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1)霊界下層の未熟霊たちと、霊界からの悪なる働きかけ

死後も未熟なままの霊たち――“未熟霊”

霊界から地上世界への働きかけは、守護霊・背後霊のように善意からのもの・良心的なものばかりではありません。現実には、むしろ悪意からの有害なものの方が多いのです。人間は死んで霊界に入っても「霊的覚醒」が起きるまでは地上と同じ意識状態にいます。人間は、死とともに天使になったり善なる霊になるのではありません。霊界においても、未熟な者は依然として未熟であり、利己的な者は依然として利己的であり、悪意を持った者は依然として悪意を持ったままなのです。このように霊的覚醒に至らず霊界の下層に留まっている霊たちを「未熟霊」と言います。

シルバーバーチは次のように述べています。

「死んで霊界へ来た人は、地上にいた時と少しも変わりません。肉体を捨てたというだけのことです。個性は少しも変わっていません。性格はまったく一緒です。習性も特質も性癖も個性も、地上時代そのままです。利己的だった人は、相変わらず利己的です。貪欲だった人は、相変わらず貪欲です。無知だった人は、相変わらず無知のままです。悩みを抱いていた人は、相変わらず悩んでおります。少なくとも霊的覚醒が起きるまではそうです。」

『シルバーバーチの霊訓 地上人類への最高の福音』(スピリチュアリズム普及会)  p.189

低級霊・邪悪霊

霊界の下層(幽界)には、地上的意識を拭い去れない未熟な者(未熟霊)たちが数多く存在しています。彼らは地上において最低限の霊的成長さえ果たすことなく、せっかくの地上人生を無駄に過ごしてきました。

その中のある者は、死後も地上時代と同じように悪事を続けることになります。地上で悪行を繰り返してきたような人間、利己性の強い偏った考えを持った人間は、霊界に入ってからも地上に悪影響を及ぼすようになります。こうした霊たちを「低級霊」あるいは「邪悪霊」と呼びます。

彼らは霊的覚醒の時期がこないかぎり、しばらくそうした状態のままでいます。霊によっては何百年もの間、低級霊のままで留まっていることがあります。

2)未熟霊のさまざまなタイプ

いまだに物質的なバイブレーションが残っている幽界の最下層に集まっている未熟霊たちには、いろいろなタイプがあります。ここではそうした霊たちを3つの観点から分類します。1つ目は「霊の特徴と状態」の点から、2つ目は「霊の悪意の度合い」の点から、3つ目は「地上人への働きかけの有無」という点からです。

未熟霊の分類〈1〉――霊の特徴・状態の違い

未熟であるという点は同じであっても、霊によってそれぞれ特徴があります。ここでは「未熟霊」を、特徴と状態の違いから5つに分類します。

①霊的暗闇の中に閉じ込められている未熟霊

自殺した人間や極端な唯物主義者として地上時代を過ごしてきた者、あるいは極悪非道なエゴイストとして人々を苦しみに追いやってきたような人間は死後、自らの霊性の低さがつくり出す“霊的暗闇”の中に、自分自身を閉じ込めるようになります。そしてそこから抜け出すことができず、自分で自分の首を絞めるような苦しみを体験することになるのです。

そうした塗炭の苦しみを味わい、激しい後悔の念を抱いて時を過ごす中で、少しずつカルマ(罪)が償われ「霊的覚醒」がもたらされるようになります。霊的覚醒に至るまでの期間は、それぞれの霊のカルマの程度や霊性のレベルによって異なります。

②死を自覚できないために、地上時代の延長生活を続ける未熟霊――“地縛霊”【1】

地上時代、霊的なことにあまりにも無知であったため、自分が死んだことに気がつかない霊がいます。周りの状況が何かおかしいと思いつつも、死の自覚を持てないのです。そうした霊は結局、自分自身の記憶と意識によって地上時代の生活を再現し、その中で存在し続けることになります。こうした霊を「地縛霊」と言います。

