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3.宗教組織による洗脳と、棄教・改宗の難しさ

(1)宗教組織と宗教活動を支える洗脳

――洗脳の成否が、教団の拡大・発展を決定

宗教組織の形成

大半の宗教が組織をつくって教団を形成し、宗教活動を展開しています。そうした教団の多くが、神の啓示やインスピレーションを受けたとされる「教祖(創始者)」から始まっています。

教祖は普通の人間が持っていない霊能力や神秘力・超能力を発揮して人々を惹きつけ、崇拝され、神格化されるようになっていきます。教祖の周りには救いや利益を求める人間が集まり、その数が増えるにともない、彼らをまとめるために組織化が必要となります。こうして「宗教組織(教団)」が形成されることになります。

教祖・教義・儀式・布教――宗教組織の4つの要素

いずれの教団(宗教組織)も自分たち以外の宗教との違いを明確にして、差別化をはかろうとします。そして自分たちの教団が優れていることを示すために、教祖の教えを中心として「教義」をつくるようになります。教団の拡大とともに教義を記した書物は「聖典」と称されるようになり、それが教団の理念・指針になります。教団の教義は、神から与えられた神聖な教えとされ、人類が等しく受け入れるべき“救いの言葉”と見なされるようになります。

こうして教団は独自の教義を持つと同時に、それに基づく「儀式」をつくり上げます。儀式は、神と通じるための宗教的行為であるだけでなく、組織に属するメンバーの心を一体化させるためのものであり、教団の信者にとって不可欠な実践内容とされます。そのため教団は儀式をきわめて重要視し、教団内では儀式を守ることが信仰者の証とされ、それを行わない者・怠ける人間は教団のメンバーとしては失格と見なされます。

さらに教団では、新たな信者の獲得と組織拡大のために、外部に向けて積極的に「布教活動」を展開します。布教とは、自分たちの教団の教義を広く世間に普及することで、それに携わる信者にとっては「人類を救う奉仕活動に参加する」と同時に、「教団に貢献する」ということになります。

地上の宗教組織(教団)では、今述べたように「教祖(創始者)」と「教義」と「儀式」と「布教」がセットになっています。これらは宗教組織を形成するための絶対条件と言えます。歴史上、大きな影響力を保持してきた伝統宗教をはじめ、戦後に勢力を拡大して注目を集めるようになった新興の宗教団体、また最近のカルトと呼ばれる宗教グループや新宗教のいずれにも、こうした教祖・教義・儀式・布教が存在します。

宗教組織のあらゆる活動に関わる“洗脳”

実は、こうした宗教組織(教団)としての営みのほとんどに“洗脳”が関わっています。地上のほとんどすべての宗教組織は洗脳によって信者を動かし、洗脳によって支えられ、その活動を展開しています。洗脳という手段なくしては、宗教組織を維持していくことはできないようになっているのです。「宗教組織としての活動は“洗脳”によって支えられている」と言っても過言ではありません宗教組織による“洗脳”がどのようなものかについては、この後で詳しく見ていきます)

洗脳をいかに上手に利用するかによって、宗教組織(教団)の発展・拡大が決定されます。そのためいずれの教団も、洗脳を上手に進めるために心血を注いでいます。洗脳を強力に、そして巧妙に推し進めることができる教団は信者を増やし、勢力を拡大させることが可能となります。それに対して強烈な洗脳ができない教団は信者が減少し、衰退していくようになります。