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(2)霊的真理の普及活動を始める前の準備

霊的真理の伝道の意義と重要性を、理解していただけたものと思います。次は、いよいよ伝道の開始です。しかし伝道を始めるにあたっては、準備が必要となります。「霊的真理の伝道」という地上で最高の利他愛の実践・奉仕活動に臨むためには、それに見合った準備が不可欠なのです。しっかりした準備なくして、霊的真理の伝道という偉業を成し遂げることはできません。

ここでは伝道を始める前の準備について学びます。

1)まずは自分自身の「霊的新生」

焦って伝道に走ってはならない

霊的真理の伝道は、最高次元の利他愛の実践です。スピリチュアリストだけに与えられた最も価値ある奉仕活動であり、私たちのライフワークです。霊的真理の伝道の重要性は、言葉では表現し尽くせません。

そうした最高次元の奉仕活動である伝道を始めるにあたって、深く心に留めておかなければならないことがあります。それは、「ただやみくもに真理を伝えようとしてはならない」ということです。『シルバーバーチの霊訓』と出会って感激した人たちの中には、突如、火がついたように燃え上がり、ホームページを開設したり、読書会を始める人がいます。あちらこちらの知人に、手当たりしだいに『シルバーバーチの霊訓』を配り始める人もいます。

しかし伝道がいかに大切だからといって、焦って活動に走ってはなりません。せっかちに行動を起こすと自己流・自己中心的になって、いつの間にか伝道の目的がずれてしまうことになります。利他愛から離れ、自分の実績を追い求めるだけの利己的な行為になってしまいます。

伝道を始めるについては、この後で述べるような最低限の準備をすることが必要です。その条件を満たして初めて、他人に真理を伝える資格が与えられることになるのです。

「その態度を見ていると、まるで大霊に代わって自分が早く片付けてしまいたいと思っているかのようです。何年もの間、モグラのように暗闇の中にいたのが、ある日ふと見上げて“光”というものがあることを知ります。するともう、それに夢中になって、今すぐにでも世の中を変えてしまわないと気が済まないような態度を取り始めます。

そう簡単にいくものではありません。霊にかかわることは、ゆっくりと、霊妙に、しかし確実に進化するものです。霊的成長、霊的感性、霊的理解力というものは、アクセルを踏んで一気に進めるわけにはいかないものです。」

『古代霊シルバーバーチ 新たなる啓示』(ハート出版)  p.81〜82

「焦ってはいけません。地上の人間の悪い点は、せっかちだということです。霊的成長はインスタントに身につくものではありません。私たちも、あなた方が長い眠りから覚めるのを根気よく待っているのです。何十年も掛かるかも知れません。ところが、ようやく覚めると、いきなり“何をぼやぼやしているのです! 早くやらなくては!”と言い出します。大霊は急ぎません。」

『古代霊シルバーバーチ 最後の啓示』(ハート出版)  p.50〜51

伝道の準備とは、まず自分自身を「霊的新生」させること

『シルバーバーチの霊訓』の中に、次のような箇所があります。

「地上には、自分を変えようとせずに世の中を変えようとする人が多すぎます。他人を変えようと欲するのですが、すべての発展、すべての改革はまず自分から始めなくてはなりません。(中略)地上人類の霊的新生という大変な事業に携わっていることは事実ですが、それにはまず自分を霊的に新生させなければなりません。真の自我を発見しなければなりません。心を入れ替え、考えを改め、人生観を変えて、魂の内奥の神性を存分に発揮しなければなりません。」

『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社)  p.164

ここでシルバーバーチが言っているのは――「情熱に駆られてすぐに伝道に走らないように」ということです。そしてもう一つは――「人々に働きかける前に、自分の心や考えを根本から徹底的に改めなさい」ということです。スピリチュアリズムの霊的真理を一刻も早く人々に伝えたいと考えるのは確かに素晴らしいことですが、伝道を始めるにあたっては、まず自分自身を「霊的新生」させることが必要なのです。

自分を「霊的真理」でしっかりつくり替えないうちに伝道に奔走すると、知らず知らずのうちに単なる“活動家”になってしまいます。この世のボランティア活動と同じレベルに堕ちてしまいます。それどころか「人々のため」という純粋な思いは失われ、自分自身の実績を真っ先に追い求める“利己心”に変わってしまいます。これでは、スピリチュアリズムを自己満足のために利用するのと同じことです。口では人々の救いのためと言いながら、自分のための利己的活動にとどまるなら、霊的成長とは無関係な歩みをすることになってしまいます。