この地縛霊の中には、地上時代の仕事を延々と無意味に続ける者がいます。生前工場で働いていた者は、幽界でも同じような仕事を続けます。地上時代を店員として過ごした者は、幽界でも店で商品を売り続けます。また戦争で急死したような場合も死を悟ることができず、自分自身の想念でつくり出した戦場で戦闘行為を続けます。

地上時代の間違った宗教的信条例えば「死後は再臨の時まで墓で待ち続ける」といった教義)を堅く信じ込んで他界し、それが霊界に入ってもなかなか修正できないときには、やはり「地縛霊」となります。死を自覚することなく時を過ごし、いつまでも進歩の道に踏み出すことができません。彼らの中には、同じ信仰仲間と教会に集まって地上時代の信仰生活を続ける者や、間違った教えを地上の人間に広めようとする者もいます。

こうした霊たち(地縛霊)の場合は、自分がすでに死んでいることに気がつくまでその状態が続くことになります。時に、死を自覚していない霊が無意識のうちに地上の霊媒体質者のオーラに引っかかり、その中に閉じ込められてしまうようなことが起こります。これが「憑依現象」です「憑依現象」にはさまざまなケースがあり、低級霊が強い悪意を抱いて引き起こすものもあります)

そうした地縛状態がどのくらい続くのかは、それぞれの霊の霊性レベルにかかっています。短期間のうちに抜け出せる者がいる一方で、何百年もの長期にわたって地縛状態を続ける者もいます。

③本能的欲望のままに、地上時代の快楽を求め続ける未熟霊――“地縛霊”【2】

霊界に入っても死を自覚せず、いつまでも生きていると錯覚している霊(地縛霊)の中には、地上時代と同じように物質的・本能的欲望を追求し続ける者がいます。彼らは地上の本能的人間に働きかけて、間接的に肉体的快楽を味わったり、地上人をそそのかして悪の道に誘い込んだりします。

そうした霊の多くが、地上生活において肉体的快楽を最優先して求めてきました。そのため肉体的快楽の刺激が魂(霊的心)にまで染み込み、肉体を脱ぎ去った後も、それが心を占めるようになっているのです。彼らの意識は常に地上に向けられ、いつまで経っても霊的向上の意欲が芽生えてきません。結局、彼らは地上時代と同じように肉体的快楽を求めて活動することになります。地上の酒飲みや麻薬中毒者・淫乱者の背後から忍び寄り、その肉体を共有して地上人に憑依して)快楽の感触を味わおうとするのです。こうして霊界に行ってからも、さらなる罪をつくり続けることになります。

またこの手の未熟霊の中には、意図的に地上人のオーラの中に侵入し、悪質な憑依現象を引き起こす者がいます。このタイプの未熟霊は典型的な「低級霊・邪悪霊」で、彼らが存在する場所は、地上に近い幽界の最下層に限られます。特に地上人の物欲・本能欲が渦巻くような場所にたむろして住み着きます。

④悪ふざけやいたずらをして楽しむ未熟霊――“イタズラ霊”

地上にもいたずら好きで、悪ふざけばかりしている不真面目な人間がいますが、霊の中にも悪ふざけをして、地上人を困らせては楽しむといった程度の悪い者たちがいます。こうした未熟霊の多くは知能が高く、地上の交霊会に出て心霊現象を演出して参加者を驚かせたり、デタラメな霊言を語って地上人を騙したりします。また地上の霊媒体質者を利用して“幽霊”をつくり出して人々を怖がらせたり、物体を消したり移動させてからかい、困らせるようなこともします。こうした“イタズラ霊”は典型的な「低級霊」ですが、彼らは特別な悪意を持っているというわけではありません。

