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(5)サークルにおける問題とトラブル

サークルは「人間関係の訓練場」

誠実なスピリチュアリストは皆、自分の足りなさを自覚し、自分の未熟さを痛感しています。そして少しでも理想に近づこうと、奮闘努力の日々を送っています。そうした「大人の霊」の集まりが、スピリチュアリスト・サークルです。

スピリチュアリスト・サークルにおけるメンバー同士の深い結びつき(霊的絆)は、メンバー各自が「霊的真理」を指針として信仰実践に励む中で築かれていきます。日常生活において生じてくる問題やトラブルを真理にしがみついて乗り越えていくことによって、メンバーとの間に強い霊的絆をつくることができるようになるのです。

「我々はこれまでに得た知識を土台とし信頼し合わなくてはいけません。基盤に間違いがないことを確信した上でなくてはいけません。そこから、ゆっくりと着実に、より高い道を目指して、手を取り合って開拓していきましょう。」

『シルバーバーチの霊訓(9)』(潮文社)  p.134

スピリチュアリスト・サークルは、まさに「高次元の愛の訓練場」です。単なる茶飲み友だちの集まりや、軽いおしゃべりサロンとは根本的に違っています。サークルは、一人一人のメンバーの人生を懸けた真剣さと、地上人類の救済を願う強い使命感が支配する場所です。

それぞれが自分の欠点を認め、自己コントロールに努め、自発的に霊的成長の道を求めるとき初めて、“霊的絆・霊的愛”で結ばれた真の人間関係ができ上がるようになります。各自が必死に克己の努力をしているときのみ、高次元の人間関係をつくり上げることができるのです。自己コントロールの努力がともなわない人間関係、理想だけに走った人間関係は、時間の経過とともに必ず破綻をきたすようになります。

スピリチュアリスト・サークルはどこまでも、自己努力を前提とする「大人の霊」の集まりです。理想を目指して絶えず努力を続けるスピリチュアリストの集まりであり、人間関係の訓練場なのです。

必ず生じる人間関係のトラブル

サークルを維持していくうえでの最大の障害は、人間関係の中に発生します。スピリチュアリズムが最高であることを受け入れた人間(スピリチュアリスト)であっても、一人一人の霊的成長レベル(霊性)は異なります。さらに性格や人生経験・育った環境・習慣も、人それぞれです。そのため各自の心の世界は全く違っており、現実問題への対処の仕方や判断の仕方もさまざまになっています。

夫婦関係を見れば明らかなように、人間は身近な関係になればなるほど相手の欠点やアラが目につくようになり、心を一致させることがとても難しくなります。これは「霊的成長レベル」の違う人間が、同一場(地球上)に住むところから生じる避けられない宿命です。それと同じことが“霊的家庭”であるサークル内においても発生するのです。

シルバーバーチは、スピリチュアリスト同士の人間関係について次のような意味深いことを述べています。

「同じ目的、同じ大義によって団結すべき人たちの中にあってすら、摩擦と誤解の犠牲となることがあります。が、たとえすべての人間が同じ仕事に従事していても、たった一つの視点から眺めるということは、所詮、無理なのです。」

『シルバーバーチの霊訓(9)』(潮文社)  p.98

「団結というのは、そう簡単には成就できないものです。命令によって強制できる性質のものではありません。理解力の発達とともに徐々に達成していくほかはありません。問題は、人類の一人一人が知的にも道徳的にも異なった発達段階にあることです。一つの共通した尺度というものがないのです。」

『シルバーバーチの霊訓(9)』(潮文社)  p.159

サークルのメンバーは“霊的家族”の一員であり、きわめて深い関係・密接な関係にあります。そして誰もが、とてもデリケートな霊的背景を背負っています。こうしたことが時として、お互いの間に不理解や摩擦を引き起こし、愛情関係に障害をもたらすようになります。スピリチュアリスト同士の人間関係であっても、摩擦やトラブルが発生することは避けられません。

「子供の霊」のままでは、サークルの人間関係は維持できない

恋愛感情に身を任せ、結婚に至ることは何も難しいことではありません。それは「肉体本能」に支配された行為であるからです。しかし恋愛感情が冷め、相手に対して嫌気がさすようになってから夫婦関係を維持していくには、たいへんな苦労がともないます。もう一度、ゼロから夫婦愛を築き直すのは並大抵のことではありません。男女それぞれに、利己的感情をコントロールして利他的意識を高める厳しい努力が要求されるようになります。考え方を根本から改め、新たに生まれ変わろうとしないかぎり、できることではありません。

これと同じように「スピリチュアリスト・サークル」という密接でデリケートな人間関係を維持するためには、メンバーの一人一人が自分自身に厳しさを課すことが不可欠です。安易に他人に頼ったり、他人からの援助を期待したり、自分の感情をすぐに表に出すような自己中心的な人間は、サークルでの人間関係を維持することはできません。そうした子供じみた者は、自分の人間性の未熟さを自覚して霊的自立を果たすために、さらなる孤独と苦しみを体験する歩みが必要となります。「子供の霊」のままでは、スピリチュアリスト・サークルの一員となることはできないのです。「大人の霊」になるための、厳しい克己の努力が求められます。

寛容性が、「大人の霊」としての証明

人間関係にトラブルが生じたときには、どちらか一方の人間が「大人の霊」として自分の心を高いところに置き、“寛容さ”と“忍耐”を持って相手に接することが必要です。もし、一方の人間が寛容性を持つことができるなら、決定的な分裂状態に至るのは避けることができます。寛容性という「大人の霊」としての内容が、人間関係の分裂を回避させる最大の秘訣です。

お互いが低いところに立って自己主張を繰り返すなら、人間関係はたちまち暗礁に乗り上げてしまいます。「子供の霊」同士の人間関係は、必ず破綻します。“自己主張”は、子供の霊の特徴です。サークルでの人間関係を維持するためには、自己主張ではなく「霊的真理」に基づく真の謙虚さと寛容さが必要とされるのです。

寛容性を持つ努力は、高次元の霊的修行

シルバーバーチはスピリチュアリストに対して、次のようなアドバイスをしています。

「人間の集まるところには必ずトラブルが生じます。(中略)それは致し方のないことです。幸いにして自分の方が進化の階梯の高い位置にいる人は、自分より低い位置にいる人に対して、同情と、寛容と、理解のある態度で臨むべきです。」

『古代霊シルバーバーチ 新たなる啓示』(ハート出版)  p.152〜153

「真実の同胞関係というのは、お互いの意見が完全に一致しなくても愛し合えるということです。」

『シルバーバーチの霊訓(9)』(潮文社)  p.191

人が集まるところでは、魂の成長レベルや性格の違いから必ず問題が生じるようになります。そのときは双方の人間が「霊的真理」に立ち返って、自分自身の心を真理にそわせる努力をすることが大切です。“謙虚さ”と“寛容さ”を持とうとする内面的努力が必要とされます。そうした努力をすることなく感情の赴くままに振る舞うなら、せっかくのスピリチュアリスト・サークルも空中分解してしまいます。「子供の霊」ばかりのスピリチュアリストの集まりは、この世の人間関係と何も変わりません。

スピリチュアリスト・サークルでのより良い人間関係を築くための努力は、地上世界における最も厳しい霊的修行です。それは「大人の霊」としての資質を、さらに高めるための歩みです。“寛容性”を持つための努力は、まさに真実の愛を身につけるための修行であり、高次元の霊的修行なのです。