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(4)祈りのための準備運動(霊的ウォーミングアップ)

これまでの説明で、祈りの意義や祈りをするに際しての心がまえについて理解していただけたものと思います。ここからは、具体的な祈りの方法について学んでいきます。

祈りはきわめて重要な霊的行為ですが、それには大きな困難がともないます。わずか10分間であっても、深い祈りをすることは至難の業です。本当の祈りをするためには、高い霊的領域・高い意識レベルに入らなければなりませんが、それが実に難しいことなのです。妄想が湧いてきたり、眠くなったり、意識が集中できなかったりします。そのため多くの人が祈りを継続することができず、挫折しています。まさに祈りは、高次元の“霊的修行”なのです。その厳しい修行には、霊的な準備運動(ウォーミングアップ)が欠かせません。祈りに先立って“霊的ウォーミングアップ”が必要となります。

ここでは真の祈りをするための準備運動について見ていきます。

1)祈りに先立つ霊的準備運動

祈ることができないときは、無理に祈らない

祈りを始めようと思っても、なかなか深い意識状態に入っていけないことがあります。目を閉じると、日常生活のさまざまな出来事や仕事の内容が思い浮かんできたり、人間関係のトラブルに心が占められて意識を集中することができなくなります。“霊的感覚”が広がってくるどころか、反対に“妄想”だけが頭をめぐるようになります。こんな状態では、とても祈りに専念することはできません。このようなときに無理に祈りをしようとしても、心がともなわない口先だけの語りかけ・形だけの祈りになってしまい、無駄に時間が過ぎ去ることになります。

そうしたときは、無理に祈りをしないことです。真心のこもらない偽りの祈りしかできないなら、神と自分自身をあざむくことになってしまいます。神に対して最高の誠意で臨むことができないと判断したときには、それ以上、祈りを続けてはなりません。一番の聖域を汚してはならないからです。心がともない、誠意を持って臨めるときだけ、神の前に出ていくべきです。祈りを、「神と交わる最も崇高な時間」として大切にしなければなりません。神が目の前にいて、自分に向き合ってくださっているという感覚が持てないうちは、無理に祈らない方がいいのです。

自分の心が、まだ神の前に出ていく状態ではないときには、心のレベルを引き上げ整えることが先決です。神の前に出ていくための準備(霊的ウォーミングアップ)に専念すべきです。

「祈る気になれないのを無理して祈っても、それは意味のない言葉の羅列にすぎないものを機械的に反復するだけですから、むしろ祈らない方がいいのです。」

『シルバーバーチの霊訓(7)』(潮文社)  p.205

祈りのための霊的準備運動とは

霊的な準備運動の目的を一言で言えば――「外部から霊的エネルギーを取り入れて、霊肉のアンバランスを整え、霊的意識を高める」ということです。霊的エネルギーを補充して日常意識(物質的・本能的意識)を払拭し、霊的意識のレベルを引き上げ、心を「霊主肉従」の状態にすることです。

霊的エネルギーが蓄えられると物質的意識は小さくなり、霊的意識が表に出てくるようになります。それにともない霊的な考え方が自然にできるようになります。意識の中心が根本から変化し、地上的・物質的なものへの執着心が消え去ります。そして自分が霊的存在であって、今は物質世界という仮の世界に住んでいるのだという実感が湧いてくるようになります。これが「霊主肉従」の意識状態です。こうした意識状態をつくることが“霊的ウォーミングアップ”の目的なのです。

2)霊的準備運動の具体的な方法

瞑想は、霊的ウォーミングアップの代表格

瞑想は、祈りに入る前の準備運動(霊的ウォーミングアップ)の代表格です。瞑想は、最もポピュラーな霊的ウォーミングアップです。まずは、この瞑想を身につけるようにしましょう。瞑想と言っても特別に難しいことではありません。慌ただしい日常の時間と空間を離れて物質的・本能的意識を拭い去り、静かに霊的世界に浸るということです。

「テーブルも何も用いずに何分間か、ただお二人で座って黙祷するというだけでもいいのです。言葉に出すのもいいかも知れません。が、それも必ずしも必要ではありません。心を空にして穏やかな気持ちの中で精神を統一するだけで十分です。その統一状態の中で霊の力が働くのです。そうした静かな精神状態というのが、物的生活に振り回されている騒々しさに一時的なストップをかけることになります。(中略)地上の人間は静かな精神状態を持つことの効用を十分に認識しておりません。」