しかしいずれにしてもこのような未熟霊たちは、霊界で低俗ないたずらや悪ふざけを繰り返すことによって、さらなる罪(カルマ)をつくり出すようになります。

⑤強い悪意や憎しみを持って、地上人に攻撃をしかける未熟霊――“邪悪霊・凶悪霊”

高級霊や幸福な地上人に、憎しみや妬みを抱き、意識的に地上人を不幸に陥れようとする霊がいます。未熟霊の中で最も悪意の強い霊であり、まさに「邪悪霊・凶悪霊」というべき存在です。彼らは人類にとっての大きな敵と言えます。特にスピリチュアリズムに対しては、自分たちの悪意が暴かれることを恐れ、敵意をむき出しにして妨害に出てきます。利己的な地上人を操って妨害したり、交霊会に介入し、これを悪用してスピリチュアリズムの権威を貶めようとします。

彼らは死後においても大きな罪(カルマ)をつくり上げ、罪の償いのためにその後、たいへんな苦しみの道を歩まなければならなくなります。

未熟霊の分類〈2〉――霊の悪意の度合い

未熟霊といっても、一人一人の霊が抱いている悪意の程度はさまざまです。高級霊や地上人に対してほとんど悪意を持っていない者、また少しだけ悪意を持っている者、そして強烈な悪意と憎しみを持っている者など、悪意の度合いはそれぞれ異なります。

先に分類した②の未熟霊は、地上人に対して悪意や憎しみを持つようなことはありません。③と④の未熟霊は、心の根底には妬みを抱いていますが、それが憎しみ・憎悪といったむき出しの敵意にまで至ることはありません。⑤の未熟霊は、激しい悪意と敵意・憎悪を抱いて高級霊に反抗し、地上人類の進歩の道を妨害・破壊しようとします。

未熟霊の分類〈3〉――地上人への働きかけの有無

幽界の下層に留まっている未熟霊の中には、敢えて地上世界に働きかけをしようとしない者がいます。②のケースの未熟霊がそれに相当します。彼らには、地上人に対して妨害やいたずらをしようといった悪意はありません。彼らの霊性は未熟であっても、人間としては善人であることが多いのです。単なる霊的無知からの霊的未熟者たちなのです。

それに対し③と④と⑤の未熟霊は、地上人に向けて積極的に働きかけ、悪い影響を及ぼします。特に④と⑤の未熟霊の悪影響の度合いは甚大です。

3)低級霊・邪悪霊が地上世界へ働きかける手口

未熟霊の中で、地上に悪なる働きかけをする者を「低級霊・邪悪霊」と呼びます。低級霊・邪悪霊は、さまざまな手段を用いて地上へ働きかけます。またあらゆる機会をとらえて地上人に悪影響を及ぼそうとします。低級霊たちには、地上人に対する一片の思いやりも配慮もありません。地上人を困らせ苦しめることを喜びとし、生きがいとしているのです。そして冷酷・無慈悲に地上人を攻撃し痛めつけます。低級霊は、まさに地上人類にとっての“最大の敵”の一つと言えます。

ここでは「低級霊・邪悪霊」が地上に働きかける手口について見ていきます。彼らは次のような方法で地上人に働きかけ、その影響力を拡大しようとします。

①地上人の利己心と本能を利用する

低級霊が地上に働きかける最も一般的な手口は、地上人の利己心と本能を利用するものです。地上人は肉体を持っているため、本能に支配されがちです。意識的に努力しないかぎり、すぐに「肉主霊従」の状態に陥り、利己的な思いが心を支配するようになります。これが霊界の低級霊に、格好の働き場所を提供することになるのです。地上人が“利己心”に支配されると、誠実で清らかな者・高貴な者に対する嫉妬心や嫌悪感が湧き上がるようになります。虚栄心と傲慢さは真面目な者への反発心を引き起こし、妬みと憎しみを発生させます。こうした低級霊の思いと相通じる“悪感情”は、ただちに低級霊の察知するところとなります。

