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(5)霊的真理の普及活動における信仰と忍耐

スピリチュアリズムの伝道について、一通り学んできました。伝道では具体的に何をすべきか、どのようにしたらよいのかを理解していただけたものと思います。あとは、時期のきた相手との出会いを待つだけです。しかし実際の伝道では、期待していたような結果がすぐに出ることはほとんどありません。最高の奉仕活動をしているのに、なかなか良い人との出会いは得られません。

ここにおいて、スピリチュアリストとしての本物の信仰心が必要とされます。

“ベストの道”が進行していることを信じる

伝道の大半は、霊界サイドから進められます。スピリチュアリストは「地上の道具として、その手伝いをする」ということです。霊の道具である私たちは、霊界からの働きかけに対してあれこれと注文をつけたり、疑問を抱くようなことがあってはなりません。すべての“霊的条件”が整わないかぎり、時期のきた人との出会いは得られないのです。そのため地上サイドから見ると、いつまで経っても良い人とめぐり合うことができないように思われますが、霊界では着々と準備が進められているのです。

スピリチュアリストとしてなすべきことは――「自分を道具として用いて、できるだけ多くの仕事をさせてほしい」「時期のきた人と出会わせてほしい」と祈り続けることです。そして「今、そのための準備が霊界で着々となされ、ベストの道が進行している」と信じることです。伝道に対する純粋さと情熱、霊界の人々に対する信頼――これらがあってこそ「本物の霊界の道具」となることができるのです。

ドアを軽く押してみれば、時期のきた人かどうかが分かる

正しい伝道の進め方は、そっとドアを押すようにして真理を示したり、相手の目に触れるところに真理を置いて反応を見るということです。そして相手が受け入れられそうなときには真理を伝えるということです。

霊界の人々の導きによっていずれ、霊的真理を受け入れられる時期のきた人が皆さん方の前に現れるようになります。皆さんは、誰が時期のきた人か分からなくてもかまいません。真理をそっと示しさえすれば、その反応で時期がきているかどうかの判断がつくのです。時期のきた人は、ちょっとしたきっかけがあれば、自分の方からどんどん皆さん方に近づいてきます。

あなたの信仰と忍耐力が、必ず試される

伝道に臨む皆さん方の動機と姿勢が正しければ、霊界の人々の導きの中で、時期のきた人との出会いが訪れるようになります。いつか必ず伝道の実績が上げられるようになります。しかしその前に一度は、皆さん方の信仰と忍耐力が試されるような苦しい状況を迎えることになるのです。霊界の人々がどんなに地上人を真理のあるところに導きたいと思っていても、「霊的摂理」を無視して働きかけることはできないからです。

よく、「なかなか良い人に出会えません。何年も伝道しているのに時期のきた人に出会えません。自分は本当に伝道ができるのでしょうか?」といった質問を受けます。伝道の実績が出ない中で多くの人々は孤独を味わい、時には自信を失ってしまいます。もう自分は伝道などできないと、諦めかける人もいます。真理のレベルを下げて、世俗に迎合して人集めに走るような人もいます。しかしそんなことをしても結局は、失敗するだけです。

どのような状況にあっても、霊界の人々が導いてくれていることを信じることが大切です。目に見える実績は上げられなくても、“ベストの道”が進行していることを確信していなければなりません。霊界の人々の導きを信頼して忍耐することができるかどうかが、試されているのです。それはあなたの魂を鍛えるチャンスであると同時に、霊界の人々との絆をより強固なものにするチャンスでもあるのです。

なかなか良い人に出会えないのは……

一生懸命にやっているのに、なかなか良い人に出会えないという場合には、2つの理由が考えられます。1つは――「伝える側の動機が純粋ではない」ということです。思い当たる人は、もう一度真理を読み返し、祈り、霊の道具としての意識と決心を固め直すことが必要です。道具としての純粋さ・熱意・謙虚さが欠如していると、いつまで経っても伝道の成果は上がりません。そうした人は信仰者としてゼロからやり直すことが求められます。本章の(2)「霊的真理の普及活動を始める前の準備」を読んでください。)

