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(1)完璧な歩みができない地上人と、高級霊が示す高いハードル

“井の中の蛙”に等しい地球人類

物質に支配された私たち地球人類にとって、「霊的真理」はきわめて厳しい内容を要求します。スピリチュアリズムの霊的真理は“倫理道徳”の理想として、あえて厳しく述べられたものではないか、と考える人がいるかもしれません。しかし霊界の住人、あるいは地球よりも進化の進んだ天体の住人から見れば、霊的真理によって示された内容は決して特別なことではありません。霊界人からすれば、真理が教える内容は「霊的成長」をなすためには当たり前のことなのです。

それがとてつもなく実現不可能なことのように思われるのは、私たちが“地球”という暗黒の世界に閉じ込められているからです。物質に縛られた低い世界だけをすべてと考え、それ以外の世界はないと思い込んでいるからなのです。そうした私たちは、まさに“井の中の蛙(かわず)”です。地球という小さな世界の中で、あれこれと自分なりの意見を主張し、それぞれの考えの正当性を勝手に言い合っているのです。

地球人類にとって、完璧な歩みは不可能

霊的に見れば、きわめて低い状態にある私たち地球人類が、真理にそった完全な歩みをなすことは到底不可能です。霊界から私たちを導く立場にある高級霊たちは、そのことをよく知っています。「地上の人間にとって完璧な生活を送ることは可能でしょうか?」との質問に、シルバーバーチは次のように答えています。

「それは不可能なことです。が、そう努力することはできます。努力することそのことが性格の形成に役立つのです。」

『シルバーバーチの霊訓(5)』(潮文社)  p.191

スピリチュアリズムを主導している霊界の人々は、地上人が今すぐ高い霊的歩みを実行することの困難さを知ったうえで、これまでずっと導いてきました。霊界の高級霊は、地上人が、霊界人や他の進化した天体の住人に近い歩みはできないことを初めから承知しているのです。物質性がきわめて強い地球は、高い霊的光を受けることができない世界です。その地球で肉体という物質の衣類を身にまとって生活している地上人が、理想どおりの“霊的人生”を送れるとは思っていません。

実行不可能と知りつつ、高いハードルを示す高級霊

霊界の高級霊は、地上人に高い理想を説いても完全には実行できないことを知りつつ、あえて高いハードルを示しています。それは高級霊が、私たち地上人に対して可能なかぎり成長してほしいと願う、親心のような深い愛情を持っているからです。それは同時に、「霊的成長のためには徹底して自分に厳しくあれ」という霊的先輩としての励ましでもあります。

シルバーバーチは次のように述べています。

「完全であるように努力しなさいと言っているのです。それが地上生活で目指すべき最高の理想なのです。」

『シルバーバーチの霊訓(5)』(潮文社)  p.191

「私たちも、どうせ今すぐには実現できないと知りつつ、理想を説いております。もしも私たちが努力目標としての理想を説かずにいたら、与えられた使命を全うしていないことになります。目標の水準は高めないといけません。低くしてはいけないのです。」

『スピリチュアリズムによる霊性進化の道しるべ』(スピリチュアリズム普及会)  p.132