低級霊・邪悪霊は、地上人の悪感情を見逃しません。背後から地上人に忍び寄り、その悪感情を煽り立てます。その結果、地上人の悪感情はどんどん増幅し、相手の人間に対する憎しみを募らせることになります。こうなれば低級霊は、その地上人を意のままに操ることができるようになります。地上人を自分の手足として、相手の人間を非難したり迫害することもできるようになります。

スピリチュアリズムへの反対や妨害の多くが、実はこうした形で引き起こされています。スピリチュアリズムに反対する人間は、すべて自分自身の判断でしているように思っていますが、現実には霊界の「低級霊・邪悪霊」によって煽られ、操られているのです。

②地上人の不安・恐怖心に付け込む

低級霊が地上人に働きかける際に、一番やっかいな存在が、霊界の守護霊や背後霊です。地上人に働きかけ支配しようとしても、守護霊がその経路を遮断してしまうからです。地上人が高い心境を維持し奉仕精神に富んでいるときには善意の霊たちによって守られ、低級霊は悪影響を及ぼすことはできません。また地上人が神と守護霊の導きを信頼しているようなときにも、低級霊は近づくことはできません。高い霊的意識と純粋な奉仕精神、そして神と守護霊・背後霊への信頼は「低級霊・邪悪霊」に対する強固な防御壁となるのです。

それとは反対に、地上人が不安や恐怖心に駆られると、霊界からのエネルギーの流入口が閉ざされ、善なる霊は思い通りに地上人を守護することができなくなります。こうなると地上人は、低級霊の侵入を受けやすくなります。まさに不安や恐れは、地上人にとって“最大の敵”なのです。低級霊は狙いを定めた地上人に不安や恐怖心を抱かせるために、わざと周りの人間に働きかけ、これを利用して間接的に圧力を加えます。首尾よく狙った相手が不安や恐怖心に駆られるようになると、今度は直接攻撃を仕掛けます。

また霊的に敏感な人間や霊的なものに異常な関心を示す相手に対しては、霊界から直接影響力を行使し、不安感を引き起こすようにします。そして低級霊が侵入しやすい状況をつくり出します。霊媒体質者は、霊界からの影響を受けやすい分だけ不安や恐怖心にとらわれがちになり、低級霊・邪悪霊に対する防備が弱くなります。

③霊媒体質者・霊能者を利用する

霊界の低級霊にとって、地上の霊媒体質者や霊能者は最も働きかけやすい対象です。霊媒体質者や霊能者は霊界からの影響をストレートに受けるため、低級霊は簡単に自分の道具として利用することができるようになります。

低級霊にとって地上の霊能者は、道具として用いるのに“もってこい”の存在です。低級霊は、霊能者の耳元でささやきかけて自尊心をくすぐり、有頂天にさせます。またさまざまな霊的ビジョンを見せて、自分がこの世で一番であるかのような傲慢な思いを抱かせます。そして徐々に自分の道具に仕立て上げていくのです。このようにして地上の霊能者の90パーセント以上が“低級霊の餌食”になっています。

低級霊は低俗な霊能者を用いてニセの情報を流布させ、霊界についての正しい知識や霊的真理が地上に普及しないように画策しています。

④憑依現象を利用する

霊媒体質者を低級霊が不当に支配し、自分の操り人形のようにしてしまうことがあります。これが「憑依現象」です。低級霊・邪悪霊は、意図的に憑依現象を発生させて地上人を困らせたり、さまざまなトラブルに巻き込んだりします。

憑依状態に陥った地上人は、低級霊・邪悪霊の道具となってしまいます。そして普段は決してしないようなことを平気でしでかし、最悪の場合には事件や犯罪・自殺を引き起こすようになります。