『シルバーバーチの霊訓(7)』(潮文社)  p.101

日常生活の忙しさから離れて静かなところに身を置けば、少しずつ“霊的感覚”が戻ってきます。どんな唯物論者でも、たった一人で暗闇の中に数時間いるだけで、日常では経験することのない感覚を持つようになります。一人になって目を閉じれば、自然に日常意識が拭われ、別の感覚世界に入っていくようになるのです。

それを利用したのが“内観法”です。何もせずに、ただ小さな部屋の中でふすまに向かって座っているだけで、1日、2日と経つうちに日常意識が薄らぎ、内省的な考え方ができるようになります。また、宇宙飛行士が大気圏外で数日間過ごすと、内面に変化が起こってきます。「神の存在を身近に感じる」といった、これまで味わったことのない体験をすることが報告されています。さらに、罪を犯し牢獄生活を送る受刑者の多くが、外の世界との交流を遮断される生活の中で、おのずと内省的になっていくこともよく知られています。牢獄の外で自由に生活している人間より、高い心境に至っていることも珍しくありません。

このように世俗の刺激を絶つと“霊的感覚”が自然によみがえってくる事実が認識されていたため、昔から人里離れた山奥で修行が行われてきたのです。もし、霊的感覚や深い霊主肉従の状態を手っ取り早く実感したいと思う方は、真夜中、誰もいない自然の中で数時間過ごしてみることです。霊的感覚を実感できるようになるはずです。思ってもみなかった意識世界の出現に、きっと驚かれることでしょう。

「まず“静寂の時”を持つように心がけてください。日常生活の喧騒から離れた状態へ身を引くのです。」

『シルバーバーチの霊訓(11)』(潮文社)  p.56

「ほんのわずかな時間でもよろしい。時には日常的な意識の流れを止めて、まわりに溢れる霊の力に思いを寄せ、その影響力、そのエネルギー、永遠なる大霊の広大な顕現、その抱擁、その温もり、その保護を意識いたしましょう。」

『シルバーバーチの霊訓(7)』(潮文社)  p.21

「精神統一をなさることです。時には煩雑なこの世の喧騒を離れて魂の静寂の中へお入りになることです。静かで受身的で受容性のある心の状態こそ霊にとって最も近づきやすい時です。(中略)少しの間でいいのです。精神を静かに統一するよう工夫することです。」

『シルバーバーチの霊訓(2)』(潮文社)  p.18

自分に合った瞑想法を見つける

世の中には、瞑想についてのさまざまな流儀や流派があります。瞑想は、最近の精神世界ブームにともない、日常性を克服する手段として注目されるようになりました。そして日本にも多くの瞑想法が紹介されました。その中で、ヨーガの瞑想法・TM瞑想(タントラヨガの瞑想法)・ダイナミック瞑想法・イメージ瞑想法・座禅・ビジョンクエスト・気功・古神道の鎮魂法などがよく知られています。

こうしたさまざまな瞑想法の中で、どれが一番よいのかと迷った方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論を言えば、自分に合ったものなら、どんな瞑想法でもかまわないということです。何よりも自分に合った瞑想法を見つけることが大切です。自分の心を最も効果的に高めてくれる瞑想法を探して、自分のものにしておくことです。

欧米人と東洋人では、これまで培ってきた精神的土壌や気質・体質・霊的性向が異なっています。そのため東洋人に向く瞑想法と西洋人に向く瞑想法は違っています。ニューエイジや自己啓発セミナーなどで行われる瞑想法やセラピーが、必ずしも日本人に効果的とは言えません。ダイナミック瞑想法や激しいパフォーマンスをともなう瞑想法などは、西洋人向けの瞑想法のように思われます。もちろん自分にはその瞑想法が合っているという方は、それでよいでしょう。要は実際に、自分の霊的意識レベルを引き上げることができるかどうかということです。日常意識を拭い去って霊的意識を高め、神の前に出ていく準備ができるなら、どのような方法でもかまいません。

ハードロックのような激しいリズムやブリージングをともなう瞑想法は、人によっては神経の異常興奮を生じさせ、トランス状態を引き起こして“低級霊の憑依”という大きな問題を招くことになるため、避けた方が無難です。

瞑想には、チャクラに関する知識は不要

世間には、瞑想をする際には“チャクラ”に関する理解が必要であるかのように言う人がいますが、チャクラについての知識がなければ瞑想の効果が劣るというようなことはありません。そうした知識よりも、自分の霊的状態に対する感性の方がずっと大切です。“霊的感性”によって、瞑想の効果を測ることができます。今、自分の意識レベルがどのような段階にあるのか、日常意識を抜け出しているかどうか、高い霊的意識レベルに至っているかどうかを、自分の“霊的直感”というセンサーで知ることができます。