真理を知っただけでスピリチュアリズムを理解したと思い込み、すぐに伝道しようと考えて読書会を始めたり、ホームページを立ち上げたり、出版活動に走ることは慎まなければなりません。生半可な理解しかできていないのに、スピリチュアリズムのすべてが分かったかのように思っている人が実に多いのです。そして結局、こうした人たちがスピリチュアリズム発展の足かせになってしまいます。真の意味での謙虚さがなく、自己顕示欲を抑えることができないのです。

2)自らを「霊的新生」させるための4つの実践内容

伝道を始める前に、自分自身を「霊的新生」させなければなりません。それが伝道に対する準備になるのです。霊的新生をなすためには4つの実践項目があります。「祈り」「徹底した真理の学習」「スピリチュアリストとしての基本的な心がまえの確立」「日々の霊優位の努力」です。

これらは自分自身を「霊的新生」させるための重要な実践項目であると同時に、自らを「神の道具・霊界の道具」とするための“霊的訓練”の内容にもなっています。外に向けて働きかけを始める前には、一定の準備期間が必要です。この4つの項目は、霊界の道具として伝道に携わるための必須条件と言えます。1〜3年は、一人でじっくりとこのために時間をかけなければなりません。そして自らをしっかりと霊的新生させ、スピリチュアリストとしての立場を確立しなければなりません。

次に、一つ一つの内容について見ていきます。

初めに「祈り」を覚えましょう

神への語りかけである「祈り」は、最も神聖な霊的実践です。祈りは皆さんの心を深め、霊的世界との交わりを強固なものにするために不可欠な行為なのです。“瞑想”だけでなく声に出して、神に語りかけましょう。瞑想だけでは意識を集中できないまま終わってしまいがちです。あらかじめ祈りの言葉を準備しておいてもかまいません。部屋を薄暗くして目を閉じ、神と守護霊と3人だけの静寂な時間を持ちましょう。毎日わずか10分でも続けることが大切です。

神の前に一人で出るとき、人間はありのままの姿をさらけ出すことになります。それによって自分の心を浄化することができるのです。本当の祈りをする者は、決して人を騙すようなことはしません。祈りは人間を徹底して謙虚にし、物質欲を超越した純粋な心を養います。私たちは祈りを通じて“魂”を裸にし、最も深い安らぎとリラックスの時間を持てるようになります。日常生活での思い煩いや人間関係のストレスが一瞬にして取り除かれ、心の底からほっとする時を持てるようになるのです。(*「祈り」については7章で詳しく取り上げます。)

「霊的真理」を徹底して学びましょう

スピリチュアリストであることの第一条件は――「スピリチュアリズムの霊的真理を正しく理解している」ということです。これは当たり前のことなのですが、実際には多くの人が中途半端な理解しかできていないうちに、他人にそれを伝えようとします。“シルバーバーチを読んだ”と言っても、せいぜい1〜2回というのが大半の人たちの実情ではないでしょうか。

もちろん真理の細部に至るまで、すべて理解しなければならないということではありません。霊的真理の核心部分――すなわち「ポイントと全体像(アウトライン)を正しく理解する」ということです。この基本的で重要な内容を理解していないと、人々にスピリチュアリズムの素晴らしさを伝えることはできません。他人に語り教える前に、まず自分自身が正しく理解しておくということは最低限の責任なのです。それができないうちに伝道に走るなら、単なる“軽率な人間”ということになってしまいます。

シルバーバーチは次のように言っています。

「教えを説く者には深刻な責任があることは、ここにおいでの皆さんがご存知ないはずはありません。知識には責任がともなうことを何度申し上げたことでしょう。自分を他の人たちより高め、人を教え導きたいと思うのであれば、まずは自分自身が拠って立つ足場をしっかりと固めないといけません。徹底的に探求し試してみることを怠り、批判に身をさらすこともせずに自己満足し、本当かどうかの確信もないまま人に教えを説くようなことをしていると、その怠慢と軽率さに大きな代償を払わされる時が必ずきます。」

『古代霊シルバーバーチ 不滅の真理』(ハート出版)  p.69〜70

霊的真理を徹底して学ぶことは、伝道のためばかりでなく、何よりも自分自身のためになることなのです。真理は困難に立ち向かう勇気を与え、誘惑から身を守ってくれます。魂を高め清らかにし、パワーアップしてくれます。心を支え強くし、忍耐力を養い、広い霊的視野を与えてくれます。そして心を明るく楽天的にしてくれます。まさに「霊的真理」は、魂にとっての最強の原動力であり、霊的成長の道における闘いのための武具なのです。

スピリチュアリズム関連の本はあまりにも多く、一通り読むだけでも5年、10年とかかってしまうかもしれません。したがって“霊的人生”を歩み始めた初期には、良い本を選んで効率よく、集中的に学ぶことが必要となります。その本を何度も何度も読み返し、必要な箇所をまとめたり書き出したりすることを通して、スピリチュアリズムの真理全体に対する理解が深まっていきます。