⑤独裁者・マスメディアを利用する

低級霊・邪悪霊は、善なる勢力の拡大と霊的真理の普及を恐れ、それを阻止するために地上世界の権力を最大限に利用しようとします。人類史上の“独裁者”による宗教弾圧・宗教迫害の背後には、こうした低級霊による働きかけがありました。独裁者は利己性と独占欲が並外れて強く、低級霊にとっては最高の道具と言えます。独裁者を利用することによって、善なる勢力を力ずくで押さえ込むことができるようになります。

21世紀の“独裁国家”においても、低級霊・邪悪霊による影響力の行使が強力に進められています。現在の独裁国家や独裁者は、かつてローマ皇帝がキリスト教徒を弾圧したのと同じようなことをしています。宗教者や人権運動家に対して非道な迫害を行っています。

一方、現在の大半の国家は民主主義体制になっており、そこでは独裁国家のような絶対的な政治権力者はいません。こうした民主主義国家では、低級霊は一般大衆の低俗さやエゴ性・本能性を利用して善の勢力に迫害を加えようとします。そのための最も有用な手段が“マスメディア”です。現在の民主主義国家における権力の一つがマスメディアであり、それは世論をつくり出したり、世論を操作して国家を操る力を持っています。

そこで低級霊・邪悪霊は、善なる勢力の拡大と霊的真理の普及を阻止するためにマスメディアを使って巧妙に、大衆の関心を低俗な心霊現象やニセ霊能者に引きつけるように働きかけます。テレビやネットなどを通じて人々の意識をくだらない娯楽に向けさせます。そして本能的快楽主義を煽って「霊的成長の道」から目を逸らすように仕向け、結果的にスピリチュアリズムの発展を妨害しようとするのです。

4)低級霊・邪悪霊によるスピリチュアリズムへの反対勢力の形成

スピリチュアリズムへの反対勢力

低級霊・邪悪霊にとって一番の脅威は、自分たちの悪事を暴き、自分たちの存在を危うくする“スピリチュアリズム”の登場です。スピリチュアリズムが発展すればするほど自分たちが不利になるため、死に物狂いでスピリチュアリズムに反抗します。そして、ありとあらゆる手段を用いてスピリチュアリズムの拡大を阻止しようとします。

シルバーバーチは次のように言っています。

(質問)――霊界にも組織的な反抗勢力の集団がいるのでしょうか。

「いるのです。それが我々にとって悩みのタネの一つなのです。組織的反抗といっても、聖書にあるような天界から追放された堕落天使の反乱の話を想像してはなりません。あれは象徴的に述べられたまでです。残念ながら霊界にも、真理と叡智と知識の普及を快く思わぬ低級霊の勢力がいるのです。そしてスキあらば影響力を行使して、それを阻止しようとするのです。」

『シルバーバーチの霊訓 地上人類への最高の福音』(スピリチュアリズム普及会)  p.236

インペレーター霊も、霊界の低級霊の集団的な反抗について次のように述べています。

「進行中の新たな啓示の仕事と、それを阻止しようとする一味との間に、熾烈な反目があります。我々の霊団と邪霊集団との反目であり、言いかえれば、人類の発達と啓発のための仕事と、それを遅らせ挫折させようとする働きとの闘いです。それはいつの時代にもある善と悪、進歩派と逆行派との争いです。逆行派の軍団には悪意と邪心と悪知恵と欺瞞に満ちた霊が結集します。未熟な霊の抱く憎しみによって煽られる者もいれば、真の悪意というよりは、悪ふざけ程度の気持ちから加担する者もいます。要するに、程度を異にする未熟な霊がすべてこれに含まれます。闇の世界から光明の世界へと導こうとする、我々をはじめとする他の多くの霊団の仕事に対して、ありとあらゆる理由からこれを阻止しようとする連中です。(中略)その集団に集まるのは必然的に地縛霊、未発達霊の類です。」