もう1つの理由は――すでに霊界サイドでは伝道が進行しているのに、「相手にまだ霊的な条件が整っていない」ということです。この場合は、正しい動機に立ってこれまで通り努力を続けていけば、やがて出会いの時が訪れます。地上サイドでは分からなくても一歩一歩、その時に近づいているのです。霊界の導きを信頼し、辛抱していれば、近いうちに素晴らしい人との出会いがもたらされるはずです。

相手に真理を受け入れる時期がきていない場合には、真理を示したことで反発を招き、非難されるようになるかもしれません。しかしそうした人間も、その後の人生における苦しみの体験を通して霊性が開かれるようになると、霊的真理を受け入れる準備が整うことになります。かつては猛反発していた相手の方から、真理を求めて連絡してくるようになります。

「たとえその時は反発を覚えても、それが潜在意識に印象づけられ、ずっと存在し続け、本当にそれを必要とする時期が到来した時に呼び覚まされて活動を開始します。」

『シルバーバーチの霊訓(2)』(潮文社)  p.64

がっかりせずに相手のために涙を流す

伝道は、相手に対する最高の奉仕であり真の人助けです。いかなる財宝よりも価値のある“霊的宝”を与えることです。しかし時期がきていないかぎり、相手は霊的真理を受け入れることはできません。伝道に熱意を持つ人であればあるほど、大きな失望と悲しみを体験せざるをえなくなります。

しかしそうした時こそ真理を思い起こして「広い霊的視野」を取り戻し、淡々と歩みを進めていかなければなりません。伝道では絶えず、皆さんの“信仰心”が試されます。伝道は自分のためではなく、全人類のためにやっていることです。霊界の人々と一緒になって、全人類の救いのために行っている最高の利他愛の奉仕なのです。

したがって伝道が思うようにいかなくても、一人でがっかりしたり、絶望する必要はありません。伝道がうまくいかなかったときには、相手のことを思って、静かに涙を流してあげるのです。そして相手に少しでも早く真理を受け入れられる時期がくることを、祈ってあげればよいのです。

「訪れた人に何らかの力になってあげることができたら、そういうチャンスを与えてくださったことを大霊に感謝することです。もしも力になってあげることができなかったら、あるいはもしその人がまだ霊的に目覚める用意ができていなかったら、自分自身でなく、その人のために、ひそかに涙を流してあげなさい。」

『古代霊シルバーバーチ 新たなる啓示』(ハート出版)  p.182

「あなたが精いっぱいの努力によって、かりに成果をあげることができなくても、それはあなたが悪いのではありません。その人がまだ霊的な用意が十分でなかったということです。そんな時、せっかくのチャンスが実らなかったことに、ひそかに涙を流してあげて、またいつか、チャンスが巡ってくることを祈ってあげることです。」

『古代霊シルバーバーチ 最後の啓示』(ハート出版)  p.48〜49

たった一人でも……

最後にもう一度、シルバーバーチの次の言葉を確認しましょう。

「あなた方としては、一人ひとりが、できうる範囲内で霊的知識を広めることを心がければよろしい。自分自身が光明を見いだしたように、今度は誰か自分以外のたった一人に光明を見いださせてあげることができたら、それだけでこの度の地上生活は有意義だったことになるのです。」

『古代霊シルバーバーチ 新たなる啓示』(ハート出版)  p.186

「たった一人でいいのです。(中略)この地上において元気づけてあげることができれば、それだけであなたの人生は価値があったことになります。」

『シルバーバーチの霊訓(1)』(潮文社)  p.31

大切なことは、目に見える実績ではなく、スピリチュアリズムのため、人類のためにどれだけ真剣に誠意を尽くしたかということです。結果よりも、人々の救いを願って誠意を尽くしたプロセスこそが重要なのです。