繰り返しますが、「霊的真理」を学ぶのは単に知識を増やすためではありません。また、伝道という奉仕活動の手段としてのみ行うものでもありません。何よりも真理を知った本人が、それを実践して「霊的成長」をなすことが重要なのです。そのために霊界の人々は、苦労して私たちに真理を伝えてくれたのです。真理を学ぶについては、常に実践の観点を忘れてはなりません。実生活での実践を通して、霊的真理の理解を深めることができるようになります。真理の深遠な世界を知ることができるようになるのです。そのためには、「何を行うべきか」ということを強く意識した読み方をしなければなりません。そして自分が置かれた環境の中で、それを着実に実行に移していくことです。実践こそが霊的真理の学びの現場であり、真理を体得する一番の方法なのです。

当サークルでは、初心者の方々の霊的真理の学習のために『スピリチュアリズム入門』と『続スピリチュアリズム入門』を出版しています。スピリチュアリズムの霊的真理のアウトライン(全体像)を学習するのに相応しい入門書です。

スピリチュアリストとしての“基本的な心がまえ”を確立しましょう

祈りと真理の学習と日々の実践を通して、スピリチュアリストとしての基本的な心がまえが確立されていきます。実はこれこそが伝道の準備として、最も大切なことなのです。スピリチュアリストとしての“基本的な心がまえ”とは――「スピリチュアリズムに導かれたことへの感謝」「守護霊の導きに対する絶対的信頼」「今後の人生をスピリチュアリズムのために捧げる決心」です。

分かってみれば、スピリチュアリズムのためにすべてを捧げられることほど価値のある人生はありません。その恩恵に感謝するばかりです。こうした恵まれた人生を送れるようになったのは、再生前に自らが決心したためだけでなく、今日まで陰から献身的に導いてくれた守護霊の存在があればこそです。この守護霊への感謝と同時に、「これからも最善の導きをしてもらえる」という信頼の思いをしっかりと持つことが大切です。地上人が守護霊の導きを自覚するとしないとでは、霊界からの働きかけも大きく変わってきます。

そのうえで、手にした恵みを自分だけの喜びにとどめるのではなく、「自分の人生を最高の人助けのために捧げよう!」と決心することです。霊的真理の伝道をライフワークとする決意を固めるということです。「どのような困難や反対があってもこの道を貫く」と、心を定めなければなりません。

守護霊に対する絶対的信頼とスピリチュアリズム人生への強固な決意がなければ、困難に出会うとあっという間に挫けてしまいます。スピリチュアリストとしての基本的な姿勢が確立していないなら、何をしても意味がありません。

日々、「霊優位」の努力をしましょう

シルバーバーチは、次のような重要な内容を述べています――「あなた方の第一の目標は、一人でも多くの人々に真理を届けることです。それに劣らず大切な目標は、(中略)仕事の神聖さを自覚し、日常生活においても、最大限の霊力が自分を通して流入するように、身持ちをきちんとすることです。」『古代霊シルバーバーチ 最後の啓示』(ハート出版)  p.166〜167)

シルバーバーチは、真理の伝道は大切であるけれども、それと同じように自分自身の日常生活を正すことも大切であると言っているのです。“日常生活を正す”とは――具体的には「霊優位(霊主肉従)の努力をする」ということです。物質や肉体本能に翻弄された生活を送らないように自制する、質素で清らかな生活を心がけ、物質中心ではなく霊中心の歩みをするということです。こうしたあり方こそが、まさに「霊的真理を実践する」ということなのです。

自らが霊的新生したのちに「伝道実践」に入る

ここまでのプロセスを、すべて一人で成し遂げなければなりません。他人に頼らず、自分でするのです。それは伝道実践のための準備であると同時に、自分自身を霊的に自立させるプロセス、霊的新生させるためのプロセスとなっています。これを達成して初めて「伝道実践」に移ることができるようになります。他人に真理を伝える資格を手にすることになるのです。

こうした準備が十分でないまま真理の伝道に取りかかると、必ず失敗します。一人でしっかり神と霊界と真理に向き合い、それらとの関係を深める期間が必要なのです。祈りと真理によって、新しい自分をつくり上げなければなりません。皆さんが日常生活を真理にそってきちんと管理できるようになったとき、いよいよ伝道に入っていくことになります。

本当に優れた「読書会」――ワイワイ、ガヤガヤと議論したり自己主張するための読書会ではなく、真剣に実践することを目的とした読書会があるなら、それに参加することもよいでしょう。しかし本質的には、「伝道実践の準備はすべて自分自身でする」ということを忘れてはなりません。読書会は、あくまでも補助手段と考えるべきです。

まとめ

伝道を始める前の準備の内容をまとめると、次のようになります。

霊的真理の伝道を始める前の準備