『霊訓(完訳・下)』(スピリチュアリズム普及会)  p.153

『霊訓』については翻訳原文の文体・表現を改めています。

キリスト教の説くサタンの存在は寓話

スピリチュアリズムに対する低級霊の集団的な反抗というと、キリスト教がこれまで説いてきたような、神に対峙するサタンの一大勢力を想像するかもしれません。キリスト教では、サタンを首領とする悪の勢力があって、神の勢力に戦いを挑んでいると教えてきました。

しかし実際の霊界には、「神」対「サタン」という二大勢力間の闘争という構図は存在しません。また神に対峙するサタンも、堕天使ルシファーも実在しません。幽界の下層において、悪性の強い低級霊・邪悪霊を中心に小グループがつくられ、それぞれの悪党グループが思い思いに悪行を繰り返し、高級霊の働きかけに反抗しているというのが実情です。

“交霊会”への攻撃

低級霊・邪悪霊にとって、高級霊が地上人に霊的知識・霊的真理を伝える交霊会は、最も妨害したい現場です。そのため、あらゆる交霊会が低級霊の攻撃にさらされてきました。現在、地上で行われている交霊会の大半が、低級霊の侵入を許しています。

低級霊・邪悪霊はスピリチュアリズムによる霊的真理の普及を恐れ、交霊会を最大限に利用し、そのイメージを落とそうと画策してきました。スピリチュアリズムが低俗なものであるかのような印象を、人々に植えつけようとしてきました交霊会における低級霊の画策と低級霊の操り人形となっている霊能者の問題や、ペテン霊能者の問題については、これまでニューズレターで述べてきました。また第3ホームページにおいても、詳しく取り上げています

低級霊の活動の場は、幽界下層に限定

低級霊・邪悪霊は、どんなにもがいても霊界の上層に入って行くことはできません。そのため低級霊の活動場所は、幽界の下層と地上界に限定されます。高級霊界には、低級霊の影響は全く及びません。したがって霊界全体としては、低級霊の存在はそれほど大きな問題とは言えません。

しかし低級霊の影響を直接受けることになる地上人の立場からすれば、低級霊の存在は実に厄介なことであり、きわめて重大な問題ということになります。

5)自ら低級霊・邪悪霊を引き寄せる地上人たち

低級霊にとっての絶好の条件

少しばかり心霊世界の知識をかじったような人は、「どうして高級霊は、低級霊の悪事を抑えてくれないのか?」と言います。しかし低級霊が地上人に働きかけるのは、地上人が働きかけやすい条件をつくっているからです。地上人の方から低級霊の働きかけを誘導しているのです。

大半の地上人が陥っている「物質中心主義的考え方・本能快楽主義的生き方」そして誰もが程度の差こそあれ持っている「利己心・傲慢さ・自己顕示欲・虚栄心」さらには「取り越し苦労・不安・恐れといったマイナスの思い」――これらは低級霊・邪悪霊が働きかけるための“絶好の条件”となります。こうした物質的・本能的・利己的な心は、低級霊・邪悪霊を強力に惹きつけることになります。地上人の「魂の窓(霊的エネルギーの取り入れ口)」を閉ざし、善なる霊(守護霊・背後霊)の守りと導きを遠ざけることになるのです。

低級霊の働きかけを受けるのは“自業自得”

低級霊が付きまとう、低級霊に憑依された、低級霊の障りを受けたということは、その人間が悪なる要因を持っていることを示しています。善なる心がけ・高貴で利他的な精神を持っている人間には、低級霊は近づくことができません。その意味で、低級霊に支配されて苦しむのは“自業自得”と言わざるをえません。

低級霊の働きかけを排除するためには、祈祷師によるお祓いや心霊治療ではなく、本人自身の清らかな心境と正しい霊的知識が何より重要となるのです。

自ら低級霊を誘い込む人々

間違った霊的知識に縛られ、無意味な不安や恐れを生み出し、低級霊に付け入るチャンスを与えているような人が多くいます。心霊番組や心霊書が好きという人には、特にそうした傾向が強く見られます。