この霊的感性(直感)を持つことは、それほど難しいことではありません。自分の心を高めようと真剣に内面の闘いをしてきた人なら、自然に身につくものです。霊的感性は、より純粋な世界、より高い心境を目指す努力の結果として自動的に養われるものなのです。今、自分の霊的意識レベルがどのような状態にあるのか、自分の心が清らかな状態か醜い状態かを的確に知ることこそが重要なのです。

「チャクラについて説くことは必ずしも必要とは考えません。肝心なことは、特別な人(霊能者)に賦与されている霊的能力を発現させることです。」

『古代霊シルバーバーチ 最後の啓示』(ハート出版)  p.56

世間には“チャクラ”に関する知識の必要性を声を大にして主張する人間(一般的な心霊学・神秘学・ニューエイジ・神智学などの関係者)がいますが、「霊的事実」に照らしてみるなら、彼らが考えているようなチャクラは実際には存在しません。チャクラについての詳しい説明はここでは省略しますが、古来“チャクラ”と呼ばれてきたものの真相は、霊体と肉体の接点(霊体から肉体へ流れる霊的エネルギーの通過点)のことであり、霊的器官として固定化されたものではないのです。

CDを活用した瞑想法

スピリチュアリズム普及会では、“シルバーバーチの祈り”を日本語に翻訳した朗読CDを製作しています。それを聴けば、シルバーバーチの祈りが日本語のリズムにのって流れてきます。おそらく大半の方は、「シルバーバーチの祈りとは、これほどまでに美しいものか」と感動されることでしょう。その祈りを聴くことによって魂に霊的エネルギーが注ぎ込まれ、霊的意識が高まるようになるはずです。

どうしても一人で祈れないときには、この朗読CDを聴いてみるのもよい方法です。シルバーバーチの祈りに耳を傾けるだけで日常意識が拭い去られ、霊的意識を取り戻すことができるようになります。“シルバーバーチの祈り”を通して心を高め、シルバーバーチと一緒に神の前に出ていってください。

『シルバーバーチの霊訓』によって、高級霊の祈りに触れることができる私たちは、本当に幸いです。イエスをはじめとする高級霊たちは霊界において、シルバーバーチと同じような祈りをしていることが分かります。今この時、イエスや高級霊たちはどのような気持ちで神を意識し、神との交わりを持っているのかが実感をともなって伝わってきます。もちろん物質世界の言葉を使っての祈りとは異なり、高級霊たちの捧げる祈りはもっと深いものであるに違いありません。しかし、シルバーバーチの祈りを通して私たちは、高級霊の祈りとはいかなるものであるかを知ることができるのです。

瞑想のさまざまな補助手段

従来の宗教では、さまざまな霊的修行方法が考案されてきました。断食や水行(滝行)などの肉体行・読経行・念仏行・呼吸法・運動法(ex.ヨーガのアーサナ)といったものです。それらには実際に、日常の物質レベルの意識を振り払う効力があります。こうしたさまざまな方法を、瞑想の補助手段として取り入れるのもよいでしょう。瞑想法と自分に合った補助手段をうまく組み合わせることによって、瞑想の効果をさらに引き出すことができるようになります。

3)霊的真理の集中読書は、最高の霊的準備運動

祈りに入る前の“霊的ウォーミングアップ”について具体的に見てきましたが、その中で霊的意識を高めるための最も効果的な方法は、何といっても霊的真理(高級霊の教訓)を集中して読むことです。2〜3時間、集中して霊訓を読むことによって霊的エネルギーが蓄えられ、短時間に高い霊的意識レベルにまで心を引き上げることができるようになります。「霊的真理の集中読書」には、絶大な威力があるのです。

霊的真理の内容が心に染みわたり始めると、急激に自分の視野と感情が“霊中心”になっていきます。心に根本的な変化が生じ、物質的・本能的意識が「霊的意識」に移行するようになります。すると目を閉じるだけで、霊界の存在を感じられるようになり、神がすぐ目の前にいることを実感できるようになるのです。このようにして神に直接語りかける準備が整います。

「霊的真理の集中読書」こそ、スピリチュアリストにとって一番の心のレベルアップ法であり、最も優れた祈りの準備運動(霊的ウォーミングアップ)です。霊的真理を集中して読むことは“瞑想”そのものなのです。しかも最高の効果をもたらす瞑想法と言えます。