準備してくれた幸福を手にすることができるようになります。

〈摂理の支配と自由意志〉

①人間には他の動物にはない“自由意志”が与えられています。摂理の支配と自由意志は相反するもの・矛盾するものと思われがちですが、人間の自由意志は一定の枠内における条件付の自由であって、無制限の自由ではありません。常に摂理の支配下にある自由なのです。

②神が人間だけに自由意志を与えたのは、人間に自律的・自発的に霊的成長の道を歩ませ、“神の創造性”を獲得させて、神に似た存在にしようとしたためです。それによって人間は、物質世界における「第二の神」として他の生命体(動植物)の頂点に位置し、愛の世界をつくり出す立場に立つことになります。

③神から“自由意志”という特権を与えられた人間には、それ相応の義務と責任が課せられています。その義務と責任とは、「自律的・自発的に霊的成長の道を歩む」ということです。それを果たすために人間は、自ら摂理と一致し、摂理を実践する努力をしていかなければなりません。自由意志を活用して自分を摂理に従わせ、摂理にそって歩むことが「正しい信仰・スピリチュアリズムの信仰実践」なのです。