低級霊・邪悪霊は、スキあらば直ちに地上人に働きかけようとします。地上世界は常にそうした低級霊たちに取り囲まれていることを忘れてはなりません。霊界からは、地上人の心の動きが手に取るように分かるのです。地上人が物欲・利己心・嫉妬・怒り・情欲などの思いを持てば、低級霊・邪悪霊はすぐにそれをキャッチし、働きかけの絶好のチャンスとします。

むやみに心霊現象に関心を持つ者も、自ら低級霊を呼び寄せるようなことをしています。心霊現象に対する異常な関心は利己的動機から発していることが多いのです。また御利益信仰などに走る人間も、低級霊にとっては格好の餌食です。こうした人々は低級霊に、自分の方から「私をからかってください」 と言っているようなものです。また高級霊の支配が及ばない交霊会も、低級霊にとってはまたとない働きかけのチャンスとなります。霊との正しい交わりを求めるためには、低級霊を寄せつけない「地上人の清らかな心と高級霊の守護」が必要となるのです。

霊界への間違った好奇心や自らの利己心が「低級霊・邪悪霊」を惹きつけるようになることを、常に意識していなければなりません。

6)低級霊・邪悪霊への対処法

高級霊の守護を妨げる張本人は地上人

高級霊が地上人類の霊的成長のために働きかけようとすると、低級霊・邪悪霊が必ず妨害に出てきます。そのため高級霊は、低級霊の妨害を取り除いたり防いだりしながら、地上人に働きかけざるをえなくなります。

高級霊にとって地上への影響力の行使が難しいのは、地上の人間が肉体をまとっているため、霊的なものより物質的なものに容易に惹かれてしまうからです。そうした地上人の弱さゆえに、高級霊の働きかけは、なかなか実を結びません。すなわち高級霊の守護を妨げる張本人は地上人である、ということなのです。地上人サイドで正しい努力をしないかぎり、高級霊による守護には限界があるのです。

低級霊との戦いの鉄則――“善なる心には善なる霊しか近づかない”

低級霊への対処法・戦い方は、「自分自身の心の持ち方を正す」という一点に尽きます。自分の心を正すということが、低級霊を寄せ付けないための鉄則なのです。他人への奉仕を心がけ、常に高級霊界の忠実な道具を目指す人間には、低級霊は働きかけることはできません。近づくこともできませんし、何の被害も発生しません。善なる心は善なる霊を引き寄せ、悪なる心は悪なる霊を引き寄せるのです。

低級霊・邪悪霊は、スピリチュアリズムに協力する人々の心を挫き、スピリチュアリズムから遠ざけようと画策します。そして周りの人間に働きかけて妨害したり、低俗な者たちを扇動して善なる活動に反対させようとします。

しかしスピリチュアリストが高級霊の導きを信じ、不動の姿勢を維持するかぎり、高級霊による守護の中で無事に乗り越えていけるようになります。

低級霊の働きかけを無視する

低級霊・邪悪霊の反抗勢力が地上に働きかけやすいのは、彼らが地上臭を持っているからです。低級霊の霊的波動は、地上的波動とよく合うのです。特に地上の低俗な人間・利己的な人間とは容易に接触ができるため、そうした者を自分たちの手先として利用するのです。

地上人が守護霊とタイアップし、守護霊からエネルギーを取り入れることができるなら、低級霊は近づくことはできません。地上人が高級霊や守護霊と一体となっているかぎり、低級霊の反抗がいかに巧妙で激しいものであっても心配する必要はありません。その意味で、低級霊の妨害や反抗を大袈裟にとらえることは、マイナスにこそなれプラスにはならないのです。地上人が騒ぎ立てるほど、低級霊は得意になってさらなる働きかけをするようになります。高級霊の影響力と比べれば、低級霊の力など大したものではありません。どのような形であれ、低級霊のちょっかいなどは無視すべきです。相手にさえしなければ低級霊は諦めて、働きかけをやめてしまいます。

特に注意を要する霊媒体質者

霊媒体質者(オーラが多い体質の人)の場合は、特に注意が必要です。霊媒体質者は低級霊にとって磁石のような存在であり、普通の人以上に低級霊を引き寄せてしまうからです。その結果、状況によっては生命に関わるような危険が生じることもあります。

したがって霊媒体質者が低級霊を寄せ付けないためには、次のようなことを心がけるべきです。「むやみに心霊現象に関心を持たない」「自分の心を清らかにして利己的な思いをなくすように努力する」「低級霊の働きやすい悪い雰囲気の場所や人込みには極力近づかない」――こうしたことを常に心にとどめ、高い心境を維持する人間には、低級霊は働きかけることができません。

自分自身の努力で低級霊を遠ざけるようにしないかぎり、他人(霊能者など)に頼んで力ずくで取り除いてもらっても、別の低級霊が取って代わるだけのことです。本人が命がけで心を変える努力をしてこそ、低級霊を退け身を守ることができるようになるのです。「利己的な考え方を変え、利他愛に基づく奉仕的精神を持つ」――これが低級霊を近づけないようにするための最善の方法なのです。お守りを身に付けたり、形だけの祈りや呪文を唱えても、何の効力もありません。

“憑依”への対処法

低級霊が霊媒体質者のオーラと接触して同調し、潜在意識を支配するようになることを“憑依”と言います。すでに何度も述べてきましたが、低級霊は霊媒体質者や霊能者に働きかけ、これを手足として悪事を働いたり、スピリチュアリズムを妨害しようとします。

霊について論じる際に必ず取り上げられるのが“憑依”の問題です。霊媒体質者が大きなショックを受けたり病気で身体が衰弱したようなときには「霊肉のバランス」が崩れ、憑依されやすくなります。また人によっては「罪の償い(カルマ清算)」のために“憑依による苦しみ”という道を歩まざるをえなくなることもあります。

しかしいずれの場合も、憑依の直接的な原因となるのは、本人の心のあり方です。利己的・本能的思いが“引き金”となるのです。前世のカルマが原因となっている場合でも、本人が高い心境を保つように努力するなら低級霊は近づけませんし、憑依現象も発生しません。

家族の一人が憑依されて気違いの状態になると、周りの者たちは振り回され、疲れ果ててしまいます。憑依された人間は何日も食事を摂らず、またほとんど寝ることもできなくなります。そして辺りを徘徊したり、家出をして放浪したり、物を壊したり、自殺を企てたりするなど手に負えなくなります。こうしたひどい憑依状態が続けば、家族全員がまともな生活ができなくなってしまいます。

憑依に対する現実的対処としては、精神病院に入院させることです。現代医学では憑依現象を“統合失調症”として扱います。急性期には、薬によって疲弊した身体を休ませ、心身のバランスを取り戻させることが必要です。患者の大半は、長期の不眠・断食状態で心身が衰弱しているからです。心身のバランスが戻れば、それに応じて低級霊の影響力も減っていくようになります。しかし本人がそれ以後、心の持ち方を変える努力をしないかぎり、同じことを繰り返すようになります。

低級霊の誘惑・働きかけを最終的に許すのは、地上人自身です。本人の心の持ち方いかんで、低級霊の働きかけが現実のものになるかどうかが決定します。低級霊は地上人の心に直接ささやきかけ、利己的思い・悪感情を誘発しようとしますが、地上人がそれを無視して相手にしなければ、結果的には何の問題も発生しないのです。“憑依”の問題については底辺が広く、ここで詳しく説明することはできません。ニューズレター23号スピリチュアリズムの思想[Ⅰ]で、また『スピリチュアル・ヒーリングとホリスティック医学』第7章で詳しく取り上げていますので、それらを参考にしてください。)